W25.県民の森と植物園

1.動 機
久しぶりに早春の花を見たくなり、茨城県植物園に出かけることにした。前日、植物園のHPを開いて見ると、この日に県民の森で「自然体験ツアー・冬芽観察会」が行われるとあり、二人とも木の名前にはまるで疎いので参加して勉強してみることにした。午前中、インストラクターの巧みな説明で木々の冬芽の勉強をしながら県民の森を一周し、午後は二人でザゼンソウやフクジュソウなどの花を楽しみながら植物園を周回した。

2.データ
a)山域:県民の森(75)
b)登山日:2009/02/15(日)晴
c)コースタイム:日立自宅 9:10 = 9:45 植物園駐車場 ---- 10:00 県民の森(冬芽観察会) 12:25 ---- 13:00 植物園 ---- 14:40 植物園駐車場 = 15:30 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「石塚」

3.山行記録
空いている植物園の駐車場に車を停めて、定刻の10時前に県民の森入口の駐車場に向かうと、こちらの駐車場は満車状態で、インストラクタの林さんの周りに20人以上の人が集まっていた。林さんは茨城県の森林インストラクター協会の会長さんで、会社を定年退職してから資格をとったお元気な67歳の男性。一人で20人以上の集団を引き連れて、色々な説明をしながら歩くのは大変だと思うが、張りのある声と巧みな話術でみんなの興味を惹き付けながら2時間半もしゃべりっぱなしだった。
始めは落葉樹と常緑樹の違いの説明、中間の葉が枯れても落葉しない変種のヤマコウバシの成り立ちから案内が始まった。
(森林インストラクタ林さん)
(2時間半の観察会)

冬芽と芽燐痕(ガリンコン)の写真を各12種類印刷した手作りの資料を貰って、これと実物とを対比しながら説明を聞いて歩いた。大体「ガリンコン」と言う単語も聴いたことがなかったが、ハート形だったり、お猿さんの顔をしていたり、植物によってこの芽燐痕の形が異なっているので、これを見ただけでも植物の名前が分るのだというから驚きだ。
森林インストラクタは野鳥にも詳しいようで、目敏く雑草の間にアオジを見つけたり、鳴き声だけでシジュウガラを聞き分けたり、空を舞うトビを見あげてこの近くに400羽の営巣地があることなど、植物以外のことも教えてもらえた。
(コブシの冬芽)
(ヤマウルシの芽燐痕)

花がない時のヤマザクラとソメイヨシノ、クロマツとアカマツなどの見分け方を聞いたり、色々と質問したりしているとすぐに定刻の12時は過ぎてしまった。林さんは「茨城県は荒地が多くて森林面積比率が日本で一番少ないのだ。」という皆が驚く事実を紹介して、植林の重要性を力説されていた。県南は最近になって山主さんやボランテアの協力が増えてきたが、県北地区の植林が遅れているらしい。カルチャーセンタ前で案内が終わり、熱心に案内していただいた林さんにお礼の拍手をして解散になった。

午後になると来園者も多くなってきて、カルチャーセンタ前は大勢の家族連れで賑やかだった。ここで暖かい陽を受けながら弁当を食べてから植物園に向かった。
120円の入園料を払い、今ザゼンソウが見頃ですとの説明を受け、お奨めコースの案内図を貰って歩き始めた。ウメの花があちこちで満開だし、野草園ではフクジュソウやロウバイが綺麗に咲いていて、カメラを構えている人が何人もいた。
(フクジュソウ)
(ロウバイ)

資料館では花の写真展が開かれていて、カタクリやウメの花などを見事なコントラストで撮影した写真が沢山展示されていて刺激になった。
県民の森との間の谷間に下りたところが水生植物園で、ミズバショウの芽が沢山出ている先に10株ほどのザゼンソウがポコポコと頭を出していた。高級カメラで熱心に撮影している二人のマニアの写真家の仕事が終わってから歩道に入って写真を撮った。
階段を上がったツバキ園には咲き残りのカンツバキがあり、ほころび始めているミツマタを撮影しながら岩石園に入るとロウバイは盛りを過ぎていたが、黄色や紅色のマンサクが綺麗に咲いていた。写真展のような写真を撮りたかったが、今日はなぜかカメラのピンポイント設定が出来なくなっていて残念だった。
(ザゼンソウ)
(シナマンサク)

勉強もして綺麗な花も観賞し、今日は満足の一日だったが、朝から気温が異常に高かったので、スギ花粉が大量に飛び始めたようだ。終わりごろには目が痒くなり、帰りの車は泣きながらの運転になった。




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