X57.天平山・瘠松山・若駒山・明神山
(里美の山ピークハント)

1.動 機
旧里美村ガイドマップに載っている里美村の山17座のうち、残っているのが天平山と若駒山、明神山の3座となっていた。付近の最高峰816mの瘠松山が境界近くにあったので、これと合わせて一挙に完登することにした。いずれも三角点標石のある山だが、麓から10分〜30分もあれば登れる山ばかりで登山とは言い難かったが、ところどころには可愛い花が咲いており、若駒山からは広い展望を楽しむことができた。
(里美村ガイドマップ)赤印が今回登った山


2.データ
a)山域:天平山(542m)、瘠松山(816m)、若駒山(749m)、明神山(357m)
b)登山日:2010/05/22(土)晴
c)コースタイム:日立自宅 8:50 = 9:50 県道22路側 10:00 ---- 10:35 天平山 10:45 ---- 11:10 県道22路側 11:20 = 11:30 里美牧場路側 ---- 11:45 瘠松山 11:50 ---- 12:00 里美牧場路側 12:05 = 12:10 牧場管理舎 12:15 ---- 12:35 若駒山(昼食) 13:20 ---- 13:40 牧場管理舎 13:50 = 14:15 村道路側 14:20 ---- 14:35 明神山 14:40 ---- 14:50 村道路側 15:00 = 15:50 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「大中宿」

3.山行記録
1)天平山
R349を北上し、猪の鼻峠分岐を過ぎ、明神峠の手前で県道22号に右折して2km入った徳田発電所あたりが天平山の南麓だが、地形図通りに山側(左手)は崖になっていて取りつきようがない。左手の谷を見て通り過ぎると次の山に林道が登っていっているのが見え、少し通り過ぎた路側が広くなったところに車を停めた。
身支度をし、県道を引き返して林道を登っていくと、斜面で山菜を採っている二人連れの男性がいた。何を採っているかと聞くと「これは牛蒡の葉に似ているだろう。ヤマゴボウと言って若葉をてんぷらにして食べるんだ」とのこと。よく見るとオヤマボクチの若葉だった。この山菜は食したことがないので帰りに採って帰ろう。二人に「この道で天平山に登れますか?」と聞くと、「そんな山は聞いた事がないよ。登山の人はもう少し県道を奥に行ったところから登っていくよ」とのご返事。話はどうも三鈷室山らしい。
(天平山コース)
(天平山コースの標高差)

構わず林道を登っていくと、林道はUターンして天平山から離れてしまうので、林道から外れて天平山方向に薄い踏跡を辿って谷間を登っていく。すぐに踏跡も消えて藪こぎになってしまったが、少し籔を掻き分けると右手から林道が登ってきた。先ほどの林道がまたUターンしてきたようだ。帰りはこれを下ろう。
林道は天平山の麓をゆるやかに巻いて進むので、これを越えて植林の斜面に取りついた。植林は手入れされていてどこでも登れるが、尾根を直登するときついので、ゆるやかな斜面を選びながら登っていった。ところどころにスミレ、キジムシロ、ユキザサ、チゴユリ、キランソウなど色々な小さな花が咲いていた。汗を拭きながら高みを狙って登っていくと、少し遠回りになったが最高点に到着し、四等三角点を見つけることが出来た。山名板はないので三角点の前で証拠写真を撮った。
(谷合の籔を漕ぐ)
(天平山山頂)

下山は尾根筋をまっすぐに下って谷間まで下りると、丁度籔を漕いで林道に出合ったところに出た。ここからは林道を下っていくと、道の真ん中にキンランが新鮮な花を咲かせ、アマドコロも黄緑の花を垂れ下げており、余り歩かれていない道のようだった。更に下っていくとUターンを繰り返し、予想通りに男性が山菜採りをしていたところに出ることができた。オヤマボクチの若葉を少々頂戴して車に戻った。
(下りは林道)
(キンラン)


2)瘠松山
県道22号を奥に走ると、広い立派な道路になり、そこから右手にこれまた立派な道が分かれていて里美牧場に向かっていた。途中に口蹄疫予防のためだろうか、道路が石灰でまっ白になったところがあったが、かまわず快調にドライブしていった。風車のある最高点あたりで左に林道が別れているのを見つけて、近くの路側に車を停めた。道路の標高は800mを越えており、瘠松山は816m、この辺りの最高峰とは言っても登る標高差は10mほどである。
(痩松山コース)
(痩松山コースの標高差)

駐車場所からは、柵の向こうに里美牧場を見渡すことが出来、北の風車の向こうには三鈷室山の通信施設も見えていた。
林道に入ると瘠松山のある右手はヤマツツジなどのブッシュが茂っている。すこし歩くとブッシュの切れ目に踏跡が見つかった。
(風車の向こうに三鈷室山)
(林道わきに踏跡を探す)

ブッシュは垣根のようになっていて、これをを通り過ぎると中は雑草の原になりチゴユリやユキザサも小さな群落を作っていた。殆んど平らな土地なので、どちらが山頂かよくわからない。適当に歩いてから磁石を出してみたら方向を90°間違えていた。
向きを修正して手入れのいい植林を歩いて行くとすぐに黄色い山名板がぶら下がった山頂だった。下には二等三角点もあった。迷いを入れても歩行わずが400m、15分の山だった。
(植林を登る)
(瘠松山山頂)


3)若駒山
車に戻って、観光施設プラトー里美の脇を通過して野外活動センタに向かう道を走って、右手に林道が別れるところに駐車した。
(若駒山コース)
(若駒山コースの標高差)

車道の先には飼料倉庫のような建物があり、林道側には牧場管理舎のような建物があって数台の作業車が停まっていた。その脇で林道には鎖で通行止めがしてあり、この脇を通って歩いて行った。
林道を少し歩くと「若駒山」の道標が立っていた。思いがけず本日最初で最後の道標を見て嬉しい気分になった。そのまま歩いていくと左手の高みに刈り払いされた道が分かれていた。
(管理舎脇の林道に入る)
(若駒山の道標あり)

笹竹を刈り払った跡は、竹の根本が長く残っていて歩きにくい。脇見していると危ない。風車を目の前に見ながら歩いて行くと、やがて2台の風車が立つただっ広い山頂部についた。
上の風車の先の土手の上に四等三角点があり、この三角点は名前も若草山である。里美牧場や奥久慈の山々が見渡せて気持が良いところで、ここから先に野外活動センタに下るハイキング道も伸びていた。
今日は風も弱いからか、7台見える風車のうち回っているのは遠くに見える一台だけだった。高さ70メートルのタワーに半径37メートルの羽根を取り付けた風車は、1基当たりの最大出力は毎時1670キロワットだという。7台合わせると1万キロワットを越える。なかなかの発電所ではある。
風車が回っていると風切り音が煩くてゆっくりとしておれないところだろうが、今日は止まっていて静か、風車の基礎の上に座り込んで弁当を広げた。
(風車に向かって登る)
(若駒山山頂)

ゆっくりと弁当を食べてから駐車場に戻り、次の明神山に向かった。

4)明神山
明神山は東金砂山の東にある三等三角点である。車のナビに行き先指定してR349を南下し、道の駅さとみの南、賀美小学校の先で左の細い道に入って、陣場の部落の狭い道路を走って峠まで上がった。ポケナビで確認すると、標高357mの明神山は東120mのところにある。
(明神山コ−ス)
(明神山コ−スの高低差)

尾根筋は車道を通すのに切り通してあり、左の尾根に沿って山道が入っていたがどこに行っているか分からないので、切り通しの脇から尾根に攀じ登った。尾根筋にははっきりとした踏跡が伸びていた。
踏跡は間もなく消えてしまったが、尾根を外さないように籔を漕いで行くと、右から山道が上がってきた。この道を辿ってゆるやかに登って行くと、植林の中に三等三角点を見つけることが出来た。三角点の前で証拠写真を撮ったが、余りにあっけなく登りついたので、これで里美の山完登になったことに気づかずバンザイをするのを忘れていた。
(尾根に踏跡あり)
(明神山山頂)

往路は歩きやすい山道を歩いて車に戻り、ここでコーヒで乾杯して完登を祝った。

持ち帰ったオヤマボクチの若葉は、男性のお勧め通りのてんぷらになったが、もちもちとした食感が得も言えず美味でありました。


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