Y55.つつじの丹勢山

1.動 機
丹勢山(たんぜやま)は分県登山ガイド「栃木県の山」のNo.19に載っている。春には、ミツバツツジ、シロヤシオ、ヤマツツジなどのツツジの花が咲き競い、タラノメやサンショ、ワラビなどの山菜も採れるとあるので、今がその時期と考えて登ってみることにした。表男体林道の車止めまで車で入って、ここを始点にして周回するコースを歩いて、アカヤシオの咲き残りとミツバツツジの咲き始めを楽しみ、山頂からは日光連山や前日光連山の展望を楽しむことができた。
(丹勢山の位置)
(丹勢山周回ルートの標高差)


2.データ
a)山域:丹勢山(1398m)
b)登山日:2011/5/19(木)晴
c)コースタイム:日立自宅 8:10 = 8:25 日立南IC = 9:15 壬生IC =(県道3号)= 9:45 日光宇都宮道路入口 = 10:05 清滝IC = 10:25 沼の平分岐駐車場所 10:35 ---- 11:20 登山道合流 ---- 11:50 車道横断 ---- 12:10 丹勢山(昼食) 12:45 ---- 12:50 つつじ園 13:00 ---- 13:15 車道串刺 ---- 13:25 車道歩き始点 ---- 13:55 裏見滝分岐 ---- 14:15 沼の平分岐駐車場所 14:25 = 14:45 清滝IC = 14:50 日光口PA 15:10 = 15:30 日光宇都宮道路入口 =(宇都宮市街)= 16:15 上三川IC =17:05 日立南IC = 17:15 日立自宅
(丹勢山周回ルート)

d)同行者: 和子
e)地形図:「日光南部」

3.山行記録
林道の最奥まで車で入れば予想される歩行時間は3時間足らず、我家をゆっくりと出発した。車のナビに表男体林道も表示されたので、駐車予定の沼の平分岐を目的地にしていつもの通りナビの指示通りに走った。清滝ICからR120バイパスに下りてまっすぐ走り、途中で古川電工方向へ右折して何度も角を回って社宅地の狭い道に入ると、何軒かの社宅の脇に植えられたヤマツツジが満開で、これから山でツツジに出合うだろうと期待を持たせた。道傍には「この付近の山菜は社宅地内ですので採らないでください」の立札もあった。
社宅地を抜けた三叉路に大きな「丹勢山麓散策路案内図」の看板が立っており、登山口には左の道に入った。
(社宅街のヤマツツジ)
(案内板のある三叉路)

案内板のところから少し走ると、いよいよいろは坂の様な九十九折りの坂道が始まった。始めは狭いながらも舗装道だったが、ヘアピンカーブを折り返しながら登って行くと14番目のナンバー札が付いたガーブを曲がると未舗装の道になった。路面は手入れされていて走るに心配はなかったが慎重に走って、道標の立つ沼の平分岐に10時25分に到着した。
突き当たりのカーブのところが広くなっていて数台の車が停まっていた。そのカーブの先に車止めがあるのでここが駐車場所になっているのだった。沼の平分岐の方にも車止めがあり、その前にも3台の車が停まっていた。幸い残っていた最後の隙間に車を入れることができて身支度をした。
(沼の平分岐)
(駐車場所)

「奥さんが山菜採りに山に入っていて帰って来るのを待っている」という、近くの車で手持無沙汰な男性に丹勢山への登山道を訊くと、「ここはもう丹勢山だが、さっき5人組の人が「ヤシオツツジを見に来た」と言いながらこの道に入って行ったよ」と私が車を置いた先の林道を指差してくれた。当初は曲り角の先の笹原の中に見えた踏跡に入ろうかと思っていたのだが、ツツジが咲いているのならと、この道に入って行った。入口に枯れ枝を重ねた車止めがしてあり、これを越えると轍が残る狭い道が伸びていた。道はぬかるみ加減で轍が深いところが何か所もあり、ぬかるみにはまり込んで進退きわまった車があったので入口に臨時の車止めがしてあったのだろうと想像した。
新緑がまぶしいカラマツ林の中の林道を歩いて行くと、道に沿って五葉の若葉を付けたツツジの木が続いた。地面に落ちた花弁は見えなかったが、木肌からアカヤシオのように見え、満開の時には見事だっただろうなと想像しながら歩いて行った。車の爆音が聞こえていたが、いろは坂が近いので、いろは坂を走る車の音だったのだろうか。
(轍のある道)
(つつじの林道)

ツツジの花を期待しながら歩いていくと、やっと紫の花を付けたミツバツツジを数本見ることができ、喜んでシャッタを押した。
ツツジが期待したよりも淋しいので、花より団子、サンショの若葉をつみながら歩いて行き、途中、右の斜面に上がる踏跡を見つけて斜めに登って行った。少し登ると、右から来るはっきりとした登山道と合流したが、おそらくは駐車場所の先の笹原にあった踏跡の延長と思われた。この合流点からは急斜面をジグザグに登る道になり、汗を絞られながら登って行った。
(ミツバツツジ)
(少し急登)

しばらく急登を頑張ると笹原に出て、ところどころにピンクの花を付けたアカヤシオの木を見るようになった。咲いている花弁よりも、地面に散り敷いている花弁の方が多かったが。
(笹原の道)
(咲き残りのアカヤシオ)

笹原の先のカラマツ林を越えると、右に小さなコブがあり、アカヤシオの花が何本も咲いていた。ここももう半分散っているように見えたので立ち寄らないでそのまま進むと、目の前にカラマツの丹勢山が見えて来た。
笹原を進むと林道があり、広場のようになっていて、切り出した材木が積み上げられていた。この林道は、下りの分岐の所の道標によれば「表男体林道」といい、志津峠に通じているらしい。丹勢山へはどこからでも登れそうだったが、少し右に歩いた所の立ち木にテープがしてあり踏跡が登っていた。
(丹勢山)
(表男体林道)

カラマツの中を登って行くとアカヤシオの木が多くなり、高度が上ったからか、花弁の数が多くて賑やかになってきた。お日さまを受けて美しい。
(アカヤシオ)

(アカヤシオ)

カラマツの切れ目からは男体山から大眞名子山女峰山赤薙山の日光連山が見えてきた。大きな岩の上に上がると一段と展望が良くなった。
振り返ると中禅寺湖も見えるようになり、その上には社山や黒檜山が見えていた。
(岩の上から日光連山展望)
(社山、黒檜山と中禅寺湖)

(日光連山)

山頂に登り着くと4人組のグループが丁度昼食が終わったところで片付け中、集合写真のシャッタを押してあげて席を入れ替わっていただいた。
日光連山を眺めながら弁当を広げてゆっくりと食事して、山名板の前で証拠写真を撮ってから下山にかかった。下山は登ってきたと反対方向に踏跡があったので、そのまま尾根通しに下ることにした。
(丹勢山山頂)
(尾根筋を下る)

少し下ると視界の開けたところに出て、目の前に薬師岳、夕日岳、三の宿山など前日光の山々が見渡せた。原っぱにはツツジの木がたくさん植えてあってツツジ園のようになっていたが、残念ながら花は咲いていなかった。
(つつじ園から前日光の山々)

ツツジ園の先にはヤマツツジらしい古木の群生があり、ここも古いツツジ園のようだったが、花は咲いていなかった。
ツツジの古木の下を潜りぬけると再び笹原になり、目の前に前日光連山を眺めながら下って行った。一本の電柱が目に入り、その近くの段差を下りて表男体林道に下り立つことができた。
(ツツジの密林)
(明るい笹原)

ここからの林道はくねくねとヘアピンカーブを繰り返すので、適当にカラマツ林に踏みこんで林道を串刺しにしながら下って行った。
3回のカーブを串刺しにすると、その先で林道が少しまっすぐのびる所に出て、ここで串刺しを止めて林道をのんびりと歩くことにした。
(林道を串刺す)
(林道歩き)

高度が下がったのでヤマツツジが咲いていることを期待したが、ヤマツツジは最後まで蕾のままだった。代わりにミツバツツジやヤマザクラが目を楽しませてくれた。
(蕾のヤマツツジは)
(ミツバツツジ)

ヘアピンカーブを下って裏見の滝への分岐点にでると、角に表男体林道の表示があった。時間はまだあったが、道標によると裏見の滝まで5.7kmとあり、寄道するには少々距離があり過ぎるので、右の道に曲がって駐車場に戻った。
駐車場に向かっていると、山菜採りに余念のない長靴姿の3人組を追い越しが、余り収穫は多くはなさそうに見えた。丹勢山山麓は広いから場所を知らないと難しいのだろうか。
(裏見滝分岐)
(山菜採りの人達)

駐車場に戻ったのは14時15分、歩き始めて3時間40分だった。あのツツジ園のヤマツツジの真っ赤な花が咲いた情景を眺めてみたかったが、少ないながらもアカヤシオやミツバツツジを楽しみ、日光の山々の展望もあって、軽いハイキング道の割には面白い山行だった。
帰途はナビに最短距離を指定して宇都宮市街を通り抜けるルートを選択したら、宇都宮城の脇を走ったり、裏町を走ったり、面白いドライブになったが、時間は返って余計にかかった。




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