V719.ノルウエーフィヨルドとトレッキングの旅(9)

(ベッセゲン尾根縦走)

9日目記録 7月4日(金)晴

メムルブ小屋8:35----9:50ルス湖分岐9:55----11:15熊の湖11:20----12:40ベス湖13:15----15:15 1743mピーク15:30----15:45ベスハイム分岐----16:35小滝16:40----17:30イエンデスハイム

今日のベッセゲン尾根越えは今回のトレッキングの一つの目玉だが、距離も長く標高差も約1000mあってコースタイムが長いコースなので、別コースが準備された。一つは湖畔沿いを歩くAコース、も一つは船で展望を楽しむBコース。希望者はAコース7名、Bコース3名、残りの24名で出発した。今日も余分な荷物は船で運んでもらえる。
(ベッセゲン尾根縦走ルート)

朝は湖畔のキャンプサイトまで下りて花や景色を楽しんだ。早朝はイエンデ湖も湖面が静かで一段と綺麗だった。小屋の建物にカモシカの骨らしきものが飾られてあり、見たこともない光景で印象的だった。
(イエンデ湖東方)
(イエンデ湖西方)
(鏡の湖面)
(トナカイの骨)

メムルブ小屋を8時半ごろ出発して登り始め、始めはブルドーザも登る広い道だが、なかなかの急登が続いて汗を搾られた。途中の流れの水が冷たくて美味しかった。
(始めはガレの登り)
(どこにでも水場あり)

すぐに後の展望が良くなり、青いイエンデ湖に氷河からの白い水が流れ込んでおり、大きく広がっている様がよく見えた。ニルスさんはこれがあるからイエンデ湖の水は飲めないのだとおっしゃる。
(イエンデ湖を振り返る、氷河の水が白い)

登山道の辺に花が多くなり、ルス湖分岐を過ぎてゆるく登っていくと目の前にベス山の頂が見えはじめた。
さらに大きな氷河を抱く山塊が見え始めて一つのピークに達した。ノルウエー最大の氷河と聞いたが名前を忘れた。
(まだまだ登りが続く)
(ピークにて大きな氷河をバックに)10:06

ピークの先に岩のピークがあり、そこから下るとベス山の手前に小さな沼があった。この沼まで下りて小休止して、登りかえしていくとまた岩尾根になり、イエンデ湖方面の展望がよくなった。足元に気をつけながら下っていくと、犬を連れた男性がいた。「犬を連れてベッセゲンを登るのかい」と尋ねたら、いま考えているところだと笑っていた。先々、このワンちゃんとは前後しながら歩くことになった。

イエンデ湖とベッセゲン尾根)11:09

少し下ると綺麗な沼が現れ、湖畔で一休みしたがBearLakeだとおっしゃる。地図を見ると標高1475mとあり、下のイエンデ湖とは標高差370mもある。氷河の水が流れ込まないので水の色も白っぽくない。少し先まで登った所から振り返るとこのことが良くわかった。
(熊の湖にて一休み)
(熊の湖:イエンデ湖と標高差400m)

熊の湖から一登りしてからベス湖へのガラガラ道の下り入った、途中大きな雪渓が残っていて気持ちの良いショートカットが出来た。例年だとここには雪渓はないのだとニルスさん。
(大きな雪渓が残っていた)
(ベッセゲン尾根に向かって)

ベス湖への下りは上は岩場の急坂、湖畔近くは雪渓だった。我々は慎重にゆっくりと下ったが、家族で歩くグループの中で、子供達は岩の頭を器用に拾いながらピョンピョン飛び跳ねるように下っていった。ママもパパも一緒なのだが、日本のママさん達だったらとても黙視できない光景だろう。
(ベス湖に下る:右はイエンデ湖とライルンゲ湖)

ベス湖の畔で昼食休憩になった。ニルスさんは「この大きな湖の水も飲んでも大丈夫」とおっしゃるが誰も飲まなかった。やってきた何人かのハイカーが水を汲んで飲んでいたので、間違いなく飲めるらしい。
大きなザックを担いだ男性がやってきて、目の前でバーベキューを始め、後からやってきた娘さん2人とママは手伝うでもなく、おいしそうに焼きあがったソーセージをおいしそうにほおばっていた。家庭サービス満点のパパだったが、ノルウエーでは普通なのだろうか。
昼食後、ベッセゲンに向かって登っていった。ガレ場を
(ベス湖湖畔で昼食)
(岩場を一登り)

一登りすると目の前に槍ヶ岳の穂先のような急坂が見えてきた。これがベッセゲン尾根かと一瞬ひるんだが、取り付いてみると、岩場はしっかりしていて落石の恐れもなく、落ち着いて登れば楽な登りだった。
(槍の穂の登り)

尾根の途中から振り返ると、パンフレットの出ていたイエンデ湖とベス湖を組み合わせたビユーポイントがあった。
(イエンデ湖とベス湖が美しい)

南側に寄れば、イエンデ湖全体を見渡すことが出来た。
(イエンデ湖も見渡せる)

ベッセゲン尾根を登りきるとガレ場の平原のようになった。双六岳を登っているようだと誰かがつぶやいたが、それよりもずっと長いだらだら登りが続いた。登り切ったと思ったら、その先にもピークがあり、そのピーク先でお仕舞いかと思ったらまた騙された。それでもオキナグサやチョウノスケソウなどの花が咲いていて慰めてくれた。
(双六岳の長いガレバ登り)
(ピークの先にまたピーク)

最後のピークを越えてベスハイムへの分岐標を左に分けると左手が絶壁の上に出た。はるか下にイエンデスハイムの港やホテルが見えていた。まだまだ先は長い。
(絶壁の下にイエンデスハイムが見えた)

ガレと雪渓を緩やかに下っていくと、だんだんと急坂になってきて、一箇所鎖場もあり、歩きも慎重になってきた。小さな滝のところで喉を潤し、どんどん下って先着していたAコース、Bコースの人たちのお迎えを受けながら17時半に無事到着した。9時間の可愛いお花と素晴らしい展望の充実したハイキングでした。夕食後のミーテイングでニルスさんからDNTの記念のバッジを一人一人に手渡された。
(急坂の下り)
(完歩! ニルスさんと)





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