X125.栄蔵室と花園山

1.動 機
冬になると寒がりで雪が嫌いな和子が高い山を敬遠するので、近場の茨城の里山歩きが多くなる。冬場に登る山の候補を話し合ったが、茨城県のピークハントは粗方終わっているが、2004年以前に登った山はHPに記録を残していない。とりあえず分県登山ガイド「茨城県の山」の山で2004年以降登り直していない山を選んで、昔を思い出しながら歩いて見ることにした。先ずは、北茨城の花園山に登ることにして、栄蔵室と一緒に周回することにした。
出発前には以前歩いた猿ヶ城側から登る積りで出かけたが、花園神社入口の案内板を見ると、七つ滝側から登るルートが破線で書いてあり、これを見て奥の院峰側から登ることに方針変更した。

2.データ
a)山域:栄蔵室(882m)、花園山(798m)
b)登山日:2010/12/21(火)晴後曇
c)コースタイム:日立自宅 8.15 = 8:25 日立南IC = 8:45 中郷SA 8:55 = 9:00 北茨城IC = 9:25 七つ滝駐車場 9:40 ---- 9:50 七つ滝 9:55 ---- 10:10 奥の院峰 10:15 ---- 10:35 林道出合 ---- 11:15 栄蔵室登山口 ---- 11:25 栄蔵室山頂 11:30 ---- 11:35 林道出合 ---- 11:40 展望広場(昼食) 12:00 ---- 12:15 南登山口分岐 ---- 12:35 花園山山頂 12:40 --- 12:50 分岐 ---- 13:25 林道出合 ---- 13:35 七つ滝駐車場 ---- 13:55 奥の院峰 14:00 ---- 14:05 分岐---- 14:05 月山 ---- 14:10 男体山 ---- 14:25 林道出合 ---- 14:30 七つ滝駐車場 14:40 = 15:05 北茨城IC = 15:30 日立南IC = 15:40 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:「川部」
(栄蔵室−花園山周回 ルート図)

(栄蔵室−花園山周回ルート標高差)
(月山−男体山周回ルート標高差)


3.山行記録
花園神社の駐車場を通過し、柳沢林道に入って行った。狭い林道を向かいから車が来ない事を祈りながら走り、「七つ滝まで300m」の道標のすぐ先の駐車場に9時25分に無事到着した。狭い駐車場に先客はいなかったが、これから入って来る人もあるかもと思い、駐車場の端に行儀よく駐車して、身支度をして歩き始めた。
鳥居のある登山口から登り始め、右に小滝が続く美しい渓谷を見下ろしながら丸太の階段を登って行くと、「七つ滝まで100m」で枝沢を木の橋で渡る。続く苔むした石段を登って行くと「左/奥の院表参道(七つ滝)・右/奥の院裏参道」の別れがあり、左の道の方が道がしっかりしていたので、表参道を登った。後でガイドブックを見ると、表参道は難コース、裏参道が楽チンコースだった。
(奥の院の鳥居から登り始め)
(丸太や石の階段続き)

その先に休憩舎があり、七つ滝の全景が綺麗に見えていた。休憩舎で七段の滝をゆっくりと眺めて歩き始めるとそのすぐ上で木の橋で本沢を渡るが、ここから眺める七つ滝の方が近くて見ごたえがあった。
橋を渡ったところに「奥の院300m」の道標があり、岩っぽい斜面を石段で登って行くと、右に七つ滝の上部の2段を見ることが出来た。
(七つ滝)
(七つ滝の上二段)

ここから登山道は急傾斜になり、木の根っこや岩場の崖の登りになった。太く長い鎖もぶら下がっているが、根っ子や岩角を掴みながら攀じ登って行った。
(根っ子の急登)
(岩場の急登)

崖をこなしても急な道が続き、300mがやけに長く感じられる頃にやっと奥の院峰に登り着いた。山頂には真新しい石の祠が立っていたが、5年前に啓ちゃん夫妻とここに登って来た時には、もっと大きな立派な祠だったと覚えているので、最近作り直されたのだろう。
谷向かいにこれから向かう花園山が見えていた。
(花園神社奥の院)
(花園山を展望)

大きな盆栽のように格好よく捩れた松の向こうに阿武隈の山々を見渡す風景は一幅の絵のようだった。
(阿武隈の山々展望)

奥の院峰から次に向かう方向を確認しようとポケナビを覗いて見てガックリ、軌跡が表示されていなかった。ここまで道に迷うところがなかったので、ポケナビを見ることもなかったのだ。あわてて表示設定をやり直した。
奥の院峰から少し下って登り返しすと、「栄蔵室へ5km」の道標があり、その先の「月山男体山女体山」の分岐を右に分けて、左の道を登って行った。雑木や松の林の中のだらだらとした登山道を登って行くと林道に飛び出した。
未舗装の林道を歩く途中に分岐が何か所もあったが、いずれも右への道を選んで歩いた。陽だまりの中を40分ほどせっせと歩くと左手に分岐があり、立ち木に小さな「栄蔵室」の表示板がぶら下がっていた
(松林の急登)
(長い林道歩き)

左の道を少し入ると右に栄蔵室への登山道が分れており、真新しい「栄蔵室山頂へ」の道標が立っていた。5年前には「この道はハイキング道ではありません」となっていて、何の案内もなかったはずだ。手入れの良い登山道を登って行くと休憩舎があり、そのそばに「この道はハイキング道ではありません」の立札はそのまま残っていた。
天気が良ければこの休憩舎からは富士山も見えるらしく、「関東富士見百景」の看板があり、奥久慈男体山の右肩に富士山が見える展望図が飾ってあった。里美牧場の風車ははっきりと見えていたが、今日の天気ではそれ以上遠くは無理だった。
休憩舎のすぐ上が栄蔵室の山頂で、一等三角点と立派な山頂標柱が立っており、標柱には「茨城県最高峰882m」となっていた。ベンチがあったが、展望がないので証拠写真だけ撮って次に向かった。
(栄蔵室登山口)
(一等三角点の栄蔵室山頂)

NTTの中継アンテナの巨大な鉄搭を過ぎ、丸太の階段道を下ると林道に出て、そこには、北茨城ロータリクラブ北茨城山の会作成の「栄蔵室・花園山周辺トレイルマップ」と案内表示板が立っていた。この山の会の方々が登山道を歩きやすく整備をされているのだろう。
トレイルマップに花園山から先の奥の院峰付近が表示されていないのが残念だった。
(林道出合の道標)
(トレイルマップ)

林道を右に少し歩くと展望の良い広場があり、ここで展望を楽しみながらの昼食にした。大きな展望図があり、蓬田岳から大滝根山までの阿武隈の山々は確認できたが、磐梯山から安達太良、蔵王は雲の中で見ることが出来なかった。
(広場の展望図)

林道を右に進み、花園山・猿ヶ城には左の分岐に下る。途中にも「笹平・花園山」の道標はあり、更に下った分岐に立派な「南登山口・花園山」の案内表示板が立っていた。
右の花園山の道に入ると、笹原の中に整備された道が続いていた。この辺りを笹平と呼ぶのだろう。
(花園山分岐の道標)
(笹平)

10年前には籔を漕ぎながら歩いたように記憶するが、歩きやすくなった道を気持よく下って行くと沢沿いの道になり、2度徒渉して上り坂になった。
(徒渉して)
(登り返し)

尾根まで登ってT字路を左に登るとすぐに798mの花園山の山頂、立派な山名板があった。
ここも展望がないので、証拠写真だけ撮って下山にかかった。ここから七つ滝への道については予備知識がなく、多少心配しながらのポケナビ頼りの下山だった。
T字路まで引き返して直進すると、ここから先は笹の刈り払いがされていなかった。花園神社のところの案内板で、ここから七つ滝林道までのルートが破線表示になっていたので多少の藪こぎを覚悟していたのだが、籔を漕ぐと言うほどではなく、笹の道を過ぎるとまたはっきりとした道になった。
(花園山山頂)
(尾根筋の道)

下りは尾根道だと思いこんでいて、適当なところから左の尾根に下って行ったが、ポケナビの表示を見ると様子がおかしい。少し早く曲がり過ぎたようだ。主尾根の道に軌道修正して歩いて行くとT字路に突き当たり、「左花園・右猿ヶ城」の道標があった。道標を見て一安心した。
左の道に入ると、植林の中に思いがけないほど手入れの良い道が続いた。ところどころ倒木を跨ぐところもあったが、問題はなく気分よく下った。
(花園−猿ヶ城分岐)
(始め歩きやすい道)

植林の中の道を10分も下ると谷間の道になり、石がゴロゴロ転がる沢のような道を右に左に渡りながら下ることになった。これで破線の道になっている訳が分った。
沢道下ると、車も入る作業道になり、やがて七つ滝への車道に出ることが出来た。出口にはコンクリートのブロックと鎖で通行止めになっていた。ここが破線の道の登山口だ。
(石ごろごろの沢沿いの道)
(七つ滝への林道出合)

山行中も人一人出合う事がなかったが、駐車場に戻っても他の車は停まっていなかった。時間はまだ13時半、まだ帰るには早過ぎるので、ここから奥の院峰まで登りなおしてポケナビに軌跡を残すことにした。
奥の院峰まで登るなら、その上の分岐から月山方向に入って周回することにして空身で歩き始めた。勿論和子からはポケナビ軌跡設定忘れへのきつい叱責があった。
(空身でもう一度)
(分岐から月山へ下る)

月山は分岐からすぐのところにあり、男体山もそこから少し下ったところに分岐があった。2山ともに奥の院と同じ作りの石の祠が置いてあった。
男体山への分岐点に女体山の道標があって登山道を進んでいったが、何処で見過ごしたのか「女体山」にはお目にかかれなかった。女の神様、あ参り出来なくて御免なさい。
(月山神社)
(男体山神社)

急な下り坂になると、こちら側もなかなかの急坂が続き、ロープや鎖に頼るところもあって歩き甲斐があった。
何段にも落ちる滑滝を眺め、沢を石伝いに徒渉してから、なだらかになった登山道を下ると林道に出て、すぐに駐車場に戻ることが出来た。追加の1時間の山行は変化もあってなかなか面白かった。
(急坂を下る)
(滝)

帰りは久しぶりに通勤割引も休日割引もない高速走行をしたが、30%のETC昼間割引があって心配することはなかった。




inserted by FC2 system