W64.信州の山巡り
(湯の丸山・烏帽子岳・篭ノ登山・水の塔山)

1.動 機
梅雨に入って雨が続いたが、25日が全国的に晴れの天気予報になり、またどこかの山に出かけたくなった。以前山仲間から展望が良いと聞いていた信州の湯の丸山が、その山名が好ましくて気になっていたのだが、今が丁度レンゲツツジの見頃のはずだと出かけることにした。同じく山仲間が登って花が多かったと知らせてくれた篭ノ登山と水ノ塔山がすぐ近くなので、次の日も天気がよければ一緒に登ってこようと出かけた。どちらも今年3月のスノーシューで出かけた高峰山から見渡し、そろそろ登りたいなと思っていた山だった。

2.データ
a)山域:湯の丸山(2101m)、烏帽子岳(2066m)、東篭ノ登(2227m) 、西篭ノ登(2212m) 、水ノ塔山(2202m)、三方ヶ峰(2040)

b)登山日:2009/06/25(木)曇時々晴、26(金)晴れ
c)コースタイム:
24日:日立自宅 17:10 17:25 日立南IC 16:15 壬生IC = 18:30 佐野藤岡IC =(R50) = 19:15 太田桐生IC = 20:25 東部湯の丸SA(車中泊)
25日:東部湯の丸SA(朝食) 7:10 = 7:30 地蔵峠駐車場 8:10 ---- 8:25 ツツジ平入口 ---- 8:45 鐘分岐 ---- 9:25 湯の丸山 9:45 ---- 9:55 北峰 10:00 ---- 10:10 湯の丸山 10:15 ---- 10:35 鞍部分岐 ---- 11:00 尾根分岐 ---- 11:20 烏帽子岳(昼食) 12:00 ---- 12:20 尾根分岐 ---- 12:40 鞍部分岐 ---- 13:10 中分岐 ---- 13:20 鐘分岐 ----(ツツジ平)---- 13:55 ツツジ平入口 ---- 14:10 地蔵峠駐車場(車中泊)
26日:地蔵峠駐車場 (朝食) 7:20 = 7:30 兎平駐車場 7:35 ---- 8:20 東篭ノ登山 8:25 ---- 9:10 水ノ塔山 9:30 ---- 10:10 東篭ノ登縁 ---- 10:30 西篭ノ登山(昼食) 10:50 ---- 11:15 東篭ノ登山 11:30 ---- 12:00 兎平駐車場 12:10 ---- 12:20 村界の丘 ---- 12:30 雲上の丘 12:35 ---- 13:00 三方の峰 13:35 ---- 池の平湿原 ---- 14:05 兎平駐車場 14:20 = 13:35 高峰温泉 = 15:00 小諸IC = 16:00 波志江IC 16:20 = 16:30 太田桐生IC = (R50) = 17:05 佐野藤岡IC = 17:10 佐野SA 17:30 = 17:45 壬生IC = 18:35 日立南IC = 18:45 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「嬬恋田代」「車坂峠」

3.山行記録
(前夜:アクセス)
日立自宅 17:10 17:25 日立南IC 16:15 壬生IC = 18:30 佐野藤岡IC =(R50) = 19:15 太田桐生IC = 20:25 東部湯の丸SA(車中泊)

車中泊予定の東部湯の丸SAまで高速が繋がっていれば、一気に走っても全体が深夜割引になるので簡単だが、北関東道が途中で切れているので工夫する。17時ごろに我家を出発して前半の120kmを壬生ICで一回降りて通勤割引にした。ETC割引をどう活用するかもドライブの楽しみである。R50に降りてから佐野、足利の市街地の通勤渋滞にあって20kmを走るのに45分かかった。2年先にはこの区間も開通するらしいが、それまで元気にしておれるだろうか。
20時半ごろ東部湯の丸SAに到着したが、広い駐車場はほぼ満車状態になっている。このSAには24時間営業の売店やレストランがあるので車中泊には便利だが、特にトラックの駐車が多く、冷凍車のために一晩中エンジン音が鳴り響くのが難点だ。レストランで夕食を取って21時半ごろ眠りについた。

(1日目:湯の丸・烏帽子岳)
東部湯の丸SA(朝食) 7:10 = 7:30 地蔵峠駐車場 8:10 ---- 8:25 ツツジ平入口 ---- 8:45 鐘分岐 ---- 9:25 湯の丸山 9:45 ---- 9:55 北峰 10:00 ---- 10:10 湯の丸山 10:15 ---- 10:35 鞍部分岐 ---- 11:00 尾根分岐 ---- 11:20 烏帽子岳(昼食) 12:00 ---- 12:20 尾根分岐 ---- 12:40 鞍部分岐 ---- 13:10 中分岐 ---- 13:20 鐘分岐 ----(ツツジ平)---- 13:55 ツツジ平入口 ---- 14:10 地蔵峠駐車場(車中泊)
(1日目コースの高低差)

夜明けには空は半分青空、北方には高峰山の左に湯の丸山や烏帽子岳らしき山々が並んでおり、反対側には八ヶ岳や美ヶ原が広がっていた。喜んで気分良く朝食をとっている間に曇り空になり、八ケ岳も半分隠れてきた。がっかりしたが、そのうちにまた晴れることもあるだろうと思いなおして7時過ぎに車を発車させた。
湯の丸ICにはSAから直接出ることができる。湯の丸SAの標高は650m、1732mの地蔵峠までの標高差1100mのくねくねと折れ曲がった坂道をどんどんと登っていった。登りついた地蔵峠はスキー場もあるので、駐車場の周りにはビジターセンタやホテル、売店が立ち並び、鄙びた峠だとばかり思っていた予想に反してずいぶんと開けたところだった。100台以上も停まれそうな広い駐車場だが、到着した7時半にはもう半分以上車が入っていた。
沸かしたお湯をポットに入れてから、身支度を整えて牧場に向かって歩き始めた。牧場入口あたりにもあちこちにレンゲツツジが咲いており、ここでもう三脚を構えている人もいた。観光客と一緒にゲートを通って牧場の中に入ると、10頭ばかりの牛が草を食んでいる。レンゲツツジと組み合わせて写真を撮れば絵になるが、牛さんはこちらの思うようには動いてくれない。
牧場を登っているうちにリフトが動き始めたが、初めは安全確認運転のようで、我々が牧場の上のゲートを通過してリフト降場に着いたときも、まだ人は乗せていなかった。
(地蔵峠駐車場)
(ゲートを通って牧場を登る)

湯の丸への登山道はツツジ平の外柵沿いに上に向かって伸びていたが、リフト降り口のすぐ上にツツジ平入口の道標があった。
ツツジ平に入ると見事に花開いたレンゲツツジの群落があった。早速三脚を構える人もいたので、私もシャッタを押した。登山者の多くは「山に登る時間がなくなる」と言いながら入口に引き返していったが、外柵の出入り口はまだ上にもありそうに思えて、ツツジ平の中を登っていった。
(牧場を越えるとツツジ園入口)
(丁度満開でした)

少し登ると木立が少なくなり明るくなってきて、レンゲツツジも綺麗に見えてきた。目の前に緩やかな曲線を持った湯の丸山が聳え、レンゲツツジがその麓まで真っ赤に染めているのが見えた。なかなか良い眺めである。
(ツツジ平から湯の丸山を見上げる)

ツツジ平の中をどこまでも登っていきたかったが、出入り口がどこまであるのか判らないので、高山蝶保護の大きな看板が立つ3つ目の出入り口から登山道に戻った。午後には太陽も出てきてレンゲツツジが一段と華やかになるはずだ。帰りにもう一度このツツジ平に立ち寄りたいと思いながら先に進んだ。
休憩舎を過ぎて10分ほど歩いて少し下った鞍部に、「遭難防止の鐘」がぶら下がった分岐点があった。無事の山行を祈って一つ打ち鳴らした。この分岐点は十字路になっていて、直進が湯の丸山、左折すると湯の丸山を巻いて烏帽子岳に向かう「水平道」、右折するとツツジ平を通って鹿沢温泉に向かうとある。烏帽子岳に登った後、帰りにここからツツジ園に入れば、ツツジ園の上から下まで満喫できる。
緩やかだった登山道も、湯の丸山に近付いてくると急に斜度が増してきた。大石がごろごろする急坂を汗をかきながら登っていった。後ろには真っ赤なツツジ平の向うにスキー場と駐車場、その左に西篭ノ登、東篭ノ登の二瘤、その上に浅間の黒班山が見えていた。
(遭難防止の鐘)
(湯の丸への登山道)

歩きにくい石のでこぼこ道も、周りに色々な花が咲いていて慰めてくれた。ドウダンツツジやコイワカガミのほかにも、ズミ、コケモモ、ゴゼンタチバナ、ツマトリソウなど賑やかだった。
途中で追い越した団体さんの話し声が耳に入った。「この木がイチイの木です。実は熟すると真っ赤になりおいしいですよ」という女性の話で、イチイの木を知った。
(サラサドウダン)
(コイワカガミ)

登りきった湯の丸山の山頂はただっ広い岩ガレで、向かいの烏帽子岳の上に北アルプスの白い峰々が広がっていて思わず歓声を上げた。見渡すと360度の大展望だった。
富士山は確認できなかったが、八ケ岳、中央アルプス、美ヶ原、御岳、乗鞍、そして横一線に北アルプスの峰々、さらにぎざぎざの戸隠、火打・妙高と連なっている。右手の北方には根子岳・四阿山が格好良くその右に志賀高原の山々があり、後ろの北には明日登る予定の篭ノ登山の上に浅間山、スノーシューで登った高峰山が見えていた。水戸アルパインで連れ歩いてもらったのでずいぶんと知っている山が増えてきて、山座同定も楽しくなってきた。
(山頂からの大展望:このサイズでは見えないので山名記入)

(篭ノ登山・浅間山)
(根子岳・四阿山・志賀高原)

3市郡境界石は最高点2101mのここにあるが、三角点は少し離れた北峰2099mにある。南峰でゆっくりと展望を楽しんだ後、北峰まで足を運んだ。途中、歩きやすい尾根道の足元にはイワカガミのピンクの花があちこちに咲いていた。
10分ほどで着いた大石が重なった北峰山頂からも、南峰と同じように素晴らしい展望だった。四阿山が更に大きく立派になったように見えた。
(湯の丸山頂)
(北峰まで歩いた)

南峰に引き返して烏帽子岳に向かった。烏帽子岳の間には鞍部までの150mの下りがある。登りと同じように石がゴロゴロした急な傾斜を下っていく。わずか150mと思っていたが、なかなか鞍部に降り着かない。レンゲツツジやドウダンツツジの写真を撮ったりしながらゆっくりと下った。
鞍部に下りつくと巻道の分岐点で「鞍部分岐」の道標があり、その先に大きなズミの木があって真っ白い花をいっぱいに咲かせていて見事だった。烏帽子岳を見上げて一息入れた。
(烏帽子岳へは一度下る)
(鞍部の大ズミ)

今度は烏帽子岳に向けて登っていくが、急斜面を直接登るのではなく、途中から左にトラバースする道になり緩やかに尾根に上がった。少々遠回りだが、傾斜が適当で歩きやすい。
尾根に出ると草原状の原っぱで見晴らしが良い。右の尾根の先にピークが見えた。もう少し頑張れば山頂だと思って休まないで歩いたが、そのピークに登りついたら、その先に岩だらけの烏帽子岳の山頂があった。ここも展望が良くて休んでいる登山者が何人もいたが、気を取り直して本当の烏帽子岳に向かった。
(烏帽子岳へ登り返す)
(ピークの先に烏帽子岳が)

ミヤマハンショウヅルやイワカガミ、アヤメ、ハクサンチドリなどが咲く道を進み、岩を縫うように登るとやっと烏帽子岳の山頂に着いた。岩がゴロゴロした山頂からは360°の展望が広がっていたが、昼近くになって北アルプスは少し霞んできていた。
この山頂には大勢の人があちこちに陣取って弁当を広げていた。我家も四阿山を前にして陣取り昼食をとった。
(ミヤマハンショウヅル)
(烏帽子岳山頂)

展望に名残を残しながら尾根道を引き返して、尾根分岐から湯の丸山の鞍部に下った。鞍部から見上げる湯の丸山は高く、やはり登り返す気にはなれない。ここから右の巻き道に入った。巻き道を行くと「水平道」の看板があったが、本当になだらかな道だった。ところどころに咲いているドウダンツツジやスズランなどを愛でながら気持ちよく歩くと、「中分岐」の道標があり、ここから右手のツツジ平への道に入った。
(左:湯の丸山へ、右:巻き道)
(中分岐の道標)

緩やかに10分ほど登ると、朝鳴らした鐘があった。ここの入口からツツジ平に入ると、お日様を受けてレンゲツツジが光り輝いていた。あちこちに観光客が歩いており、多くのカメラマンが三脚を構えていた。
(カメラマンは鐘分岐まで登ってきていた)

湯の丸山方向を向いても一面のレンゲツツジだった。曇っていた朝よりも数段と美しい光景だった。
(お日様があたってツツジも一段と鮮やか)

ツツジ平の中に網目状に広がった遊歩道を観光客と一緒に歩いて、なんどもシャッタを押しながら入口のゲートまで下った。
牧場の上のリフト降場に出るとリフトに乗り降りする観光客がまだまだ多かった。観光客が乗ったリフトを左に見ながら駐車場まで下った。
(入口近くは観光客がいっぱい)
(リフトは観光客で大繁盛)

駐車場まで下り、ホテルの温泉に入って汗を流し、早めの夕食をいただいて、静かになった駐車場で早々に眠りに着いた。

(2日目1:篭ノ登・水ノ塔)
地蔵峠駐車場 (朝食) 7:20 = 7:30 兎平駐車場 7:35 ---- 8:20 東篭ノ登山 8:25 ---- 9:10 水ノ塔山 9:30 ---- 10:10 東篭ノ登縁 ---- 10:30 西篭ノ登山 10:50 ---- 11:15 東篭ノ登山(昼食) 11:30 ---- 12:00 兎平駐車場
(2日目コースの高低差)

朝目覚めると、空は雲一つない快晴だった。一昨日の天気予報では今日は曇後雨の予報だった。喜んで身支度をして朝食をとり、いざ出発しようとエンジンキーをまわしたらスタータが回らない。昨日、暑い、寒いと窓を開け閉めした時に、キーをしばらく切り忘れていたのでバッテリがあがってしまったようだ。JAFを呼ぶと今日の登山は中止だなあと騒いでいると、周りの車から何人も人が寄ってきて、その中の男性が車を寄せてきてブースタケーブルを出して繋いでくれた。キーを廻したらエンジンがかかった!その娘さんが「家のお父さん、以前は車修理屋さんだったの」とおっしゃっていたが、この時はまさに神様だった。バッテリを充電するために鹿沢温泉まで往復してきてから、兎平への林道に入った。
林道はくねくねと曲がりくねっているが綺麗に舗装されており、300mの高度を一気に登った。峠が兎平で広い駐車場があり、500\の駐車料金を払いパンフレットを貰って車を入れた。
「今日は富士山が見えるといいね」と係員の声を聞きながら、駐車場向かいの登山口から歩き始めた。登山道は気持ちの良い雑木林の中に伸びていて、マイズルソウがいっぱい咲いており広くなだらかで気分が良いハイキング道だった。シャクナゲの木が多かったが、もう盛りを過ぎたのか花の姿はなかった。
(兎平駐車場から歩き始め)
(広い登山道)

雑木林を抜け、少し下ると目の前に東篭ノ登山と水ノ塔山の山頂が目に入ってきた。さらに樹林帯の中の山道となり、10分も歩くと露岩の点在する東篭ノ登への登りになった。
岩場を一登りすると一等三角点のある東篭ノ登山2227.2mの山頂に登りついた。山頂からは360°の展望だが、空は快晴で時刻もまだ朝8時過ぎなのに期待した北アルプスは霞んで全く見えない。気温が上がってガスが上がったようだ。北アルプスは昨日眺めたからまあいいか。昨日の烏帽子岳、湯の丸山はよく見えており、四阿山も綺麗だった。
(山頂近くはゴロ石の道)
(東篭ノ登山頂)

浅間山方向に目を向けると、これから向かう尖った水ノ塔山があり、それまでの赤ゾレと言われる崩落した稜線が見渡せた。慎重に歩いていこう。
(水の塔山への赤ゾレの稜線・浅間山・黒班山・高峰高原)

樹林の中を下っていくと、道の脇には色々な可愛い花がいっぱい咲いていた。マイズルソウ、ミツバオウレン、ツマトリソウ、ゴゼンタチバナ、イワカガミ、ミヤマハタザオ、ツガザクラ、コバノキスミレなど色とりどりだった。色あせていたが咲き残りのシャクナゲもところどころで目に入った。
(ミヤマハタザオ)
(ツガザクラ)

何度も小さなピークを越えながら歩いて行くと最後のピーク水ノ塔山に突き当たる。岩場を直登するのだろうと進むと、直登方向はロープで止めてあり、左回りに登山道ができていた。岩だらけの登山道を石の頭を拾いながら登っていくと、山頂近くにアズマシャクナゲが数株新鮮な花を開いていて歓迎してくれた。
岩の重なりの水の塔山頂からは浅間山・黒班山が近く、眼下に高峰高原が見渡せ、その右に高峰山が繋がって見える。左手には東篭ノ登の下に兎平に向かう林道がうねうねとうねっていた。ここから高峰温泉に下って兎平に戻ることも考えていたが、この長い林道を眺めるととんでもない話に思えて、アップダウンの多い赤ゾレの尾根を引き返すことにした。
(アズマシャクナゲ)
(水の塔山頂)

尾根道は反対方向から歩いてみると、一味違った道に見えた。赤ゾレのところも道は広くて往路では何も意識しないで歩いたが、帰りにゆっくりと眺めると、うっかり足を滑らせれば危ないところではあった。
東篭ノ登の手前のピークも、往路では樹林の中なので気にもならなかったが、帰りに見ると断崖の上の道だった。
(赤ゾレ)
(断崖もあった)

帰りは東篭ノ登の山頂には上がらないで、少し巻いて西篭ノ登山に向かった。下りは急坂だったが、西篭ノ登への登りは傾斜が緩やかだった。ツバメオモトやイワカガミが咲く道を行くと山頂近くは岩だらけになった。
岩を乗越えながら山頂に登り、山名標の前で証拠写真を撮って昼食にした。
(西篭ノ登へ)
(西篭ノ登山頂)

山頂から振り返ると浅間山の噴煙がはっきりと見えており、火口いっぱいに噴煙を上げていた。
山頂の先に踏跡があり、そこからは湯の丸高原や烏帽子岳、湯の丸山が良く見えていた。写真だけ撮って引き返したが、後で知ったことだがここのガレ場にコマクサが咲いていたらしい。
(浅間の噴煙が見えた)
(烏帽子・湯の丸:ここにコマクサ)

兎平に下る途中で出合った登山者に「コマクサ咲いていましたか?」と聞かれ、今時まだコマクサの季節でもないだろうと聞き流したが、その後も何人にも聞かれ、もしかして大事なものを見落としたかと心配になってきた。
駐車場に降りて係員に聞くと、西篭ノ登の先のガレ場に今コマクサが咲いているのだという。西篭ノ登まで登り返す元気はなくがっかりしていると、案内図を渡して「池の平の上の遊歩道脇にもコマクサは咲いている。こっちは柵で囲まれているので写真は撮れないが、時間があったら回ってみたら。」と教えてもらえた。

(2日目2:池の平遊歩道)
兎平駐車場 12:10 ---- 12:20 村界の丘 ---- 12:30 雲上の丘 12:35 ---- 13:00 三方の峰 13:35 ---- 池の平湿原 ---- 14:05 兎平駐車場

駐車場の先の休憩舎には大勢の観光客が弁当を広げており、池の平湿原への道を行き来する人が多かった。こちらを歩くのがコマクサ園への近道らしいが、人が多すぎる。右手の山に登る「見晴岳」への道に向かった。道は緩やかで手入れも良くて歩きやすく、紳士靴の人や日傘をさしたご婦人も歩いていた。
(池の平遊歩道)
(アヤメ園)

アヤメが咲いていたりする道を歩くと「村界の丘」の看板があり、上がってみると目の前に西篭ノ登、東篭ノ登があり、その右に水ノ塔や黒班山も見えていた。あの西篭ノ登の先で足元を見ていればとしきりに悔やまれた。
(村界の丘から篭ノ登・水ノ塔)

左下に黄緑の池の平湿原を見下ろしながら歩くと、「雲上の丘」という高台に着いた。ここも360°の展望台だった。目の前に烏帽子岳から水ノ塔山、黒班山が広がり、反対向きには八ケ岳や美ヶ原がうっすらと見えていた。立派な山名方位盤によれば、天気さえ良ければ、ここからも富士山や北アルプスが望めるらしい。紳士靴で歩いてこられる場所で、こんな素晴らしい展望が得られるなんてまさに「雲上の丘」である。
(雲上の丘からの展望)

展望はもう満足したが、早くコマクサに出会わないと落ち着かない。ピグミーの森という樹林を下り、見晴岳への道を右に分けて少し登ると金網でできた柵が現れた。ご夫婦が柵の中に向かってカメラを向けながら何かもめている。
良く見ると柵の向うにコマクサが咲いていた! 柵の金網は10cm角ぐらいの粗い金網でデジカメなら中に入れられる。ところどころには4枡を一つにしたところも作ってあり、高級カメラでも大丈夫になっている。
いろいろ工夫しながらシャッタを押していると、ご夫婦が「もう少し先の三方の峰の近くのコマクサ園の方が大株のコマクサがあるよ」と教えてくれた。
(三方の峰に)
(コマクサ群落)

一旦湿原近くまで下って登り返したところにも金網の柵があった。こっちには人も多い。白いコマクサが咲いているところには人だかりができていた。やっと落ち着いた気分になると空腹であることに気付いた。スープを作って昨夜仕入れた焼おにぎりをほおばった。
(ピンク)
(シロ)

色々なコマクサを心ゆくまで眺め、シャッタも押してから池の平湿原に下った。湿原は乾燥化が進んでいるのか全面笹が幅を利かせていた。所々で姿を見せるハクサンチドリやイワカガミを見つけながら立派な遊歩道を歩いて駐車場に戻った。
遊歩道を歩いている間、大勢の人に出合ったが、駐車場も今から歩こうとする人たちでごった返していた。
(池の平湿原)
(兎平駐車場に戻る)

(2日目3:帰途)
兎平駐車場 14:20 = 14:30 高峰温泉 = 15:00 小諸IC = 16:00 波志江IC 16:20 = 16:30 太田桐生IC = (R50) = 17:05 佐野藤岡IC = 17:10 佐野SA 17:30 = 17:45 壬生IC = 18:35 日立南IC = 18:45 日立自宅

帰途を車のナビに聞くと、高峰温泉に出てチェリーパークラインを小諸ICに下るルートを指定してきた。指定に従って高峰温泉への林道に向かうと、湯の丸高原からの林道は全面舗装だったのに、こちらの林道は未舗装だった。狭いところでは対向車と道を譲り合いしながら高峰温泉まで走った。篭ノ登・水ノ塔の稜線が高かった。
ここの温泉はスノーシューで来たときに泊まったが、日帰り温泉は受付14時まで、今日は余り汗もかかなかったこともあり、このまま帰ることになった。
(高峰温泉から篭ノ登・水ノ塔)

チェリーパークラインを下って15時に小諸ICで高速に乗り、太田桐生ICまでは平日昼間割引30%で走り、退勤前のR50を快調に走り、佐野藤岡ICから日立南ICまで通勤割引50%で明るいうちに我家に帰ってきた。
2日間過ごした2000mの高原では気温は20℃以下で寒いと思うほどだったが、下界に下りると車に流れ込む風が暑い。足利あたりでは温度計は30℃を越しており、我家に帰っても蒸し暑くてなかなか寝付けなくてクーラのお世話になった。




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