W524.祖母山
(九州山巡り(4日目))

1.動 機
昔は九州本土の最高峰と言われていた祖母山は、その後の再計測で九重の中岳にその座を譲ったが、久弥の百名山に数えられている。宮崎、大分、熊本の三県にまたがる山奥にあってアクセスが不便だし、山容も地味で余り魅力を感じなかった。今度の山行でも九州百名山踏破の最後の山になった。
ルートは北谷登山口から風穴コースで登り、三県境を通って下る周回ルートが取られた。期待のアケボノツツジには少し早すぎ、前日の大崩山の感動の影に霞んだ感じが否なめないではないが、変化のある山歩きができてそれなりに面白い山であった。

2.データ
a)山域:祖母山(1756m)
b)登山日:2009/5/9(土)晴
c)コースタイム:
高千穂ホテル 7:20 = 7:30 高千穂峡 7:50 = 8:20 五ヶ所(タクシ乗換え) = 8:50 北谷登山口 9:00 ---- 10:00 風穴 ---- 11:20 祖母山(昼食) 11:50 ---- 12:25 国観峠 14:05 ---- 12:45 三県境 12:50 ---- 13:05 千間平 ---- 13:25 水場 13:35 ---- 14:00 北谷登山口 14:15 = 14:30 五ヶ所(バス乗換え) 14:40 = 15:30 白水温泉(入浴) 16:50 = 17:20 熊本空港(夕食) 20:05 = 21:45 羽田空港 22:15 23:00 守谷SA 23:10 = 23:55 水戸IC = 0:20 水戸 = 0:50 勝田駅 = 1:10 那珂町 = 1:25 東海駅 = 1:40 日立電鉄南営業所1:45 = 1:55 日立自宅
(祖母山登山コース)
(祖母山登山コース高低差)

d)同行者:水戸アルパイン会員17名(男9、女8)、和子
e)地形図:1/25000 「祖母山」

3.山行記録
6時40分の朝食時間前に高千穂峡を見てこようと、5時起きして同行のKさんを誘って出かけた。
ここも学生時代に訪れたところだが、街中の地理が案内板もなくて良くわからない。迷いながら到着した高千穂峡は記憶通りの美しい渓谷だった。渓谷沿いの遊歩道を一往復し、途中の高千穂神社にもお参りして宿に戻った。
(高千穂峡)
(高千穂神社)

朝食を終えると、折角ここまできたのだからバスに高千穂峡に立ち寄ってもらって、みんなで10分の渓谷観光を楽しんだ。
R325から県道8号に入って五ヶ所の集落までバスで走って、ここで予約しておいたタクシに乗り換えた。荒れた林道をタクシに揺られながら北谷登山口まで入ると、立派なトイレのある駐車場にはもう多くのの車が停まっていた。
風穴コースは急坂があって下るのがきつそうなので、こちらから登ることになった。看板に「風穴コースは急傾斜の危険場所があるので初心者は入らぬこと」とあった。
(林道はタクシーに乗り換えて)
(風穴コースから登る)

歩き始めてすぐに大谷川を石伝いに徒渉すると、しばらくはだらかな林間コースが続いた。なんだこの程度のルートかと思い始めたごろ、沢沿いの急登が始まった。昨日の大崩の難所に比べればなんと言うことはないが、土は粘土質でずるずると滑るし、岩もコケが生えていてうっかりするとこれも危ない。結構緊張して歩いた。
(ドロドロの道)
(濡れた岩場)

危ないところにはここにもロープや梯子をつけてあったが、そこまで手が届くまでの斜面がずるずるで、みんな苦労して渋滞気味になった。
渋滞中に上から冷たい風が流れてきて気持ちが良いと思って上りきってみたら、そこは風穴の開口部で冷たい空気がここから噴き出しているのだった。
(梯子)
(ロープ)

風穴を過ぎるとしばらくは苦労するところはなかったが、やがて再び急坂になり、汗を搾られながら我慢の急登が続いた。
尾根に上がると、岩陰から咲き始めのアケボノツツジが見えたり、山頂が伺えたり疲れを忘れさえてくれた。
やがて登りついた山頂は広く、真っ黒い石の祠、一等三角点、1756.4mと記した山名板、名盤の外れた山名方位盤などが並んでいた。回りがアケボノツツジで彩られていることを期待して登ってきたが、咲いているのはほんの数輪だった。1週間早かった。山名板の前で証拠写真を撮って昼食をとった。
(アケボノツツジはチラホラ)
(祖母山山頂)

傾山が近くに見え、そこへの縦走ルートの稜線が延々と伸びているのが印象的だった。その上に大崩山がきざきざの山容を見せていた。
(山頂からの展望:傾山縦走路と大崩山)

下りは国観峠に向かって歩き始めた。こちらのコースは九州自然歩道に組み込まれていて、整備の行き届いた山道が続いた。山頂と北谷登山口の間5.30kmの1合目ごとに10m精度の距離表示標柱も立っていた。
(下りは九州自然歩道)
(詳細な号目標)

こっちはラクチンコースだが、それでも国観峠までは結構な急坂で、下りに弱い男性陣は女性陣に少し離され気味だった。とことどころで待ってもらった。最初の待ち合わせの国観峠は広い草原で神原への分岐点になっており、小さなお地蔵さんが赤い衣を着せられて鎮座していた。
もうあまり登りはないものと思い込んでいたので、次の三県境への100mほどの登りもきつくて汗を搾られた。ここでしばらく休憩した。
次のピーク千間平韓はなだらかな下り道。気持ちよく下って行った。中間に水場があり、冷たい美味しい水が流れていた。みんなで給水したので全員給水するのに10分間もかかり、良い休憩になった。
(国観峠)
(三県境)

登山口の北谷登山口に下りついたのは約束の14時ぴったり、待っていたタクシの運転手さんに「JRより正確だよ」と感心された。
五ヶ所でバスに乗り換え、白水温泉の日帰り入浴で汗を流し、熊本空港に飛行機の2時間半前に到着した。手続きをして熊本名物の夕食をゆっくりと賞味できた。羽田で待っていた常陸電鉄のバスに乗って水戸に帰り着いたのは御前様、4日前の出発も朝2時、きついスケジュールだったが、それだけ充実した九州山行でありました。





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