V61.半田山と口太山
(福島の山ピークハント)

1.動 機
年始めに鹿狼山と野手上に登った時に、ヤマケイ分県登山ガイド「福島県の山」(1999年版)を完登しようと宣言した。その後、山菜採りなど忙しくて後回しになっていたが、この度思い立って、半田山と口太山とを一日でピークハントしてきた。
半田山では、梅雨時のかすみ空で残念ながら期待した展望はえられなかったが、思いがけずいろいろな花を楽しむことが出来、口太山は去年1月のリベンジがかなって山頂に登りつくことができ満足の山行だった。
(登っていない「福島県の山」)


2.データ
a)山域:半田山(863m)、口太山(843m)
b)登山日:2008/06/02(月)晴のち曇
c)コース
日立自宅=日立北IC =国見IC= 半田山管理センタ駐車場----林間駐車場----半田山----南駐車場----半田山管理センタ駐車場(昼食)=口太山駐車場----キャンプ場----猿滑の滝----乳子岩----口太山----上級者コース----キャンプ場----口太山駐車場=小野IC=日立南IC=日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「中茂庭」「川俣」

3.山行記録
1)花の山・半田山
6時に我家を出発して、日立北ICから常磐道に乗り磐越道の阿武隈高原SAで朝食をとり、東北道の国見ICで高速を下りて、半田山公園に向かった。
コースタイム:
日立自宅 6:00 = 6:30 日立北IC = 7:20 小野IC = 7:25阿武隈高原SA(朝食)7:55 = 8:35国見IC = 8:50 半田山管理センタ所駐車場9:10 ---- 9:50林間駐車場 ---- 10:35半田山10:50 ---- 11:35北駐車場 ---- 銀山遊歩道 ---- 出島 ---- 12:00半田山管理センタ駐車場(昼食)12:40

1/25000地形図:中茂庭
(半田山の歩行ルート)

くねくねとした車道を登り北駐車場を過ぎて半田沼を回り込んだところに大きな駐車場があり、管理センタの事務所があった。センタでハイキングコースの説明を受けながら地図を貰って出発した。
車道の反対側に沢山のバンガローの建つキャンプ場があり、登山道はその中を通過していた。車道脇にはシラネアオイの保護地があったが、見頃は5月中ごろで今は花は見られなかった。
(管理事務所からの半田山)
(キャンプ場を通過)

キャンプ場を過ぎると、イタドリとフキの大群生の中の道になる。要所要所に「山頂へ」の道標が立っていて、道を間違えようがない。タニウツギやヤマアジサイ、エンレイソウやツクバネソウ、フタリシズカなど愛でながら山道を登っていくと林道に飛び出した。その林道の先には駐車場があり、そばの熊笹の若い葉を採取しているご夫婦がいた。何にするかと聞くと、笹餅を作るのだと言う。美味しそうだ。
駐車所のとこから再び山道になり、結構な急坂もあり汗を搾られる。山頂まで900m、100mごとに距離を示す道標があって励みになる。ヤマツツジは盛りを過ぎているがレンゲツツジが新鮮だった。チゴユリが多い急坂を登っていくと、やがて山頂部でなだらかになり、マイヅルソウの大群落が現れた。色々と花の多い山である。
(タニウツギ)
(マイヅルソウ)

山頂手前の展望台からは向かいに霊山などの福島の名山が眺められるはずだが、今日は霞んでしまって何も見えない。代わりに眼下に半田沼がハート形に見えていた。
山頂には一等三角点があり、その脇に半田山山頂と書いた真新しい標柱が立っていた。小さな石の祠が3体並んでいて、73歳の奉納者の名前を書いた赤い布で飾ってあった。
(ハートレイク半田沼)
(一等三角点の半田山山頂)

証拠写真をとってから、反対側の登山道を下った。こちら側は花は終わって花柄だけだったが、ショウジョウバカマの大群落だった。
北駐車場まで2200m、やはり100mごとに距離標が立っている。距離が長いので、傾斜がゆるくて楽だろうと思っていたが、ところどころ急坂が現れて、私の弱い膝を悩ませた。それでも、平坦な道が多く、緑滴る森の散歩道は気持ちがよかった。
(ショウジョウバカマの中の下り)
(新緑の下のお散歩)

キンラン、ギンラン、ギンリョウソウ、、など眺めながら下っていくと、若いご夫婦が休みながら何かを眺めている。ヒメサユリだった。たった一輪でまだ蕾だったが、思いがけない花に出会えて嬉しくなった。ご夫婦と別れて下っていくとヒメサユリがあちこちにあり、チラホラと咲いているものもあった。
何も見えない展望台を過ぎるとアヤメの群落があり、車道に出ると北駐車場だった。ここからいくつもの散歩道が分かれていたが、銀山遊歩道に入ってみた。ここにも咲いていたヒメサユリを愛でながら半田沼湖畔に出た。
(ヒメサユリ)
(アヤメ)

湖畔には桜並木が休憩舎もあり、5月始めごろ遅咲きのサクラが楽しめるらしい。情報は得ていたのだが、その時期忙しくて来ることができなかったのだ。沼の向こうの半田山の稜線を眺めて、歩いて来たコースに思いを馳せた。出島の絶景を楽しんだりしながら湖畔の遊歩道を適当に歩いて、センタ前の駐車場に戻った。
(半田沼湖畔から半田山を望む)

駐車場でラーメンとおにぎりの昼食を食べ、センタ事務所にご挨拶してから次の口太山に向かった。


2)口太山
口太山には北と南に登山道があるが、北のほうが面白そうなので、ナビに北の西馬道に行き先を指定して走り出した。途中、どこを走ったのかは定かでないが、霊山入口など通過してR349沿いの不動坂バス停のところに「口太山登山口へ」の道標を見て細い生活道路に入った。1km近く入ったところに仮設トイレのある駐車場があり、こんもりとした口太山が見えていた。車道はまだ奥まで伸びていたが、舗装はここまでて、その先は草の生えた道になったのでここに車を停めて歩き出した。
コースタイム:
半田山管理センタ駐車場(昼食)12:40 = R349 = 13:50口太山駐車場13:55 ---- 14:05キャンプ場 ---- 14:15猿滑の滝 ---- 14:20乳子岩 ---- 14:45m迷平 ---- 14:55口太山15:20 ---- 上級者コース ---- 15:50キャンプ場 ---- 16:00口太山駐車場16:20 = 17:15小野IC = 18:00日立北IC = 日立自宅

1/25000地形図:川俣
(口太山の歩行ルート)

民家を過ぎ、主のなくなった様な草ぼうぼうの畑を両側に見ながら歩く。目の前の口太山がやけに高く見えた。車道の先にはキャンプ場の駐車場があって、口太山登山口の看板や登山道の地図盤があり、「山頂へ70分」の表示があった。
登山道を進んで深い植林に入って沢沿いを歩くと、急坂をジグザグの道を登る。一段高い沢沿いの道を歩くと、向かいに岩壁が現れわずかに水が流れ落ちていた。看板に「猿滑りの滝」とあった。きっとこの岩壁は猿も登れないのだろう。
(駐車場から歩き始め)
(猿滑りの滝)

途中二又があったが、踏跡がしっかりしている直進方向に進むと、「乳子岩へ」の道標が左の分岐道を示していた。分岐に入ると十字路になり、乳子岩はその先に見えていた。岩のそばまで歩いてみると、大きな岩が重なって岩屋が出来ており、中に小さなお地蔵さんが祭ってあった。何か謂れがありそうだが、説明はなかった。岩の全体像を写真にしたかったが、崖の上なので距離をとることが出来ず、一枚には入れることができなかった。
十字路に戻って山頂に向かうと、先ほどとの合流点になり「山頂へ45分」の表示があった。更に急登を汗を搾られながら登っていくと、木々に木の名前を書いた手書きの名札が付けてあった。「ブナ」「ウリハダカエデ」「ネジキ」あたりは何とかなるが、「オニグルミ」「アオハダ」「アオダモ」などは木肌を見ただけではどうにもならない。
やがて「山頂へ25分」の道標と「猿の首取」という看板がたつ小さな岩場があった。足場がしっかりしていて猿が恐れるほどの岩場ではなく、問題なく登ることが出来た。
(乳子岩)
(猿の百取の岩場)

岩場を越えるとエンレイソウやクルマムグラなどの花が多くなり、やがて「迷平」に到着した。踏跡がしっかり付いていて、迷うことなく直進し、また急登を登るとやっと山頂だった。
山頂には小さな虫がいっぱいいて、ベンチや方位盤の上は真っ黒になるほど虫がたかっていた。丁度食事を終えたばかりのご夫婦がいて、「食事中、この虫には参りましたよ」と言いながら、手に持った飴玉をどうぞと手渡してから夏無沼方向に下山して行った。
山頂にはヤマツツジの大きな木が何本もあったが、既に盛りを過ぎていて華やかさがなかった。三等三角点の前に立派な山頂標柱が立っていて、その前で証拠写真を撮った。
(ヤマツツジの大木)
(口太山山頂)

石造りの立派な方位版には、近くの山から那須、安達太良、月山、蔵王など遠くの山まで表示されているが、残念ながら今日は近くの木幡山や白猪森ぐらいしか確認できなかった。
(春霞で展望無し)

お八つとコーヒでテイータイムをとりながらゆっくりと休憩してから、北東側の道を下った。入口に「上級者コース」の道標があって少し心配したが、途中に難所はなく、只、尾根筋の急坂を直登するきついコースなのでこの名前が付いたのだろう。「健脚者コース」と呼ぶべきだろう。
山頂直下の大きな岩の前に小さな鳥居があり、石尊神社の表示があった。お参りしてひたすら長い急坂を下った。尾根道が一段落したところの峠に横切る道があってどちらに向かうか迷ったが、右に下っていくと沢沿いの道になり、やがて登りに通過したキャンプ場の登山口に着いた。ワラビなど採りながらゆっくり歩いて駐車場所に戻った。今日は日照りがなかった分助かったが、風がなくて汗をたっぷりとかいた。
(石尊神社)
(尾根の急坂)

帰りは通勤割引の関係で小野ICから高速に乗って日立北ICで下り、日立の海岸通りを走って我家に戻った。供用が始まったばかりの日立の海上バイパスの鶴首〜旭町1.6kmを走ったが、日立駅海岸口までの狭い道を苦労しなくてよくなって快適だった。




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