V124.高峠山リベンジと大室山
(茨城県の低山ピークハント)

1.動 機
先週、高峠山のピークハントに出かけたが、早とちりで山頂を踏まないで帰ってきた。気になるので高峠山には年内に登頂してしまおうと出かけてきた。ついでに近くの大室山にも登ってきた。

2.データ
a)山域:高峠山(324)、大室山(275)
b)登山日:2008/12/25(木)晴
c)コースタイム:日立自宅 9:00 = 10:20 爺石P 10:40 ---- 11:30 ニセ高峠 ---- 11:40 高峠山 11:55 ---- 12:30 爺石P ---- 爺石婆石(昼食)---- 13:15 爺石P = 13:25 夫婦滝P 13:30 ---- 13:55 大室山 ---- 14:05 カメラ ---- 14:15 大室山 14:35 ---- 15:00 夫婦滝P ---- 夫婦滝 ---- 15:30 御立石 15:40 ---- 16:00 夫婦滝P 16:10 = 17:30 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「町付」「大子」

3.山行記録

3.1 高峠山
先週と同じ南側からのルートで登るのでは芸がないので、今回は東側の県道196号から登ることにした。地形図を眺めると高峠山の真西に伸びる尾根伝いに登れば良さそうに見えた。
(高峠山歩行ルート)

県道196号を北上して目標地点に着くと路傍に中郷七不思議「爺石婆石」や「お茶洗い石」などの看板が立っていた。近くで二人の男性がお話中だったので高峠山への登山道について聞いてみた。土地の人なのに高峠山の名前はご存じなく、盛んに大神宮山への登山を薦められた。
仕方なく予定通りのコースを狙って歩くことにして、道傍の土手を上がる広い山道に入った。
(爺石婆石標識)
(路傍の山道へ)

道はすぐに茶畑に入り、その先にははっきりとした道はなかった。かまわず植林の中を登っていくと作業道に出た。深い轍が掘れ込んだ作業道がどこまでも続き、このまま歩けば高峠山まででも行けそうな気がしてきた。
それでは面白くないので、途中で見つけた登山道に入った。歩きやすい登山道は尾根伝いに続き、ピークのところでは巻道に分かれたりしながら高峠山の手前まで来た。
(作業道)
(登山道)

歩きやすい道を歩きながら気が変わった。高峠山に登って引き返すのでは先週の山行は全く無駄になってしまう。今から先週引き返したニセ高峠まで歩いてから引き返せば、県道28号から196号まで縦走路を完歩したことになり、先週の山行も顔が立つというものだ。
高峠山もニセ高峠とも巻道を歩いて、ニセ高峠の先で先週の道と合流してニセ高峠山頂に登り返した。ここまで登山口から50分、先週の南からの25分の2倍かかった。
山頂の印だと早合点した石の祠にお参りして高峠山に向かった。ものの10分ほどで本当の高峠山の山頂に到着した。山頂には、ちゃんと三等三角点の標石があり、黄色い山名板が立ち木に取り付けてあった。早速、山名板の前で証拠写真を撮った。
(ニセ高峠)
(高峠山山頂)

高峠山山頂は北面が切り払われていて、展望が開けていた。展望塔が目立つ八溝山や立派な山容の大神宮山は特定できたが、天狗岩や宮古山は今ひとつはっきりとしなかった。展望を楽しみながらコーヒで乾杯した。
(高峠山からのパノラマ・八溝山−大神宮山)

下りはピストンでは面白くないので、次のピークで一つ北側の尾根筋を辿りながら下った。概して踏跡はしっかりしており迷うことはなかったが、途中で林道に出てそれに誘われて暫く歩いたが、大分北の方向に進みそうなので、南東に軌道修正した。出たところは畑地で、畦道を歩きながら下ると、駐車場所の目の前の民家の裏に出た。
車に戻って、「爺石・婆石」の変わった名前に惹かれて見に行くことにした。弁当を持って、道標に従って中郷川まで下ってみると、周りには色々な奇岩らしきものがあるが、標識がないので、どれが名のある岩なのか判らない。とりあえず対岸に渡ってみようと、流れの中に石を投げ込んで足場を作って徒渉してみた。対岸から見ると、なるほどこれが「爺石・婆石」だなと思わせるペアーの巨岩があった。
(下りには踏跡あり)
(爺石・婆石?)

ほかの岩を探しながら少し上流まで歩いてから徒渉しなおし、岸を攀じ登った田圃のほとりで、小春日和の温かい陽を受けながらゆっくりと弁当を広げた。

3.2 大室山と御立石
196号から28号に出てからちょっと南下したところに大室山がある。東側からはいくつかの尾根筋があり、小さな山なのでどこからでも登れそうだが、南の尾根から上って、北の尾根を下る積りだった。
車のナビで大室山の東に来た辺りで西に分岐する地方道に入った。分岐点には「のーんびり郷案内図」という大きな案内図があり、大室山も図示してあったが登山道の表示はなかった。
(大室山、御立石歩行ル−ト)

地方道は八溝川を橋で渡り、建設会社のところまでは立派だったが、そこから先は未舗装の細い林道になった。手前に駐車して行こうかと考えたが、放し飼いの会社の黒い犬が盛んに吠えかかるので、追い立てられるように奥に向かった。林道はT字路になり、右「御立石」左「夫婦滝」の道標があった。左に少し広いところが見えたので左折して、その先の「夫婦滝」の案内板のところに駐車した。
林道はそのまま西に向かって伸びているので、この林道を歩いてみることにした。その先で倒木があって車は入れそうになく荒れた道になったが、谷筋を奥に奥にと進んだ。300mも進んだところで向かいの尾根に登山道が見え、これに踏み込んだ。登山道はあまり歩かれないのか、篠竹が伸び始めていたが、しっかりした道がジグザグに切ってあったので、これを登れば大室山に登りつくと確信しながら歩くことが出来た。
(夫婦滝看板近くに駐車)
(登山道あり)

尾根近くになると、登山道は大室山方向へのトラバース道になった。このトラバース道が薄くなったところで尾根に上がると、大室山の山頂は急坂を登ってすぐだった。山頂に着いて写真を撮ろうと思ってカメラケースに手をやると、なんとからっぼだった。カメラはどこかで滑り落ちたのだ。またやっちゃった!
大事なカメラなので引き返して探して見ることにした。和子の蔑みの声を聞きながらキョロキョロと10分も下ったところで、登山道の真ん中に落ちているカメラが見つかった。往復20分の時間ロスと自尊心の喪失。
山頂に戻ると、先ず「和合石」という変わった名前の看板が立つ、注連縄を回された小さな岩の一群が目に入った。説明板には「むかし むかし そのむかし 海に住む大男と 山に住む大女が 大室山で逢引をしたそうな それを見た 大室の神様が 神聖な場所を汚したと怒り 二人を石にしてしまったそうな。」とあったが、昔の人は想像力が豊かだったようだ。私には、そう言われて岩を眺めてもピンとこない。
三等三角点と黄色い山名板があったので、証拠写真をとった。樹間だが周りの山々が見えており、コーヒでお八つを食べながら一休みした。
(和合石)
(大室山山頂)

下りは向かいの踏跡に向かって下った。はっきりとした道を進むと北に向かうので、途中で急斜面を下って無理やり東に方向転換した。支尾根に出るとここにも踏跡が出てきて歩きやすくなった。支尾根から更に駐車場所に向かう尾根に入ると踏跡ははっきりしなくなってきたが、歩きにくいほどの藪はなく、大して苦労することもなく駐車場所に戻ることが出来た。
今日ももう一山ピークハントする積りでいたが、ニセ高峠まで足を伸ばしたり、カメラ探しで時間ロスをしたりで危なくなった。そうかと言って、このまま帰るのは少し早過ぎるので、夫婦滝と御立石を見物していくことにした。
夫婦滝は駐車場所から沢筋の登山道を数分下ったところにあった。上に男滝、下の田圃近くに女滝があったが、ここのところ雨が少なかったからか、少々淋しい滝だった。
(男滝)
(女滝)

「夫婦滝」の方は真新しい木の道標だが、「御立石」の道標は石で出来た古いもので歴史があるものかと期待させた。林道のT字路を右に300m歩いたところに「御立石へ」の石の道標があって左(西)の登山道方向を指し示していた。手入れのいい道を、そろそろ「御立石」が現れるだろうと思いながら300mも進むとまた「御立石へ」の道標が現れた。もう引き返そうかといらいらしながら歩くと、また次の「御立石へ」が現れ、登り坂になった。「御立石」がどこにあるか分らないで歩いている身には、どこの道標にも「あと何km」の表示がないのが癪に障ってくる。そうかと言ってここまで来て引き返すのも後で後悔しそうに思えて、16時までは頑張ることにして登っていった。ついに尾根まで登りついたところに「御立石」はあった。
御立石は大きな岩で、後ろから梯子で登ることが出来る。説明板には「その昔、ダイダラボーと言う大男がいた。浜辺にて大ハナグリを食していたが、ある時山の幸が食べたくなり山に向かった。山には毒蛇がいるとの事。ダイダラボーは大きな丸太棒を手にして当地に差し掛かった。丁度その頃、霊峰「八溝の神」と「男体山の神」が土地争いをしていて「八溝の神」が「男体山の神」を目掛けて投げた大石がダイダラボーの方に飛んできた。ダイダラボーは持っていた丸太棒でその石を叩き落し足で踏んずけた。丸太棒を見ると、その先は杓文字の如く平たくなっていた。御立石には、今でもワラジの跡と杓文字の跡が残っている。」
(御立石に梯子で登る)
(左下にワラジと杓文字の跡)

御立石のそばには、「大室山(和合石)へ300m」の道標があった。ここはすでに標高260mあり、275mの大室山までほぼ平らな尾根歩きで行ける。これから先の道を覗いてみると、ロープが張ってあったりよく整備されているようで、気持ちの良い尾根歩きが出来そうに見えた。ここまでも整備のゆき届いた道だったし、大室山への一番らくちんな気持ちの良い登山道だと思われた。
(御立石から大室山への登山口)

頑張って「御立石」にたどり着いたので急に気分が良くなって、車までの下りも、家までの帰りの車の中も明るい話でつながり、カメラ騒ぎはどこかに飛んでいったのは幸いだった。




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