Y45.燕山からきのこ山へ


1.動 機
水戸アルパインの4月例会は燕山、加波山、足尾山、きのこ山と縦走するコースで、11月に下見した通り、花の入公園からスタートしてみかげスポーツセンタに下る歩き甲斐のあるロングコースだった。謳い文句のサクラだけでなく、道傍の野の花を愛でながら歩くうち、思いがけずカタクリの大群落にも出会えて嬉しいハイキングになり、3月例会が大地震の影響で中止になって、久しぶりに出合った仲間と賑やかに楽しく歩いてきた。

2.データ
a)山域:燕山(701m)、加波山(709m)、足尾山(628m)、きのこ山(528m)
b)登山日:2011/4/17(日)晴
c)コースタイム:日立自宅 6.30 = 6:40 日立電鉄南営業所 6:45 = 6:55東海駅 = 7
:30 水戸駅 = 7:55 花の入公園P 8:00 ---- 8:40 林道終点 ---- 9:10 一枚岩 9:15 ---- 9:40 天狗の踊場 9:45 ---- 10:25 燕山 ---- 10:30 展望休憩舎(昼食) 11:00 ---- 11:15 加波山神社拝殿 11:20 ---- 11:35 加波山山頂 ---- 11:45 旗立石 ---- 12:00 自由の楷 12:05---- 12:15 一本杉峠 12:30 ---- 13:05 足尾山 13:30 ---- 13:35 ハングライダ離陸点 13:40---- 14:15 きのこ山 14:40 ---- 15:05 つぼろ台 15:10---- 15:50 みかげスポーツセンタP 16:00 = 17:50 水戸駅 = 18:25 東海駅 = 18:35 日立電鉄南営業所 = 18:50 日立自宅
d)同行者:水戸アルパイン会員16名(男7名、女9名)、和子
e)地形図:1/25000 「真壁」「加波山」
(燕山・きのこ山縦走ルート)
(燕山・きのこ山縦走ルートの標高差)
ポケナビも誤動作部分があったので、下見の時のものを流用。

3.山行記録
バスが花の入公園に着いた時、ザックにカメラが入っていない事に気がついた。記憶力が減退してきたので写真がないとこの山行記も書けない。困惑している時、現地参加の深谷さんの笑顔が目に入って、あとで写した写真を送ってもらうようお願いした。親切な深谷さんは、私の記録の助けになるように、準備運動から始まって歩く途中の情景にせっせとシャッタを押しながら歩いてくれた。さすがの深谷さんも「こんなに頻繁に撮影していると疲れてしまう」と言いながら、一枚岩の先まで行ったところでカメラを私に預けてくれた。私はここまでカメラを持たないで歩いて手持無沙汰で困っていたので、申し訳ないことだったが遠慮なくカメラを受け取らせていただいた。お陰さまでこのあとシャッタを押しながら生き生きと歩くことができたのでした。
花の入公園の駐車場で平野さんの音頭で準備運動をして、サクラの木がいっぱい植えられている公園内の遊歩道を歩いた。サクラの木は八重ザクラだろうか、まだ咲き始めの状態だった。
(花の入公園からスタート)
(しばらく林道歩き)

林道に出ると、ところどころに紅や白のサクラが満開状態に咲いていて綺麗だった。
(紅や白のサクラが綺麗でした)

林道からはすぐ近くに深谷さんに一緒してもらった羽田山丸山が見えており、その上に日光男体山が筋状に雪化粧した姿を出していた。
(羽田山の上に日光男体山が見えた)

林道から間もなく沢沿いを歩く細い道になったが、みんなは慣れたもの、一月前の大地震の話に夢中で賑やかなこと、右の沢の音は聞こえないほどだった。それでもところどころで小さな滝が見えるようになり道が急になってくると、息がきつくなって話もまばらになり、沢の音が聞こえるようになってきた。
滑るように水が流れ落ちる美しい滑滝を見ながら一枚岩の上に登り、上や下の滝を眺めながら小休止した。
(沢沿いの道に入る)
(一枚岩)

休憩場所から登って行って一枚岩の上端部を横切るところでは、下見の時に足を滑らしたことに懲りて、下の沢を歩いてパスした。その上にはニリンソウやハルトラノオ、エンレイソウ、ユリワサビなど可愛い花がいろいろと咲いていた。
(ニリンソウ)
(ハルトラノオ)
(ここまでの写真は深谷さん撮影のものを借用した)

沢筋を登って行き、分岐では左の「天狗の踊場を経て燕山へ」に向かって登って行った。急坂を登って岩の間を縫う様に登って行って天狗の踊場の岩の下に出ると、今回は岩の右に回り込んでいった。前回の左よりも少々籔っぽい。
天狗の踊場に上がったが、残念ながら下見時には見えていた富士山の姿はなかった。代わりに、岩にへばりつくように生えているヤマツツジが赤い花を開いていた。
(天狗の踊場近く)
(天狗の踊場)

天狗の踊場から下りて林道に出て、左50mの「燕山登山口」の道標のところからまた山道に入る。ここの取り付き点の段差が大きくて登るのに渋滞するかと心配していたが、皆さんベテラン、なんなく通過した。
登山道に上がってから急登が続いて汗を絞られたが、左からの緩やかな登山道に合流してからはジグザグの道になって少し楽になってきた。
(林道から山道へ攀じ登り)
(なかなかの急登続き)

雨引山からやってくる「関東ふれあいの道」と合流して、広い道を登って行くとすぐに701mの燕山山頂で、一緒に最後尾を歩いていた藤枝さんと記念写真の撮り合いをして次に向かった。
燕山すぐのところの休憩舎に10時半に到着したが、早立ちだったのでここで昼食タイムになった。真ん中のテーブルで休んでいた4人グループが、18人の大部隊を見て席を開けてくれた。急坂を登って汗ばんでいるので、周りの日向のベンチよりも、東屋の下の日蔭の方が喜ばれた。
(燕山)
(展望休憩舎)

休憩舎での昼食後、ここまでの平野さんに代わって一本杉峠までは私が先頭を歩けと下山さんからのご下命があり、慣れないトップを喜んで歩いていると、すぐに後の女性から「早過ぎるよお!」とのクレームが飛んできた。見かねた平野さんが気を利かせてトップに並んで歩いてくれることになった。時々、数歩前に飛び出しては、いつもは撮ることができない前からの行列写真を撮っていたら、あとで下山さんから「トップではなくて露払いをしていたな」と冷やかされた。
大きく下って赤や白の幟が立ち並ぶ加波山神社の境内に入ると、神社への広い道は車止めがしてあった。右の鳥居をくぐって石段を登ると正面に金ぴかの加波山神社拝殿があり、皆さんお賽銭を投げながらお参りをした。
(私が先頭歩き)
(加波山神社拝殿)

加波山神社拝殿と右の三枝祇(サエナズミ)神社親宮拝殿との間の登山道を登って行くと、元気な数人の山岳マラソンランナーが追い越して行った。今日は涼しいとはいえ20℃を越えている。元気なことだ。
山頂まで似たような社殿が続いて名前がこんがらがるが、最初が加波山三枝祇神社親宮の本殿、続いてたばこ神社、その次が加波山神社の本殿、この神社の前で集合写真を撮って、さらに登って加波山山頂にある加波山三枝祇神社本宮の本殿に登り着いた。この本殿の前に709.0mの加波山三角点があったことを度忘れしていて、皆さんに案内しないでそのまま通過。歩きながら三角点に気がついてタッチした人もいたようなのでまあいいか。
(たばこ神社)
(三枝祇神社本宮本殿)

さらに尾根づたいに進むと大きな岩が崩れそうになっているのもあって「3月11日にこの辺りを歩いていたら、どっちに行っても岩や崖、怖かっただろうな」と話しながら歩く。加波山三枝祇神社本宮の拝殿に着くと右斜面にブルーシートが敷かれており、拝殿本体も後ろ半分が白いシートで囲ってあり、相当の被害を受けたであろう事がうかがわれた。
拝殿の左の木の板で補強された下り坂は下見の時にも板が壊れていて怖い思いをしたが、「工事中、ご迷惑をおかけします」とあったので、今回の本番までには補修されているだろうと期待していた。しかし、状態は更に悪化、皆さんに「足元注意!」と言いながら板の道を脇に避けながら下って行った。
これから先「旗立石」を下り、「飛行機事故殉職碑」を過ぎると丸太の階段道が続く。下りても下りても続く階段、皆さん文句を言いながらも快調に下って来る。先回りして前からシャッタを押すのは大変だった。
(加波山三枝祇神社本宮拝殿)
(長ーい階段下り)

いい加減嫌気がさしてきたごろにやっと「自由の楷」の広場に着いた。広場に出る前の道を横切る溝の中にオタマジャクシがうじゃうじゃといて、その水源の小池を覗いてみたら、おびただしい数のカエルの卵が渦巻いており、これを守るように大きな赤ガエルが泳いでいた。
(自由の楷)
(蛙と卵)

空には数えきれないほどのハングライダやパラグライダが気持よさそうに空を舞っており、目の前の丸山の風車も絵になりそうで盛んにシャッタを押した。
(パラグライダの乱舞)
(風車)

ここから一本杉峠までは丸山を巻いて、風車や筑波山、足尾山を見上げながら林道を歩いて行った。トップの役を忘れて(自由の楷広場を一本杉峠と勘違いしていた)シャッタ押しに夢中になっていたら、流石の平野さんもあきれ果てたようで、「川本さーん!」と大声を出していた。
(筑波山)
(一本杉峠)

一本杉峠で一休みし、ここからは下山さんのリードで歩くことになり、林道を山道で3度近道しながら足尾山に登って行った。途中登山道が大きな崩落石で塞がれた所もあったが、足元のスミレの花などに慰めながら歩いていった。
(足尾山へ)
(スミレ)

二回目の山道の途中の左下に数株のカタクリの花が見え、斜面を下ってシャッタを押していたら皆さんからずいぶん遅れてしまった。次の林道を過ぎ、最後の山道に入った所でやっと皆さんに追いついてほっとしていると、前の方で「すごーい!」の声が上がった。右斜面に一面ピンクに染めるようなカタクリの大群落があった。足尾山にカタクリが咲くとは聞いたこともなかったので、儲けものをした気分で、みんなでシャッタを押しまくった。
足尾山の山頂に登り着くと、視界は霞んできたが樹間に加波山や筑波山が見渡せた。女体山が男体山の反対方向に傾いている筑波山を眺めながらの女性陣の感想は「奥さんがいやいや言っている。我家と同じだ」
山頂部の足尾神社本殿(葦穂神社)は土台の石垣が崩れ、八角形の土台にも割れが入って本体も柱が外れて痛ましい姿になっていた。足の神様が祀ってある山好きな我々には大切な神社、倒れないで頑張ってくれていただけで有難い。
(カタクリ)
(足尾神社山頂本殿)

本殿前の広場で一休みして林道に下る途中、大きな石碑が登山道の真ん中に倒れており、境内にある履物奉納所の石柱も折れており、林道出口の鳥居は形を成さないまで壊れていた。大地震当時の凄まじさをうかがわせるに充分だった。
林道に出てすぐのところがハングライダの離陸地点で、たくさんのグライダーが順番待ちで並んでいた。今日は風の具合が良いようで、次々と発進する光景を見ることができた。今日の好天気に空を舞うのはさぞや気持のいい事だろう。
(分解した鳥居)
(ハングライダ離陸点)

ハングライダの離陸を見てから、きのこ山の休憩舎まで林道歩きは2.3km、途中の路面は10cm以上も陥没したところがあった。
燕山、加波山を振り返り、鈴なりのキブシの花を眺めながら35分歩いてきのこ山の休憩舎に着いた。標高は528mの三角点位置は籔の中だったが、下見で確認済だったのですぐに皆さんを案内出来た。しばらく休んで、また平野さんの音頭で整理運動をしていよいよ下りにかかった。
(陥没した林道)
(きのこ山休憩舎)

舗装の林道歩きには少々ウンザリしてきたところだったので休憩舎を出てからはショートカットの道を期待しないでもなかったが、下山さんは下見の時の痛い経験で迷うことなく林道へリードして行った。
ショートカットの道が下って来る所まで大曲の林道を歩いて、ここから山道に入っていった。途中のツバキやヤマザクラ、コブシの花が綺麗だった。
(林道を下る)
(ツバキ)

少し下った「つぼろ台80m」の道標からつぼろ台に寄道した。ここでも集合写真を撮った。倒木が多かったが、岩の上からの展望は良くて皆さん満足。
ツツジの花越しに燕山から加波山、丸山、足尾山の山並みが綺麗に見えていた。
(つぼろ台)
(ツツジと加波山)

つぼろ台から引き返して関東ふれあいの道を下って行くと、一ヶ所下見の時にはなかった崩落場所があった。ベテランなので危なげなく通過。
恵みの森のジグザグの遊歩道を歩いてみかげスポーツセンタに着くとスポーツセンタには紅白のサクラが満開で出迎えてくれていた。到着したのは15時50分、歩き始めて7時間50分、久しぶりの仲間との気持のいいハイキングだった。
(崩落登山道)
(みかげスポーツセンタに到着)





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