Y24.陰陽山と赤城山

1.動 機
分県登山ガイド「茨城県の山]の陰陽山は夫婦和合家庭円満の神を祭る山で、以前登ったのは10年以上も前、御利益も期限切れになりそうなので、久しぶりの好天気につられて再訪することにした。陰陽山だけでは1時間で終わってしまうので、すぐ近くにある三角点峰の赤城山にも登ることにした。赤城山には5年前に登ったことがあるが、その時には西側から登ったので、今回はルートを変えて東側の陰陽山の登山口から登ってみた。前者はおぼろげな記憶を語らいながら気持よく歩き、後者は始めて歩く道を一部ヤブを漕ぎながらルートファインデイングを楽しみながら歩いた。

2.データ
a)山域:陰陽山(216m)、赤城山(345m)
b)登山日:2011/2/16(水)晴
c)コースタイム:日立自宅 9.25 = 10:20 南皆沢駐車場 11:30 ---- 10:40 石段下駐車場 ---- 10:50 陰陽神社本殿 ---- 10:55 陰陽山(展望台) 11:05 ---- 11:20 石のこしかけ ---- 11:30 管理棟 ---- 11:35 北峰 11:40 ---- 11:50 南皆沢駐車場 ---- 12:00 篠竹ヤブ ---- 12:15 水槽 ---- 12:45 電波搭峰 ---- 12:50 赤城山 12:55 ---- 13:10 中腹(昼食) 13:20 ---- 13:40 林道出合 ---- 14:00 車道 ---- 14:15 南皆沢駐車場 14:25 = 14:45 美和支所 15:05 = 15:10 道の駅美和 15:20 = 16:30 日立自宅
(陰陽山・赤城山登山ルート)
(陰陽山・赤城山登山ルートの標高差)

d)同行者:和子
e)地形図:「山方」「上小瀬」

3.山行記録
a)陰陽山
ゆっくり我家を出発して、10時半近くに見覚えのある陰陽森林公園の南皆沢駐車場に着くと、がらんとした駐車場に真新しい案内板が立っていた。公園いっぱいに新しい遊歩道が網の目状に整備されているようだった。トイレを使い、身支度を整えてまずは陰陽神社に向かって歩き始めた。
(陰陽山遊歩道:駐車場の案内板を加工)

駐車場から車道沿いの遊歩道を歩いて行くと東屋や水生植物園があり、その先で早速石段が始まった。48段登ると鳥居があり、その先の37段の石段を登ったらトイレもある駐車場にでた。さらに断続的に現れる石段を登ると、もう一つの駐車場があり脇に休憩舎があった。
ここにも案内図があって、本殿に登る道と東屋を回る回遊路があったが、本殿に向かって石段をのぼった。114段の石段の先の左に改築中の拝殿があった。外装は新しい材木で造られつつあったが、中の装飾品は古いものそのままが取り付けてあった。
拝殿から20段登って山道を歩き更に63段石段を登って見覚えのある本殿前に登り着いた。陰陽神社は私の大好きな黄門さまが創建したと伝えられる神社で、本殿前の駒犬さんも変わった形をしていて高麗地方に伝わる珍しいものらしい。説明板では平成4年に修復したとあったが、左の駒犬さんは姿が無かった。その下の灯籠(?)も土台だけになっていたので、拝殿と一緒に修復中なのだろうか。
(石段登り)
(陰陽神社本殿)

本殿の後ろにお目当ての御神体・陰陽石が立っている。お互いに寄り添うように立っているが、左が陽石で8.8m、右が陰石で10m、昔から女性上位が円満の秘訣だったのだろう。御利益が受けられるようお祈りした。
(互いに寄り添う陰陽石)

陰陽石の右脇を通って登っていくと、すぐに大石がごろごろする山頂に着いた。東から南の展望が素晴らしく、眼下の久慈川GCのうえに筑波山から太平洋、水戸市街、高鈴山まで見渡せ、奥久慈男体山の岩壁も樹間に伺う事が出来た。展望台の上には展望盤があって、それには日光や富士山も書いてあったが、残念ながらそちら方向は樹木が育って見えなくなっていた。
(陰陽山山頂)
(展望台)

陰陽山の山頂でゆっくりと展望を楽しんでから下山にかかる。山頂から東に下る踏跡もあったが、一旦陰陽石の裏を回って本殿まで下り、ここから登ってきた方向と反対の石段を下ってみた。191段の石段を下ると十字路になった。案内板の記憶では右に行けば東屋経由でトイレのある駐車場に戻るが、左回りで戻ってみることにした。
なだらかな遊歩道が山を回るように付いており、途中に山頂から下って来る道と交差するところに「石こしかけ休憩所」の道標があり、右手に大石の重なりがあった。石の上に上ってみたが樹木に邪魔されてあまり展望は良くなかった。
ここから駐車場までの遊歩道は岩場もあり、ステップを切ってあっても遊歩道というには少し歩きにくい。10年前には石段を登った記憶がないので、ここを登り下りしたような気がしてきた。
(石段下り)
(トラバース)

下っていくと中間の駐車場に出て、車道を歩いて行くと管理棟の前に出た。目の前に北峰があり、遊歩道が登っていて山頂には展望台があるらしい。展望台と聞いたら登らない訳にはいかない。こっちの峰には石段はなく、丸太の階段を登っていくと山頂には大石が重なっていた。高さも185m程度で低く、周りに樹木もあるので、陰陽山の山頂ほどの展望はなかった。
(北峰への登り)
(北峰山頂)

北峰から下って南皆沢駐車場に戻り、赤城山まで大した距離ではないのでここに車を置いて歩いて行くことにした。

b)赤城山
地形図を見ると、赤城山への東側尾根上に破線の道があり、その破線道へは尾根向こうの北皆沢の部落まで歩くと2本線の道が上がっている。この通りに歩けば苦労はなさそうだが、いかにも遠回り、南皆沢側から尾根にあがれば随分近道になる。
駐車場から南皆沢の部落の道を歩き、部落の端の家の先から山に上がる踏跡を見つけた。しめたと思ってその踏跡に踏み込んだが、すぐに篠竹の籔が行く手を遮った。今更引き返したくないので、篠竹をバキバキと踏みながら篠の間を縫うように高みに向かって猛進した。和子の苦情が聞こえてくるが何とか付いて来ている。
(南皆沢部落を行く)
(篠竹の籔に突入)

15分も悪戦苦闘して150mも進むとやっと篠竹が尽きて来て目の前が明るくなった。まばらに立木がある原っぱを進むとコンクリート製の大きな水槽があり、右手から広い道が上がってきていた。地形図の2本線の道と思われた。
水槽の上の稜線上には籔っぽい道があり、少し籔を漕ぐとすぐに広い明るい道になった。ここからは緩やかな尾根道の気持のいい陽だまりハイクになった。
(水道水槽)
(尾根筋の陽だまりハイク)

気持よく1kmも歩くと少し急斜面になり、これを登ると電波搭のあるピークの山頂部にでた。山頂からは樹間からだが、日光から那須までの雪山が綺麗に見えていた。電波搭の周りは陽が当たって弁当を広げるのに丁度いいところだったが、目の前に赤城山の山頂が見えていて、そっちの方が展望がいいかもと思ってすぐに先に進むことにした。
こちらの尾根道の様子は今までとは様変わりで、雪がしっかりと残っていた。足跡はなく、滑らないように気を付けながら赤城山の山頂に登った。
(電波搭)
(雪道を赤城山へ)

赤城山の山頂に着くと周りは立木が茂って展望なし、おまけに陽も当たらず雪が多くて座るわけにもいかない。山名板もないので、三等三角点の前で証拠写真を撮って先に進んだ。
予定では次のピークを越えたところから近くを通る林道に下る積りだったが、尾根道も大きな倒木があったりで快適ではないので、途中の鞍部から右斜面に下ることにした。雪の斜面を踏跡らしきところを選びながら下って行ったが、行く手に倒木の重なりが見えて来た。これを避けて左にトラバースして一息し、斜面の陽だまりで弁当を広げた。
(赤城山の三角点)
(植林を下る)

この倒木が幸いした。少しトラバースした先に広場があり、そのすぐ先で林道に飛び出した。
始めは林道に雪が積もっていたが、だんだんと雪が薄くなり、快適な林道歩きになった。ヘアピンカーブではショートカットに誘われたが、ひたすら林道を下った。この判断も幸いした。林道が幅広で法面が崖になっていて、ショートカットしていたら林道真上まで来て引き返さなければならなかっただろう。
林道を歩いて最初の民家の前まで来ると道は舗装道になったが、残りは1km程だったので気にならない、田舎道をのんびりと歩いて南皆沢駐車場に戻った。陰陽山から赤城山まで誰にも出会わず、南皆沢の道傍で二匹の犬を散歩させている御夫婦に出合ったのが初めてで最後だった。両方の山を合わせて歩行距離は7km弱、色々変化もあって面白い一日だった。
(かすかな踏跡)
(やっと林道に出た)

駐車場に戻って靴を履き替え、過疎地区の医療に貢献したいと娘婿が旧美和村に建設中の薬局を見ようと県道29を走り、そのついでに道の駅美和に立ち寄って直販野菜を買いこんで日立に帰ってきた。




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