X22.気になる林道探索(高鈴)

1.動 機
高鈴GCから高鈴山に至る途中、登山道のすぐ下に見える林道が数年前から気になっていたが、今年の日立アルプス縦走時にはほぼ完成していた。雪の日が続いて山には出にくかったが、天気予報に今日一日だけ晴れマークがでて、この林道が何処から何処まで続いているのか歩いて調べることにした。
県道37号の大平田分岐から高鈴山に登る車道に入って登って行くと新道への分岐があり、雪の新道を辿って下っていくと県道の石灰鉱山採石場の上に出た。全部車道歩きだったが、車の走らない新雪の道を歩いて気持のいいハイキングになった。
(仮設完?:07/10/03)


2.データ
a)山域:高鈴林道(390m)
b)登山日:2010/02/14(木)晴
c)コースタイム:
日立自宅 10:40 = 11:00 諏訪梅林 11:10 ---- 11:15 新田中内BS 11:20 ---- 11:55 かみすわ山荘 12:00 ---- 12:40 新道分岐 ---- 12:55 ハイキング道近接点 ---- 13:15 通行止 ---- 13:20 (昼食) 13:35 ---- 13:55 一軒家 ---- 14:00 日立セメント ---- 14:15 県道出合 ---- 14:25 水穴 14:35 ---- 14:40 新田中内BS 14:45 = 15:10 日立自宅
(コース標高差)
(気になる林道の現地調査ルート)
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「町屋」「常陸太田」


3.山行記録
暖かくなってから歩こうと10時半になってやっと腰を上げて我家を出発、途中、諏訪梅林に立ち寄ってみた。花の時期にはまだ早すぎて、子供連れの賑やかな歓声は聞こえるが、梅見客の姿は見えず駐車場はガラガラ。紅梅はだいぶ咲いていたが、白梅はチラホラ、ロウバイだけが黄色い花を綺麗に咲かせていた。
(ロウバイ)
(ウメ)

県道37号を登っていき、高鈴GCへの道が大きく左折するところを直進し、すぐ入口の新田中内バス停に車を停めた。ここは6年前に三澤さんと高鈴山へ登った時に歩き始めたところだ。
近くの家から男性が出てこられたので、新しい林道のことを尋ねてみたが、あまり御存じなくて「工事車両がこの道を行き来するから、この先にその新道の入口があるんだろうよ」とのことだった。15分歩いたところに産業廃棄物処分場があり、その先に道路工事会社の仮設事務所があって「本日作業なし」の表示がしてあった。工事中だったら通行止めで歩かせて貰えないかもしれないと心配していたのだが、この休工中の知らせを見て安心した。
30分歩いた諏訪鉱山のバス停からは道が狭くなり、下ってくる一人歩きのご婦人に出合い「新道の分岐」について聞いてみたが、「いつもかみすわ山荘まで歩いて引き返すので分からない。その先にあるんでしょうね」とのこと。すぐ先のかみすわ山荘に立ち寄って駐車場のトイレを借用して、立派な建物の外観を眺めただけで車道に戻って歩き続けた。
(新田中内バス停に駐車)
(かみすわ山荘脇の車道を歩く)

かみすわ山荘のすぐ上には堰があって小さな池になっており、静かな水面が周りの木々を映して綺麗だった。
その脇の道路に青い羽根をした綺麗な小鳥がいた(帰宅後調べたところルリビタキという鳥らしい)。写真を撮ろうと近づくと少しずつ飛んで行っては50mほど道案内をしてくれた。
(小さな堰)
(ルリビタキ)

1時間歩いても新道の分岐らしきところが現れず少々心配になってきたが、狭い車道いっぱいに工事車両のキャタピラの跡が続くので、工事現場は先にあると判断して歩き続けた。歩き始めて1時間20分でやっと分岐点が見えてきた。どうみても、ここは新林道の出口で、入口は歩いてきた車道ではなくて県道37号のどこかなのだろうと思われた。
大型の工事車両が何台も置いてあり、入口の削り取った法面はまだ補強工事が終わっておらず、「山がくずれそうなので入らないでください」の注意札が立っていた。法面から離れた仮設道路を歩いて危険個所を通過して新しい林道の工事済部分に入った。
路側には「工事中・立入禁止」の札を付けた移動式の車止めが置いてあったが、工事中は道路に出して通行止めにするのだろう。今日は歩いてもOKと言う事だ。一昨日夜に雪が降ってからは歩いた人がいないようで、まっ白な新雪を踏みながら歩いて行った。
(新道への分岐)
(工事中の道)

大きな曲がりを繰り返しながらなだらかに登っていく。新雪の道も陽の当たる向きのところでは雪が解けていて土の路面がむき出しになっていた。何曲がりしたところで、目の前の林の中にハイキング道が見えてきた。ここが私がいつも写真を撮っていたところだった。
「ここからハイキング道に上がって1時間半、高鈴山まで往復してこようか」と提案したが即座に却下された。ハイキング道を通る自転車の少年たちに上から声をかけられたが、自転車ではハイキング道も雪で大変らしかった。
昼食をとる時間だったが、落着ける場所もないので雪道をそのまま歩き続けた。相変わらず足跡のない10cmほど積もった新雪の道が続いたが、一匹の動物の足跡だけが先に進んでいた。
(目の前の林にハイキング道)
(舗装道)

大きく回り込んだところからは高鈴山のアンテナ塔が見えており、その下には分岐点の削り取られた茶色い法面も見えていた。
きれいな雪を踏みながら下っていくと路側に移動式の車止めが何か所にも置いてあったが、広い駐車場所?の先には「法面亀裂・通行止」の立札があった。
(高鈴山)
(これより上は通行止)

通行止めの先の重機が置いてある所で、ブロックを使わせてもらって休みながら昼食にした。ここまでは一般車も乗り入れ自由のようで、路面は除雪してあり、植林の間伐をした材木を積み重ねたところもあった。
右に現れた高鈴ハイキングコースへ向かう破線の道ははっきりとした登山道だったが、その先の左から来る大平田からの破線の道は籔のようだった。この合流点には二つの石の祠が祭ってあった。すぐに一軒の民家があり、その先に日立セメントの採石場があった。「発破注意!」の立札も古く、この採石場はもう採石はしていないように見えた。ここまでの道は舗装の真新しい路面だったが、採石場からは荒れた路面になってきた。林道の新設工事はここから上で行われてきたのだろう。
(通行止から先は除雪あり)
(滝田新田日立セメント跡)

採石場から15分ほどで広い県道に出た。分岐点には「OKABE作業場入口」の看板がかかっていた。県道を左に歩くとすぐに石灰鉱山の採石場が見えてきた。
(県道37号出口)
(すぐに石灰鉱山採石場)

石灰採石場を通過して5分歩くと、左手に「諏訪の水穴」と彫った大きな記念石があり、「天然記念物。諏訪の水穴」の説明板があった。黄門さまも潜ってみたと言われる水穴は川向うにあり、河原に下りて飛び石を渡って覗いてみた。戦後一度埋もれたものを昭和57年に掘り起こしたとのことで、一見余り深くはなさそうだったが、中に入るには靴を脱がなければならないので止めにした。隣の厳島神社にお参りして引き上げた。
(厳島神社と諏訪の水穴)
(諏訪の水穴入口)

5分で駐車場所に戻って車に乗り、思った以上に気持よく歩けた新道探索の雪道ハイキングを振り返りながら我が家まで帰ってきたが、結局あの新道は何のための道なのだったのだろうか。


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