X1110.鍋足山(MAC11月特別企画)

1.動 機
水戸アルパインクラブの11月特別企画は久しぶりに茨城に帰っての鍋足山だった。鍋足山は各所に崖や滝がある変化の多い山であり、シモンさんが大のお気に入りで、地形図方手にしょっちゅう歩きまわって隅々まで知り尽くしている山である。もう一人のリーダの平野さんと何度も下見して設定されたコースは、湯草から第V峰まで登ってから三角点峰まで稜線を歩き、一旦笹原側に下ってから本峰に登り返して湯草に下って来ると言う周回コースが取られた。鍋足山は笹原側から登るのが一般的で、湯草側からのコースは余り歩かれていない道だが、岩っぽい沢筋を登るコースは変化があって面白く、真っ盛りの紅葉は快晴の太陽に映えて美しく、岩にへばりついて変な形になった欅の大木もあちらこちらに見られ、同行者一同、大いに満足の山行でありました。

2.データ
a)山域:鍋足山三角点峰(552m)、鍋足山本峰(529m)
b)登山日:2010/11/28(土)晴
c)日程:
日立自宅 7:40 = 8:15 水府JA直販所 8:30 = 9:05 湯草集落 9:15 ---- 9:55 三又 10:00---- 10:15 もみじ谷 10:30 ---- 11:05 第W峰 ---- 11:45 三角点峰山頂(昼食) 12:15 ---- 12:30 猪ノ鼻峠分岐 ---- 12:50 中ン滝上 12:55 ---- 13:20 笹原道合流 13:25 ---- 13:50 本峰山頂 14:10 ---- 14:35 林道出合 ---- 14:50 小屋分岐 14:55 ---- 15:35 湯草集落 15:45 = 16:20 水府JA直販所 16:35 = 17:05 日立自宅
d)同行者:水戸アルパイン会員15名(男8、女7)和子
e)地形図:1/25000 「大中宿」
(鍋足山周回コース:クリック拡大)
(鍋足山周回コースの高低差)

樹林帯などではナビの軌跡が信号不良で実際とずれたところがあります。今回のルートは標識のある通常のルート以外の所も多く歩いているので、地形図を見ながら自分で判断して歩いて下さい。シモンさんのように地形図を見て道のない所でも歩ける人にお願いして案内してもらうのが一番です。

3.山行記録
(アクセス)
我家はいつもはバス始発点の日立電鉄南営業所からトップに乗り込むのだが、今回のバスは水戸まで走って仲間を乗せてから、登山口の湯草に向かうのに我家近くの常陸太田を通過する。水府のJA直販店まで愛車で走って、最後にバスに乗ることにした。1時間近く朝寝坊できるのだ。
8時15分にJA直販店に到着すると、間もなくバスが到着した。いつもは我家が先にバスの中にいて乗りこんでくる皆さんに挨拶するのに、今日は我家が外から挨拶する。何か面映ゆかった。
バスは工事中の狭いR461も問題なく走って、ほぼ予定通りの時刻に湯草集落に到着した。
(山行)
集落入口の広場で準備運動をして9時15分に平野リーダを先頭にして歩き始めた。集落の舗装道を歩くとすぐに農作業用の道になり、やがて橋のない小さな沢を渡った。その先からの山道を歩くと茶畑もあった。
(湯草集落からスタート)
(山道に入る)

茶畑を過ぎると植林の中の沢沿いの道になり、右手に黒い岩壁を水がちょろちょろと流れ落ちる不動滝を見る。水量は少々淋しいが、落差は十分にある立派な滝だった。
この辺りから、沢に苔むした岩がゴロゴロと転がる沢沿いの急坂を登るようになった。
(不動滝)
(岩ゴロゴロの沢沿いの道)

登山道のまわりが広葉樹林になり色づき始めたカエデも多く、色とりどりの落葉を踏みながら気持よく登って行く。水たまりには紅葉も浮かんでいて綺麗だった。
急坂を登っていくと、谷が三又になるところに少し広いところがあって一休み。どっちに進むかと思っていたら平野リーダは右の谷間を登って行く。私は最後尾を歩くので先行者の足跡が付いていて心配なしで歩いているが、我家だけで歩いたらこんな沢道を登っていけるかどうか自信がない。このコースは5年前に同期会の仲間と一緒にシモンさんに案内してもらった筈なのだが。
(もみじ織りなす)
(三又を右に登る)

三又の右の谷間を登って行くと、左の谷間の赤い紅葉が陽を受けて輝いているところに出た。シモンさんが撮影推奨する最初のスポットだった。
登山道は笠のような大岩の下を潜り、更に急坂が続く。
(もみじ谷の始まり)
(大岩を潜って)

その上に真っ赤に燃える紅葉が茂る谷間になり、朝日を受けて綺麗だった。右と左の斜面に大きなケヤキの木が立っており、「すぐそばまで行かないとケヤキの木の大きさは実感できない。時間を取るから登っておいで」と平野、シモン両リーダのお薦め。みんなで右の急斜面を登ってケヤキの木に近づくと、確かに大きい。みんなで代わる代わる大木の前に立ってシャッタの押し合いをした。
(ケヤキとカエデの登山道)
(大ケヤキ)

少し登ったところから見下ろすもみじ谷の景色が素晴らしかった。今年晴れ男に変身した平野さんのお陰での快晴で、ピーカピカのお日さまを受けた紅葉が今年一番のもみじだった。もみじをバックでの集合写真も撮られた。
(もみじ谷の眺め)

最初の大ケヤキを過ぎてからも、これに負けない大きなケヤキの木が何本もあり、記念撮影も忙しい。
(あちこちに大ケヤキ)

急斜面を登り切ると第V峰への分岐だが、V峰方向にはロープで通せんぼをしてあり、樹間にとても登れそうにもないそそり立つ大岩壁が見える。第V峰にはシモンさんに連れられて6年前5年前に登ったことがあり、我家だけでも2年前の3月に猪ノ鼻峠から往復した時に登って展望を楽しんだが、この絶壁を登ったのではないことだけは確かだ。
第V峰と反対方向に曲がって崖の上に出ると初めて展望が開け、第V峰もはっきりと見えてきた。ここを第W峰と呼ぶらしい。
西側に高崎山から白木山の山並みが並び、その上に奥久慈男体山の頭が見えていたが、さらにその上に見えるはずの日光から那須までの連山はすっかり霞んで見えなかった。お天気が良すぎた。右の方には来年2月例会の月居山の双耳峰が意外と小さく可愛く見え、その右に船のように立ちあがる立神山に続いて来年3月例会の生瀬富士と茨城21峰が連なっていた。
(第W峰からV峰を展望)
(月居山・生瀬富士茨城21峰)

ここから三角点峰までは何度も歩いたが気持のいい稜線歩き、尾根筋のもみじはすっかり葉を落としてしまっているが、返って展望が利いて気分がいい。谷間に見えるもみじを楽しみながらいくつかピークを越えていく。東の展望も開け、高鈴山、神峰山、竪破山から里美牧場の風車群まで見渡せた。
ロープも張られた岩場を登ると551.7mの三角点峰の山頂。振り返ると鍋足山の第T〜W峰が見渡せた。空いていたベンチに陣取って賑やかに弁当を広げた。
(三角点峰へ尾根道を進む)
(三角点峰から第T、U、V、W峰展望)

昼食を済ませて猪ノ鼻峠方向に下り、途中から右の分岐に入って笹原へ下る。この道は今年のはじめにシモンさんに案内してもらって大矢さん夫妻と一緒に歩いた道だが、なかなかの急坂である。中ン滝の直上まで100mを下る。
笹原へ下る道から右に分岐があった。この道も鍋足本峰に通じる正規の登山ルートらしいが、我家には初めての道だった(と思う)。分岐からすぐに中ノ滝の上の沢が見え、その先は谷を大きく巻きながら歩いて行った。
再び笹原から登って来る登山道に合流して一息入れ、平野リーダの掛け声で「本峰まで頑張ろう!」と全員で喝を入れて登り始めた。
(笹原へ急坂を下る)
(下った分を登る)

三角点峰から下った分を30分で登り返す。綺麗なもみじや変わった形のケヤキの木に慰さめられながら頑張った。
(ケヤキのお面)
(もみじ)

本峰の山頂に着くと、第W峰から三角点峰までの縦走路が目の前に広がり、気温が下がってきたからか日光や塩原の山並みも見えていた。全員そろっての集合写真を撮り、お八つを交換したりしながらゆっくりと休んだ。

(歩いてきた第W峰から三角点峰への稜線)

ここで「もう満足したか?もっと歩きたいか?」と御下問があり、希望者が多ければも追加の取っておきのコースも用意されていたようだったが、みんなここまでの登り下りに疲れ気味、真っ盛りのもみじにも大満足だったので「もう下りたい」と意見一致、最短ルートで湯草まで下ることになった。
ここからはシモンリーダの先導で歩いて、大中宿からの登山道を下り、林道の途中、古い小屋のあるところから右の分岐に入って湯草へ向けて下った。この下山道も5年前に同期会の仲間と一緒に案内してもらった筈なのだが、ほとんど覚えがなかった。
(本峰を下る)
(第U峰脇の岩場通過)

(広い林道)
(湯草集落に到着)

湯草に下り着いたのは15時35分、歩き始めて6時間20分だった。適度の疲れ具合、綺麗なもみじに満足した山行だった。整理運動をしてからバスに乗り、水府JA直販所で皆さんと別れたが、一番にバスを下りるのも初めての体験で、手を振りながらバスを見送る姿はきっとぎこちなく見えた事だろう。


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