W53.雨中行軍・蓬田岳

1.動 機
蓬田岳は、磐越道からも端正な山容が目立つ、一等三角点のある別名平田富士とも呼ばれる阿武隈の名山である。8年前の秋に、啓ちゃん夫妻と蓬田新田コースを登ったことがあるが、今回の水戸アルパインの案内は、ジュピアランドひらたから鉄塔点検路を糠塚登山口(田母神登山口)まで北上して、田母神コースを山頂まで登って、探検コースという新しいルートを下る周回ルートだった。始めてのルートを楽しみにして参加したが、生憎、一日中雨模様、展望は全くなかった。それでも変化のあるコースを気のあった仲間達と賑やかに歩くことができた。

2.データ
a)山域:蓬田岳(952m)
b)登山日:2009/5/17(日)雨
c)コースタイム:
森山自宅 5:10 5:20 日立電鉄南営業所 5:30 = 5:40 東海駅 5:45 = 6:00 勝田駅 = 6:15 水戸駅 = 6:35 水戸IC = 7:00 日立中央PA 7:10 = 8:00 差塩PA 8:10 = 8:15 小野IC = 8:30 ジュピアランドひらた駐車場 8:50 ---- 9:55 糠塚登山口 10:00 ---- 10:15 岩登りコース分岐 ---- 10:40 展望岩分岐 10:55 ---- 11:10 蓬田岳山頂 11:15 ---- 11:20 菅船神社(昼食) 11:30 ---- 12:35 ジュピアランド上端 ---- 12:50 ジュピアランドひらた駐車場 13:15 = 13:45 入水星の村ふれあい館(入浴) 15:10 = 15:30 小野IC = 16:15 中郷SA 16:25 = 17:00 水戸IC = 17:20 水戸駅 = 17:40 勝田駅 = 18:00 東海駅 = 18:15 日立電鉄南営業所 18:20 = 18:30 森山自宅
(蓬田岳登山コース)
(蓬田岳登山コース高低差)

d)同行者:水戸アルパイン会員19名(男8、女11)、和子
e)地形図:1/25000 「田母神」


3.山行記録
いつもの日立電鉄南営業所でバスに乗り、東海で今回のリーダのHiさんが乗り、勝田、水戸と合計21名の参加者が全員乗り込んで水戸ICから常磐道に乗った。小野ICで高速を下りて県道42号からジュピアランドひらたの広い駐車場に入った。芝桜祭りの最中だがやや盛りを過ぎており、生憎の雨もあってがらんとしていた。
身支度を整えて雨具を付け、公園の中央の広い道の入口階段で集合写真を撮って歩き始めた。すぐ先に、右に曲がる芝桜園の中の道があり、ここを右折した。
(ジュピアランドひらた)
(芝桜の中を歩き始め)

ここから送電線の下を1.5km、真っ直ぐに北に向かって歩いていった。平坦だと思い込んでいた点検路には意外な急坂が何度も現れ、滑りやすい登り下りを繰り返し歩いて行くと、ワラビ採りの人と出合った。このあたり山菜の宝庫でもあるようだ。
(鉄塔点検路をどんどん歩く)

送電線の下に養豚場が見えてくると、左の樹林に入る道があった。その先で養豚場から来る林道に飛び出し、すぐに糠塚登山口の道標があった。ここまで1時間、一休みした。
登山口からは植林の中に登山道が続き、初め緩やかだったが、だんだんときつくなってきた。
雨具の中が汗ばんできた頃、岩登りコースと一般登りコースの分岐点標識があった。晴れていれば面白そうな岩登りコースを登ったのかもしれないが、雨では危ないと判断されたか右の一般コースに入った。
(糠塚登山口)
(岩登りコースもあり)

一般登りコースも勾配は急で汗を搾られる。足元にチゴユリの群落が続き、他にもミヤマエンレイソウなど咲いていて目を楽しませてくれた。
尾根に登り切ったところで、リーダが「今日は展望は利かないが、希望者は展望岩まで寄り道して来よう。」と左の道に誘った。その先に「この岩をくぐらないと大展望岩には出られません」の立札があり「ザックを背負っては行けないので、ここから空身」と指示された。十分に下見した上での指示だ。
(チゴユリ群生)
(展望岩への案内)

目の前に大岩の重なりがあり、まず正面の隙間に身体を滑り込ませた。五十肩が痛い。
真ん中まで潜り込むと、ここから更に狭い右の割れ目を這いこんでいく。これではザックを背負っていては通過できない。「モスラの鼻ぬけ」という名が付いているとのこと。
鼻抜けを通過した先に「モスラの頭」という大岩があり、ここが大岩展望台で、お天気が良ければこの上から安達太良あたりまでの名山が全部見えるらしいが、今日はすぐ近くの宇津峰も一盃山も全く見えない。
(先ず真っ直ぐに潜り)
(直角に曲がる)

もう一度モスラの鼻を潜って分岐点に戻り、色々な大岩が点在する笹の茂る登山道を登っていくと、一等三角点のある山頂に登りついた。狭い山頂なので全員を一度に写すのは無理なので、2班に分かれて集合写真を撮った。
(一等三角点の山頂)

少し先に行ったところに菅船神社の小さな社殿があり、お参りしてからその周りで弁当を広げていると、茨城古河の団体さんが蓬田新田口から登ってきた。「雨でもめげずに登ってくる変人が他にもいることが判って良かったね」とお互いに笑いあった。雨の中での食事は味気ない。早々に終えて下山にかかった。
(菅船神社)
(探検コースを下る)

下山は山頂方向に少し戻ったところから急坂を下る。探検コースの名前が付いていて、ずるずる滑る急坂を木の根っ子に掴まりながら下ったり、ゴロゴロ石を渡りながら歩いたり、ブナの原生林の雰囲気の中を下っていった。
(急坂あり)
(岩場あり)

原生林風情の中には、ところどころ、赤いヤマツツジや紫のミツバツツジが咲いていた。
(ヤマツツジ)
(ミツバツツジ)

樹林の中を汗をかきながら下っていくと、突然目の前が明るくなった。ジュピアランドの上端部に出たようで、ヤマツツジ越の下にジュピアランドの芝桜が見えていた。ここで緊張が抜けたとたんに、足を滑らせて尻餅をついてしまった。油断大敵!
ここからは広い遊歩道になり、木製の階段などで綺麗に整備されている道を歩いた。ジュピアの泉の看板がある水溜りがあったが、水が湧き出ている様子はなかった。芝桜の中をジュピアランドまで下って、キャンプ場の水場で泥んこになった雨具や靴の泥を洗い流してバスに乗った。雨具を脱ぐと、下の衣服はしっとりとなっていた。外からの雨は防いだが、中からの汗をたっぷりと吸っていた。
(ジュピアランド最上部から)
(芝桜に戻る)

バスは全員が濡れた雨具などを片付けてから発車し、30分走って入水鍾乳洞の入口にある「星の村ふれあい館」まで入った。ここで入浴して汗を流し、賑やかにビールやラーメンを頂いた。レストランで無料で飲める水も全国の名水品評会で連続5年大賞を受賞している美味しい水だった。小野ICに戻って高速に乗り、渋滞もなく順調に茨城に戻ってきた。




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