今日のハイキングルートのターミガンサークの入口近くまで来ると、路側に停まっていた車の人が「X」のあいづをしていた。石塚さんと小河原さんとが登山口まで入って見ると、登山道にはテープが張られ、「熊出没、入山禁止」の看板が立っていた。日付はなんと9月25日!昨日入山禁止になったばかりだった。
これで今日のハイキングは無しになってしまったかとがっかりしていると、「向かいにポカテラサークというトレイルがあり、熊はそっちには現れていないようだ。黄葉が綺麗なコースだが、少々籔っぽい。籔漕ぎが嫌でなければ案内してもいい。」と提案があった。全員茨城の山で籔漕ぎには慣れているので嫌のあるはずがない。少し先のハイウッドパスの駐車場に入ると公園監視員がいて、熊の件も確認して了解を取って歩き始めた。
始めはターミガンサークと共通の草紅葉の中のトレイルを歩いていく。5分ほどでターミガンサークへの道を右に分けて更に10分平原を歩くとモミの木の森になり登山道らしくなってきた。
多少の上り下りがあり、岩っぽいところやぬかるんだ所はあるが、道は良く踏まれていて籔漕ぎではない。石塚さんも「前回歩いた時とは様変わりだ。これなら他の人も案内できる」と喜んでいた。
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(ポカテラサークへ出発) | (樹林帯を歩く) |
更に20分も歩くと目の前にカラマツの黄葉が見られるようになり、向かいの岩山とのコントラストが見事だった。これだけ見たらもう今日は満足といった感じ。その岩山あたりがポカテラサークで、そっちの方に歩いて行くらしい。(サークとは圏谷、カールを指す)
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(ポカテラサークの展望が開ける) |
展望の良いところから急坂を下るとガレ場があった。地震国なら怖そうなところだが、カナダには地震はないらしい。
これを過ぎるとカラマツの中の道になる。茨城と同じで色々と新コースを試す人も人もいるようで、ところどころに分かれる踏跡があった。
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(ガレ場もあり) | (黄葉したカラマツの中を進む) |
最低部から少し登って行くと小さな湖があり、風がないのでカラマツの黄葉を綺麗に映していた。
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(黄葉を映す静かな湖面) |
湖の周りには岩礫帯が広がっており、めいめい陣取って弁当を広げた。今日の弁当は石塚さんが知り合いに手配してくれたおにぎりだ。美味しいおにぎりだった。
ゆっくりと黄葉を楽しんで、集合写真やめいめいの記念写真を撮って下山にかかった。同じコースを引き返しても、下りで見る景色は上りで見るとは一味違った風景に見えて楽しい。
駐車場に戻った時のGPSのデータは、歩行距離5km、高度差100mのハイキングだった。
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(湖畔で休憩) | (下山) |
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(下りの展望) |
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(登ったり下ったり) | (草原を歩いて駐車場へ) |
ホテルに戻る途中でカナナスキスのビジタセンタに立ち寄ってカナダの熊について勉強することになった。その道すがらマウンテンゴートの群れに出合ったが、道端でミネラルを舐めるのに夢中でバスを気にする様子もなかった。動物に危害を与えないカナダの風習のせいだろうか。
ビジタセンタに入ると入口に熊の剥製があった。この辺りでは熊の被害が一番心配されるのだろう。この辺りで良く現れる熊はグリズリーベアといい、15cmにもなる長い爪が特徴らしい。
石塚さんによっれば「鈴の音に小熊が興味を持って近寄ってきて母熊まで近づいてくると言うのがカナダの通説で、カナダでは熊避け鈴は使わない。」とのこと。「熊を見たら大声を出さず、静かに円陣になって大きな動物に見せかけるのが一番。それでも近づいて来た時には私が熊スプレーを発射するのでそっと連絡してくれ」とのご注意。
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(マウンテンゴート) | (グリズリーベア) |
16時前にホテルに帰って風呂に入り、またワインサービスの部屋に入って驚いた。今日はカナダ?の団体さんが入っていて、ワインもチーズも品切れになっていた。追加が入ってきたが、カナダの人はワインが大好きなようですぐになくなりそう。急いでワイングラスをいっぱいに満たし、チーズも確保した。
今晩は近くの西洋料理レストランへ歩いて行った。今日の夕食は各自払い、ビフテキが自慢のお店でみんな10oz(280g)のビーフステーキを注文した。霜降りなしの赤身の肉だが、やわらくて美味しかった。カナダでは霜降りにならなくて柔らかい赤身の肉になるように餌に工夫がされているとのこと。女性数人は食べきれなかったが、それを引き受けて平らげる頼りになる男性もいて、食後に残り物はひとつもなかった。