X31G.ニュージーランドトレッキング(16/19)
(ヒーフィートラック4日目)

今日はヒーフィーハットからコハイハイまで海岸沿いを16km歩くフラットなコースである。ヒーフィートラックを無事完歩して、コハイハイからネルソンまでの中間点セントアーノルドまで車で走ってホテルに泊まった。

(ヒーフィートラックの高低差)


16日目(3月14日):ヒーフィートラック4日目(曇り)

ヒーフィーハット 7:25 ---- 8:15 海岸縁 8:25 ---- 9:10 カテイポクリークシェルタ 9:25 ---- 10:00 クレイフィッシュポイント 10:05 ---- 10:45 崩落地 10:50 ---- 10:55 スコットビーチ ----11:25 スコットヒル展望台 11:45 ---- 12:10 コハイハイシェルタ 12:50 = 14:45 ウエストポート 15:30 = 17:45 セントアーノルド

朝6時に起きると足の痛みも治まっていた。完歩したいとの思いで仁君にも相談して一緒に歩くことにした。最後の朝食をいただいて、いつものように小屋の前で準備運動をして薄暗い中を歩き始めた。
始めは山あいの道を歩き、波音は聞こえなかった。
(小屋前で準備運動)
(一旦山間を歩く)

15分も歩くとタスマン海が見えるようになり、大波が打ち寄せる浜辺にはヒーフィービーチの表示があった。
小川を橋で渡り砂浜には下りないで浜沿いの道を歩いて行く。タソックを緑にして大きくしたような草が覆いかぶさる道を進むと、またここでもヤシの密林に入った。
(海岸沿いに出る)
(ヤシの密林)

密林を抜けるとまた海岸縁の道になり、タスマン海の荒波を見たり聞いたりしながら歩き、時々立ち止まってはシャッタを押した。
(荒波を眺めながら歩く)
(写真も撮る)

今回、少し時期がずれたようで山地では余り花を見ることが出来なかったが、この辺りには色々な色の花が咲いていて目を楽しませてくれた。面白いコケの妖怪にも出合った。
(ナスのような花)
(ミヤコグサのような花)

海岸沿いを歩くと、何度も流れを渡ることになる。2度吊橋を渡り、何度か徒渉もするとカテイポクリークシェルタという小さな小屋があり、トイレを使い行動食を口にした。
(また吊橋)
(徒渉)

更にに徒渉を繰り返すと、石を積み重ねた慰霊碑があった。銅板に刻まれた文字には「1980年3月17日、この地クレイフィッシュポイントで3人の若者が上げ潮にさらわれ神に召された」とあった。別の場所には「クレイフィッシュポイントは危険だから引潮時2時間以外は高巻きルートを歩け」とあった。
今は引き潮、ここから高巻き道を左に見上げながら砂浜を歩いた。波の音をすぐそばに聞きながら5分ほどでレイフィッシュポイントを通り過ぎたが、砂浜には波の花(?泡状のものが塊を作っていた)や色々な面白い形の枯れ木など打ち上げられており、番いのパラダイスダッグも遊んでいたり、砂を歩く感触とともに面白いところだった。
(波にさらわれた3人の慰霊碑)
(クレイフィッシュポイント)

砂浜を上がるとまた吊橋があり、これを渡ると「注意!落石地帯に付き立ち止まるな」の注意札があった。上を気にしながら通り過ぎたが、落石地帯は3ヶ所続けてあった。
(落石危険地帯)

落石地帯を抜けるとまた砂浜に出たが、ここには「スコットビーチ」の看板があって行楽地らしい。
ビーチのキャンプ場を過ぎて歩いて行くと今回一番の急坂になった。最後の頑張りで30分歩くと「展望台へ2分」の看板があり、ザックを置いて展望台に登っていった。テーブルとベンチのある展望台からはタスマン海が目の前に広がり、はるか向こうにヒーフィーハットのある岬も見えていた。F夫人がここまで運んできたオレンジとリンゴが美味しかった。
(スコット展望台)
(展望台からの展望)

展望台から下りて10分で最後の吊橋があるが、その手前でダイさんが徒渉してみるかと誘ってくれた。徒渉点に降りて潮の具合をしばらく眺めたが、とても無理だと諦めて吊橋を渡った。吊橋の先にヒーフィートラック入口の看板があり、この前でダイさんと我家の完歩記念の写真を撮った。
この看板には、ヒーフィートラックを縦走する人はハットの予約をしておくか、テントを持参せよ。予約券なしでハットに泊ると罰金が科されると書いてあった。
トラック入口からシェルターのある駐車場はすぐだったが、駐車場にはたくさんの車が停まっていた。スコットビーチまでの日帰りの人も多いのだそうだ。
(終点・ダイさんと)
(コハイハイシェルタ)

コハイハイシェルタに入って正式の完歩のお祝いだ。私にはヒーヒートラックだったが、皆さんは元気いっぱい、ホイホイトラックだったようだ。握手したり抱き合ったり、長かったコースを無事歩き終えた喜びを分かち合った。待っていた旅行社の車から乾杯用のワインとビールが運ばれてきて、みんなでかんぱーい! ワインで乾杯、ビールで乾杯。車からは色々な料理も出てきて、これも美味しかった
車からスニーカを出して履き替え、足裏を見るとテープに少し浸出液の滲みがみられるが異常なし。良く頑張ったと足裏を叩いてやった。仁君もありがとう。
(完歩、乾杯
(完歩した足)

旅行社の車に乗ってネルソンに戻るのだが、カフランギ国立公園の中には車道がない。直線ではネルソンまで近いのだが、大きくウエストポートまで100km近く南下しなければならないので、途中の観光地セントアーノルドで一泊することになっている。
帰りの車の中で最後のヒーヒーが起こった。愛用のデジカメのレンズカバーが動かなくなり、撮影不能になったのだ。防水性のカメラだがニュージーランドでも酷使されて、ついにここで疲れ果てたのだろう。ヒーフィートラックが終わるまで我慢してくれたのだから感謝すべきか。以後、和子のカメラを預かって再びシャッタを押し始めた。
ウエストポートで飲み物を飲みながらゆっくりと休んで、ここから山の中に2時間のドライブだった。途中、母上と約束のあるダイさんと別れて、セントアーノルドのアルパインロッジに入った。
(ダイさんさよなら)
(セントアーノルドのロッジ)

久しぶりに熱いシャワーを浴びて4日間たまっていた垢を綺麗に洗い流した。体を洗うことがこんなにも気持ちのいいものだったのか。共用のジャグジー温泉もあったが入り損ねた。コインランドリーもあったので、山小屋で着替えた汗臭い下着やシャツも全部洗濯して持ち物もすっきりとした。
みんながさっぱりとしてから、ホテルのレストランで打ち上げの祝宴が開かれた。賑やかな宴を祝うように、空は真っ赤に燃えて綺麗だった。
(夕焼け)



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