X832.槍・穂高縦走2日目


(2日目:槍沢ロッジ−天狗池−槍ヶ岳)
二日目は槍沢ロッジから槍ヶ岳山荘まで歩き、今日のうちに槍ヶ岳山頂にも登る。みんな元気だったので、途中、天狗池にも寄道した。

8月28日(土)
槍沢ロッジ 6:05 ---- 6:35 キャンプ場 6:45 ---- 7:15 大曲り ---- 8:15 天狗池分岐 8:25 ---- 9:00 天狗池 9:30 ---- 10:00 天狗池分岐 10:30 ---- 10:55 水場 11:00---- 11:40 坊主岩屋 ---- 13:05 槍ヶ岳山荘 13:55 ---- 14:25 槍ヶ岳 14:50 ---- 15:25 槍ヶ岳山荘(泊)

5時からの朝食を頂いて身支度をして出発前の準備運動をしていると、樹間に朝日を受けた槍ヶ岳が見えているのに気が付いた。準備運動をそこそこに終えてカメラタイム。
宿の人が望遠鏡を据え付けてくれたので覗いてみると、山頂に立つ登山者の姿もはっきりと見えていた。槍のテッペンで日の出を迎えたのであろう幸せな人たちだ。望遠鏡にデジカメを近づけてシャッタを押してみたら、何とか映っていた。
(槍の穂先が見えた!)
(望遠鏡からは人影も)

ロッジからの登山道は殆んど槍を目の前にしながら歩く嬉しい道だった。今日は天気も良くて暑くなりそうだが、槍が見えれば元気が出る。
ロッジを出るとすぐに「槍見岩?」があった。岩の上に上がって槍を眺めているらしい人の姿もあったが、道から眺めて岩が丁度槍の穂先のように見えて、これで代用にした。
(やりの穂先を見ながら)
(ミニ槍ヶ岳)

以前槍沢ロッジが建っていたというババ平は広いキャンプ場になっていて石室も残っている。目の前を見上げると槍沢の見事なU字谷が見えていた。
左の急な山斜面に幾筋もの滝を見ながらガレた道を登って行くと「槍沢の大曲り」という道標が立っていて、東鎌尾根の水俣乗越経由で槍ヶ岳に登る道が右に分かれる。我々はそのまま槍沢を登って行った。
(ババ平キャンプ場)
(大曲から道が急になる)

道は少し急登になるが、周りの花が賑やかになった。ハクサンフウロやウサギギク、オトギリソウ、サラシナショウマ、シシウドなど華やかになってきた。
ロッジを出てから2時間ほどで、「天狗原」の分岐に到着した。大キレットだけが目標なら、ここから天狗原を経由して南岳小屋に向かえば大キレットをゆっくりと歩けるし、行程を一日短縮することもできるのだが、和子のように槍ヶ岳にまだ登っていない仲間のことを考えると槍ヶ岳は外せないとのリーダの親心で槍ヶ岳山荘泊の予定になっている。
ここで「元気があれば天狗池まで往復して来てもいいよ。逆さ槍が見られるかもよ」と御下問があり、14名が天狗原まで空身でピストンすることになった。天狗原に行ったことがある3人の男性は、ゆっくりと歩きたいと言ってそのまま槍ヶ岳山荘に向かって登って行った。
(お花畑)
(天狗原分岐にザックをデポ)

天狗原まで始めはガレ場をトラバースする道なき道だったが、これを過ぎるとクガイソウやシシウド、サラシナショウマ、ラショウモンカズラ、チングルマなどが賑やかなお花畑の中の登山道になった。
(始めはガレ場を登る)
(やがてお花畑)

途中、槍ヶ岳撮影の絶好ポイントという所を通ったが、槍には薄く雲がかかっていて残念だった。紅葉の時期には一段と映えるらしい。
大岩の重なるところを越えると下に天狗池が見えてきた。水面の半分以上がまだ雪に覆われていた。水面に槍ヶ岳が映っている事を期待して反対岸に回ってみたが、槍は完全に雲の中に隠れてしまっていた。逆さ槍を見ようと30分待ったが、槍はついに姿を現さず、代わりに東鎌尾根が写る天狗池に満足して引き返した。
(天狗原手前からの槍ヶ岳)
(槍の代わりに東鎌尾根)

分岐まで引き返して、デポしていたザックからロッジお手製の弁当を広げた。エネルギーを補給し、途中の沢で冷たい水を補給して登って行ったが、目の前に槍ヶ岳山荘が見えてからも、先のガレ場のジグザグ道が長かった。
(冷たい水が美味しかった)
(山荘が見えてからも道は長かった)

シナノキンバイやアオノツガザクラ、イワギキョウ、イワツメクサなどが咲くお花畑を過ぎて振り返ると、天狗池からも見えていた常念岳がまた頭を出していた。この山もピラミダルな形の良い山である。
岩屋下の立札を過ぎて5分も登ると「坊主の岩屋」という大岩を屋根にした洞があった。槍ヶ岳に5回も登った念仏行者播隆上人が利用したと言われる岩屋で、中には小さなお地蔵さんがおわした。今回の登山の安全をお願いした。
(常念岳)
(坊主ノ岩屋)

登山者が鈴なりの槍ヶ岳を見上げながら岩屋から25分頑張って槍ヶ岳山荘に登り着いた。部屋を確保してザックを置いて、山荘でゆっくりしていると言うOgさんに見送られて16名揃って槍ヶ岳に登ることになった。
斜面のルートに貼り付いている登山者が少ないタイミングを狙って登り始めたのだが、下りルートとの共通点では下りの集団に出くわして少し渋滞した。大勢での岩登りは大変だが、足場はしっかりしているしみんな岩場には慣れているので登りは割合スムーズに登ることが出来た。
(槍に登る)
もうすぐ山頂)

山頂は狭く、16名が登り着くと大変だ。記念写真を撮るのにも順番待ちが大変だった。何とか集合写真も撮ったが、運悪く周りの山々は雲に隠れてしまっていて期待していた展望はあまり良くない。晴れてくるのを待っているわけにはいかない。次は下りの梯子に順番待ちの行列だった。人気の山は大変だ。
下り専用の梯子を下りて岩場のルートを下って行くと、登りとの共通点に出くわす。午後3時、まだ登ってくる登山者も多い。登り優先でしばらく渋滞。
(バンザイ!)
(登りとの合流点は渋滞)

山頂から下りて15時半、まだまだたっぷり時間がある。山荘前で展望を肴に生ビールを飲みながら、明日から始まる大キレットへの期待に話が弾んだ。
3000m峰に登るといつも機嫌が悪くなる和子も、みんなと一緒に機嫌良く笑顔ではしゃいでいる。3180mの槍ヶ岳に登っても高山病の症状がちっとも出ないのは嬉しい限り。低圧酸素室通いの効果てきめんののようである。
(槍を見ながら歓談)
(表銀座展望)





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