W72.御殿山と高谷地山
(里美の山ピークハント)

1.動 機
関東では梅雨が明けたとの発表があったが、登りたい山の辺りはまだ毎日雨や曇のマークが続いている。家の中で鬱々としていると身体がなまってくるのが心配になり、近くの低山にでも登って、来たるべき登山シーズンに備えて足慣らしをしておきたい。先週の古観音山の麓で見つけたタマアジサイの群落の様子を確認しに出かけることにし、近くの御殿山と高谷地山に登ってみることにした。これらの山は地形図や一般の地図には出ていないので我家は知らない山だったが、山悠々さんHPや里美村ガイドマップで見つけたものである。
(里美ガイドマップの中心部切り抜き)


2.データ
a)山域:御殿山(643m)、高谷地山(788m)
b)登山日:2009/07/20(月)曇時々晴れ
c)コースタイム:
日立自宅 9:00 9:40 下の滝 9:45 10:00 苗ノ平P 10:25 ---- 10:35 御殿山 10:55 ---- 11:45 苗ノ平P 11:50 = 12:10 タマアジサイの原(昼食) 12:30 = 12:50 県道245 13:00 ---- 13:45 高谷地山 13:55 ---- 15:10 県道245 15:20 = 16:00 里美JA直販店 16:30 = 17:30 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「里美牧場」「竪破山」

3.山行記録
1)横川の下滝
今日登る山は展望が期待できないので、山頂まで登っても余り面白いことがあるは思えない。山に登る前に綺麗な滝を眺めて目の保養をして行こうと、横川の下滝に立ち寄った。R349から折橋交差点でR461に曲がって横川鉱泉を過ぎたところに、「下滝」の広い駐車場があった。駐車場の先に階段で下る数段の展望台があり、滝の上から滝壺まで色々な角度から目の前に滝を眺めることができる。この天竜川は先週の生田川よりも水量が多いので、流れにも迫力があり、なかなか見応えのある滝である。何組もの人が滝を眺めていた。
(横川の下滝)

2)御殿山
(御殿山登山ルート)
(御殿山登山ルートの高低差)

下滝のすぐ上でR461から苗ノ平への道に入った。道幅は狭くくねくねと曲がりくねった急坂の車道だが、部落に上がるまでは綺麗に舗装されていた。道がなだらかになって部落に近付くと舗装が切れてきた。駐車場所を探しながら数軒の民家を通り過ぎると、谷合いに草原があった。ここに車を停めて身支度を整えて、谷間の草むらに踏跡らしきものを見つけて踏み込んだ。御殿山は標高643mだから駐車場所からの標高差は60mに過ぎない。目の前の高見に向かって登っていくと、始めは手入れされた杉の植林だったが、これを過ぎると松と雑木の林になった。10分ほどでなだらかな山頂に上ぼり着き、笹と落ち葉の中に三角点を探すがなかなか見つからない。「あった!」の和子の声。4個の石で大事に囲まれた小さな四等三角点があった。
証拠写真を撮って下りにかかったが、同じルートを下っても詰まらないので、山菜の下見を兼ねて隣のピークも探索して下ろうとその方向の踏跡を辿った。踏跡は次のピークには向かわないで、途中から谷間に向かい、すぐに車道に下りた。車道に出てから駐車場に向かう間、道の両側にはオカトラノオやトリアシショウマが賑やかだった。
(なんとなく道有り)
(4等三角点)

3)タマアジサイ
駐車場に戻って車に乗って苗ノ平と反対方向に向かう。ここの車道の周りにもタマアジサイが多いが、まだ蕾のままだった。植林で覆われて日が当たらないから開花が遅いのだろうと自分に言い聞かせながら舗装と未舗装が混じる道を走る。
すぐにR461から天竜院へ入る道から分岐した道に出て、そこを左に曲がって古観音山方向に向かって北進した。未舗装のバラスの道を走って生田川の源流に交差し、左にある生田川沿いの狭い林道に入った。林道をどんどん下ると先週のタマアジサイの群生地に出たが、残念!開花時期の見通しを誤ったようで、アジサイはまだ殆どが蕾のままだった。がっかりしたが、わずかに咲いているタマアジサイの花を愛でながら弁当を広げた。
昼食を終えて林道を引き返し、バラスの道を古観音山の裏を北進し続けると、ハナウドなどの白っぽい花の中に鮮やかなウツボグサの紫が目を惹いて思わず車を停めた。
(タマアジサイ)
(ウツボグサ)

4)高谷地山
(高谷地山登山ルート)
(高谷地山登山ルート)

車は舗装された県道に出た。県道Noは245で我家の近くを海岸線を通るR245と同だった。県道に出て右折して走るとすぐに峠になり、そこが高萩市と常陸太田市の境界だった。高谷地山はこの境界線上にあるので、境界の尾根を辿れば容易に山頂に到着すると読んでいた。
初め尾根上には薄い踏跡があり、境界上の木には白いペンキを塗った印がつけられていた。それを辿ったが、鞍部では笹などの藪が濃くなって半袖では腕が傷ついて通りにくくなり、脇に追い出された。それでも三つの小さなピークを越えると高谷地山の山頂に到着した。山頂近くは背の高い笹に覆われていたが、うろうろしているうちにHSCカワスミさんの青い山名板が見つかり、そのすぐ下に三等三角点があった。
周りは背の高い樹木に蜜に覆われていて、ナビを覗いてみるとナビの示す現在位置は三角点位置から90mもずれていた。上空が開けていないところではナビに頼るのは極めて危険であることを実感した。
(三角点は笹の中)
(高谷地山頂)

深い笹薮の中を、ナビも使えないのに磁石での方向確認もしないで下り始めたら、初めから90度方向を誤った。方向変換をしてトラバースしながら修正したが、慌ててしまって下る尾根をまた間違え、次の軌道修正でも少し行き過ぎがあって3度目でやっと登ってきた足跡にたどり着けた。小さな山だと侮って安易に歩きすぎた。登りは45分で山頂に着いたのに、下りは1時間15分、30分も余計に時間がかかってしまった。最近はナビに頼りっぱなしで歩いていたので、慎重に地形を確認する習慣が失せてしまっている。大きな山だったら遭難騒ぎだ。トムラウシの遭難事故のニュースも頭の中で重なって反省しきりだった。




inserted by FC2 system