X116.燕山からきのこ山へ


1.動 機
水戸アルパインの4月例会で裏筑波の花の入公園からスタートして、燕山、加波山、足尾山、きのこ山と縦走してみかげスポーツセンタに下る計画がある。なかなかのロングコースなので、コースタイムを確認するために、リーダ役のシモンさん、平野さんと一緒に下見してきた。稜線に上がってからは何回か歩いたコースなので紅葉や展望を楽しみながら賑やかに歩いたが、登り下りは初めてのコース、道を確認しながら慎重に歩いた。

2.データ
a)山域:燕山(701m)、加波山(709m)、足尾山(628m)、きのこ山(528m)
b)登山日:2010/11/19(金)晴
c)コースタイム:日立自宅 7.00 = 7:10 日立南IC = 7:45 桜川筑西IC = 7:55 岩瀬コンビニP 8:00 = 8:15 みかげスポーツセンタP 8:25 = 8:35 花の入公園P 8:40 ---- 9:15 林道終点 ---- 9:35 一枚岩 9:45 ---- 10:15 天狗の踊場 10:20 ---- 11:00 燕山 11:05 ---- 11:10 休憩舎(昼食) 11:45 ---- 12:00 加波山神社拝殿 ---- 12:15 加波山山頂 ---- 12:40 自由の楷 ---- 12:55 一本杉峠 13:10 ---- 13:45 足尾山 13:55 ---- 14:10 ハングライダ離陸点 ---- 14:55 きのこ山 15:05 ---- 15:45 つぼろ台 ---- 16:20 みかげスポーツセンタP 16:35 = 16:45 花の入公園P 16:50 = 17:00 桜川IC = 17:40 日立南IC = 17:50 日立自宅
d)同行者:シモンさん、平野さん
e)地形図:1/25000 「真壁」「加波山」
(燕山・きのこ山縦走ルート)
(燕山・きのこ山縦走ルートの標高差)


3.山行記録
待ち合わせ時間に県道41号入口のコンビニの駐車場に入ると、お二人は平野さんの車でおいでになっていた。挨拶をしてすぐに今日の下山口・みかげスポーツセンタに向かう。ガラガラの駐車場に川本車をここにデポし、平野車で県道を引き返して花の入公園の駐車場に入った。
ここから舗装された林道を歩いてもいいが、サクラの木がいっぱい植えられている公園内の遊歩道に寄道してから林道に戻った。サクラの木は絶えることなく続き、花の季節の見事さを想像させた。本番は桜見物も売りになっているのだ。林道からは日光の山並みが見えていて、男体山が筋状に雪化粧しており、奥白根も真っ白い頭を出していた。
(花の入公園からスタート)
(しばらく林道歩き)

歩き始めて5分のところに林道の右に沢を遡って行く面白そうなコースも分かれていたが、これを歩いてはサクラは楽しめない。何か所かの右への分岐も見送って20分歩き続けると、右に「一枚岩、加波山」の道標があり林道が分かれていた。ここからさらに15分林道を歩くと右下に砂防ダムを見る、その先は道が細くなった。
すぐに沢沿いを歩く道になり、右に沢音を聞きながら気持よく歩くが、両側が急だと山道は沢に下ることになった。
(沢沿いの山道)
(沢に下りる)

沢はところどころで小さな滝になっていたが、林道終点から20分歩いたとこでは、大きな岩の表面を滑るように水が流れ落ちていた。この美しい滑滝はその上で斜度が緩くなるが、更に50mぐらい続いていた。ここが一枚岩というところらしい。一枚岩の上に上がって上や下の滝を眺め、お八つを食べながら一休みした。
休憩場所から登って行くと、一枚岩の上端部を横切ることになる。落葉が積もっており、その下を水が流れていて岩はつるつる、極めて滑りやすい。滑ったら少し下が小さな崖になっていて、途中で止まることろはないので痛い目にあいそうだ。虎ロープが張ってあり、これに手を添えながら慎重に渡る。
シモンさんと平野さんが上手く渡った後私の番になり、慎重に一歩づつ足を進めたが、つるりと足を取られてしまった。ロープに掴まって大事には至らなかったが、立ちあがろうと焦っても靴が滑って思うに任せない。何度かもがいて足場に靴が引っ掛かってやっと体勢を立て直して無事に通過できたが、本番では皆さんに下の流れの脇を歩いてもらうことになりそうだ。滑った時の被害はその方が少なくて済む。
(一枚岩の滝)
(一枚岩横断)

沢筋を登って行くと、「天狗の踊場を経て燕山へ」と「本道を通って加波山頂へ」の分岐があった。祠状にケルンを積んである左の天狗の足場に向かって登って行った。急坂を登って行くと岩っぽい斜面になり、岩の間を縫う様に歩いたりしながら登って行くと2本の巨大な岩の柱が突っ立っていた。狭い岩の間を通過して裏に回るとガレ場の登りになり、これを登って行くと岩の上面に上がることが出来る広場に出た。岩の前を通ったSiさんもロープを使って広場に上がってきた。
岩場の上が天狗の踊場で、視界が広がった。「周りの山の紅葉が綺麗だね」と見とれていると、山裾に富士山の姿が見えていて、三人で歓声を上げた。
(天狗の遊び場)
(天狗の遊び場の舞台)

(天狗の遊び場からは富士山も見えました)

天狗の踊場で展望を楽しんでから広場に下り、踏跡を辿って進むとすぐに林道に出た。林道を少し左に歩いたところに「燕山登山口」の道標があり、急斜面に道が登っていた。取り付き点の段差が大きくて登るのに苦労する。登山道に上がってからも物凄い急登が続いて汗を絞られ、息も絶え絶えになる。しばらく急坂の直登を頑張ると、左から緩やかな登山道が登ってきており、ここからはジグザグの道になって少し楽になってきた。林道をもっと左に歩いて行けばこの登山道の登り口があるのかもしれない。
登山口から20分で目の前の樹間に燕山が見えてくると「テーブルピーク」の小さなこぶがあり、もう一度急坂を頑張ると雨引山からやってくる「関東ふれあいの道」と合流して、ここから下山口までは「関東ふれあいの道」を歩くことになる。広い道を登って行くとすぐに701mの燕山山頂で、展望はなく記念写真を撮って次に向かった。
(燕山への登り口)
(燕山山頂)

燕山頂からふれあい道の丸太の階段道を下り、少し登り返すと展望の良いところに休憩舎があった。数人のライダーが休憩中だったが、日当たりのいいところのテーブルを確保できて弁当を広げた。
大きく下ると赤や白の幟が立ち並ぶ加波山神社の神域に入ってきた。鳥居をくぐると社務所の脇に、加波山神社の拝殿と三枝祗神社新宮の拝殿が並んでいる。
(燕山休憩舎の看板)
(加波山神社の神域に入る)

ここから山頂までいくつもの社が立っていて、一つ一つにお参りしながら登って行ったが、私にとってどれが一番ありがたい神様だったのだろうか。
一番高いところにある加波山大神社の本宮本殿の前に709mの三角点があった。今日の最高地点である。
(数多くの社が続く)
(山頂の本宮本殿)

本殿の先にも拝殿があり、その下に加波山一丁目の石碑があった。山頂から一丁目が始まるらしい。この先の道は木の板で歩道を作ってあったが、これが古びて滑りやすく、踏み抜きしそうな所もあって怖かった。「工事中、ご迷惑をおかけします」とあったので、本番までには補修されるのだろう。
これから先「旗立石」「飛行機事故殉職碑」の先には、丸太の階段道が続く。下りても下りても続く階段、登るよりは楽チンだが、いい加減嫌気がさしてきたごろにやっと「自由の楷」の広場に着いた。
(旗立石)
(自由の楷)

ここから一本杉峠までは丸山を巻いて、風車や足尾山を見上げながら林道を歩いて行ったが、周りの紅葉が綺麗だった。
(風車)
(足尾山)

次の足尾山は登山口の案内板に「足尾山は標高628mの山で、古くは「常陸風土記」や「万葉集」に葦穂山と記されており、山頂には、足尾山神社が建立されています。社伝によると、延喜20年(920年)ころ醍醐天皇が足病消除祈願のため与えた勅額は野火により焼失しましたが、寛正5年(1465)御所へお願いし再び勅額と菊の紋入り喇石が与えられ、足の病を治す神様として信仰が高まり、信者が草履やわらじを奉納する風習が生まれたと言われています。」とあるように、足の神様が祀ってある山なので、山好きな我々は必ず登らなければならない大切な山である。
一本杉峠まで林道を歩いて一休みし、そこから先の林道は2回山道で近道し、三度目の山道で足尾山の登りになった。2回目の山道は女坂と男坂に別れており、男坂を歩いたがやはり林道に飛び出した。
足尾山の山頂に登り着くと、視界は霞んできたが樹間に加波山や筑波山が見渡せた。
山頂部は広く石垣で囲われた足尾神社(葦穂神社)の境内になっており、社には綺麗な草履や靴がいくつか供えてあった。以前来た時はもっとたくさん供えてあったと思ったが、整理されたすぐ後なのかも知れない。少し下った所に、石の塀に囲まれた中に小さな祠があり、その前の境内の石組の中におびただしい靴や義足が積まれていた。石の塀はこの小さな祠には不似合いなほど立派である。3年前にここに登った時には大きな社殿が立っていて、それが壊れかけているのが気になったのが思い出された。
林道に出てすぐのところがハングライダの離陸地点で、丁度一機のグライダーが発進しようとしていた。発進するところを見てみようと待っていると、間もなくサポータが下と交信しながらOKを出してグライダーが飛び出していった。気持よさそうだ。
(足尾山山頂)
(ハングライダのテイクオフ)

ハングライダの離陸を見てから、林道を2.3km、45分歩いてきのこ山の登り口に着いた。きのこ山の標高は528mで私の誕生日の山なので、今回も三角点にタッチしなければならない。「休憩所60m」の道標がある道を入ると休憩舎があり、ポケナビを見ると三角点は左の茂みの中にありそうだ。籔を漕ぎながら踏跡を辿ると三角点が見つかって証拠写真を撮った。
休憩所の反対側にもパラグライダーの離陸点があって、西方向の展望が良い。男性が登ってきたので、どこから登ってきたかと尋ねると我々の下山口のスポーツセンタを通ってきたらしい。安心して離陸場の左の踏跡を下って行ったら、林道のところで崖の上に出て、1mほどのジャンプしなければならなかった。林道を右に200m下ったところに、右の斜面を上から下って来る階段道があったので、離陸場の右に正しい下り道があったのだろうと思われたが、今日はもう遅いので確認に登り返すことはできなかった。本番の時にこの分かれ道が見つからなければ、近道しないで林道を歩くことにしよう。
林道から分かれて少し下ると「つぼろ台80m」の道標があり、寄道してみた。岩の上からの展望がよく、紅葉ご越しに燕山から加波山、丸山、足尾山の山並みが綺麗に見えていた。
(きのこ山の三角点)
(つぼろ台)
(歩いてきた山並みを振り返る)

つぼろ台から引き返して関東ふれあいの道を下って行くと、雨水で掘られた所が何か所かあったが、並行して新しい道が作られていた。
伝正寺への道は定かでなかったが、紅葉の綺麗な恵みの森の遊歩道を歩いてみかげスポーツセンタの駐車場に16時20分に戻ってきた。花の入公園から歩き始めて7時間40分、シモンさんが計画した時間に極めて近かった。私には少しきつめの歩きだったが、元気な水戸アルパインの皆さんには丁度いいコースタイムだろうと思われた。
(真壁、岩瀬の街並み)
(みかげスポーツセンタに到着)





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