Y25.男体山沢コースと長福山
(シモンさんのオープン山行)

1.動 機
シモンさんのHPに二回目のオープン山行の案内が出て「滝倉から沢を登って途中から健脚コースへ合流し山頂へ」とあった。奥久慈男体山には色々なコースから登ったことがあるが、滝倉から沢を登る道があるというのは初耳だった。どんなコースかと期待して参加したが、大岩を乗越える大変な難コースだったが、変化の多い面白いコースでもあった。
時間が残ったので長福山にも回ったが、4年前に歩いた周回コースよりも更に北の尾根を回るこれまた我家には初めての道を歩いた。

2.データ
a)山域:男体山(654m)、長福山(496m)
b)登山日:2011/2/20(日)曇
c)コースタイム:日立自宅 7.35 = 8:35 滝沢トンネル駐車場 9:00 ---- 9:35 岩場下広場 9:40 ---- 10:00 岩場上広場 10:05 ---- 10:15 健脚コース合流 ---- 10:35 休憩舎 ---- 10:40 男体山(昼食) 11:15 ---- 11:40 袋田分岐 ---- 11:55 男体神社 12:05 ---- 12:20 尾根取り着き ---- 12:50 長福山北峰 ---- 13:00 長福山南峰 ---- 13:05 長福観世音堂 13:20 ---- 13:50 滝倉トンネル駐車場 14:00 = 14:40 水府JA直販店 = 15:30 日立自宅
(男体山・長福山登山ルート)
(男体山・長福山登山ルートの標高差)

d)同行者:シモンさん、参加者15名(男5、女10)、和子
e)地形図:「大中宿」

3.山行記録
a)男体山
前回は集合時間前にミーテイングが始まっていたので、今回は早めに我家を出て30分近く前に滝倉トンネルの駐車場に到着したのだが、驚いたことにシモンさん以外はみんなもう到着済だった。駐車場は満車だったので路側に車を停めた。
やがて平野さんを乗せたシモン車も到着して参加者18名全員が揃い、トンネルの反対側の谷間の前でミーテイングが始まった。参加者は前回と同数、我家が初参加した前回の鷹取山のメンバと殆んど同じだったが、二人が入れ替わっていた。シモンさんから「沢コースの先は健脚コースに合流するが、そこまで難しいところが色々と出てくる。無理だと思ったら自己判断で引き返すこと」とおっかない御注意があった。
(滝倉トンネル入口に集合)
(朝のミーテイング)

谷間に入る踏跡があり、その中を歩き始めた。余り歩かれていないような道で、雑木の小枝が出っ張っていて少々煩い。
左の尾根に上がるらしい道を分けて谷間を進むと道は沢沿いに下り、石がごろごろする沢を右に左に渡りながら歩いて行くことになった。左の植林の急斜面には膨大な石を積み重ねた立派な石垣が見えた。こんな所に民家があったとは思えず、そうかと言って単に崩落防止にしては大掛かり過ぎるようにも思え、何のために作った石垣だろうかと話題になった。いずれにしても昔の人は手間を惜しまずによく働いたのだ。
(谷間へ向けて歩き始め)
(沢を詰める)

奥に入るに従って沢は急になってきて、小滝の脇を登ったり、高巻きで崖をよじ登ったり、段々と難コースの片鱗を見せ始めた。
(段々と急登に)

一旦植林の中の緩やかな道になって、これで楽になるかと思ったが早計、すぐにまた急斜面の登りになった。大きな石もでてきて、これまで以上に難しくなってきた。
(少し緩斜面と思ったら)
(すぐにまた急登)

35分で沢を登りつめると、地形図の崖マークの下に到着し、行く手を大石の重なりが遮った。上をいくら見渡してみても、これから先どこから登っていくのか見当がつかない。適当な所を選んで登るのは登っても万一行き止まりになったら、こんな岩場を下ってくるのは危険極まりない。我家二人だけで登ってきたら、確実にここで引き返す所だ。
(岩場を前にして一休み)
(ルートはあった)

一休みして気合を入れ、ストックを仕舞って歩き始めた。後ろに付いて歩けば、進行方向の正面右端辺りの石の上に踏跡らしきものが見える。
大きな岩を何度も何度も乗越えるのだが、整備された登山道ではないのでロープや鎖は付いていない。岩の小さな出っ張りだけを頼りに攀じ登る。一寸でも足を滑らせたらゴツゴツの岩肌に顔面を擦りつけたりで、只では済みそうにない。一歩一歩、足場、手がかりを確認しながら慎重に、みんなの後ろに付いて恐る恐る登っていった。
通過後に話があったのだが、前もって稲田さんが登って来た時に、段差の大きい一番難しいところに倒木を足場の補助として置いてくれていたのだという。何度も倒木の御厄介にはなったような気がするし、夢中で登ってきたのでどの場所だかは判然としなかったが、お陰様で無事登ってこれたのだろう。
(右や左の大きな岩を乗越え)

岩場マークを越えたところに広場があり、ほっと一息入れた。聞きそびれたが、シモンさんにしろ稲田さんにしろ、ここまで初めて登って来た時はどんな準備をして入り込んできたのだろうか。
その上の斜面を狭い足場でトラバースして行くと、不格好な形に育った大きな欅の木が斜面にしがみ付いていた。自然に虐められても健気に生きていく姿に感動の様なものを感じた。
トラバースしたら整備された健脚コースに出るだろうと期待したが、その先でもゴツゴツした岩っぽい急斜面を右に左にと5分ほど登らなければならなかった。
(狭いトラバース道)
(欅もひねくれる)

やっと健脚コースに飛び出した。見覚えのある道に安心はしたのだが、健脚コースも記憶以上に険しく思えた。鎖も半分以上は新しいものに交換されていてよく整備されているのだから、険しさを感じたのは歳の所為だろう。その上、メンバー全員が超健脚揃い、物凄いペースで登っていく。大きく遅れないように付いて歩くだけで精一杯だ。20分休みなく登って休憩舎の所に登り着いた時はホッとした。
(健脚コースに合流)

休憩舎で休むこともなく男体山まで一気に登って、山頂の神社にお参りして無事に登って来ることが出来たお礼を言った。風を避けて窪みに座って弁当を広げ、しばらく歓談したあと、集合写真が撮られた。
(休憩所通過)
(男体山山頂)

写真を撮ってもまだ昼前、たっぷり時間あるので長福山にも足を伸ばすことになった。下る寸前に曇り空の中にうっすらと雪をかぶった那須連山が浮かんで印象的だった。シャッタを押したが、残念! ピンボケだった。

b)長福山(女体山)
休憩舎まで下って雪の残る袋田への稜線コースをしばらく歩き、岩稜の上から男体神社へ下る道に入った。狭い岩場を通ったり、ロープ場を下ったり、男体神社まで急坂を15分下った。
(袋田コースから)
(男体神社へ下る)

男体神社入口の広場で10分休憩。神社まで入ってお参りし、裏に回ると、今日の滝は水量が多くて見ごたえがあった。
(男体神社にお参り)
(神社裏の滝)

男体神社からは長福山の東面の植林の谷間に入っていく。谷間の突き当たりで、4年前に下ってきた谷間の道には向かわず、右の登り道に向かった。
少し登っていくと峠に出て、左の北東にのびる稜線を登るようになる。踏跡は薄いが稜線を登るとはっきりとした踏跡になり、肩まで上がると岩っぽいところで更に西に向きを変える。樹間から男体山が格好良く見えていた。
(植林の谷間を進む)
(尾根道を登る)

西に向かって登り着いたところが長福山北峰の等高線が北に延びた端の肩で、黄色と黒の境界杭(?)が立っていた。道は左右に分かれていて右に下ることもできるように見えた。男体山が新百名山に指定された余波で長福山にも随分と登山者が登って来るようになったようで、10年前の籔山とは様変わりだ。
左の道を少し下り、登り返したところが最高地点の長福山北峰だったが、「長福山」とも「女体山」とも示す何物もなかった。南峰には何かあるかと皆さんの後を追って植林の稜線を歩いていった。
(北端の肩から)
(尾根筋をアップダウン)

瘠せ尾根を過ぎて観音堂への分岐に近づくと、太った白い犬の出迎えを受けた。紐は付いていないが首輪は付いているので麓の飼い犬だろう。人懐っこくまとわりつきながら付いてくる。何となく高川山で出合った犬に似ているようにも思われた。
分岐から南峰まで登ってみると、山頂の小さな石の祠に供えた小さな板に「長福山」の名が読めた。
(ワンちゃんも合流)
(南峰の祠)

観世音堂までは珍しく手入れのいい明るい杉の植林で、ジグザグの道を気持よく下って行った。
観世音堂前の広場で最後の休憩時間をゆっくりと過ごした。件の犬は話し合いで誰からも食べ物のお裾分けにはありつけないのに、お座りしたりお手をしたりみんなに愛嬌を振り撒いていた。その姿が可哀そうに見え、いつもはこんなに愛嬌をふりまけばみんなからお裾分けを貰えるのだろう。
(明るい植林を下る)
(長福観世音堂)

観世音堂からは古い石段を下ったが、小刻みの石段で踏み外しそうで怖い。5回に分けて繰り返された石段の段数は、4年前に数えたところでは合計290段だった。
石段を下って長福の部落に下り、男体山を見上げながら畑地の間の道を歩いていった。道端にはもうオオイヌノフグリの青い花が可愛いく咲いていて春の到来が近いことを告げていた。
(古の石段を下る)
(長福集落)

一旦スーパ林道に出てしばらく歩くと途中から脇道に入った。大きくUターンするスーパ林道をショートカットする道で、我家は初めて歩く道だった。
再び林道に出てそのままのんびりと林道を歩いて滝倉トンネルの所に戻り、挨拶を交わして解散になった。
(近道へ入る)
(パノラマライン)

15時半ごろ我家に帰ってきてすぐに風呂を沸かして汗を流したが、男体山への厳しい登りに疲れはてた体力は回復せず、簡単な夕食をとって早々に寝床に入った。




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