X31E.ニュージーランドトレッキング(14/19)
(ヒーフィートラック2日目)

今日はヒーフィートラックの2日目、ペリーサドルハットからジェイムスマッケイハットまで上り下りの少ないフラットなコースだが、距離は24km(別情報では27km)とある長丁場だ。小雨降る中での行軍になった。

((ヒーフィートラックの高低差))


14日目(3月12日):ヒーフィートラック2日目(曇時々雨)

ペリーサドルハット 7:30 ---- 8:20 高原 ---- 8:45 靴のトーテムポール 8:50 ---- 9:05 太鼓橋 ---- 9:10 ゴウランドダウンズハット 9:30 ---- 10:20 休み 10:30 ---- 11:00 サムソンハット(昼食) 12:25 ----13:15 県境 13:20 ---- 14:05 休み 14:15 ---- 15:00 休み 15:05 ---- 15:45 ジェイムスマッケイハット。

今日は長丁場なので、6時起床、6時半朝食、7時半出発、薄暗いうちから歩き始めた。夜中は星空だったが、起床時刻になると雨模様になっていて、雨具を付けての出発だった。
RNZから付いてきた仁君は二人のガイドさんと我々との間の通訳が当初の役目で、昨日の初日はいつも中ほどを歩いていたが、今日からはトップを歩くようになった。コック役のダンさんに自由度をもたせるためもあっただろうが、仁君がこのコースを何度か歩いたこともあって精通しており、植生に対しても博識であり、真摯な態度が頼りになるとチーフリーダのダイさんに認められたのだろう。RNZは社長の巌さん以下みんな若者だが、頼りになる集団の様である。
1時間近く歩くと高原に出て、雨も止んできたが視界は利かない。テーブルやベンチのある休憩所もあったが、黙々とひたすら歩き続けた。
(暗いうちから歩き始め)
(高原に出ても視界不良)

高原の先に一本の枯れ木が立っているのが見えてきた。近づいてみると、枯れ木にはたくさんの古靴がぶら下げてあった。山靴だけでなく、草履やローラスケート、はてはブラジャーまでぶら下げてあったが、一体何のおまじないなのだろう。
このトラックにも、クイーンシャーロットで見られたポッサムの罠の箱がタソックの草原の中のところどころに見られた。こんなところで罠にかかった動物の処理管理も大変だろうと思われ、ニュージーランドの外来種排除に対する執念がうかがえた。
(靴のトーテムポール)
(ポッサムのわな)

深い谷川沿いを歩いていくと太鼓橋があり、ここを渡るとゴウランドタウンズハットという小屋があり、小雨を避けて中に入って休んだ。小屋に入るには、雨具を脱いで小屋の外にぶらさげ、靴も上履に履き替える。室内は清潔で、数人の人が宿泊するのか、ベッドに荷物を広げていた。
(太鼓岩)
(ゴウランドダウンズハット)

小屋で一休みして歩き始めると、森の中の岩に一面コケが張り付いて「もののけ姫の谷」の様相になっているところがあった。屋久島の辻峠近くでも「もののけ姫の谷」に遭遇したが、こっちの方がスケールが大きくて奥深く、おどおどしい感じが強かった。
「もののけ姫の谷」を通り過ぎると、広大なタソックの草原になり、木道が敷かれている。高原には川が流れており、これを渡るところには吊橋が懸けてあった。吊橋は両岸に立てた金属製の高い橋脚の間に渡してあり、橋脚まで上がる勾配のきつい足場を登るのが滑りやすくて怖かった。木の直橋でなく、高い吊橋にしてあるのは増水時を考えたのだろうか。
この日吊橋を4回渡ったが、川を徒渉できそうな所もあった。「増水時は橋を渡れ」の注意書きがあったが、「徒渉の方が楽そうだ」とガイドさんに聞くと「岩が滑りやすいから徒渉は止めた方がいい」と言われた。
(もののけ姫の谷)
(吊橋を4度渡る)

花の時期は過ぎており、草原の中には殆んど見られなかったが、代わりに色々なコケが生えていて目を楽しませてくれた。
(いろいろな綺麗なコケ)

小雨を避けてサクソンハットに入ってお休みした。寒くて、ベンテさんが薪をストーブに入れて火をつけようとするがなかなか火が点かなくて苦労していた。ダイさんは昼食の準備が終わってから、外で斧を振って薪割りをしていた。ハットの管理は利用者の協力でも成り立っているようだった。
今日の昼食はランチパックではなくて、ガイドさんが焼いたトーストパンにハムや野菜を各自挟んでサンドウイッチを作っていただいた。テーブルを囲んでいただく昼食は、色々話も弾んで、野原でランチパックを開くよりも賑やかでいい。ヒーフィートラックでこんなことが出来るのも、沢山ハットが配置されているお陰だろう。
(サムソンハット)
(昼食)

サクソンハットで休んでいるうちに雨がやみ、元気を取り戻して歩き始めた。サクソンリバーやブルーダッククリークを木橋で渡って、樹木にコケが生えた森を抜けていくと”TASMANDISTRICT と BULLERDISTRICT" の県境の表示があった。ここを過ぎるとコケにいたずら(?)をして人形(妖怪?)の形にしたものが次々と現れて面白かった。
コケの色が変わってきた。道傍の斜面が黄色や茶色のコケで色採られて美しかった。
(コケの人形)
(コケの芸術)

またいくつかの川を渡りながらタソックの広い平原を歩いて行くと、大きな岩がごろごろするところもあって驚いた。
(タソック帯の草原)
(岩がゴロゴロ)

これを過ぎると灌木帯になり、やっとマッケイハットに到着した。小屋の前からは遥か彼方にタスマン海の白波がうっすらと見えていた。明日はあそこまで歩くんだと思うと気が遠くなる。
マッケイ小屋には大勢が先着していた。我々は雨具を外にぶら下げて室内に入ったが、中に雨具を干している人も多かった。管理者がいないから、マナーは良識任せのようだ。
(遥かにタスマン海の白波)
(ジェイムスマッケイ小屋)

今日は雨模様で外でゆっくりはできず、室内のテーブルでの懇談会になった。仁さんも手つだって出来た今夜の夕食は麺にトマトソースにオリーブの実入り。美味しかった。
(満員の室内)
(麺の夕食)



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