Y92.小沢岳(MAC山行)


1.動 機
小沢岳はその尖った山容から西上州のマッターホルンとも呼ばれる。水戸アルパインクラブの役員の一人に「小沢さん」がいるので、クラブとして一度は登らなければなるまいと今回の計画になった。生憎のお天気になって評判の山頂からのパノラマを見ることはできなかったが、その山容に似合わず簡単に登ることができ、いつもの仲間と和気あいあい、ゆっくりと里山歩きを楽しむことができた。

2.データ
a)山域:小沢岳(1089m)
b)登山日:2011/9/11(日)曇り
c)コースタイム:
(往路バス)日立自宅 5:05 = 5:15 日立電鉄南営業所 5:20 = 5:30 東海駅 5:40 = 5:55 勝田駅 6:00 = 6:05 市毛十文字 6:20 = 6:25 水戸駅 = 6:50 水戸IC = 7:05 笠間PA 7:15 = 8:35 波志江PA 8:55 = 9:25 下仁田IC = 9:30 道の駅しもにた 9:40 = 10:00 坊主淵
(歩行)坊主淵 10:05 ---- 10:25 一号橋 ---- 10:55 七久保橋 11:00 ---- 11:30 椚峠(昼食) 11:45 ---- 12:30 前衛峰 12:35 ---- 12:45 小沢岳 13:20 ---- 13:35 前衛峰 ---- 14:10 椚峠 14:15 ---- 14:40 七久保橋 ---- 15:00 一号橋 ---- 15:15 坊主淵
(小沢岳登山ルート)
(小沢岳登山ルートの標高差)

(帰路バス)坊主淵 15:20 = 16:00 荒船の湯(入浴・夕食) 17:20 = 17:50 下仁田IC = 18:30 波志江PA 18:40 = 20:00 笠間PA 20:10 = 20:25 水戸IC 20:30 = 20:55 水戸駅 = 21:10 勝田駅 = 21:30 東海駅 = 21:40 日立電鉄南営業所 = 21:50 日立自宅
d)同行者:水戸アルパイン会員16名(男6、女10)、和子
e)地形図:1/25000 「下仁田」

3.山行記録
下仁田ICで高速を下りて、道の駅しもにたで休憩し、狭い下仁田の街路を通過して青倉川沿いの道に入った。リーダの説明では青倉川とは青い岩を食みながら流れ下るところから名づけられたとのことだが、そう言われれば川の岩も流れも青っぽく見える。集落の中に突然現れた石灰山の袂の工場群(看板には白石工業白艶華工場とあった)の脇を通り過ぎると谷間が急に狭くなってきた。しばらく谷合の登り坂を走ると、道がUターンする所に「御荷鉾スーパ林道」への分かれ道があった。ここがバス停もある坊主淵というところで、ここでバスを下りて歩くことになっていた。これより奥ではバスがUターンできない恐れがあるとのリーダの下見での判断だった。
(白石工業)
(坊主淵から歩き始める)

分岐から少し入った路側で準備運動が始まった。ここからは1時間半の林道のだらだら登り、準備運動はいらないだろうと小沢さんと呟きながらもリーダの号令に従った。
車道沿いには苔むした岩を縫うように清冽な水が流れ下り、美しい渓流が続いた。もう少しすると周りの樹木が紅葉して、もっと素晴らしい風景になることだろう。
(路側で準備運動)
(美しい渓流)

橋を何度か渡って、渓流の流れを右や左に見ながら歩いて行く。
1号橋を渡って少し行くと、狭い空に尖った山が見えて来た。地形図を睨んで、これが小沢岳に違いないとシャッタを押した。
(長い車道歩き)
(小沢岳が一瞬姿を現す)

林道の案内板が立つ七久保2号橋を過ぎて10分、薪を積んだ小屋の先の左手に七久保橋があった。この七久保橋を渡ると林道七久保橋倉線が始まり、御荷鉾スーパ林道に通じているらしい。
直進方向の狭い道が小沢岳に向かう道で、5分ほど入ったところに小沢岳登山口の道標がたち、登山者カードの受付箱もあった。
(七久保2号橋の林道案内図)
(七久保橋奥の登山口)

登山口からは四駆でなければ無理そうな未舗装の荒れた林道になったが、路側にはツリフネソウやハクサンボウフウなどが賑やかに咲いていた。
こんな道にもカーブミラーが付いているのを奇異に思いながら、大きく右に曲がってまっすぐな道を登りつめると、路傍に2体の石仏が祀ってあった。女性会員達は神妙な顔つきでお参りしていた。
(未舗装の荒れた林道)
(椚峠の2体の仏像)

ここが椚峠とのことで広い空き地があった。今日は日曜日なので作業がお休みらしく、その広場には何台もの重機が並んで停めてあった。荒れていたここまでの林道の手直しが始まったところのようだ。
広場の正面に小沢岳らしい山が見えていて、ここからは山頂まではそれほど遠くない事がよくわかった。安心してお八つを食べながらお休みしている間に、小沢岳はまたガスの中に隠れてしまった。
(工事車両の前で休憩)
(小沢岳は隠れてしまった)

ここから小沢岳山頂までやっと山道らしくなる。一休みしてから尾根道を歩き始めた。
初めはブッシュが煩い樹林帯の急登だったが、やがて斜度が緩やかになると狭い馬の背や、ちょっとした岩場もあらわれてきたが、総じて道は歩きやすい。
(ここから登山道になる)
(樹林帯のブッシュ)

やがて手入れの行き届いた檜の植林帯になり、何度か上り下りを繰り返し、木立の中の急登を登り詰めると二つの図根石が立つ「前衛峰」だった。
前衛峰から植林の中を少し下るとまた急登になり、ところどころ槍の穂先らしく岩場らしい所も出て来て、ジグザグに登るといよいよ小沢岳の山頂だった。
(手入れされた植林帯)
(前衛峰から下って)

1089mの小沢岳頂上には三角点があり、小さな石祠と大日如来の石仏もあり、南牧村の小沢岳の山名板が立っていた。
天気が良ければ山頂からは八ケ岳や浅間山、赤城山あたりまで見えるらしいが、今日はガスで真っ白の世界、すぐ近くの四ツ又山や鹿岳さえも見えない。弁当を食べて、集合写真を撮ってすぐに下山にかかった。
(山頂到着)
(山頂の石仏と祠)

下山は往路をそのまま下ったが、山頂付近にはハギの花が咲き、坊主淵近くの岩壁には登り道には気が付かなかったイワタバコの群落が可愛い花を咲かせていて、みなさんの格好の被写体になっていた。
今日は日曜日なのに、登り始めから下って来るまで5時間の間、登山者には人一人出合うことがなかった。登山の端境期とはいえ異常である。林道の補修工事が始まってた所為かも知れない。
(ハギの花)
(イワタバコ)

坊主淵に戻ってバスに乗って日帰り温泉の荒船の湯に向かった。その途中、小沢岳の鋭鋒にやっとお目にかかることができた。
反対方向には去年の水戸アルパインの忘年会でお目にかかったジジババ岩も見えていてみんなを喜ばせてくれた。、
(麓からの小沢岳)
(ジジババ岩)

今朝から今にも降りそうな雲行きだったが、リーダの晴れ男の神通力で山行中は降らないように抑えられていたが、温泉で汗を流しているうちにポチポチと降り始め、ビールを飲みながら美味しい夕食を頂いているうちに激しい夕立ちになってきた。山頂からの展望はなかったが、雨に降られることもなく、気の合う仲間と楽しいハイキングができたことで満足としよう。





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