朝起きると今日も天気がいい、朝食前に外に出て近くの鉄道の駅まで散歩してみた。この普通の市街にもトウルッリの家が立っていた。
食事を終ってから、今日はガイドさん付きの観光に出た。昨夜のポポロ広場まで歩いていくと、朝見るトウルッリは朝日を受けて一段と綺麗だった。日本からの別の大観光団が展望台に上がってきたので早々に退散して、昨日は歩かなかったピッコラ地区のトウルッリ街に入って観光した。この街の途中にも展望台があり、トウルッリの街が間近になって、ポポロ広場からよりもいい眺めだった。

別のルートでポポロ広場の下に下りて、昨日のモンテイ地区のトウルッリ街に昨夜と違う街路を歩いて行った。
ガイドさんの話は、単純に見えるとんがり屋根にも雨どいの仕掛けがあって地中の水瓶に天水を蓄える仕掛けがあるとか、屋根の重さに耐えられるように壁はとても厚くなっているなど専門的な事にもおよんだ。
まぶしいほどの街中を登って行くと昨夜の教会のところに出た。陽子さんの店まで一緒に歩いて、ここで自由行動になった。また屋上のテラスに上がって展望を楽しみ、帰りは広いモンテイ地区をあちこち寄道しながらホテルに戻った。

ホテルに戻って、バスで次のマテーラに向かった。田舎道を1時間走って近代的で賑やかなマテーラの中心地を通り過ぎて、街はずれの古城トラモンターノ城跡がたつ丘に下の路側に駐車して、ここのガイドさんと合流した。
洞窟住居(サッシ)は、農地解放前まで小作農民の住居で南イタリアの貧しさの象徴だったが、戦後その余りの不衛生さに政府が住人を全員強制移住させた。1970年代以降、建築学上貴重なものとして政府が省みるようになって保存に乗り出し、電気水道など整備を図ってから人々が戻り始めた。世界遺産へ登録が後押しとなって、現在は洞窟住居の7割に人が住んでおり、ホテルやレストランも開業している。
街中を10分足らず歩くとリドラ国立博物館の前に出て、ここの展望台からサッシ地区の洞窟群を展望しました。

左方向には洞窟住居の上にドーモやアッシジ教会が頭を出しており、正面から右手にかけて谷向こうの山に今なお廃墟のままになっている崩れそうな洞窟群が見えていた。
広場から右の道を下って行ったが、歩いている道も下は洞窟住居で住居の屋根上を歩いているのだと言われた。

サッシ住宅の間を歩いていると、異様な雰囲気に滅入ってくる。こんなところの住民にも教会は大事な存在だったのだろう、朽ちかけたイドリス教会が高台に見えていた。
民宿や工房のあるサッシ地区の唯一の車道に出て広いサンピエトロカベオーソ教会前に出た。この教会は、サッシ地区にあっても岩盤を掘削して作られた洞窟教会ではなく、全体を建造されたもので、現在もミサが行われているそうです。

駐車場もある広い広場は、すぐ上に洞窟教会のイドリス教会が見え、その右には洞窟住居を広く眺めることが出来、下にはグラヴィナ渓谷を見下ろす好展望地だった。

渓谷沿いの道を歩いて行くと洞窟教会のマルベ教会に繋がった。教会の中に入ってみると、保存状態はよくないがいろいろな壁画が残っていた(撮影禁止)。教会の上は以前は墓場だったらしいが、今は展望台になっていた。

ダッシジ教会前に戻って音楽学校の建物近くから少しサッシ地区に下ったところに洞窟レストランがあった。洞窟の中で出てきた料理はペペレンチーノのスパゲテイーにデザートのセミフレッドだった。セミフレッドはあまり冷たくないアイスといったものだった。

（洞窟レストラン入口）	（レストラン内部）

洞窟レストランでマテーラ観光は終わりになり、トラモンターノ城跡まで歩いて戻り、マリアーノさんのバスに乗ってローマに向かって13時45分に出発した。帰りはA16よりも一つ南のポテンツアを通る道を走ってA3に入り、ナポリからA1に変わってローマに向かい、465ｋｍ走って20時20分ローマ郊外のホテルに入った。

次 7/1ローマへ

6/25へ、6/26へ、6/27へ、6/28へ、6/29へ、6/30へ、7/1へ、7/2へ

トップページに戻る