V52.飛竜山・雲取山・鷹ノ巣山
(三条の湯から登って石尾根を下る)

1.動 機
雲取山には2004年5月に賑やかな同期の皆さんと三峰から登って鴨沢に下ったが、和子はこの時風邪をこじらせて参加できなかった。石尾根を歩くことでリベンジを考えていたのが今回やっと実現し、1日目お祭りバス停から歩き始めて三条の湯に一泊、2日目飛竜山と雲取山に登って雲取山荘泊、3日目七ツ石山−鷹ノ巣山と石尾根を歩いて奥多摩駅まで歩きとおした。

2.データ
a)山域:飛竜山(2077m)、雲取山(2017m)、七ツ石山(1757m)、鷹ノ巣山(1736m)、六ツ石山(1479m)
b)登山日:2008/05/26(月)晴、27(火)晴、28(水)晴後曇
c)日程:
5/26(月):大甕駅発=奥多摩駅=お祭り----三条の湯(泊)
5/27(火):三条の湯----北天タルミ----飛竜山----雲取山----雲取山荘(泊)
5/28(水):雲取山荘----東巻道----小雲取山----七ツ石山----鷹巣山----六つ石山----奥多摩駅=大甕駅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「丹波」「雲取山」「奥多摩湖」
(お祭り−三条の湯−飛竜山−雲取山−石尾根−奥多摩駅の歩行ルート)


3.山行記録
(リベンジコースの計画)
同期会と同じコースでは面白くないので石尾根を下ろうと考え、石尾根を雲取山から奥多摩駅まで一挙に下るのはきつそうなので2日に分けて歩くことにし、1日目三条の湯泊、2日目は雲取山から鷹巣避難小屋泊まり、、3日目鷹巣避難小屋から奥多摩駅までゆっくり下る計画だった。この計画で仲間を誘ったが日程調整が上手くいかず延び延びになってしまい、今回は単独で登ることにした。ところが和子が今となっては寝袋や食料を担ぐのは嫌だと言い出し、雲取山荘に泊まって頑張って石尾根を一日で下ってみることにした。日立を朝出ると三条の湯泊まりが限界、次の日三条の湯から雲取山荘まで歩くだけでは時間が余るので、地形図を眺めて雲取山の少し西に雲取山より少し高い飛竜山を見つけて寄り道することにした。

1日目:お祭りから三条の湯
大甕駅発7:26=9:11上野駅9:14=9:20神田駅9:22=10:47青梅駅10:56=11:35奥多摩駅(昼食)12:40=バス=13:20お祭り13:25----14:35後山橋14:40----15:45林道終点15:50----16:20三条の湯(泊)

家を出て大甕駅に向かいながら、大事な膝サポータを忘れてきたことに気がついた。今回の長い石尾根をサポータ無しで歩き通せるかどうか極めて心配だが、一電車遅らせるのも刻限までに三条の湯に着かないので問題だ。まあどうにかなるだろうと予定通り7:26発のひたち12号に乗った。電車の中で朝弁当を食べ、上野駅で山手線に乗り換え、神田駅で下りると丁度入ってきた青梅行きの快速電車に間に合った。快速電車はガラガラ、青梅駅で奥多摩行きに乗り換えても座席がやっと埋まる程度。これも途中駅の日和田や御嶽で殆どが下りてしまい、奥多摩駅で下りた人は数えるほどだった。以前に比べて奥多摩への観光客は減っているのだろうか。
最終日の着替えをコインロッカーに預けて、駅前の食堂で昼食をいただき、観光案内所の資料を貰って丹波行きのバスに乗り込んだ。ダム湖周りの曲がりくねった道を結構な速度で走るバスは、始めは満席で賑やかだったが奥多摩ダムあたりで殆どが下りてしまい、お祭りで下りたのは私達二人だけだった。
身支度をしてすぐに歩き始めた。気温は26°少し歩くとすぐに汗ばんでくる。バス停から先に数分歩いたところに後山林道の入口があり、三条の湯まで10kmと表示があった。入口だけが舗装路ですぐに未舗装になったが路面はきれいに手入れされていた。
30分も歩いたところに通行止めの立札が立ててあった。陥没のため通行止めにして補修工事を行っていたらしく、それが丁度終了して監視中の段階らしい。林道は東京都水道局の管理で、保守工事は何箇所かでまだ進行中だった。その先で工事中の作業者に今日の登山者の数を尋ねたら、「歩いていった人はいないよ」とのこと。この林道を歩く人は少なく、みんな車で入るらしい。林道を歩いている間にも下ってくる車に数台出合った。
(後山林道入口))
(林道は開通していた)

左に沢の音を聞きながら、緑滴る林道歩きは気持ちがいい。道端にはウツギやノリウツギの白い花が賑やか、とことどころに黄色いキケマンなどが彩りを添え、頭の上にはフジやヤマツツジも咲いていた。
(ウツギ)
(ノリウツギ)
(フジ)
(清流)

林道終点近くに駐車場があり、まだ3台の車が停まっていた。駐車場から5分歩くと林道終点になり、登山道が沢に向かって下っている。沢を鉄製の橋で渡ってから沢沿いの登り道になるが、綺麗に整備された道で勾配も大したことはなく、林道が少し道幅が狭くなっただけのこと、「山梨の森林百選」の広葉樹の緑も綺麗で気持ちよく歩ける。斜面の草木が鹿の食害にあって丸裸になっており、いたるところ土砂崩れのための土留めや柵作りがしてあった。
目の上に三条の湯の建物が見えてくると、沢の畔に温泉水取り込みのためのポンプ小屋があり、これを見ながら木の橋を渡ると三条の湯への急斜面になる。ジグザグに登っていくと、下ってくる登山者らしいご夫婦二組に出合った。林道終点まで車で入れば、雲取山も日帰り登山が可能なのだ。
受付には若い管理人さんが一人だけいた。今日の宿泊者は、男5人、女3人、合計8人だけで、案内された「三ツ山」の小屋は50畳もある大部屋だった。今日は人数が少ないので湯船は一つだけで男女時間制だが、早速、温泉に入って汗を流した。
夕食はウド、コシアブラ、フキ----と山菜のオンパレード。ビールと一緒に美味しく頂いた。管理人のお兄さん、なかなかの話し好きで食事の間中いろいろな話をしてくれた。「東京都は鹿駆除を決めて、肉の検査システムも確立したので捕獲が進んでいるが、山梨県では検査がなく鹿肉を売りに出せないので駆除が進まない」「昔は250人ものお客を泊めたこともあるが、年々客足が減っている。今は土曜日も大したことはない」などなど。
電力は水力発電のようで、夜間のトイレや水場の照明は明るく、トイレも水洗バイオで匂いなし、便座も洋式で言うことなし、バンザイ。
同宿者のうち、一人の男性は静かなお方、もう一人は探鳥がご趣味、二組の埼玉のご夫婦は、今日秀麗富嶽十二景の奈良倉山に登ってきて、明日は私達と同じ飛竜山に登ってサオラ峠に下るとのこと。頼りになりそうだ。
(林道終点)
(三条の湯)


2日目:三条の湯−飛竜山−雲取山−雲取山荘
三条の湯6:35----8:50北天のタル9:00----9:40飛竜山9:55----10:40北天のタル10:45----11:20(昼食)11:50----12:45狼平----13:30三条タルミ13:40----14:15雲取山14:40----14:50富田仙人レリーフ----15:05雲取山荘(泊)

朝起きると外は快晴、鳥好きの男性は小屋の外でカメラを三脚に載せて盛んに聞き耳を立てていた。5時半からの山菜メインの朝食を頂いて6時35分最後に出発した。
苔むした倒木が散乱する急斜面をジグザグに登っていく。斜面にはところかまわず”けものみち”が出来ており、ササも何もかも鹿の食害にあったらしくて丸裸、ハシリドコロだけが元気に育っている。
トラバース道まで上がると、道の近くの笹が綺麗に葉を落としてあって歩きやすい。刈り払いされているのだと思ったら、葉先だけがない。これは鹿の食害ならぬ食益らしい。
(三条の湯前を出発)
(道端の笹は鹿食害)

尾根の東側を登っていた登山道が西側に回りこむと、始め道志あたりの山々、更に歩くと富士山が樹間に見えてきた。朝早くはすっきりと見えて美しい。やはり富士山が見えると元気が出てくる。バンザイ!
やがて目指す飛竜山も見えてきて、何度か沢を渡って北天のタルに着く。2組のご夫婦がお休み中だったが、目の前に広がる山々の名前を教えてもらう。やがて入れ替わりに出発していった。雲取から七つ石、鷹巣にかけての石尾根の峰々を眺めながら一休みした。
(富士山)
(飛竜山)

一休みしてザックをここにデポして飛竜権現への道を進んだ。ここも急斜面に作られた登山道で、石垣で補強された道や木の回廊が何度も出てくる。
(木道)
(石垣)

道沿いにはシャクナゲの木が多く、まだ硬い蕾が多かったが、今にも開きそうな真っ赤なものもあった。回廊の脇の崖にはハクサンコザクラがところどころ咲いていた。場所が場所なので鹿にも食べられないで済んだのだろうか。
(シャクナゲ)
(ハクサンコザクラ)

30分も歩いたところにテープがあり、右斜面に踏跡が登っている。薄い踏跡を辿って稜線まで上がると尾根道が山頂に向かって通じている。三角点のある山頂はすぐだった。二組のご夫婦が先着済みで、山頂標の前でシャッタの押し合いをした。写真を撮った後、二組さんは飛竜権現に向かって下っていった。
(飛竜山山頂にて))
(稜線の道))

展望は余り良くないと諦めていた山頂から富士山が見えた。気のせいか今までよりも大きく見えて嬉しかった。
(飛竜山頂から富士山展望)

さらに、今日これからの雲取山までの稜線や、明日の鷹巣にかけての石尾根が延々と伸びているのが見渡せた。これから大変だなあ。
(飛竜山頂から石尾根展望)

三角点の標高は2069.1mで、最高地点は100mほど先にあり2077mである。ここまで足を伸ばしてから引き返し、下りは稜線上の尾根道を辿ってみることにした。一部踏跡がはっきりしなくなり藪漕ぎのところもあったが、ミネザクラが咲いていたり、シャクナゲの花が開きかけたものがあったり、結構楽しめた。
(ミネザクラ))
(シャクナゲ))

次のピークに登ると東側の展望が開けたところがあり、北岳、仙丈、甲斐駒の南アルプス、国師岳、甲武信の奥秩父の山々が展望できた。
(下山途中の尾根から南アルプス展望)

尾根を右へ右へと辿っていたら、飛び出したところは北天のタルよりも大分手前だった。まあ、南アルプスを展望し、開いたシャクナゲも見たのだからと満足することにした。

北天のタルで一休みして三条タルミへの道に入った。ここあたりで左足に違和感を覚えだし、三ツ岩や三ツ山の稜線歩きは敬遠してひたすら巻道を歩くことにした。この巻道も木道など良く整備されていて歩きやすくなっていた。ところどころ真新しい倒木が横切っていて、乗越えたりくぐったりもしたが、道傍には色々な花が咲いていて目を楽しませてくれた。
(イワウチワ)
(ハクサンコザクラ)
(オオカメノキと木道)
(アセビ)
(ミヤマカタバミ)
(バイカオウレン)

途中、休憩を兼ねて尾根筋の木陰に入り、三条の湯謹製の弁当を食べた。尾根筋の道は巻道ほどは整備されていない様に見えた。
一面コケが生えた狼平を過ぎ三条タルミで休んでいると、何組ものグループが雲取方向から降りてくる。今は午後1時半、林道終点から日帰り登山の人が下る時間帯のようだ。
ここから雲取山への登りが思ったよりも長かった。私の膝はチクチク始まるし、和子はしょっちゅう立ち止まっては深呼吸していた。
(狼平))
(雲取山へのきつい登り))

ピークに上りつくと山梨百名山の標柱が立っていたが、ここは避難小屋のあるところ、山頂はもう少し先だった。空が霞んできて富士山やアルプスは見えなくなっていたが、展望自慢のこのピークから、歩いて来た飛竜山からの稜線を振り返って感慨に浸り、長い石尾根を展望して明日の覚悟を新たにしてから山頂に向かった。
三つの三角点標石がある山頂には数人が休んでいて、山名板の前でツーショットのシャッタを押してもらった。
(避難小屋峰)
(三角点峰)
(飛竜山からの稜線)
(石尾根展望)

途中、鎌仙人富田治三郎さんのレリーフに立ち寄ってから雲取山荘に入った。今日は思いがけず土曜日並みに70名の予約客があるとのことで、二人だけの管理人さんは受付や食事の用意で大忙しだった。団体を引き連れてきた若いリーダが旧知の仲のようで、お手伝いをすると言っていた。
貸切でなくて申し訳ないと言われて指定された部屋は、8畳に二夫婦だけとのこと。真ん中に暖かくなっている炬燵があり、布団はこれを囲んでゆっくり敷くことが出来そうだ。
夕食前に前庭のベンチに座って、流れっぱなしの冷たい水で冷やしたタオルで膝のアイシングをして養生した。隣で仲良く話し合っていたのが同室のご夫婦で、定年になったばかりの神奈川の在、今日は鴨沢から登ってきて明日同じコースを下るとのこと。色々と山談義に花を咲かせた。
18時からの夕食を頂いてから、そろそろ日没の時間。二夫婦揃ってあちこち絶景ポイントを探しながら歩き回ったが、神奈川さんはキャンプ場、私は食堂の窓からが最終ポイントになった。
(雲取山荘泊)
(日没)

神奈川さんは「夫婦で百名山」を目指していて、車で全国を走り回って百名山のピークハントに励んでいるところで、3年間は他の山には登る予定はないと熱く語っていた。定年後に百名山達成するにはこれぐらいの気概が要るのかと思い知らされた夜であった。


3日目:雲取山荘−石尾根−奥多摩駅
雲取山荘6:00----東巻道(停滞30分)----7:05主尾根----7:10小雲取山----8:15七ツ石山8:30----10:15鷹ノ巣避難小屋----10:45鷹巣山(昼食)11:25----12:55六つ石山13:10----15:00林道----15:50奥多摩駅16:00----16:05日帰り温泉17:05----17:10奥多摩駅17:21=17:57青梅駅18:14=19:26神田駅19:30=19:36上野駅20:30=22:06大甕駅

4時過ぎに起床して日の出を待つが、上天には星が見えるがあいにく地平線近くは雲がたなびいている。すっきりとした日の出は拝めない。部屋の窓を開けてシャッタを押した。
5時からの朝食をとって、膝の養生をして6時に出発した。私の膝を心配して雲取山頂は割愛して東巻道を歩こうと和子が言い出し、朝食前に日の出を拝みに山頂に登った人の話では「富士山がかすかに、南アルプスはぜんぜん」との報告だったので私も反対できない。田辺重治さんのレリーフの先で脇道に入った。
(日の出)
(田辺重治のレリーフ)

脇道は苔むした原生林の中をトラバースする気持ちのいい道、最近強風が吹いたのだろうか、ここにも真新しい倒木が沢山あった。倒木もほとんどがキチンと切り刻んで処理されており、あまり邪魔にはならなかった。
20分歩いたところで、注文した弁当を受け取らないで来た事に気がついた。ここまで来たら諦めて非常食で間に合わせようかと思ったが、元気な和子はザックを置いて引き返して行って弁当を受け取って30分で帰ってきた。私はゆっくりと記録の整理をしながら待っていた。
(東巻道を辿る)
(倒木多し)

雲取の尾根道に入ると数人のグループが下ってきており、向かいには富士山が見え、南アルプスもかすかに見えている。やっぱり主稜線の道は広くて展望も良くて気持ちがいい。
(富士山)
(主稜線)

満開の大きなミツバツツジの木があり、飛竜山を入れてシャッタを押してみる。その先の曲がり角が小雲取山で富田新道の案内があったが、石尾根縦走路の歩きにくいザレた急坂をジグザグに下った。
(ミツバツツジと飛竜山)
(小雲取山からの荒れた下り道)

急坂を下るとまたなだらかな気分のいい道になり、奥多摩小屋の前では大勢が展望を楽しんでいた。喧騒をやり過ごし、ヘリポートも通過して七ツ石山へのブナ坂の登りに入った。巻道を往復したのが応えているのか、和子はペースが上がらない。
広い山頂に上がると展望が良くて気分がいい。お八つを食べながら、かすかに見える南アルプスの山名同定をしながら休憩した。飛竜山と雲取山の間の三ツ岩、三ツ山のポコポコがはっきりと見えて、昨日をあの稜線に挑戦しなくてよかったなと今更のように思った。
(七ツ石山へのきつい登り)
(七ツ石山山頂))
(七つ石山頂から飛竜山−三ツ岩−三ツ山−雲取山)

七ツ石山を下ってから鷹ノ巣山との間に、千本ツツジ、高丸山、日蔭名栗のピークが続くが、膝を心配して全部巻道を歩いた。巻道の両側にはツツジの木が続き、もう少し経てば正にツツジのトンネルになりそうだった。
鹿が食べないマルバタケブキが繁茂しており、その中にワラビが芽を出していた。ところどころで寄り道してはワラビの収穫にも精を出したので、歩行ペースは急速にダウンした。緑滴る登山道を一人の男性が「この道は気分がいいですねえ!」と言いながら快足で追い越していった。
(千本ツツジからは巻道を歩く)
(マルバタケブキの中にワラビ)

日蔭名栗を巻いた後、尾根道と合流して少し登ると立派な鷹巣避難小屋があった。その先でまた巻道分岐があり、若いご夫婦が登ってきて元気に挨拶を交わしたが、鷹ノ巣山はピークハントしておきたいので今度は急坂の登りにかかった。
ここが今日一番の登りだった。ところどころミネザクラやツツジが咲いていたり、後には雲取までの稜線が見えたり、眺めは良いのだが、登っても登っても山頂は見えてこない。
(鷹ノ巣避難小屋)
(鷹巣への長い登り)

山頂に着くと、丁度稲村尾根から一人の男性が上がってきて「千本ツツジのツツジはどうだった」との質問、「やっと咲き始めたところで、ミツバツツジがチラホラ」と答えると、がっかりした御様子で千本ツツジに向けて下っていった。
広々とした山頂で弁当を広げて大休止にした。南の展望が開けているのだが、食事をしている間にだんだんと雲が厚くなってきて、すぐ近くの御前山や三頭山も雲に隠されてきた。
食事の間に六ツ石方向から一人の若い男性がやってきて、下の蜂谷辺りの集落などの話を少しして次に向かって元気に下っていった。
(鷹ノ巣山頂)
(鷹巣山からの防火帯)
(鷹ノ巣山頂からの展望)

鷹ノ巣山から広い防火帯の道をジグザグに下り、ここからしばらくは尾根筋の起伏が小さくて楽そうなので、そのまま尾根筋を歩いた。
水根山で倉戸山への分岐をやり過ごし、山頂を示すものは何もない城山では向かいから元気な若者が通り過ぎていった。将門馬場の先で崖のような急坂を下ってからはツツジが多い気分の良い道になり、やがて巻道と合流した。登り返して稜線脇の道を辿って峠に着くと三叉路になっていて「六ツ石山頂をへて水根」の道標があった。
(水根山付近のなだらかな尾根道)
(少しは崖もありました)

石尾根縦走ならば六ツ石山にも登らなければなるまいと思って、分岐にザックを置いて山頂まで往復した。山頂には賑やかで愉快な二人組みの男性が談笑中で、私が山頂標の前でツーショット写真のための三脚を用意していると、写真の撮り合いをしようと言ってシャッタを押してくれた。しばし歓談して分岐に戻り、先に少し歩くと、このルートでは珍しい狩倉山という岩山が現れた。
(六ツ石山山頂)
(狩倉山)

とても登れそうにもない狩倉山を巻くと、ここから落差250mの長い長い下り坂が始まった。膝を用心しながらゆっくり下っていると、先ほどのお二人が快調な足取りで下ってきた。六ツ石山頂では「水根から登ってきた軟弱ものよ」と言っていたのにとんでもない韋駄天ぶりだった。相変わらず大声で談笑しながら駆け下りていった。
下りきったとことに大きなズミの木が満開の花を咲かせていて慰めてくれた。
(狩倉山からは長い長い下り)
(ズミの大木)

このあたりから植林の中に入り、杉の木は綺麗に手入れされていて気持ちのいい散歩道なのだが、何箇所か掘れてぬかるんだところが出てきて滑らないよう気を使わされた。
(歩きやすい登山道)
(掘れてぬかるんだところも)

三ノ木戸山を巻いてどんどん下り、大きく回りこんだところでお二人さんの大きな話声が聞こえてきた。「兎は亀さんに追い越されるのよ」と言いながらここからの道を教えてくれた。所要時間は40分と言ったが、2倍とみて1時間20分と聞いておこう。
やがて古い社が現れると車の喧騒が聞こえ始め、奥多摩の街が見え始めた。終点の奥多摩駅はここからもまだまだ遠く1時間近くかかった。
やがて林道に飛び出し車道を歩いていくと、民家が現れたところに「奥多摩駅へ」の近道の道標があった。
(やっと街が見えてきた)
(林道に飛び出した)

道標に従って細い道を下っていくと神社が現れ、その下から荒れた道を下るとお地蔵さんのところで再び車道に飛び出した。ここからは奥多摩の街並みがよく見え、多少近道の案内もあって20分で奥多摩駅に着いた。
(近道は神社を通過)
(やっと街に出てきた)

いくらか尾根筋を外したが、何とか20kmの石尾根を完歩出来た。私の膝もサポータ無しでよく耐えてくれたものだ。感激ひとしおで喜び合った。
駅のコインロッカーから着替えを取り出してもえぎの湯に向かったが、途中日帰りの湯の看板を出した旅館を見つけ、5分ほど歩くのが短くなったと大喜びで飛び込んだ。お茶の接待を頂いて、貸切状態の温泉でゆっくりと汗を流し、予定より一電車早い電車に乗って機嫌よく日立に帰ってきた。




inserted by FC2 system