W56.赤面山
(新福島の山のピークハント(3))

1.動 機
ここのところ2週続いた日曜日の集団登山で雨の中を歩き、そろそろお天気のいい時に山歩きがしたいと欲求不満が嵩じていた。前夜の天気予報で全国的にピカピカの晴の予報、これを見て急遽どこに行こうかと相談が始まった。その結果「新福島の山ガイドブック」の中にあった赤面山が、今丁度シロヤシオの季節だろうと見当を付けて出かけることにした。
赤面山には、6年前の年末に同期のハイク会が登って美しい海老のしっぽに遭遇した。和子は参加したが、私は都合で参加できなくて、後で素晴らしい雪景色の写真を見せられて悔しい思いをした。
ガイドブックによれば、白河高原スキー場跡から登るのが最短コースだが、シロヤシオは少年の家への甲子縦走路にある。友人を誘って車二台にすれば周回ルートが取れるが、前夜に突然電話するのは憚られる。シロヤシオ群生地から藪漕ぎをしてでも強引に白河高原スキー場跡へ戻ればよかろうと我家だけで出かけた。


2.データ
a)山域:赤面山(1701m)
b)登山日:2009/05/26(火)晴
c)コースタイム:日立自宅 7:05 = 9:50 白河高原スキー場跡駐車場 10:00 ---- 10:30 第一リフト降場 ---- 11:00 リフト終点 ---- 11:05 分岐1---- 11:45 赤面山山頂(昼食) 12:45 ---- 13:15 分岐1---- 14:00 分岐2---- 14:10 第一リフト降場 ---- 14:35 白河高原スキー場跡駐車場 14:50 = 15:00 フキ採取 16:50 = 19:30 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「那須岳」「那須湯本」
(赤面山の半周回登山ルート)
(赤面山の登山ルート標高差)


3.山行記録
我家を7時過ぎに出発して、常陸太田からR349、R118を北上、R289を西走して白河のスーパでトイレを借用してから那須甲子道路に入り、3時間弱で白河高原スキー場跡に到着した。那須甲子道路の途中でカーナビが「間もなく料金所です」とアナウンスしたが、料金所は撤去されていて通行料は無料になっていた。ラッキー! 
スキー場の大きなハウスはガラス窓が割れたままの無残な姿を晒しているが、駐車場には大型バス一台とマイカー十台ほどが駐車していた。毎年5月最後の日曜日が山開きということで、西郷村の役場の人たちが駐車場の原っぱの草刈の最中だった。
身支度を整えてハウスの左手から登り始める。始めはなだらかに踏み固められた登山道だったが、だんだんと斜度が増してくると道は荒れてきてごろ石だらけの中を足場を選びながら登ることになった。
(スキー場ハウスの左手から)
(スキー場を登る)

30分登るとリフトの降場に到着した。リフトや巻き上げ機はまだ使用中と見まがうほど綺麗に管理されており、降雪機のプロペラも風で回っていた。
そのまま右手のスキー場を登ろうかと思ったが、右手に見える次のリフト乗場に向かって黄色い矢印がついていた。リフト乗場まで少し下ると、またリフト右手のガラガラに荒れたゲレンデに黄色い矢印が登っていた。
少し登ったところにゲレンデから右の森の中に入る道があり、これを行けば甲子縦走路に合流してシロヤシオに出会えるかもと思ったが、まずは山頂の展望を楽しもうと矢印に沿ってゲレンデを登っていった。左の林の中には、ところどころにシロヤシオの花が咲いているのが見えていた。近寄って見たいが、とても踏み込めそうにもない厚い藪の中だった。
今日は雲一つない好天気で、日陰のないゲレンデを歩くと背中が焼かれて暑い。先行していたご一家が一休み中で「今日は天気が良くて良かったですね」と声をかけると、「天気が良すぎるよ」と水を飲みながら汗をぬぐっていた。
(第一リフト降場から第二リフト乗場へ)
(またスキー場を登る)

リフト終点からやっと山道になり、入口に「赤面山山頂入口」の案内板がたっていた。しばらくブナの林の中の道になり、陽も遮られて気持ちが良かった。
5分も歩いたところに甲子縦走路の分岐があり、その先にはオオカメノキやミネザクラが綺麗に咲いていた。
(ブナ林の道)
(ミネザクラ)

林を過ぎると今度は笹原の中の気持ちのいい道になり、先に赤面山のなだらかな山容が見えていた。
歩きやすい道は長くは続かず、やがて雨水で深く掘られた登山道になり、ところどころで現れる大きな段差を登らなければならなかった。
(熊笹の道)
(深く掘れた登山道)

ロープが張られた石ころの急坂を登ると、左に開けたところがあって、朝日岳と茶臼岳の絶好の展望台になっていた。
(展望所から茶臼岳と朝日岳)

展望所から10分も登ると山頂だった。大型バスでやってきたいわきの山の会の集団が賑やかに弁当を広げていた。
山頂からの眺めはまさに360°の大展望だった。目の前に茶臼、朝日、三本槍、須立、旭、甲子とならび、さらにその右には二岐山や大白森が続き、その上に霞加減だが飯豊山や磐梯山まで見えていた。
(山頂からのパノラマ)

展望を楽しみながらゆっくりと昼弁当を頂き、団体さんが引き上げるのを待って山頂標の前で証拠写真を撮った。来月始めには山の会で須立山から旭岳(赤崩山)の麓を歩く予定なので、こっちの記念写真も撮った。
山頂付近はまたシャクナゲの木が多かった。やっと咲き始めたところだが、それだけに、咲いた花はとても新鮮な感じで綺麗だった。
(山頂標の前で)
(須立山・旭岳)

山頂から分岐点まで往路を引き返し、分岐点から甲子縦走路に入った。この分岐点には「足元注意」の看板があり、要所は木道で整備されていたが、滑りやすい粘土の道だった。
やがてチラホラとシロヤシオの花が姿を現してきたが、まだ三分咲き程度で淋しい感じがした。これだと「下山してからマウントジーンズスキー場に回って、ゴンドラに乗ってシロヤシオ観光に行くようかな」と話していると、下るにつれて花付きが良くなってきた。
(甲子縦走路)
(シロヤシオのトンネル)

どちらを向いてもシロヤシオ!満開のシロヤシオに大満足。
(上部ではまだ蕾多く、下部では満開)

シロヤシオの間にはシャクナゲのピンクの花も咲いていて彩を添えていた。
途中に右に分かれる道があり、これに入って行くとスキー場に出て、ゲレンデを下る賑やかな団体さんの姿が見えた。まだ第二リフトの乗場は見えなかったので、もう一度甲子縦走路に戻った。更に賑やかになったシロヤシオを愛でながら20分下ると、また右にへの分岐があった。ネマガリの中の道をタケノコを採取しながら歩いて行くと第二リフト乗場の上だった。ここからまた往路を下っていくと、件のいわきの団体さんが一箇所に集まって何か騒いでいる。何があるのかと近寄ってみると、可愛いハルリンドウが群生して青い花を開いていた。仲間に入ってシャッタを押した。
(シャクナゲ)
(ハルリンドウ)

駐車場に戻ると、広い駐車場の草刈はもう終わっていた。コーヒを入れて一休みしてから帰途についたが、那須甲子道路を走ると、路側のあちこちに野蕗が生えているのが目に入った。何箇所かで路側に車を停めて夢中になって蕗を収穫していたら、すぐに2時間近くの時間が過ぎていた。
その後大した渋滞に出会うこともなく無事我家に帰ってきた。




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