W522.高千穂の峰
(九州山巡り(2日目))

1.動 機
霧島には学生時代の夏休みに今はなき友人と九州一周をしたときに登ったことがある。すでに40年以上の昔のこと故、ただ登りで「二歩登っては一歩滑る」強烈なザレ場で苦労したことと山頂の逆鉾だけを覚えている。色々と思い出せるかと楽しみにして歩いてみたが、ザレバの登山道は大分整備されて歩きやすくはなっていたが、歳とった分きつい山だった。

2.データ
a)山域:高千穂峰(1574m)
b)登山日:2009/5/7(木)晴
c)コースタイム:
硫黄谷温泉 7:35 8:00 高千穂河原登山口 8:15 ---- 9:20 御鉢 ---- 9:50 霧島神宮元宮址 ---- 10:10 高千穂峰山頂 10:45 ---- 11:00 霧島神宮元宮址 ---- 11:10 御鉢 ---- 11:30 休み 11:35 ---- 11:55 高千穂河原登山口 12:25 = 12:40 霧島神宮 13:10 ---- 13:50 高原IC ---- 14:05 山之口SA(昼食) 14:35 = 15:00 宮崎IC = 16:35 クルスの海 16:45 = 16:50 馬ヶ瀬 17:15 = 17:45 延岡ホテル(泊)
(高千穂峰登山コース)
(高千穂峰登山コース高低差)

d)同行者:水戸アルパイン会員(男9、女8)、和子
e)地形図:1/25000 「高千穂峰」
駐車場脇の鳥居をくぐって古宮址まで参道を歩き、古宮址で右折して研究路を上がっていくと、樹林が低くなり、高千穂峰の登山道にたどりつきます。
 赤黒い溶岩の斜面を一気に登ると、御鉢の火口壁へ出ます。道は火口を左へ巻くように付いていて、半周したところで、高千穂峰へと向かいます。
 頂上への道は砂礫(されき)の崩れやすい道なので注意が必要です。
登り切ると頂上です。天の逆鉾が印象的です。
3.山行記録
ぐっすりと眠って、ビュッフェタイプの朝食を腹いっぱい頂いて、元気いっぱいになってバスに乗り込んだ。昨日の下山口の高千穂河原までバスで移動して歩き始めた。
駐車場脇の鳥居をくぐって石段と鳥居が残っている古宮址まで広い参道を歩くと、鳥居の上に御鉢の斜面が見えていた。ここから右の遊歩道に入るとやがて石畳になり、ミツバツツジが咲く雑木林の坂道になると石段の道になり、ついにはガレた登山道になった。
(高千穂河原登山口)
(新緑の遊歩道)

目の前に御鉢を見上げながら登る斜面は、昔の記憶にある一面の火山灰地ではなく、礫の道になっていて「二歩登っては一歩滑る」苦労はないが、大小の溶岩が邪魔するので足場を選びながらゆっくりと登っていった。
御鉢の右斜面は一面緑の絨毯、出合った土地の登山者の話では「あと2週間もするとこの斜面がミヤマキリシマで真っ赤になるよ」とのことだった。花の時期は難しい。
(やがてガレバ)
(延々と続くガレバ)

御鉢の縁まで登りつくと、眼下に大きく口を開いている噴火口が白、茶、赤、色とりどりに配色されていて異様な雰囲気だ。火口側には「これから先は危険につき通行できません」の札とともにロープが張りめぐらせてあった。
(御鉢)

火口壁からは向かいに高千穂峰が頭を出しており、左手には緑が鮮やかな中岳の上に韓国岳も頭を出しており、振り返ると桜島がうっすらと見えていた。九州南部では桜島が見えるのが、関東で富士山が見えるのと同じように嬉しい気持ちにしてくれる。
高千穂峰には火口縁の左の馬の背という登山道を半周する。相当な勾配を登っていくと最高部から高千穂峰方向に曲がる。
(かすかに桜島)
(御鉢の縁、馬の背)

火口縁から少し下った鞍部に鳥居のある小さな石の祠が祭ってあった。ここを春門の丘といい、1500年前に神殿が建てられたと伝えられるらしい。お参りしていよいよ高千穂峰への登りにかかった。
ここからも火山礫の斜面が続いて、行列を作ってゆっくりと登っていった。途中、右側に「落石注意」の立札がありロープが張られて、右ルートの登山道は閉鎖になっていた。
(霧島神宮元宮跡)
(高千穂峰へもザレバが続く)

山頂に上がると最後部に「天の逆鉾」が祭っており、周りには山頂標や天孫降臨の霊地の石碑、道標などが立ち並び、記念撮影に忙しい。独立峰で360度の展望が素晴らしい。
逆鉾の後ろ側からは山名方位盤があり、昨日歩いて来た韓国岳からの縦走路が見渡せた。
(山頂の「天の逆鉾」)
(韓国岳をバックに)

集合写真を撮って一休みしてから下りになったが、いつものように女性陣先頭の下りは速い。歩きにくいガレバを汗をかきながら追いかけた。登りは2時間かかったが、下りは1時間で下りてしまった。
一歩踏むごとに相当の砂がすり落ちる。毎日多くの登山者が下るのだから、登山道の砂はなくなってくるわけだ。昔よりも登りやすくなっていたわけが判った。
(御鉢への下り)
(御鉢からの下り)

高千穂河原まで下ったのは丁度12時、昼食の時間だが小さな茶店に団体さんが入っては大変だ。かき氷やソフトクリーム、ビールなどを買い込んで昼食は先延ばし。霧島神宮にお参りしてから高速道のSAで遅い昼食をとった。
バスは宮崎ICで高速を降り、日向灘のフェニックス・シーガイア・リゾートの道路を突っ走り、R10を北上して日向市のクルスの海の駐車場に入った。幸せを呼ぶという鐘を鳴らして、十字架の形をした海の造詣を眺めた。日本人には願いが「叶」という文字にも見える。
(霧島神宮)
(クルスの海)

次は馬ヶ背観光。駐車場から遊歩道を歩くと左手に深く切れ込んだ入江があり、両側の柱状節理が美しかった。これで馬ヶ背はお終いかと思ったら、リーダはもっと先に進んでゆく。
切り立った海岸線を大きく回りこんだ先に馬の背のような出っ張りがあり、遊歩道はその先まで伸びていた。ここから眺める周りの柱状節理の海岸線が素晴らしい展望だった。
(柱状節理の入江)
(馬ヶ背展望台)

R10に戻って延岡まで北上、結婚式場併設のホテルに入った。場違いな集団の入場だが、今日は仏滅、お祝いの雰囲気はなくホテルマンにも歓待された。ビュッヘタイプの豪華な夕食を腹いっぱい頂いて、広いベッドに入って深い眠りについた。




inserted by FC2 system