X31D.ニュージーランドトレッキング(13/19)
(ヒーフィートラック1日目)

今日は、旅行社サザーンワイルダーネスの専用車がネルソンの民宿まで迎えに来てくれて、登山口のブラウン小屋まで運んでくれる。トレッカーは我々6人とデンマーク女性のベンテさんの7人、旅行社のガイドが二人(主ガイドの女性のダイさん、主にポータ役のダンさん)それに通訳としてRNZの仁君が付いてくれる。
Heaphy Track (ヒーフィートラック)はニュージーランドを代表する9大トラック(9Great Walksと言われている)の一つであり、南島の北西部「カハランギ国立公園」にあるルートで、外国から移入した植物がなく、NZの原生植物が植生として残っている数少ない地域で、世界自然遺産に申請中ということである。ルート中に9の無人の小屋が配置されているが、DOCに予約しなければ泊まることはできない。
今回は、82kmのトラックを小屋泊まり3泊、下りてからホテル泊まり一泊、4泊5日のツアーが組まれた。ガイドが付いて彼らが食料を担いで食事も作ってくれ、我々は小屋(無人小屋でベッドマット、燃料付き)で寝る時の寝袋などを担いでいく。
今日はブラウンハットまで車で入って、ペリーサドルハットまでの距離17.5km、高度差900m登りのトレッキングだ。

(ヒーフィートラックの高低差)


13日目(3月11日):ヒーフィートラック1日目(晴)

民宿 7:15 = 8:45 タカカ 9:10 = 9:35 コリンウッド分岐 = 10:10 ブラウン川駐車場 10:30 ---- 10:35 ブラウンハット 10:50 ---- 11:00 水場 11:35----12:25 展望所 12:55 ---- 13:20 水場 13:25 ---- 14:20 展望所 14:30 ---- 15:10 アオリリシェルタ 15:40 ---- 16:25 フラガンスコーナ展望台 16:40 ---- 17:15 ペリーサドルハット

ピータさんにお願いして早めに用意してもらった朝食をいただいて、旅行社の車を待った。
日の出前に、Fさん夫妻、ベンテさん、仁さん、ガイドのダイさん、ダンさん、みんなを乗せた車が着き、挨拶をして乗り込む。トレッキング用のザックの他に、縦走後に宿泊するセントアーナウドのホテルに届けてもらう着替えも載せる。我が家はヒーフィーから帰ってからもピータさんの家に泊まるのでトランクはピータさん宅に置いて行けるが、MさんとFjさんは宿が変わるのでトランクも積み込む。
車が出ると間もなくタスマン湾からの日の出になり、まわりの牧場や山並みが朝日で輝いて綺麗だった。途中のタカカの街で買い出しをして、ゴールデンベイを遠望しながらコリンウッドの近くまで北上してから車は西に向かって走り出した。この辺りの牧場は緑が濃くて牛や羊の密度が濃い。きっと雨が多くて草の生長が早いのだろうと勝手な想像をする。大きく綺麗な虹も出てきた。
(旅行社の専用車)
(牧場は牛の密度が高い)

アオレレ川沿いの谷間の細い道になり、宿を出てから3時間で「ブラウン川ピクニック園地」の表示のある駐車場についた。ここからブラウン川が分岐していて、カフランギ国立公園の入口でヒーフィートラックの始まりでもある。
先ずは今日のランチパックと食器(皿とコップ)と行動食が各自に配られた。結構な量なので和子のザックには入れにくいので、かさばる大きな皿を仁君のザックに入れてもらっていた。私もザックに詰め込むのにまごまごしていると、「果物も好きなだけ持っていけ」と声がかかり、振り向いた途端に自分の眼鏡をグチャと踏ん付けてしまった。眼鏡の後処理で忙しくて果物を取り損ねるし、ヒーフィートラックがヒーヒートラックになってしまう始まりになった。
ニュージーランドはオゾン層の少ない南極に近いので紫外線が強いからサングラスは必携と言われ、眼鏡に折畳みのものを付けていた。荷づくりに眼鏡が邪魔なのでその辺において作業していて、すっかり忘れていたのだ。幸いレンズを止める糸が切れてバラバラになっただけで、フレームとレンズは無事だった。トレッキング中折畳みサングラスはフレームに取り付けて歩き、帰国後眼鏡の糸の修理も無料で出来た。この日以降、記録の現地整理が出来なくなったのだけが被害。
(駐車場)
(食器と行動食が配られた)

駐車場脇のヒーフィートラック入口の看板の前で集合写真を撮って、ブラウン川沿いのシダの茂る広い遊歩道を歩く。
ブラウン川の水は透き通っていてとても綺麗だった。説明会の時に、「ヒーフィートラックの間は、どこの水も飲む事が出来る。ただトラックより高いところから採水するように」と話があったのが頷ける。
(ヒーフィートラック入口)
(河の水はあくまで清らか)

5分も歩くとブラウンハットがあり、トイレを使って小屋前の広場で準備運動をした。
「4日間80kmの長期戦なので、何か足に心配のある人は早い時期に伝えてください」とのダイさんの話があり、私の足裏にタコが出来ていてマメが出来るのではとダイさんに見せると緩衝材のテープを張ってくれた。これもヒーヒーの始まりだった。
このトラックにはブヨのような小さな虫サンドフライが沢山いる。刺すのではなくて噛む。衣類の上からは噛まないが、噛まれると腫れて数日かゆみが続くという。日本の防虫剤は利かないので、タカカで仕入れた防虫剤を噴霧してもらう。
(ブラウンハット)
(足の手入れ)

ハットの左のルートを歩き始めブラウン川を橋で渡ると、間もなく明るい草原に出た。草原の終わりに「ヒーフィートラックは歩行者専用、MTBは禁止」の立札があり、ゲートもあった。
(ブラウン川を渡る)
(ゲートもあり)

歩行者専用道になっても、道は綺麗に整備されていて、脇見していてもつまずくような大きな凹凸はない。整備されていると言っても、道脇に裸の法面があるわけではなく、苔むしてシダが茂りあくまでも自然そのままだ。900mの登りと聞いて急坂を想像していたが、登りはどこまで行ってもゆるやか、10度以上の坂道はない感じである。ニュージーランドの植生を楽しみながらゆっくりと歩いて行く。
ところどころでは、左の視界が開けて、オリンパス山などの山並みも見えて気持ちがいい。もらった行動食を口に入れながらダンさんやダイさんに山の名前を教えてもらう。和子がもらってきたオレンジを食べようと取りだした時、手が滑って谷間に転がっていってしまった。「ああー、おむすびころりんだあ」
沢のところには綺麗な水が流れていて、飲んでみたら美味しいような気がして、宿で入れたポットの水を入れ替えた。
(シダの道)
(水場で一休み)

11km、4時間歩いてアオリリシェルターという避難小屋につき、水場やトイレもあってゆっくりとお休みした。
ダンさんが置いたザックを担いでみたが、立ちあがるのがやっと、歩くと足元がふらふらとする。30kg以上あるかと思って「重さいくら?」と聞くと「26,or27kg位」とこともなげにおっしゃる。すぐとなりの和子のザックとの対比が面白かった。
(アオリリシェルタで一休み)
(大小のザック)

45分間、シダやブナで暗い道をゆるやかに登っていくと、"Flanagans Corner"という立札がありこのコースの最高点910mだった。「5分で展望台」との表示があり、ザックを置いて空身で登っていった。道には石がゴツゴツしており、木の根っこも飛び出していて、今回初めて登山の気分になった。
(コースの最高点に到着)
(フラガンスコーナの展望台)

登り切ったらテーブルもある展望台で、今までの登山途中の展望所とは比べようもない180°の大展望が広がっていた。山の説明をしてもらったが、ドラゴンの歯というぎざぎざの山並みだけが印象に残った。
(展望台からのパノラマ)

悪路をコーナに引き返して、少し下ってゆるやかに登り返した鞍部に小さな小屋が建っていた。今日の宿舎ペリーサドルハットだ。小屋の中は土足禁止、持参の上履きに履き替えて入る。靴やストックは外に置き、トイレと手洗いも外にある。中はキッチン付きのテーブルのある広間とベッドルームに分かれている。ベッドルームは2段ベットで一畳ほどのマットが敷き詰められていて、その上に寝袋を敷いて寝る。定員40名ほどでDOCへの予約制、日本のように一畳に二人なんてことは起こらない。それでも、ベッドの位置は先着順、屋根裏につっかえるほど狭い所もあり、Mさんが要領よくみんなの寝場所を確保してくれた。
天気が良いので小屋前に出て、ヘリコプター基地を観察したり、ウエカを追いかけてみたりして遊んだ後。、テーブルでお酒を飲みながら今日のコースの思い出に花を咲かせた。
(ペリーサドルハット到着)
(小屋前で歓談)

旅行社に頼んでいなければ、これから夕食の準備に忙しくなるところだが、夕食はダイさんとダンさん二人で作ってくれる。今日の料理はお米を使ったカレーライスだった。感激
(料理するダイさんとダンさん)
(料理を待つ)

食事を終って、外に出ると丁度日没の時間、山並みが夕陽に映えて綺麗だった。



inserted by FC2 system