X41.守門岳スノーハイクと角田山

1.動 機
水戸アルパインの今年度最初で最後のスノーシューハイキングは雪庇の山・守門岳だった。次の日には花の山・角田山を歩いて、変化のある山行を楽しんできた。

2.データ
a)山域:大岳(1432m)、角田山(482m)
b)登山日:2010/04/3(土)晴のち雪、4(日)晴(前夜発)
c)コースタイム:
4/2:日立自宅 21:00 = 21:10 常陸電鉄南営業所 21:15 = 21:25 東海駅 21:30 ---- 21:50 勝田駅 21:55 = 22:15 水戸駅 = 22:30 水戸IC = 23:30 壬生PA 23:40 =
4/3:= 1:20 赤城高原SA 1:30 = 2:40 道の駅ゆのたに 5:05 = 5:30 道の駅いりひろせ 5:40 = 6:00 二分 6:30 ---- 10:30 大岳山頂 10:40 ---- 13:45 二分 14:25 ---- 14:50 道の駅栃尾 15:10 = 16:25 寺泊温泉(泊)
4/4:寺泊温泉 8:00 = 9:10 角田浜登山口 9:15 ---- 11:00 角田山山頂(昼食) 11:30 ---- 13:10 灯台コース登山口 13:30 = 13:45 じょんのび館(入浴) 15:05 = 15:25 巻潟東IC = 17:00 磐梯山PA 17:10 = 18:50 中郷SA(夕食) 19:20 = 19:55 水戸IC = 20:15 水戸駅 = 20:30 勝田駅 = 20:45 東海駅 = 20:55 日立電鉄南営業所 21:00 = 21:10 日立自宅
d)同行者:水戸アルパイン会員14名(男6、女8)、和子は不参加
e)地形図:1/25000 「穴沢」「角田山」


3.山行記録
1)バス
夜水戸を出たバスは、壬生PAや赤城高原SAで休憩しながら北関東道、関越道を小出ICまで走って、すぐ近くの道の駅ゆのたにで4時半まで仮眠して朝食を取った。道の駅入広瀬でも休んで、まわりの山や畑の雪を見ながら二分まで入ると道が狭くなったが、運転手さんはそのまま走って除雪道の終端まで入ってくれた。

2)守門岳
二分 6:30 ---- 7:00 車道交差 7:05 ---- 7:50 長峰取口 7:55 ---- 8:20 保久礼小屋 8:35 ---- 9:10 キビタキ小屋 9:20 ---- 10:00 休み 10:05 ---- 10:30 大岳山頂 10:40 ----11:20 キビタキ小屋 11:40 ---- 12:05 保久礼小屋 12:15 ---- 12:45 休み 12:50 ---- 13:05 休み 13:10 ---- 13:45 二分

5年前の秋には守門岳に二口から猿倉山の麓を歩いて山頂に登り、大岳、保久礼小屋を通って下る周回ルートを取ったが、今回は二口までは除雪されておらず、二分の集落の少し上までバスで上がり、そこから雪原を歩いて長峰、保久礼小屋経由で大岳まで往復するルートだった。
(守門岳登山ルート)
(守門岳登山ルート標高差)

バスを降りて準備運動をし、除雪終端の道に2mほど積もった雪面の上に上がってスノーシューを付けた。2mの雪面に上がるのに壁が滑りやすくて苦労した。
3人の釣り人がやってきて、川に釣り糸を垂れ始めた。一人はしばらく頑張っていたが、二人はすぐに先に歩いて行った。この時期何が釣れるのだろうか。
(除雪の終端から歩き始め)
(釣り人もあり)

空は真っ青、雲ひとつない快晴で気持が良い。しばらく雪の車道を歩き、橋を渡った。橋にも雪が積もっていて、雪面は欄干よりもずっと高い。滑ったら冷たい川に落ちてしまうので、一休さんのように真ん中を歩く。
ナビを見ていると、間もなく車道を外れて雪原の中を歩くようになった。おそらく雪が解けたら畑地になるところだろう。朝日を浴びて雪面が輝いてまぶしい。
(雪の橋)
(平地歩き)

再び車道に出合うところで一休みし、少し坂を登っていくと沢沿いのゆるやかな道になった。
再び坂道になって登っていくと長峰だった。長峰の稜線からは視界が広がっており、目の前に守門の山々が並んで見えてきた。左奥に見える大岳はまだまだ遠い。
(平地歩きから山になる)
(長峰に上がると展望広がる)

長峰から少し下ったところに保久礼小屋があり一休み。ここから登りが急になってきて、気温は2℃しかないが頑張ると汗ばんでくる。5年前には大岳をからこの辺りを下ってきたはずだが、雪が積もるとすっかり様子が変わっていて思い出せない。無雪期に歩いた経験は雪の時期にはまったく役に立たない。
次のキビタキ小屋は半分雪に埋もれてしまっていた。この辺りは雑木林の中だが、樹がまばらで日の光を受けながらまわりの山々が見渡せて気持がいい。
(保久礼小屋前で一休み)
(雪に埋もれたキビタキ小屋)

樹林帯が切れると、一面の雪原になり、360°の大展望が素晴らしい。スキーで下ると気持がよさそうだった。
気持よく登っていると、急に風が強くなり、空も薄暗くなって来た。天気予報当たり!だ。 さっきまで、雲ひとつない青空で、「昼から雨という天気予報ははずれだね」と喜びながら登っていたのに残念。
(途中の尾根は好展望)

吹き飛ばされそうな冷たい強風に雪が舞いだし、雪面に狐のしっぽのような模様が出来てきだした。視界も怪しくなってきたので、目的の雪庇が見られなくなるのではないかと心配で、寒風を押して山頂に急いだ。「谷側に近づくと風で流されるぞ」の注意も飛んで尾根の真ん中を登っていった。
山頂に着くと、幸いまだ視界は悪くなくて、南に守門岳が聳え、北下に大きな雪庇の尾根が見えていた。風で雪面の雪も吹き飛ばされて、雪庇から雪が幕になって飛んで行くのが見えていた。天気が良ければその雪庇の近くを向こうのピークまで歩いて日本一の雪庇の展望を楽しんでから、そのまま向こうの尾根を駐車場所まで下る予定もあったのだが、風は一層強くなって危険になってきた。急いで証拠写真と集合写真を撮ってから、食事も取らないで往路を引き返すことになった。
(山頂近くになると吹雪)
(寒い大岳山頂)

(守門岳)
(西方向の雪庇)

下りでは雪が真正面から吹き付けるようになって眼鏡が見えなくなり外して歩いた。高度が下がると雪が湿ってきて、顔に張り付いて凍えるように冷たい。
スノーシューで坂を下るのは歯の効きが悪くて滑って歩きにくい。急坂は尻制動を楽しみながら下っていった。
途中でスキーを担いで登っていく団体に出合い、大雪原に大きなシュプールを作るのだろうなと羨ましく思いながら見送ったが、それからますます吹雪が強くなってホワイトアウトになりスキーヤーが雪庇から落ちたらしい。バスまで下った時に救助隊の車が上がってきていた。その他にも、中学校の団体登山などがテント道具を担いで登ってくるのにも出会ったが、吹雪でどうしただろうか。我々は早出してぎりぎりセーフで本当に幸運だった。
(下りは吹雪)
(尻制動)

山頂で食事ができなかったので、下る途中のキビタキ小屋で食事時間を取ったが、吹雪で寒くて先を急いだ。
みんなお腹が空いていて、宿に向かう途中で道の駅栃尾に立ち寄った。名物の大きな熱い厚揚げが美味しかった。
角田山の花が丁度盛りで、土曜日の今日は近くの宿が予約できなかったとのことで、バスは延々と走って寺泊温泉の一軒宿に入った。見かけは安宿で携帯電話は利かなかったが、廊下にはござが敷かれていて、暖かい温泉に入ったあとの夕食が豪勢で嬉しかった。
(栃尾の油揚げ)
(賑やかで豪華な夕食)

2)角田山
角田浜登山口 9:15 ---- 9:40 徒渉点 ---- 10:15 桜コース出合 ---- 10:55 灯台コース出合 ---- 11:00 角田山山頂(昼食) 11:30 ---- 11:45 分岐 ---- 13:00 灯台 ---- 13:10 灯台コース登山口 13:30 = 13:45 じょんのび館(入浴・昼食) 15:05 = 15:25 巻潟東IC

角田山には5年前、福井ホタルの里から登って五ヶ峠に下って賑やかな花たちに感動したが、今回は桜尾根の一つ北の谷間から雪割草の保護地区を通って桜尾根に合流して登り、下りは灯台コースを下って展望を楽しんだ。
(角田山登山ルート)
(角田山登山ルート標高差)

宿を出て日本海の海岸の景色を眺めながら1時間以上走って角田浜に着いた。バスを下りたところは灯台が大分遠くに見えており桜尾根よりも少し北だった。
登山準備中の土地の人に尋ねると「桜尾根よりもこっちの方が花が多くて綺麗だよ」と奨められ、準備運動をしてそのまま歩き始めた。
(灯台が見える)
(角田山を見ながら準備運動)

ここからの登山道も道標はついており、歩きやすい道が続き、道傍にはネコノメソウやショウジョウバカマ、アズマイチゲなどが賑やかだった。
(ネコノメソウ)
(ショウジョウバカマ)

登山口から30分も歩くと小さな沢があり、ここから山道になった。入口に「ここは私有地で登山道にあらず、せめてゴムキャップのないストックやスパイク靴は使用しないで植生を守ってください(里山を守る会)」の立札が立っていた。
色々な花たちが大事に育てられているようで、急坂の登山道(ではない?)脇には雪割草やオウレン、キクザキイチゲ、アズマイチゲなど次々と現れてきた。
(沢を渡って保護地域に入る)
(オウレン)

特に雪割草が多く、色とりどりの花が道の両側に咲き誇り、シャッタを押すのに忙しい。綺麗な株があると15人全員がカメラを構えるのでなかなか進まない。次から次へと後続隊に追いこしてもらいながらゆっくりと花を楽しみながら登っていった。
(白い雪割草)
(青い雪割草)

桜尾根に合流すると登山者はいっそう多くなり、もう下ってくる人もあって賑やかになり交差するのも大変になった。
ここからはカタクリの花が多くなり、斜面一面に咲いているさまは見事だったが、道は尾根上にあり上から見下ろすのでは眺めは今一つ、遊歩道が斜面にあってカタクリの絨毯を下から見上げられたら一層綺麗だろうなと思う。
高度が上がってくると花はまだ咲いていなくてペースは速くなった。灯台コースと合流して山頂に上がると、大勢の団体さんがあちこちで車座になって食事中、中には大鍋で美味しそうな匂いを撒き散らしている団体さんもあった。小さな子供連れでも登ってこれる良い山だ。
(桜コースの行列)
(満員の角田山山頂)

昼食は山を下りてからの予定になっている。簡単な食事をして山頂を後にした。下りは灯台コースを下った。五ヶ浜への分岐を過ぎると急坂になり、やがて道の両側に色々な花が見られるようになってきた。カタクリやキクザキイチゲなどがたくさん咲いているが、花は登りで十分に眺めたので足は速かった。
(カタクリ)
(キクザキイチゲ)

灯台コースの良いところは、花よりも展望のようだった。五ヶ浜分岐を過ぎると、時々日本海が見えるようになり、「ヤマナシの木が無断で切り倒された」との立札が立つ展望台からは、白波を立てる日本海沿岸や佐渡島の雪山が綺麗に見えていた。ここからいくつかピークを越えながら下ったが、目の前の灯台と日本海、佐渡島の取り合わせは見あきない景色だった。
灯台まで下って、灯台前の展望台から最後の眺めを楽しんでから、急な階段を駐車場まで下っていった。海辺まで下って靴やストックを洗ってから駐車場まで上がり、待っていたバスに乗りこんだ。
(灯台コース)
(角田岬灯台と佐渡島)

途中、じょんのび館に立ち寄って汗を流し、昼食を取ってから北陸道に乗って、磐越道経由で水戸まで帰ってきた。


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