Y44.剣ヶ峰・竜ヶ峰、浅間山と閑居山

1.動 機
ヤマケイ「茨城県の山」に県央部の「剣ヶ峰・竜ヶ峰」と「閑居山」が載っており、11年前に登っているが山行記が残していないので記憶が定かでない。前回は剣ヶ峰と閑居山を別々に登ったが、今回はその間に浅間山も入れて稜線を繋いで歩く計画を立てた。せっかくなら雪入の桜の綺麗な時期に再訪しようと、雪入ふれあい公園に問い合わせしたところ、ご返事は「この週末17日ごろが最高だろう」とのことだったが、週末は加波山を歩くMACの行事予定があるので、少し早いがお天気のいいこの日を選んで出かけてみた。ヤマザクラは2分咲き程度で少し淋しかったが、ソメイヨシノが満開で、5月を思わせる暖かい日の中、気持のいいハイキングを楽しむことができた。

2.データ
a)山域:剣ヶ峰(370)、浅間山(345)、閑居山(227)
b)登山日:2011/4/14(木)晴
c)コースタイム:
日立自宅 8:30 = 8:45 日立南IC = 9:15 千代田石岡IC = 9:30 雪入ふれあい公園P 9:40 = 9:40 ネイチャーセンタ 10:20 ---- 10:30 林道 ---- 10:50 中央青年の家 ---- 11:05 いやしの里分岐 ---- 11:25 パラボラ峰 ---- 11:35 剣ヶ峰 11:45---- 12:05 青木葉峠(あきばとうげ) ---- 12:15 旧青木葉峠 12:20---- 12:25 浅間山参道入口 ---- 12:35 浅間山山頂(昼食) 13:05 ---- 13:10 ハイキング道 ---- 13:20 谷津口分岐(閑居山) ---- 13:25 魔崖仏分岐 ---- 13:30 谷津口分岐 ---- 13:45 三ツ石森林公園分岐 ---- 14:00 三ツ石森林公園もりの小屋 14:05 ---- 14:50 雪入ふれあい公園P 15:05 ---- 15:20 閑居山入口 15:35 ---- 15:45 魔崖仏 15:50---- 16:00 閑居山入口 16:05 = 16:15 千代田石岡IC = 17:00 日立南IC = 17:30 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:「柿岡」
(剣ヶ峰・閑居山登山ルート)

(剣ヶ峰・閑居山登山ルートの標高差)


3.山行記録
石岡ICで高速を下り、千代田CCの脇を走って県道64号に入ると浅間山を真ん中にして剣ヶ峰から閑居山の山並みが並んで見えていた。車を止めて果樹園の中に入って展望写真を撮っていると、作業中だったおじさんが駆けよってきて「もう2,3日してからまた来るといいよ。この山全体がヤマザクラで真っ白になるよ」と勧めてくれた。ふれあい公園の人にも同じ時期を薦められたのだが、どうしようもなかったのです。残念。
(県道64号からの剣ヶ峰・浅間山・閑居山の展望)

県道から分かれて雪入地区に入って行くと、路側の桜並木が満開で出迎えてくれた。車の中からシャッタを押した。
ふれあい公園の駐車場に入ると、近くの人らしき3人が敷物の上でお茶の最中だったが、観光客の車は一台もなかった。身支度をしてハイキング資料を頂戴しようかと駐車場上のネイチャーセンタに入ると、館長さんからコーヒと茶菓子の接待を受けた。山歩きが趣味で、最近まで南は石垣島から北は礼文島のトド島まで歩きまわっていたとの話を面白く聴かせていただいた。最近若気の至りでアキレス腱を切ってから出かけられなくなって残念とのことだった。ヤマザクラには少し早いが他のサクラは綺麗に咲いているよと慰めていただいた。
コーヒを頂きながら霞ヶ浦方面の広い展望を楽しみ、資料館の展示物を見学してから歩き始めた。
(剣ヶ峰へ)
(雪入ネイチャーセンタと浅間山)

館長さんのお勧めでネイチャセンタから桜沢源流沿いの道に入るとベンチなど整備された登山道が下っており、10分も下ると車道に出た。
車道には林道雪入沢線の表示があり、ところどころに桜が咲いていて目を楽しませてくれた。途中に右に分かれる山道に「剣ヶ峰へ直登コース」の道標があり、これを見て11年前には中央青年の家から下って来てここから剣ヶ峰に攀じ登りってパラボラ峰に回って歩いた記憶がよみがえってきた。
(桜沢源流を下る)
(桜咲く林道雪入沢線)

林道途中から左の山道に入って中央青年の家に近道したが、記憶よりも随分と大きな立派な建物が立っていて、入りそびれて素通りした。この青年の家が立つ辺り一帯が竜ヶ峰だ。
青年の家からいやしの里への道には館長さんのお言葉通りソメイヨシノが満開で、ズミやレンギョウの花も咲いていて気持のいいお散歩ができた。
途中に「”頑張ろう日本!”第4回いしおかトレイルラン大会」の看板があり、5月1日この道を使って山岳ランの大会が行われるらしい。
(中央青年の家=竜ヶ峰)
(竜ヶ峰の桜)

いやしの里は遊戯施設や広い駐車場もある施設だが、ここも素通り。車道を進んでも朝日峠からパープルラインを歩いて剣ヶ峰に登れるようだが随分と遠回りだ。右の山道に入ると分岐標があり、右は「剣ヶ峰眺望コース」左「パラボラ山」となっていた。
左に直登コースという別の立札が気になったが、パラボラ山に向かって登って行った。なかなかの急登の道がまっすぐに登っていて、気温は23℃を超す5月の暖かさ、たっぷりと汗をかかされた。眺望コースの方が良かったかなあと歎きながら汗をふきふき登って行った。
あとでネイチャーセンタで貰った地図を見直すと、眺望コースは成沢のヤマサクラの中を歩く道のようだった。せっかくもらった資料は良く見ること!
(眺望コースと直登コース分岐)
(直登コースで汗を絞られる)

標高差150m、20分も頑張ると左から来る広い道(パープルライン)に出て傾斜が緩やかになり、すぐにパラボラの山に登り着いた。
パラボラ塔は3基続き、広い道を緩やかに気持よく下って行くと分岐標があり、眺望コースが右から登ってきていた。ピークでも何でもないが、分岐標に「剣ヶ峰」と表示されているので、ここが剣ヶ峰だとして証拠写真を撮った。
小野からパープルラインを登ってきた単独行の男性が、資料もないのでここから引き返すと言っていたので、地図を見せて眺望コースを歩いても同じ所に下れることを教えてあげて喜ばれた。
(パラボラ山)
(剣ヶ峰)

ここから狭くなり、両側に篠竹が立って視界が利かなくなったが、ときどき樹間に加波山から筑波山の山並みが見えたり、目の前に浅間山が見えたり、退屈はさせない。
(篠竹のハイキング道)
(行く手に浅間山)

ところどころに見られるヤマザクラはまだ咲いていないものが多く、咲いているのもニ分咲き程度で、予想通りとはいえ少々淋しい。
(ヤマザクラ二分咲き)

ヤマザクラの代わりにコブシやキブシが満開状態で綺麗だった。
(コブシ満開)

途中には展望の広がる所があり、太平洋までは見えなかったが、霞ヶ浦まで見渡すことができた。
少し下って車道の青木葉峠(あきば峠と読む)に出ると、左手が開けて今まで樹間からしか見えなかった筑波山をすっきりと眺めることができた。
(霞ヶ浦)
(筑波山)

車道の青木葉峠から再び山道に入って歩き、さびれた旧青木葉峠を過ぎると浅間山の麓を回る道になる。浅間山の巻道をしばらく歩くと山頂への登り口があり、浅間山への道は両側が檜の列植で挟まれており、神域への参道の雰囲気があった。
急坂を登りながら振り返ると、先ほど歩いてきたアンテナ峰と剣ヶ峰のなだらかな稜線の右に宝篋山の鉄塔も見えていた。
(浅間山参道
(パラボラ山・剣ヶ峰・宝篋山)

浅間山の山頂は檜の木立で囲まれていて、その真ん中に七つの石祠に囲まれた宝篋院塔があり、その後ろの三角点標石のそばには山名板が立っていた。
山名板の前で証拠写真を撮って、通信施設の囲いの上に座って弁当を広げた。食事中に、参道から身軽な服装の若者2人が登ってきて北の道に駆け下って行った。5月1日のいしおかトレイルラン大会の練習だろうか。
(石祠集合体)
(浅間山山名板)

北西方向の展望が開けており、宝篋山から筑波山にかけての山並みを見渡すことができた。宝篋山には今年は2度登る羽目になったことがあったっけ。
(宝篋山〜筑波山)

山頂から閑居山方向への下り道は籔っぽかったが、下刈はされていて問題はなく、5分も下ると広いハイキング道に出た。合流点の右手に三ツ石森林公園への分岐標柱が立っているのが見え、閑居山まで歩いたらここまで引き返すことを確認した。
(笹道)
(また広いハイキング道)

浅間山から下ってからしばらく急坂が続いたが、あとはまたなだらかな山道になり、咲き始めのヤマザクラを見上げながら歩いて行った。ガイドブックで閑居山となっている・227の地点に来たが、そこには谷津口への分岐標が立っているだけだった。
当初はここで閑居山を確認して引き返す積りだったが、山名板も見当たらないので、もう少し歩いてみることにした。さらに5分ほど歩くと、右への分岐に「閑居山魔崖仏」の道標があった。ここから魔崖仏まで下って引き返すこともできないではないが、高低差が100mもあり急坂だ。年寄りに冷や水の暴挙だとして、ここで引き返すことにした。魔崖仏には車で回って下から登ることになっている。
(谷津入口分岐=閑居山?)
(魔崖仏分岐)

引き返す途中、谷津口分岐付近で何か閑居山を示す何かがないかと少しうろうろしたが無駄足、浅間山の麓の分岐から三ツ石森林公園に下った。
この道のヤマザクラは7分咲き程度の咲いていてキラキラと綺麗だった。
(三ツ石森林公園分岐)
(ヤマザクラ多し)

森林公園に入ると、遊歩道が整備されているようであちこちに道標がたっていた。適当に下って行くと山小屋風の管理棟「もりの小屋」が建っていた。その前の駐車場に自動販売機があって、コーラを買って飲んだら乾いた喉になんとも言えず美味かった。自動販売機は節電の敵だと言っていたが、この時は有難かった。
ここから車道に出たあとは、2kmの長い車道歩きが続いた。舗装された道はクッションがないので和子は盛んに文句を言っているが、道沿いにはソメイヨシノの木も多いし、谷間のサクラ越しに竜ヶ峰や剣ヶ峰が眺められ、足元にはスミレやキジムシロが綺麗に咲いており、ワラビまで生えていて退屈はさせなかった。
(三ツ石森林公園:もりの小屋)
(桜咲く林道雪入線)

(ヤマサクラ1:竜ヶ峰)
(ヤマサクラ2:剣ヶ峰)

(スミレ)
(キジムシロ)

雪入ふれあい公園の駐車場に戻ってから、車のナビを百体魔崖仏を目標に設定して発進した。向かう途中、また桜並木の道を通り、今度は車を下りてゆっくりとシャッタを押した。
細い田舎道を走って環境クリーンセンタ奥の設定地点に着くと、そこからは閑居山が近くに見上げられたが、魔崖仏にはどう歩けばいいのか判らない。すぐ先に森林組合研究所の建物が見えており、11年前にはこの研究所の奥から登ったことを思い出し、更に細い部落の道を走って行くと百体魔崖仏の石柱や休憩舎が立っている所に辿り着いた。
(第一到着点からの閑居山)
(標柱の向こうに休憩舎)

標柱前の広い道に出て車を停めて、休憩舎に行くと説明板が立っていて、茨城県、環境庁曰く
「閑居山は、古くは志筑山と称し、詩歌にも歌われた景勝地で、弘法太子が東国遍歴の途中、この地で霊感を覚え庵を建てて布教に努めたという言い伝えから閑居山と呼ばれるようになったといわれています。山の中腹の金掘穴まわりにある花崗岩には、鎌倉時代以前の作といわれる100体余りの仏像が彫られており、俗に百態観音像と呼ばれ、県の文化財に指定されています。」とあった。
道標に従って歩いて行くと、途中から苔むした自然石の石段道になり、道沿いにたくさんの石碑や石仏が立っていた。
(閑居山・百体魔崖仏の標柱)
(苔むした石段)

10分も登って行くと大きな石がゴロゴロと転がっているところがあり、どの石にも何体かの仏像が彫り込まれているのが見られた。11年前の記憶は定かでないが、残っている写真と比べてみると、彫りが浅いように見え、石の並びも乱雑になっているように見える。11年の風化や巨大地震の影響を少なからず受けているように思われる。
(転がるすべてに岩に仏様の彫刻あり)

ここから尾根に登る道もあったが、そのまま下って車に戻ってまっすぐ日立に帰ってきた。高速道は那珂IC辺りが工事中で片側規制中だったが、お陰さまで路面の段差は随分と小さくなり、安心して運転することができた。工事関係者に頭が下がります。




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