Y54.奥久慈男体山(シロヤシオ尾根)
1.動 機 先日は栃木の山でアカヤシオとミツバツツジを楽しんだが、次はシロヤシオの番だ。シロヤシオなら遠出しないでも奥久慈男体山山頂にある通信施設の裏尾根に大群生があり、何度か山頂から入って賑やかなシロヤシオを眺めたことがある。この尾根をシモンさんに案内してもらって下から登ったとの話を山仲間に聞いたことがあったので、今回はこの尾根に下から入ってみることにした。籔漕ぎ連続の尾根歩きだったが、満開のシロヤシオを満喫することができた。 2.データ a)山域:奥久慈男体山(654m) b)登山日:2011/5/15(日)晴 c)コースタイム:日立自宅 9.10 = 10:15 恵海の森 10:25 ---- 10:45 二股 10:55 ---- 12:15 男体山山頂 12:40 ---- 13:00 袋田分岐 ---- 13:10 二股 ---- 13:40 恵海の森 13:50 = 15:30 日立自宅
e)地形図:「大中宿」 3.山行記録 例の通り我家を朝ゆっくりと出発し、10時過ぎに恵海の森の駐車場に到着すると先客の車は2台だけだった。日曜日の晴天なので満車だろうと心配していたので意外だった。今日は工事もお休み、ワラビ採りの人達はもっと奥の路側にたくさん車を停めていた。 男体山の登山道への林道に入って歩き始め、大円地越の分岐を過ぎた林道終点には3台の車が停めてあった。更に山道に入って沢沿いを歩き、先日アキとの山行で下ってきた分岐がある。更に進んで沢が二俣に分かれるところに来ると、「道幅狭い、通行注意」の立札が立っていて、破線の登山道は右の斜面に登って行く。狙いのシロヤシオの尾根は、二つの沢に挟まれた尾根である。直接尾根に取り付くのは少々籔が煩そうだ。
尾根に登る踏み跡はないかと直進方向の沢に入って探ってみたがそれらしき踏跡は見当たらず、左の沢筋に入りなおしてしばらく歩いて行ったが、右の尾根がどんどん高くなるばかりで斜面もますます急になってきた。「諦めて破線の道を登ろうか」と打診すると、「籔でも構わない、予定通りの尾根を登ろう」とお元気なご返事。適当なところから尾根に向かって立木に掴まりながら急斜面を攀じ登った。
立木に掴まりながら急坂を頑張って尾根に上がると、ササ籔の中にけもの道のようなかすかな踏跡が確認できた。これで山頂まで登れるだろうと笹を掻き分けながら登って行くと尾根筋も段々と斜度が急になってきて、左右が切れ落ちた崖の瘠せ尾根になってきた。直進して岩の上に出て進行不能になって、引き返して岩の脇の狭い足場をへつる所もあった。
足元にはイワウチワの群落が続き、シロヤシオの木も見られるようになってきたが、足元に白や紫の花弁が散り敷いている。ミツバツツジは既に盛りを過ぎ、シロヤシオもこの高度では散り始めているようだ。
シロヤシオは下から見上げたのでは、五葉の葉に遮られて余り良く見えない。それでもシロヤシオに出合えてうれしくなって、シャッタを押しながら登って行った。
シロヤシオの幹に掴まりながら汗をふきふき登って行って高度を上げてくると、左右の谷間のシロヤシオを上から眺められるようになり、白い花がお日さまを受けて綺麗に見えるようになってきた。危なげな足場で、足元に気を付けながらシャッタを押しまくった。
山頂から100mぐらい手前の大群落の先で、大木が根っ子ごと横転しているところがあって、その前後はすっかり籔で踏跡が消えていた。迂回の道があったのだろうか。
山頂に飛び出すと丁度昼食時、大勢の登山者が山頂に屯して食事しており、変なところから現れた老夫婦に怪訝な顔を向けていた。「どこから登ってきたの」と訊かれた御夫婦に「この先、シロヤシオが綺麗ですよ」と答えたが余り興味はなさそうだった。 皆さんが座わっている岩の側面に張り付くように生えている小さなヤマツツジが可愛く健気に見えた。
山頂部は賑やかな団体さんなどで満席だったので、静かな山頂神社の脇に座り込んで、周りの山々や麓の集落を眺めながら昼食にした。
下りは袋田コースを歩いた。このコースにもシロヤシオはたくさん咲いており、紅色のヤマツツジも賑やかだった。
下りはアキと登った持方牧場の道を下る積りだったが、持方への近道の分岐の所に来て、「この道は久しく歩いていないな」と気持が変わって分岐道に入った。
道はすぐに杉に植林の中に入り、ジグザグに急坂を下って、10分ほどで沢の二俣の所に下り着いた。 あとはニリンソウやラショウモンカズラなどを愛でながら恵海の森駐車場に戻ったが、途中にワラビや山蕗が目につくと寄道してしまうので、往路よりも時間がかかった。
満開のシロヤシオにすっかり満足した帰りは、ゆっくりと運転して那珂町に寄道して日立に帰ってきた。
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