V41.十文字山と花見ドライブ

1.動 機
シモンHPのリストには笠間に小さな低山が数多く載っており、制覇しようと今年になって3度も笠間に足を運んだが、まだ十文字山という山が残っていた。地形図にも道路地図にも山名の表示がなく、山行記録も見当たらない。北山公園の中にある山であることは確かなので、花の時期にでも登ってみようと後回しにしていた。今回、土地の人に聞いたところでは、「昔の地図には現在教育研修センタの建物が建っているところに十文字山と表示されているが、生まれてから40年ここに住んでいるが十文字山という山を聞いたことはない」とのこと。今は消滅した山のようだ。
桜の開花が気になって、山登りとどちらが主か分らないが、道すがらあちこちの桜の名所(阿弥陀寺、唯信寺、光明寺、完全寺、大戸の桜、六地蔵尊、阿漕ヶ浦)にも立ち寄って、綺麗な桜の花も楽しんできた。。

2.データ
a)山域:十文字山(110.5m)
b)登山日:2008/04/02(水)晴
c)コースタイム:
日立自宅 9:30 = 9:55 阿弥陀寺 10:00 = 10:45 内原カタクリの里 11:00 = 11:25 北山公園 14:25 = 14:30 唯信寺駐車場 ----14:30 唯信寺 14:35 ---- 14:35 光明寺 14:40 ---- 14:45 完全寺 14:50 ----14:55 唯信寺駐車場 = 15:30 大戸の桜 15:40 = 16:10 六地蔵尊 16:25 = 17:05 阿漕ヶ浦 17:30 = 18:00 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「笠間」

3.山行記録
1)阿弥陀寺
急ぐ行程ではないので、我家をゆっくり発車して、先ず、R349沿いにある那珂町の阿弥陀寺に立ち寄った。阿弥陀寺からの細い道からどんどん車が出てくるので、「さては満開か」と期待したが、お寺の前まで入ると枝垂桜は黒い枝を垂れ下げており、枝先にちらほらと数輪ずつ花を開いているだけだった。親鸞上人像とお寺を遠景にして、枝先だけの写真を撮った。
(阿弥陀寺の枝垂桜)
(親鸞聖人像)

2)内原カタクリの里
阿弥陀寺の桜の開花がまだまだの感じだったので、和子は「もう引き返そうよ」と言い出した。「来週は忙しいから十文字山には今日登るしかないよ」と説得して、次に、内原のカタクリの里に立ち寄った。
ここは小川の向こうの斜面に咲いているカタクリの花を柵越に眺めるので、花に近付いて見ることが出来ないのが難点だ。保護や手入れが良いので一面に咲けば結構楽しめるのだが、花は陽が当たっているところだけにポツポツと開いているだけで、日影ではまだ蕾の状態だった。近所のおばさん達が開いている出店で安い野菜を買いこんで次の北山公園に向かった。
笠間の大田町に入り、北山公園に向かう道を登っていくと桜並木が続くのだが、残念ながらここの桜もやっとほころび始めたところだった。5分咲き程度に花を付けた木があったので、車を停めてシャッタを押した。
(内原カタクリの里)
(北山公園への桜並木)

3)北山公園と十文字山
北山公園入口の駐車場に車を入れて、蕎麦屋に入ってそばとうどんの昼食をとった。山歩きでこんな食事はめったにないことだが、手打ちの麺はなかなか美味しかった。
蕎麦屋で十文字山について聞いてみると、まかないさんも板前さんも「聞いたこともない」とご存じなかったが、後で女主人が古い地図帳を持ってきてくれた。国土地理院の地形図に教育研修センタが建っているところに十文字山112mの表示があった。平成になってセンタを建てたときに、三角点を今の110.5mの位置に動かしたのだと合点が行った。聞けば「40年もここで暮らしているが、ここら一帯を北山と呼んでいて、十文字山という山の名前は聞いたことがない。この地図で十文字山という名前を見たことがあり、頭に残っていただけだ。」とのこと。
今は十文字山という名前の山は存在しないようだが、110.5mの三角点にタッチすることをもって十文字山に登頂したことにする。

11:25 北山公園入口駐車場----蕎麦屋----白鳥湖周回----休憩所---- 展望台----十文字山三角点----14:25 北山公園入口駐車場= 14:30 唯信寺駐車場 ----14:30 唯信寺 14:35 ---- 14:35 光明寺 14:40 ---- 14:45 完全寺 14:50 ----14:55 唯信寺駐車場
(十文字山へ歩行ルート)

蕎麦屋の下が白鳥湖だ。湖畔散策路に下りて湖畔を一周した。県から白鳥を貰い受けて大事に育てているとの看板があったが、もう北国に旅立ったのか、白鳥の姿はなかった。代わりに、カモやオシドリ、アヒルなど色々な水鳥が泳いでいた。
何箇所も分かれ道があったが、忠実に湖の岸辺に沿う散歩道を歩いた。白鳥湖は細長い岸の出入りの大きい湖である。対岸の出っ張りに着くと、さっき歩いた道がすぐそこに見える。それでも殆ど平地の整備された散歩道は、いつもの藪漕ぎや岩場がある山歩きと違って、脇見も自由、こんな散歩も時にはいいねと話しながら、亀の甲羅干しを眺めたりしながら、湖の周りをゆっくりと歩いた。靴も山靴ではなくて軽いスニーカだ。
(白鳥湖の水鳥)
(亀の甲羅干し)

白鳥湖をほぼ一周すると、車道に出る直前で散歩道は北に向かった。沢沿いに歩いて行き、水車小屋の先で一旦車道に上がるとその先に新池の湖面が見えた。
こちらの湖岸には散歩道沿いに桜祭りのぼんぼりが続いており、歩く人の数も多くなった。黄色いスイセンの花が彩りを添えていた。
(北山公園散策路)
(新池周りのスイセン)

高台にレストランや売店のある立派な休憩舎があり、トイレを借りる。ここで尻敷を借りて、向かいの斜面にある長いローラ滑り台を滑る子供達の歓声がここまで聞こえていた。
休憩舎から湖畔に下りると、ロープで囲った小さな区画の中に、カタクリが可憐な花を咲かせていた。
その先は湿生花園になっていて、始めはアヤメ菖蒲園で緑の葉が出ているだけだったが、その先にはミズバショウが白い花を咲かせていた。株が整然と並んでいていかにも人工で植栽している感じになっているのが気に入らないが、新鮮な白い花はやはり綺麗だった。
(カタクリ満開)
(湿生花園のミズバショウ)

ミズバショウ園で対岸に回り、ローラ滑り台脇を丘に向かって登っていくと、高い展望台があった。最初はここが十文字山だと思っていたところだが、長い階段を登って展望台に上がると360°の好展望だった。太平洋から水戸市街、風神山から高鈴山、反対側には愛宕山、加賀田山、難台山、吾国山、加波山の山並みが見事で、先月登ったばかりの山内山や高峠が意外と目立つ姿で見えているのに二人で喜び合った。
展望台を下りて山道を下ると、教育研修センタへの車道にでた。研修センタの馬鹿でかい建物の前を通り過ぎて行き、ポケナビでこの辺に三角点があるはずと、左手の高みの藪の中に入った。しばらく藪を漕いでいると、藪が尽きたところにはっきりとした踏跡があり、その先に三角点があった。万歳!これで十文字山に登ったことになる。
車道を少し進んだところから、破線の道らしき踏跡に入り込んだ。篠竹の刈り払いあとがあったり、スニーカには少しきつい道だったが、最短距離で駐車場所に戻ることが出来た。
(展望台へ)
(十文字山三角点)

4)唯信寺
駐車場所に戻って車に乗り、宍戸駅方向に走ると、途中、唯信寺の看板のところで係員が車の誘導をしていた。桜祭りは5日からのはずなのに、平日でも誘導員をおいているということは、もう枝垂れ桜が咲いていると言うことに違いないと期待が高まる。
満車に近い駐車場に車を置いて、唯信寺の境内に入ると小さな枝垂れ桜が満開で、その前でみんな記念撮影をしていた。入口にある大きな枝垂れ桜の方はまだ花は開いていなかった。
(親鸞上人像と小枝垂れ)
(唯信寺の大枝垂れ)

5)光明寺
すぐ隣の光明寺には2本の大きな枝垂れ桜があった。どちらも大木で7分咲き、なかなか綺麗だった。
(光明寺左横の枝垂れ)
(光明寺入口の枝垂れ)

6)完全寺
少し離れたところに完全寺というお寺があるらしく、皆さんぞろぞろと歩いていく。このお寺のことは知らなくて初めてだが、1本の立派な枝垂れ桜の木があった。何のためだか分らないが境内一面に鉄板が敷いてあり、立ち入り禁止のロープが張ってあって、警備員がついていた。近づけない不満がないではないが、満開に近い大きな枝垂れ桜は見応えがあった。樹齢を聞かれた警備員は「樹齢は分らないが移植後140年」と応えていた。今回一番の眺めだった。
(完全寺の大枝垂れ)
(完全寺の大枝垂れ)

7)大戸の桜公園
次は旧茨城町大戸の桜公園に向かった。幼稚園前の駐車場に車を停めていると、「先週見に来て、まだ蕾だったので来てみた」という仕事中らしい男性が階段を駆け登っていったが、「ソメイヨシノは遅いんだな」と言いながら去っていった。公園回りの桜の木はまだ小さく、花もまだ2部咲き程度で見応えがなかった。少し離れたところにある普岸寺前にある2本の桜の大木もやっと色づき始めたところだった。
(大戸桜公園のソメイヨシノ)
(大戸普岸寺の大サクラ)

8)六地蔵
次はR6バイパスに出て北上、R51に曲がってすぐの所から六地蔵寺に向かった。二人の警備員が駐車場の整理をしており、ここも満車に近く、大勢の人が三脚を構えたり、記念撮影をしたり、線香を供えたり、それぞれに楽しんでいた。ここの枝垂れ桜は樹高は低いが枝を広く広げて、いまや盛りと咲き誇っていて綺麗だった。
(六地蔵の枝垂れサクラ)
(六地蔵尊)

9)阿漕ヶ浦
予定はここまでだったが、帰途のR245を走っているうちに、東海村に近付いて阿漕ヶ浦に立ち寄ってみたくなった。もう5時を過ぎていたので、駐車場は殆ど空で、屋台は店をたたむ準備をしていた。
ここの桜は列食されたソメイヨシノのトンネルが魅力である。全体的にはまだ3分咲き程度だが、ところによっては7分咲きの木もあり、花見を始めても良さそうだった。球技場脇には桜はないが、コブシ、トサミズキ、キブシ、ユキヤナギなどが咲いていて、これはこれでとても綺麗だった。
(阿漕ヶ浦入口)
(運動場脇のサクラのトンネル)

少し時期が早すぎた花見ドライブだったが、完全寺や六地蔵では満開に近い花を楽しむことができ、帰りは明るい話題を乗せたドライブになった。




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