X23.植物園と県民の森

1.動 機
福寿草の季節になり、前日までは北茨城市山間部の群生地に出かける積りでいたのだが、前夜遅くに雪が降ってきたので、山道を避けて平地にある県植物園に行き先を変えた。植物園ではお目当ての福寿草は少なかったが、マンサクやザゼンソウの花に迎えてもらい、森林公園の中では「桜田門外の変」のロケ隊に出合い、映画撮影の現場を見学することが出来た。

2.データ
a)山域:植物園、県民の森(90m)
b)登山日:2010/02/17(水)晴
c)コースタイム:
日立自宅 10:20 = 11:05 植物園駐車場 11:10 ---- 11:20 展示室 11:40 ---- 12:15 森のかけ橋 ---- 12:40 休憩舎(昼食) ---- 13:00 展望台 13:05 ---- 13:30 ロケ見学 14:10 ---- 14:50 植物園駐車場 15:05 = 16:45 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「石塚」

3.山行記録
古希を過ぎると植物園の入場料は免除される。和子の入場料だけを払って園内に入り、すぐの福寿草園に歩いたが、今年は花数が少なく少し淋しかった。
その奥の展示室で実施中の「いばらきの希少植物展」を見学した。レッドデータブック掲載の植物を多くのパネルで紹介していたが、ウチョウランやアツモリソウ、スハマソウなどの他に、秋の七草として身近なキキョウまでもが危惧種になっているのには驚かされた。
(フクジュソウ)
(スハマソウ:写真の写真)

展示室近くに綺麗に咲いていたハクバイやコウバイを眺めてから、いろいろな花を求めて園内をぐるぐると歩きまわった。
(コウバイ)
(ハクバイ)

岩石園のロウバイはもう盛りを過ぎていたが、紅のロウバイはまだ蕾だった。遊歩道脇のミツマタもまだ黄色い花は開いていなかった。ここのところ一週間の低温続きが開花を遅らせているのだろうか。
(ロウバイ)
(ミツマタ)
谷間の水生植物園に下りると、水芭蕉は新鮮な緑の芽を出したばかりだったが、ザゼンソウがポコポコと可愛い頭を出していた。
ツバキ園に上がると、すでに通路に花を敷き詰めているものがあるかと思えば、かたい蕾のままのものもあり、色々な種類のツバキが並んでいた。清楚な感じの数寄屋というツバキの花が目を惹いた。
(ザゼンソウ)
(ツバキ数寄屋)

展望塔の近くには大きなマンサクの木があり、ヒラヒラとした黄色や紅色の花を付けていた。
(黄マンサク)
(紅マンサク)

「森のかけ橋」を渡って植物園を出て森林公園に入った。休憩舎で昼食を取り、桜山を一巡、次の展望台からは先日歩いた赤沢富士など県西の山並みを眺めた。
(展望台からの県西の山並み展望)

次に「松見本林」に向かうと、入口に人だかりがあった。あちこちから「ご迷惑をおかけしています」と丁寧に挨拶され、人のよさそうな男性に何事かと聞くと「水戸藩開藩四百年記念の「桜田門外の変」の撮影準備中です。今のうちに通過してください」とのこと。見本林を一巡して戻ると、件の男性が「もうすぐ配役さんもやってくる」とおっしゃる。松林の中の道を中仙道に見立てての道中シーンが撮影されるらしい。見学させてもらうことにした。
やがてエキストラや伊武雅刀(?)などの役者もやってきて、衣装付けが始まる。せっかく付けた新しい綺麗な袴や足周りが白い粉で汚される。長旅の雰囲気を出すためらしい。そのほかにもいろいろと細かい細工がなされ、助監督が役者に色々と指示を出してから、いよいよ撮影シーンの練習始まり。中仙道の道標の脇を向こうから早足でやってくる飛脚と行き交うように、こちらから4人の侍が向こうに歩いて行く。江戸時代の侍は余り手を振らないで歩くのだという。
何度か練習があり、更に最終練習の声がかかって2回の最終練習があり、周りの小さなゴミも綺麗に拾われていよいよ本番だ。本番が始まったら物音ひつつ立ててはいけないと、スタッフ一同身じろぎしないで見つめる。丁度その時、飛行機のプロペラ音が響いてきて通過するのを待たざるを得ず緊張が解ける。本番になったが、2回監督のダメが出てまたやり直し。県の職員もいたようだが、集まっている人は総勢50人を越えた。10秒ほどの撮影に随分と時間と人手がかかるものだとびっくり、私の後ろでつきっきりで説明してくれていた件の男性から「これを繰り返しながら2時間半の映画が作られるのだ」言われて、映画作りの大変さを初めて感じ取った次第。
レンタル会社の車がやってきて小道具が下され、もう一シーン撮影が始まるようだったが、もう十分に勉強できたので、お礼を言って引き揚げた。スタッフ達からも見学したお礼を言われて恐れ入ってしまった。今年の秋には封切になるらしいので見に行こうかな。
途中の池で、カモや白鳥、黒鳥などを眺めて駐車場に戻った。今日は風がなくて意外に気持のいいハイキングでした。
(映画ロケ)
(かも池)



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