Y13.椎尾山ついでに坊主山と筑波山

1.動 機
夕食を食べながら天気予報を見ると、翌日のお天気はピーカピカ、急遽分県「茨城県の山」で山行記を書いていない「椎尾山」に登ることにした。椎尾山は名刹薬王院の裏山で標高256m、これだけでは歩き足りない。近くに住む山仲間のFuさんから、この上にある710.0m三角点の山は地形図に名前がないが、土地では坊主山と呼んでいるらしい。ここに登った山仲間から「面白いから一度登ってみたら」と勧められたのを思い出してついでに登ることにした。坊主山まで登ったら筑波山に登らない手はないので、筑波山(男体山)にも登って薬王院コースの階段道やM5コースの岩場を避けて尾根コースを下ってこようと話がまとまった。

2.データ
a)山域:椎尾山(256m)、坊主山(710m)、筑波山(877m)
b)登山日:2011/1/13(木)晴
c)コースタイム:日立自宅 8.40 = 8:59 日立南IC = 9:30 桜川筑西IC = 10:05 薬王院駐車場 10:15 ---- 10:15 薬王院 10:25 ---- 10:35 椎尾山 ---- 11:00 鬼ヶ作林道 11:10 ---- 11:40 坊主山 11:50 ---- 12:00 大石かさね ---- 12:10 展望台(昼食) 12:40 ---- 12:50 男体山 12:55 ---- 13:20 女体山 13:30 ---- 13:40 つつじヶ丘 ---- 13:50 大石かさね ---- 14:25 酒寄林道出合 ---- 14:30 鬼ヶ作林道分岐 ---- 14:40 薬王院コースへ ---- 15:10 薬王院駐車場 15:25 = 15:50 桜川筑西IC = 16:00 笠間PA 16:35 = 17:03 日立南IC = 17:15 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:「筑波」
(薬王院コース)
(薬王院コースの標高差)


3.山行記録
朝起きると外はやけに寒くて、出かけるかどうか逡巡していたら、発車時間が通勤割引ギリギリになった。ガソリン給油して渋滞にイライラしながら走って、1分前に日立南ICのゲートを通過した。後は快調に走って、桜川筑西ICで高速を下り、R50から県道41を南下、つくし湖脇を通過して薬王院への道に左折した。ここからの道は車で走るのが気がひけるほどの狭い道で物凄い急坂、緊張運転の連続だったが、薬王院直下まで来ると広い道に飛び出してほっとした。広い道はつくし湖から左折して上がって来るくねくね道だった。くねくね道を敬遠していたが、くねくねは道をなだらかにするためなのだ。
薬王院参道近くの路側の広場に駐車して、身支度をして薬王院のお参りをした。薬王院の境内は、スダジイやクスノキなどの大木が茂って県指定天然記念物、建物も本堂は国指定文化財、山門や三重塔が県指定文化財などと往時の繁栄が伺える搭宇が立ち並び見ごたえがあった。一回りして、本堂にお参りしてから鐘楼の鐘を打ち鳴らさせていただいた。響き渡る音も有難く聞こえた。
お参りを済ましてから、右奥の墓地の裏を通って左に登る登山道に入ったが、登山口には標高190m、筑波山まで2960mとあった。手入れされた道を10分登ると分岐があり、標高250m、筑波山まで2460mの道標があり、左に曲がるとすぐに最高地点に着いた。記憶通りに山頂には何もなく、1mほど盛り上がった高みを椎尾山として、和子に笹籔の中に立って貰って証拠写真にした。
(薬王院)
(椎尾山頂上)

椎尾山から分岐に引き返して筑波山への道を進むと、なだらかな登り一辺倒の道が続き、飽きたころに最後短い階段道を登ると舗装された林道に飛び出した。年配の男性が一人休んでおり、右手の林道から歩いてきた友人らしき男性と「どこから来たの」「日立から」「どこまで登るの」「筑波山まで」「丁度半分だ。これから急登、がんばりな。」と励ましてくれた。道標には標高430m、筑波山まで1622mとあり、高度差、距離ともに半分以上あった。我々のすぐ後を追って二人の若者が登って来て、一休みしながら「若いの、年寄りに負けるな」と励まされて登って行った。
(なだらかな登山道)
(鬼が作林道出合)

若者の後を追って登り始めたが、ここからは斜度が増し丸太の階段がどこまでも続いた。15分も階段を登って行くと斜度がさらに増して、階段道がジグザグになった。
このコースは何度か上り下りした事があるが、こんなに階段道が長かったかと思いながら、時々休憩を入れる若者と追いつ追われつしながら登って行った。
(どこまでも続く階段道)
(階段のジグザグ)

坊主山下で階段道が終わったところで左に別れる山道があり、これを行けば坊主山に直登する道があるのかと想像したが、地形図を見るとまだ直登するにはきつすぎそうだ。なだらかになった右に曲がる薬王院コースを辿り、この道が大きくUターンする所から坊主山に向かって雑木林の中に踏み込んだ。薄い踏跡を辿って高みを狙って登るとすぐに坊主山の山頂だった。
山頂には「坊主山710m」の山名板があり、倒れそうなほど根本が露出した三角点標石があった。標石には三角点の刻印がなく、三角点は他にあるかもと思ってあたりを探してみたが見当たらなかった。
次に向かおうとしたら、筑波山方向から鬼ヶ作林道で出合った年配の男性が登ってこられて、しばらく健康についてのお話を拝聴した。
(坊主山へ)
(坊主山)

坊主山の山頂は立木に囲まれて視界は利かなかったが、筑波山方向には手入れされた道を歩いて行くと筑波の男体山が見えるようになった。
薬王院コースと合流して登って行くとすぐに自然研究路に入り、「大石かさね」の看板が立つ土盛りの様なものがあった。この土盛りを「大石かさね」と認識した記憶はないが、立札には「昔から小石をもって登山すれば、つかれずに登れるし、罪やあやまちも消えると言われています。男体山、女体山の石を拾って神だなにあげておいのりすれば、子宝を授かると信じられています。石はふしぎな力をもっていると考えられてきました。その信者達の持ち集めた石の山です」 とあった。立札の下には願い事を丁寧に書いた小石が沢山置かれていた。近くの東屋では若者が昼食中で、笑顔の挨拶を交わした。
(下りは道あり)
(大石かさね)

「大石かさね」から自然研究路を右に歩き、m5ルートの登り口を過ぎると階段の急登になり、登り切ると展望台に着いた。展望台の岩の上には年配の男性群が食事したり、周りを展望したりしながら仲良さそうな雰囲気を作っていた。邪魔するのが気がひけそうな雰囲気だったが、「どうぞ前へ」と誘われて、大岩の上に上がって周りを展望させてもらった。水戸アルパインで三日後に登る宝篋山はしっかりと確認できたが、期待した富士山はお天気はいいのに見ることができなかった。
仲がいい雰囲気に団体登山かと思ったが、夫々勝手に登ってきて偶然にここに集まっている土地の人達で、何回も筑波山に登って度々ここで顔を合わせるうちにツーカーの間柄になったとのことだった。週に2回は筑波山に登って来ると言う人が「私は少ない方、あの人は昨年323回、この人は285回」とか紹介された。いろいろな話を伺いながら、お裾分けも頂きながらここで楽しい昼食時間を持った。
尽きない話に後ろ髪がひかれたが、ご挨拶をして男体山に向かった。展望台のそばから直接男体山に登るコースに踏跡が残っており、これを登って行った。昨夜はアイゼンを持とうと話し合っていながら忘れてきたので心配していたが、ところどころ霜柱が立っているだけで残雪はなくて助かった。
男体山山頂の神社に二礼、二拍手、一礼のお参りをしてから下る段になり、「男体山に登って女体山に登らないと女の神様に怒られるね」と女体山にも足を延ばすことにした。
(展望台)
(男体山)

つつじヶ丘に下って女体山に登り返したが、今日は人出が割合少なく、出合った人は10人程度だった。女体山の山頂で、来合せた若いカップルにシャッタを押していただいた。
女体山の山頂でも富士山は見えずがっかりしたが、キラキラ光る東京湾の右に目を凝らすと、一本の筋が直立しているのが目にとまった。どうみてもスカイツリーだ。今や話題の中心になっているスカイツリーを茨城から初めて確認できて、富士山の埋め合わせになった。
(女体山)
(スカイツリー)

下りはつつじヶ丘から自然研究路を右回りに下り、「大石かさね」の先から植林の中の尾根コースに入った。踏跡は時々消えることがあったが、尾根を外さないように下るとはっきりとしたm5コースと合流した。
m5コースは左の谷間に向かうようなので、薬王院コース方向に右に舵をとるとガラガラの急坂になった。
(自然研究路から植林へ)
(M5コースと合流)

急坂を下ると右に下るはっきりとしたトラバース道に出合って一安心、どんどん歩くと未舗装だが轍もある林道に出た。酒寄林道の末端である。関東平野も見渡せ、気持がいい楽ちん歩きを楽しんだ。
(M5から別れてトラバース)
(酒寄林道)

酒寄林道は舗装道になったが、一面路面が凍結していた。はじめは酒寄林道を下る積りでいたが、この凍結路面を見て気が変わり、分岐点から鬼ヶ作林道を歩くことにした。10分ほど舗装された鬼ヶ作林道のゆるやかに登ると、薬王院コースに交差した。
ここからは登ったなだらかな道を下って薬王院に着き、無事の登山のお礼にもう一度鐘を打ち鳴らして駐車場に下りた。
(凍結の酒寄林道)
(鬼ヶ作林道)

駐車場で靴を履き替えて、つくし湖まで今度は広いくねくね道を下って県道41に戻り、桜川筑西ICから高速に乗り、拡張改装したばかりの笠間PAに入って美味しい手打ちうどんを味わった。そのまま帰っては日立南ICを出るのが通勤割引時刻よりも早くなりそう、速度を90km/hrに抑えてゆっくりと運転して日立南ICのゲートを17時3分に通過した。




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