X115.岳の山から大鳥屋山へ
そして諏訪岳と唐沢山
(栃木県の山ピークハント)

1.動 機
日中は天気が良くなるとの予報を見て、ヤマケイ分県登山ガイド「栃木県の山」No.41(岳の山・大鳥屋山)とNo.42(唐沢山・諏訪岳)をピークハントしようと出かけた。お天気は予報に反して一日中霞み加減で期待していた展望は得られなかったが、変化のある里山コースを一部の籔漕ぎも楽しみながら歩くことが出来た。岳の山を除く三座は栃木百名山に数えられる山らしい。

2.データ
a)山域:岳の山(704m)、大鳥屋山(693m)、諏訪岳(324)、唐沢山(249m)
b)登山日:2010/11/13(土)晴
c)日程:
日立自宅 7:05 = 7:15 日立南IC = 8:10 栃木IC = 県道32 = R293 = 県道200 = 8:50 五丈の滝駐車場 9:00 ---- 10:30 岳の山 10:45 ---- 11:45 大鳥屋山(昼食) 12:20 ---- 13:05 五丈の滝駐車場 13:10 = 県道200 = 13:45 県道282路側駐車 ---- 14:25 諏訪岳 14:45 ---- 岩場 ---- 15:35 県道282路側駐車場所 = 16:00 県道115唐沢山駐車場( 唐沢山神社周回)16:45 = 16:55 田沼IC = 18:00 日立南IC = 18:10 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「仙波」「田沼」「「ヤマケイ栃木県の山No.41&42」

3.山行記録
(アクセス)
北関東道のお陰で栃木県の山も近くなった。朝7時過ぎに我家を出て、常磐道と北関東道を繋いで走って、2時間足らずで岳の山登山口の「五丈の滝駐車場」に着くことが出来た。

(岳の山から大鳥屋山へ)
県道200 = 8:50 五丈の滝駐車場 9:00 ---- 9:10 五丈の滝登山口 ---- 9:20 五丈の滝観瀑台 9:25 ---- 9:35 滝見の松 9:40 ---- 10:00 炭焼窯 10:05 ---- 10:30 岳の山 10:45 ---- 11:20 (・624) ---- 11:30 分岐 ---- 11:45 大鳥屋山(昼食) 12:20---- 12:30 分岐 ---- 12:45 林道出合 ---- 13:05 五丈の滝駐車場
(岳の山−大鳥屋山縦走ルート)
(岳の山−大鳥屋山縦走の標高差)


R293から県道200号に入って奥に向かって12kmばかり走ると、左手に分岐があって「五丈の滝入口1.7km」の道標があった。この県道200号は先日の尾出山の199号のように狭い道を覚悟していたのに、意外に広い道で助かった。県道から飛び飛びに住居が見られる前原集落の狭い道に入って600m走ると、右手に舗装された広い駐車場があった。トイレもあり、有難く使わせていただいて、身支度を整えてから9時丁度に歩き始めた。
(県道から林道へ)
(上前沢林道の駐車場)

駐車場の先で道は二又に分かれ、右に「五丈の滝1.1km」の立札があり、岳の山へはこの林道に入る。左側は大鳥屋山から帰ってくる林道である。手入れの良い杉の植林の中を歩いて行くと、10分ほどで駐車もできる広場があり、林道はここで終りになった。広場には大きな「佐野市観光マップ」や滝の謂れを書いた「五丈の滝案内図」があり、「五丈の滝0.5km、滝見の松0.5km」の道標が立っていた。ここまで「岳の山」の名前は一切出てこないが、ガイドブックに従って五丈の滝に向かう。
整備された遊歩道を登って行くと、「五丈の滝観瀑台0.2km」の分岐があり、急坂を下って行くと立派な観瀑台があった。久しく雨らしい雨が降っていない事もあって、滝の流れは少なく、県南一の名瀑と言われる滝も少々淋しい。上の方が樹木に隠されてよく見えないのも残念だった。
分岐に戻って遊歩道を200m登ると「滝見の松」の展望台に着く。滝見の松は枯れてしまって半分になった枯れ木がつっ立っているだけだった。この展望台から滝の上部を見下ろすことが出来たが、やはり樹木に覆われて一部を垣間見るだけだった。
(沢沿いの林道を歩く)
(五丈の滝、上部は見えず)

遊歩道は「滝見の松」までで後は山道、道は細いが踏跡ははっきりとしていて迷う事はない。倒木を乗越えたり、沢を左右に渡ったりしながら植林の中を登って行った。
(谷間を登る)
(倒木もあり)

沢沿いに黄葉した雑木が見えだしたころ、小広い所に炭焼窯があった。入口が随分と小さく、どうやって人が中に入ったのだろうかと炭焼きに素人の二人がいらぬ心配を話し合った。
ここで少し休んで、急斜面に切られたジグザグの道を登って行った。気温は12℃と高くはないが汗を絞られた。樹林が深く、衛星信号が上手く届かないようで、ポケナビの軌跡はあらぬ方向に進んでいったが、踏跡を忠実に辿って行くと明るい尾根に出た。(添付したポケナビ軌跡はこの辺りを想像で修正してある)
(炭焼蒲跡)
(ジグザグの急登)

尾根に上がると斜度は緩やかになり、北面の雑木林が綺麗に色付いていて、気持よく登ることが出来た。ただ、この辺りから紅葉越しに日光の山々を展望できるだろうとを期待していたのだが、一向に天気は回復せず、残念ながら遠くの山は見ることが出来なかった。
山頂には石の不動明王像と巴神社に祠があり、巴神社の前で二人揃っての証拠写真を撮った。その後、栃木山紀行の山名板に標高704mの表示があるのを見て和子の誕生日の山であることに気が付いて、証拠写真の撮り直しをした。
(尾根に上がると黄葉)
(704mの岳の山山頂)

岳の山山頂でコーヒタイムの後、次の大鳥屋山に向かう。はじめ歩きやすそうな南西に向かう尾根道を歩く気になったが、ナビを見直して間違いに気づき南に下る急坂の道に入った。危なかった。
転げ落ちそうな急坂に落葉が積もっているので、うっかり根っ子を踏むと滑って転げ落ちる。一歩一歩気を入れて下った。
落葉の急坂が終わったら、次は岩場下りだった。急斜面に露岩が飛び出しているところが数十メートル続き、ロープも張ってあった。相当な難所だったが、岩場歩きは今年夏に水戸アルパインの山行でたっぷりと経験させてもらったので、経験を生かして無事に下ることが出来た。
(落葉の急降下)
(岩場の急降下)

急坂を下り切り、落葉散り敷くなだらかな稜線を下る。急坂下りでなければ落葉をサクサクと踏みながら歩くのは気持ちがいい。次の・624mピークに登り返す途中、岳の山の山容をカメラに収めようと振り返り振り返り登って行ったが、ここも樹木に遮られて皆さんに分ってもらえるような写真にはならなかった。
・624mピークで左に曲がって下り、何回か小さなアップダウンを繰り返した先の鞍部に、「駐車場下山口」と書いた布切れが立木に巻きつけてあった。下山はここまで引き返すことになるが、大鳥屋山へは直進する。木の根っこで階段状になった急坂を登ると、15分で鬱蒼とした杉の植林の大鳥屋山に登り着いた。
山頂には一等三角点があり、杉林の中に御嶽大神の石碑や2体の石の祠があって少し神々しい感じがした。栃木百名山や栃木山紀行の山名板もあり、証拠写真を撮ってから、伐採した木を重ねた明るいところで弁当を広げた。
(根っ子坂)
(一等三角点・大鳥屋山)

昼食後、来た道を分岐点まで引き返して「駐車場」への道に入った。はじめ急斜面の植林の中にジグザクに作られた道を下り、次いでトラバース気味になだらかに下り、二度谷を巻きながら下って小さな沢に着いた。この沢を渡って登り返すと狭い林道に出た。
車で入るのは大変そうな荒れた林道を20分歩いて五丈の滝の駐車場に戻った。途中の植林は間伐や枝払いはされているが、間伐された杉は半分は倒されたままに放置されており、枝が切り払ってあるのが救いだった。杉の幹にプラスチック布を巻いたところがあったが、杉も鹿の食害にあうのだろうかと訝りながら歩いて行った。
駐車場に戻ったのは13時過ぎ、歩き始めて一周4時間の山旅だった。この時刻だと、ガイドブックの唐沢山から諏訪岳へ縦走してまた引き返すのは無理だが、それぞれをピークハントするのならまだ間に合うだろうと、次の諏訪岳に向かった。
(植林の下りの後はトラバース)
(林道歩き)


(諏訪岳と唐沢山)
五丈の滝駐車場 13:10 = 県道200 = 県道R282 = 13:45 路側駐車 ---- 13:55 藤坂登山口 ---- 14:10 京洛戸分岐 ---- 14:25 諏訪岳 14:44 ---- 14:45 村檜神社分岐 ---- 14:50 岩場上 ---- 15:25 藤坂登山口 ---- 15:35 路側駐車場所 = 県道280 = 県道144 = 県道115 = 16:00 唐沢山駐車場 ---- 16:05 青年の家 ---- 16:10 唐沢山神社 ---- 16:20 神橋 ---- 16:30 鏡岩 ---- 16:35 唐沢山駐車場
(諏訪岳と唐沢山)

(諏訪岳登山ルート)
(唐沢山周回)

(諏訪岳)
県道200号で葛生の街に入ると目の前に格好の良い山が見え、これが諏訪岳だろうと一時停車して運転席からシャッタを押した。
葛生を通過して県道282号に入るとすぐに巨大なダンプカーが出入りする石灰鉱山があり、そこから先282号はダンプ街道になった。ダンプにちょっとでも触ったらひとたまりもない。カーブも多く、こわごわ運転して行った。
(諏訪岳)
(ダンプ街道:県道282号)

石灰鉱山の先で道が大きく湾曲する突き当たりが諏訪岳の藤坂登山口であり、そこに駐車している車が見えたので入ってみた。6台の車が停まっており、駐車場は狭くてこれ以上停めたら奥の車が出るのに難儀しそうに見えて、他の登山口に回ろうかと282号を先に向かった。500m走ったところで路側に何とか駐車できそうな荒地を見つけて、ここからなら10分歩けば登山口に戻れそうなので、制止する和子の声を無視して強引に駐車した。登山口に戻るまでのダンプが疾走する車道歩きが和子ならずとも心底気持悪かったが、自分の存在を誇示するように手を大きく振りながら歩いて登山口に無事到着、ホッとした。
登山口には、諏訪岳まで森中林道経由45分、屏風岩経由35分とあるが、どこから入っていいのか判らない。入口に車が止めてる道が森中林道だろうと考えて入って行くと、すぐに「ロックガーデン」の分岐表示があり、その先に「森中林道」の道標もあったので安心して進んだ。
(藤坂登山口)
(登山ルート)

森中林道の道標からしばらくは踏跡が付いていたが、途中からシダの茂みになったり、倒木があったり、道が不鮮明になってきた。
籔を漕ぎながら谷間を登って行き、なんとか稜線にでると十字路の表示板があって一安心。直進は京洛戸公園、左折が諏訪岳に向かうと示されていた。
(森中林道)
(京洛戸公園分岐標)

ここからは道ははっきりとしてきたし、道も緩やかになったが、わざと邪魔するようにおかれたような倒木があったりで一筋縄ではいかない。
一度尾根から外れて少し下り気味に歩き、登り返してからが物凄い急登になった。小さな山は急坂でも直登するのできつくなる。
(倒木越え)
(急登)

ひと汗かいて登り着いた山頂は広くて、コーヒタイム。相変わらずガスっていて遠くの展望は利かないが、北に朝登った岳の山から大鳥屋山らしき山並みが見えていた。
(諏訪岳山頂)
(岳の山−大鳥屋山)

下りは、同じ道を下ってもどうせ藪こぎで面白くもないので、屏風岩の道を下ってみることにした。屏風岩と聞いて和子は危ぶむが、屏風岩まで下って危ないと思えば引き換えせばよかろうとなんとか説得した。
山頂から村檜神社への道を1分下ったところに藤坂RGへの分岐があり、しっかりとした踏跡が下っていた。これなら間違いなく登山口に下れそうだ。
(屏風岩コース分岐標)
(始めは道あり)

山頂から5分下ったところから、大きな岩が見えて来た。この大岩を越えるのでは大変だとぎょっとしたが、岩は谷向こうにあるのでロックガーデンの岩で、歩くルートではないだろうと判断した。
すぐ先で岩棚の上に出て行き止まり、ここが屏風岩の上のようだ。
(ロックガーデン)
(行き止まり:屏風岩上部)

近くに左「岩コース」右「一般道(?)」の二又に分かれる案内板を見つけ、右の道を選んだ。
右は10mほどのガレ場の下りでロープが張られており、立木やロープを頼りに注意深く下った。難所を下ると岩コースと合流した。
(屏風岩巻道案内)
(屏風岩を巻いて下る)

これを過ぎてからが本当の難所だった。踏跡がだんだんと不確かになり、ついには厚い籔が立ちはだかってきた。282号を走る車の音が聞こえるし、ポケナビを見ても登山口はそれほど遠くはない。籔の薄いところを選びながらがむしゃらに下って行った。籔の向こうに、林道を登る途中で見たバイクの姿を見たときはホッとした。
(道不明)
(適当に籔を漕ぐ)

無事登山口には降り立ったが、まだ駐車場所に戻る車道歩きが残っていた。私達の近くでダンプ同士がすれ違う時は、一方が停車して待ってくれた。ダンプの運転手さん、迷惑をお掛けしました。

(唐沢山)
駐車場所に着いたのは15時半、そろそろ山登りには限界の時刻だが、唐沢山のピークハントだけを残しておくのも後々面倒だ。山頂近くまで車で上がれるので今日片付けてしまえと、唐沢山の山頂を車のナビにインプットして走り始めた。
282号を石灰鉱山方向に引き返し、葛生の街から県道144号に曲がり、田沼工業団地を通り過ぎると、左手に諏訪岳から唐沢山の山並みが見えて来た。和子が助手席の窓を開けてパチリ。
栃本町の交差点を左折して115号に入り、唐沢山のくねくね道を登り切ったところに広い駐車場があった。ここに車を停めて、少し下ったところにある「一般者進入禁止」の道を登って行った。
(諏訪岳と唐沢山)
(唐沢山入口駐車場)

唐沢山神社の北側を通る道で、山頂に上がる道は見つからない。そのまま歩いて行くと、モミジの綺麗な広場があり、入口に「京洛戸峠」への道標がある青年の家前だった。
青年の家を通過して、石段を登って鳥居をくぐると唐沢山神社の本殿があった。一番高い山頂は神社の裏のように思えたが、柵があって入りこめない。唐沢山神社に神妙にお参りして唐沢山を登ったと認めていただくようお願いした。
(青年の家広場)
(唐沢山神社参拝)

神社から三の丸跡、四ツ目掘などを見ながら下って神橋を渡ると、八大龍王神の石や大炊の井、天狗岩など唐沢山の歴史を物語るものが色々とあった。
唐沢山城址案内図によるとレストハウスの下に「鏡岩」なるものがあったので下ってみた。案内板によると「上杉謙信が攻めて来た時、この岩が西日を反射して光り攻めあぐねさせたという言い伝えがあり、今でも一部光るところがある」とあったが、今日は曇りだしもう日没、変哲もない大岩だった。
(神橋)
(鏡岩)

(帰宅)
駐車場 16:45 = 16:55 田沼IC = 18:00 日立南IC = 18:10 日立自宅

駐車場に戻った時はもう薄暗くなっていた。近くの北関東道の新設ICの田沼ICから高速に乗って帰ることにした。休日割引、何処から乗っても1000\だ。これから、栃木南部の山を登るには何回もお世話になるIC、場所をよく確認もしておきたかった。
田沼ICから高速に乗ってから渋滞もなく快調に走って、日立南ICまでノンストップ、1時間ちょっとで帰ってきた。


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