Y21.鷹取山(岩倉展望)

1.動 機
先週のシモンさんのオープン山行で鷹取山へ案内してもらって岩倉の絶壁上を歩いている時に、北面に見える稜線上の岩場からこの足下の岩倉の大岩壁を眺めたらどうだろうとの思いに駆られた。好天続きに誘われ、地形図を見て木勢旅館辺りから尾根に取り付ければ何とかなるだろうと気楽な気持ちで早速出かけてみた。岩壁を展望する目的は果たせたが、岩場あり、急登ありと岩倉コースに負けない難コースに難儀させられ、鉱泉への下りでも籔に迷い込んで苦労した。あとから思えば面白かったと言えないでもないが。

2.データ
a)山域:鷹取山(424m)
b)登山日:2011/2/1(火)晴
c)コースタイム:日立自宅 9.40 = 10:35 木勢旅館下 10:45 ---- 10:55 徒渉 ---- 11:20 第一岩頭 11:30 ---- 12:00 第二岩頭 12:15 ---- 12:30 第三岩頭 12:40 ---- 12:55 岩倉合流点 ---- 13:10 鷹取山分岐(昼食) 13:30 ---- 14:15 林道出合 ---- 14:20 岩倉鉱泉 ---- 14:35 岩倉鉱泉入口 ---- 14:45 木勢旅館入口 ---- 14:55 木勢旅館下 15:05 = 15:55 日立自宅
(岩倉展望ルート)
(岩倉展望ルートの標高差)

d)同行者:和子
e)地形図:「山方」

3.山行記録
暖かくなってから歩こうとゆっくりと我家を出発、木勢旅館下に着いたのは10時半ごろだった。路側の広くなったところに駐車し、身支度をして歩き始めた。
左手に岩倉につながる峰が見えるが、岩倉の岩壁は正面の植林の向こうの雑木の山々に遮られていて見えない。この正面の峰々が岩倉の大岩壁が見えるはずの展望尾根で、今日はこの尾根を歩くのが目標だ。
(木勢旅館下に駐車)
(左岩倉尾根、中央展望尾根)

尾根への取り付き点を探しに林道を木勢旅館の先まで歩いて見たが、左に深い沢が続いて北側からの取り付きは無理とみて引き返した。
木勢旅館の下で分岐する小道を見つけてこれを辿って沢まで下ると、沢の対岸、岩倉尾根と展望尾根との間の枝沢沿いに道があるように見えた。沢は凍っていたが水が少なく難なく渡った。枝沢に少し入ると、右の崖に尾根に上がる踏跡があった。崖を攀じ登るとはっきりとした踏跡が尾根に向かって伸びており、先ずは安堵。
(取口点探し)
(尾根には踏跡あり)

とはいえ、大岩がゴロゴロしている間を抜けたり、立木に捉まらないと登れない急斜面があったり、楽はさせてくれなかった。
しばらく頑張るとなだらかな尾根道になり、道の真ん中に国土地理院の図根点石もあったので、これから先も歩きやすい道が続くのかと思って、また安堵(早合点)。左手に岩倉の岩場が見えはじめたが、立木が邪魔してよく見えないのが残念。。
(岩も現れる)
(尾根道)

一登りすると尾根に沿って高さ2m長さ10mぐらいありそうな大岩が横たわっており、ここを第一岩頭と名付けた。その上に攀じ登ってみたが、立木はもっと高くて見える岩倉は限られていた。それに北面の大岩壁は逆光になり、強い太陽の光の蔭になって良く見えない。
(第一岩頭)
(左岩倉、右第二岩頭)

第一岩頭を下りて先に進むと尾根道も瘠せ尾根になり、平坦に思っていた尾根道にも地形図にないこぶが何度も現れた。その都度薄い脇道もあるように見えたが、崖の様な急斜面のトラバースは怖く見えてひたすら尾根筋を登っていった。こぶの手前では岩場やザレ場の急登があり、岩の角、立木や根っ子を掴みながら攀じ登った。
岩場を登っているとき、うっかりストックを落としてしまい、5m下の立ち木に引っかかった。ストックを諦めるか、怖い思いをして岩場を下るか選択を迫られたが、年金生活者の生計もあるが、膝の弱い私には今日の下り道でもなくてはならないものなのだ。こわごわ下ってストックを回収してザックに収納してから登り返した。
(岩場)
(急登)

登り返すと道の両側にイワウチワの群落があり、その斜面を回り込んだところが岩棚になっていて第二岩頭と名付けた。鍋足から里美、高鈴の眺めも良く、岩倉の岩壁も大分見えるようになって、お八つを食べながら一休みした。
(高鈴山)
(岩倉岩壁)

第二岩頭から下りて少しトラバース気味に歩くとすぐに岩のピークに突き当った。巻道もあったが崖の様な岩の急斜面を登り切ったら、展望のいい岩頭に出た。ここが岩倉の絶壁の上から見た岩場で予想通り岩倉の絶壁を邪魔するものなく眺めることが出来た。第三岩頭と名付けた。
(崖登り)
(第三岩頭)

遮るものはなくなったが、逆光であることには変わりがない。残念だが岸壁の証拠写真を綺麗に撮ることは出来なかった。
昼食に絶好の場所だったが、「さっきお八つを食べたばかりだし、ここまで緊張して登ってきたのでまだお腹が空いていない」と云うので展望を楽しんだだけで次に向かった。
(岩倉展望)

第三岩頭も地形図にコブになってはいないが、相当の高さを下って尾根道になった。植林の道をすぎると先週の岩倉コースと合流し、ここから先は先週と同じ道を歩いて岩倉鉱泉と鷹取山とを結ぶ登山道にでた。風が当たらず暖かいここで弁当を広げた。
(尾根道)
(岩倉コースに合流)

昼食後、ここから鷹取山に登るかどうかが問題だったが、鷹取山山頂は面白いところでもないし、これからの下り道がどんな道かもわからないので体力温存が大事とそのまま下ることにすぐに決まった。
下山道はしばらく手入れのいい歩きやすい道が続いて、このまま鉱泉まで下れるのかと嬉しくなったころ、どこで間違えたか急に道がはっきりしなくなった。アオキなどが茂る藪の中を、とにかく尾根を下ろうと決めて薄い踏跡らしきものを探しながら彷徨い歩いた。
(下り始めは快適な登山道)
(籔繁茂)

途中で一度、左下に沢を見て林道のある主沢かと早合点して喜んだが、高度計を見るとまだ100mも高いところにいた。植林の中に軌道修正して下り、ゴリゴリ下ったところで沢に踏跡を見つけ、そこを下るとやっと林道に飛び出した。下り始めて45分の苦闘だった。
(沢に下りたり)
(やっと林道に下りた)

林道に出て5分も歩くと岩倉鉱泉の建物が見えて来た。正規の道がどこに下って来るのか左手を見ながら歩いたが、見当がつかなかった。
振り返ると鷹取山が見えており、彷徨い下った尾根を想定しながら20分歩いて県道に出て、立派になった県道の歩道を木勢旅館入口まで10分歩き、更に10分歩いて駐車場所に戻った。
(岩倉鉱泉)
(鷹取山を振り返る)

思った以上に大変だった難コースに思いを馳せ、我家に帰り着くまで黙ったままで静かな車中だった。




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