Y15.宝篋山(常願寺コース〜小田城コース)
1.動 機 先日水戸アルパインの1月例会で宝篋山に登った時に、うっかり平沢官衛遺跡の案内所にストックを置き忘れた。保管してもらっているストックを受け取りに案内所に出かけていき、そのついでに宝篋山にまた登ってきた。ルートは小田登山口から常願寺コースを登って小田城コースを下り、中世城の道を歩いて小田登山口に戻った。全コース初めて歩く所ばかりでそれだけでも充分に面白かったが、今年初めて富士山を見るという付録が付いた。 2.データ a)山域:宝篋山(461m) b)登山日:2011/1/19(水)晴 c)コースタイム:日立自宅 8.30 = 8:40 日立南IC = 9:15 土浦北IC = 9:25 平沢官衙遺跡 9:30= 9:45 小田休憩所 10:05 ---- 10:25 沢の小道分岐 ---- 10:30 展望岩探し 11:00 ---- 11:10 純平歩道分岐 ---- 11:30 尖浅間山 12:05 ---- 12:25 山桜の森 ---- 12:40 宝篋山 13:05 ---- 12:10 おみざらし 13:15 ---- 13:20 山口コース2分岐 ---- 13:45 純平歩道分岐 ---- 13:55 富岡山 14:10 ---- 14:20 要害展望台 14:25 ---- 14:45小田休憩所 15:00 = 15:10 小田城遺跡 15:25 = 15:45 石岡IC = 16:15 日立南IC = 16:30 日立自宅
e)地形図:「常陸藤沢」 3.山行記録 出勤時間帯が過ぎてから我家を出発、日立南ICから常磐道に乗って土浦北ICでR125に下りて平沢官衙遺跡に向かった。案内所には先日の女性がおられて身分証明書を見せると、ストックを返しながら「遠路わざわざご苦労さま。また来てくださいね」と労われた。
道を迷いながら小田登山口の駐車場に入り、休憩舎のトイレを使い身支度をして歩き始めた。先日は駐車場の先を直進したが、今日は「常願寺コース」の道標に従って右の農道を歩いて行った。道にはこの先何度も分岐があったが、その都度細かく指導標が立っているので悩む事はなかった。 樹林帯に入るとすぐに直進と「沢の小路」との分岐があった。「沢の小路」方向には展望岩や滝や湧水があると表示されており、450m先で合流とあったので迷わず「沢の小路」を選んだ。 沢を渡って沢沿いを少し歩くと分岐があって「展望岩に行けます」の表示があった。矢印に沿って登ると踏跡が先に伸びている。道標は見当たらないが、展望岩と言うのだから高いところにあるのだろうと思いこんでいるので、薄い踏跡を見つけながら進んでいった。20分ばかりうろうろしながら登って行って尾根に近づいたころ、隣の斜面の笹籔の中でバギバギと篠竹を踏みつける音がし、尾根方向にはご夫婦でうろうろしている姿が見えた。我家と同じように展望岩を探しに登ってきたとのこと。ご夫婦と一緒に尾根まで登ってみたがそれらしきものが見当たらず、諦めて連れだって沢まで下った。
沢の真上まで下ると分岐があって「展望岩へ」の道標があり、その方向に歩くとこちら向きに「展望岩へ」の道標が立っていた。はじめは何かの間違いだろうと思ったが、中間点から沢を見下ろすと、立っているのは断崖の上だった。和子に残ってもらって、沢から見上げると大岩の上に和子がいた。展望岩は沢を見渡すだけの展望岩だったのだ。1分で登れる展望岩を探すのに30分も時間を費やした。
「沢の小路」を歩くと沢はだんだんと急流になって小滝の連続のようになり、その一つに「宝命の滝」の表示がしてあった。
その先に湧水があり、「宝命の滝」の表示があった。喉は乾いてはいなかったが、寿命が延びるかもと期待してパイプから流れる水を少し飲んでみた。 「沢の小路」から本道に入ってからすぐ先には「天狗岩」という大岩があり、その上に極楽寺コースと小田城コースに平らな道でつながる純平歩道の分岐があった。その上には「雅の滝」という立札があったが、極楽寺コースの「白滝」によく似た滝だった。
そこから10分ほどで左向きに「常願寺コース分岐」の立札があり、直進方向に「尖浅間山頂50m」の立札があった。直進するとすぐに尖浅間山山頂で、山頂からは南西方向の展望が広がっており、その気になって目を凝らすと白くお化粧した富士山がくっきりと見えていた。今年初めて見る富士山に嬉しくなって、山頂にごろごろ重なっている大岩の上に上がってシャッタを押した。スカイツリーも探したが立木で遮られていて見えなかった。
冷たい風を避けて陽のあたる岩陰でゆっくりと弁当を食べてから、山名板の前で証拠写真を撮って次の宝篋山に向かった。 尖浅間から宝篋山の間には一つピークがあり大きく登る前に二回下り坂があり、北向きの下りにはまだ雪が残っていて、滑らないように気を遣った。先日の雪が凍っていたら大変なのでアイゼンもザックに入れていたが、それを出すほどではなかった。
樹間から時々通信鉄塔のある宝篋山が見えていたが、気持の良い雑木林の中を登って行くと立木に「野鳥の森」の札が取り付けてあった。鳥のさえずりは聞こえなかったが、木洩れ日の下を歩くのは暖かくて気持がよかった。
雑木の胴には木の名前を書いた札が取り付けてあり、木には弱い我家は勉強しながら進んだが、コナラとヤマザクラが絡み合って一本の木のように育っている姿が面白く、すぐにシャッタを押した。
「野鳥の森」を過ぎてベンチが置かれた曲がり角に来ると南西の視界が広がっていて、富士山は薄くなってきたが東京スカイツリーが正面にくっきりと見えていた。 ベンチのところからすぐに極楽寺コースと合流し、ここからは先日と同じ道を辿った。途中の「宝篋峰城址」の道標のところで、踏跡を辿って高みに上がってみたが何もなかった。
宝篋山の山頂に上がると、今日の展望は先日よりも数段良かった。筑波山は雲の蔭もなくすっきりと見えており、その左に日光の山々が白く見えていた。赤城山や榛名山の左に真っ白な浅間山も見えていた。
反対方向の東側には霞ヶ浦が広がり、山頂の鉄塔が目立つ剣ヶ峰が見えていた。剣ヶ峰は「茨城県の山」の一座だが、山行記を書いていないのでそのうち桜の季節にでも登ってみたいと思いながら見つめていた。 満員だったテーブルが空いたので、ベンチに座って展望を楽しみながらゆっくりとコーヒを飲んだ。
下りは小田城コースへの近道を下った。山頂近くはなかなかの急坂で、ここを登るのはきついだろうなと、6年前にこの道を登ったことを思い出しながらゆっくりと下っていった。
すこし下ると「おみざらし100m」という道標があり、「おみざらし」という変わった名前が気になって踏跡を辿ってみた。谷間の奥まで100mぐらい進んでも何もなく踏跡が途切れた。引き返して「おみざらし」の立札を見直したら手書きでちいさく「水源です」と書き込んであった。そう言えば、谷間の奥にはどろどろのどぶがあったっけ。 「おみざらし」から更に急坂を下ると山口コース2への分岐があり、ここから下は初めて歩く道になった。
分岐のすぐ下の左手に木の鳥居が立っていて「下浅間」の立札があった。鳥居をくぐって5m中に入ると、壊れかけた小さな石の祠があった。 登山道を下って行くと、硯を彫ってある「硯石」、大きく曲がりを繰り返す「七曲」、極楽寺コースとの連絡路「純平歩道分岐」があり、その先に「堂平」の表示板があって手書きで山頂まで2.1kmとあった。ここからは緩やかな道になり、「日立アルプスを歩いているようだね」と言いながら気持よく歩いて行った。
やがて十字路になり、道標には「左・中世城の道」「右・富岡山頂展望所」とあった。展望所と聞くと目がないので右の道を行って少し登ると「富岡山頂」の山名板がかかっており、三つの椅子が並んでいた。 近くに筑波山や宝篋山が見えており、反対側には関東平野が広く見渡せた。牛久の観音像が意外に高く大きく目立って見えていた。 眼下の小田の街並みの向こうに小田城址の広場が見えていた。これから小田城コースを下って小田城址を経由して小田登山口まで歩く積りでいたのだが、上から見ると街中の歩きが長く見えて嫌気がさしてきた。
コーヒを飲みながら一休みしてから十字路に引き返し、小田の街に下るのを止めにして、「中世城の道」を歩いて小田登山口に直接帰ることにした。「中世城の道」は手入れの良いなだらかな道が続き、すぐに舟ヶ城展望所があったが立木が邪魔して展望は余り良くはなかった。
さらに歩くと要害展望所(前山城址)に着いた。ここにはブランコや木製の展望台などがある広場があり、その先に進むと展望の良い断崖の上に出た。ここからは遮るものもなく関東平野を見渡すことが出来た。この辺り一帯、谷側にロープが張ってあり「危ないので入ってはいけません」の注意札がかかっていたが、その理由は小田登山口に向かって歩いて行って、反対側からこちらを振り返ってみてよく分った。ここら辺り一帯が断崖絶壁の上だったのだ。 ロープが張られた断崖上の遊歩道を歩いて崖上から下って、回り込んだところに太子堂の立札があった。おびただしい地蔵さんが並び、小さな祠もあちこちに建っていた。 太子堂から下ると間もなく極楽寺コースに合流し、小田登山口はすぐだった。休憩舎で一休みしてから車で小田城址に向かった。小田城址公園は整備工事の真っ最中で、大型機械も稼働中、広い道は通行止めで一台がやっと走れる狭い道を走って駐車場に入った。
説明書によると小田城址は中世(鎌倉から戦国時代)の小田氏の居城跡で国の史跡に指定されており、つくば市が広い敷地を公有化して発掘調査を行い、H21年から歴史広場にすべく整備を始めたとあった。
車道上に雪が残っていない事が分ったので、帰りは県道53号を走って石岡ICから常磐道に乗った。富士山を眺められたので、ストックを忘れたことへの叱責が少し和んで、気持よく日立まで運転して帰ることが出来た。
|