Y101 大朝日岳周回

1.動 機
大朝日岳には和子はMACの縦走で仲間と一緒に登ったことがあるが、私はその時病み上がりで参加できなかった。そのため去年の秋、大朝日岳に紅葉の時期を狙って登るべく日立を出発したが、途中トラブルを起こして途中で引き返した。今年こそのリベンジで再挑戦し、やっと念願の大朝日岳に登頂することができた。コースは去年と同じ日暮沢から登って竜門山経由で大朝日岳に登り、小朝日岳経由で日暮沢へ下って来る周回コースとした。
折角登るのなら去年と同じく紅葉の綺麗な時期に登ろうと天気予報を睨んでいたら、大朝日が大混雑するという三連休に登るしかなくなった。去年は大朝日小屋に泊る予定だったが、三連休は大混雑が予想される大朝日小屋を敬遠して、今年は手前の竜門小屋泊とした。このため、2日目の行程が長くなって日暮沢に下り着くのが夕刻になり、麓一泊が追加になった。最盛期の紅葉に美味しい料理が追加されて満足いっぱいの山行になった。

2.データ
a)山域:清太岩山(1465)、ユウフン山(1565)、竜門山(1688)、西朝日岳(1814)、大朝日岳(1870)、小朝日岳(1647)、古寺山(1501)
b)登山日:2011/10/7(金)〜10(月)
c)コースタイム:
10月7日(金)曇:日立自宅=日立南IC=月山IC=大井沢民宿(泊)
10月8日(土)曇:大井沢=日暮沢 ----清太岩山----ユウフン山----竜門小屋(泊)
10月9日(日)晴:竜門小屋----竜門山----西朝日岳----大朝日岳----小朝日岳----古寺山----日暮沢=大井沢民宿(泊)
10月10日(月)晴:大井沢==西川IC=日立南IC=日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「朝日岳」
(大朝日岳周回コース)
(大朝日岳周回コースの標高差)


3.山行記録
1)10月7日(金)晴後曇、一時小雨:日立自宅 8:20 = 8:40 日立南IC = 9:45 阿武隈高原SA 10:15 = 12:00 寒河江PA(昼食) 12:40 = 13:10 月山IC = 13:20 湯ったり館 13:35 = 13:40 湯殿山神社 13:50 = 14:00 朝日山の家(泊)
初日は日暮沢の避難小屋に泊る積りだったが、前日になって自炊が面倒になり、麓の大井沢部落の民宿に電話した。幸い空き有との事で予定変更、郵貯の貯金カードを持って出発することにした。
朝ゆっくりと朝食を済ませてから出発、ガソリンを満タンにして日立南ICで高速に乗り、快調に走って常磐道から磐越道に入った。日立では雲ひとつなかった空がだんだんと雲が多くなってきて阿武隈高原SAで一休みして東北道に入っても、安達太良山や吾妻山は雲を被って見えなかった。山形道に入ると小雨も降りだす始末に、天気予報はどうなっているんだと歎きながら走り、寒河江SAで美味しいうどんを頂いた。
雨も止んで月山ICで高速を下りて大井沢集落に入ったが、まだ時刻は13時をすぎたばかり、宿に入るのはまだ早過ぎる。日帰り温泉「湯ったり館」の駐車場に入り、直販店に並んでいた色々なきのこの勉強をしてから、湯ったり館の中に入って部落の名士である女医さんの功績を勉強した。郵便局で貯金をおろしてから、近くの湯殿山神社にお参りした。
湯殿山神社はもと大日寺という真言宗寺院であったが、明治元年の神仏分離令により神社となった。他の湯殿山神社と区別するため、大日寺跡湯殿山神社とも呼ばれていたとのこと。大日寺は「日本七大霊場」の1つにも数えられ、当時の伽藍は6軒7坊を数え、大井沢には26坊もの宿坊があったと言われる。明治時代に火災に遭い、今は仁王門、山王堂、鐘楼を残すのみで、今は基礎跡に「−−−跡」の立札が残っているだけだった。
(湯ったり館)
(湯殿山)

14時頃また雨が降り出したので、今夜の宿「朝日山の家」に入った。玄関には「closed」の札がかかっていたが、呼び鈴を押すと奥さんが出てきて「昨日まで休んでいたので御免なさい」と入れて貰えた。中に入るとコーヒとケーキのサービスがあり、色々とお話を伺った。この宿はお爺さんが開いたが、朝日岳のブナの木を守る会を起こした部落の名士で今も96才で健在、御主人は寒河江川の自然保護に貢献し全国に先駆けてキャッチ&リリースの決まりを持ち込んだ。ご主人の料理が評判だったが心筋梗塞で急逝し、今は忙しい時だけ親戚に応援を頼んで奥さん一人でこの宿を切り盛りしているとのこと。11月にはお嬢さんの結婚式があり、今はその準備に忙しいとのことで、手づくりのウエデイングドレスの写真も見せていただいた。
広い2階建ての家全体が吹き抜けの玄関にある薪ストーブで暖められる。我々が入ると早速ストーブに薪が放り込まれて、家全体が段々と暖かくなってきた。このストーブは夜遅くまで燃えており、朝起きた時も燃えていた。
ベッドの部屋に案内されて、奥さんはすぐに料理の準備に席を立ち、外に出て我々は寒河江川のほとりを散策した。お風呂に入れて貰うことをお願いしていたのだが(この辺りでは湯ったり館に行く人が多いらしい)、宿に戻って驚いた。たった二人のために男女別に風呂が沸かされていた。「夫婦一緒に入りたかったのに」と冗談を言いながら有難く広い浴室を一人占めで使わせていただいた。
風呂から出て、食事の準備ができた食堂に入いると、テーブルには10品の料理が並んでいた。山菜、きのこがほとんどだが、手の込んだ料理は味付けも上品で美味しかった。一人でこんなにたくさん調理できるもんだと感じ入りながら、ビールを飲みながら美味しく頂いていると、天然マイタケの天麩羅が出て来た。半分食べかけだったが全品揃えてシャッタを押した。
その後二人の釣り人が泊りに入ってきたが、今夜の宿泊客は4人だけ。暖かいおもてなしに嬉しくなって、2日後の下山してからの宿泊をお願いしたが、「土曜日は予約が多くておもてなしが行き届かないだろう。知り合いの宿を紹介してあげる」といって民宿さくおの予約を取っていただいた。「この大井沢の宿では我家の料理よりももっと凄い料理が出るから期待して頂戴」とのこと。
部屋には石油ストーブもあり、ベッドには電気あんかも入れられていた。こうして暖かい宿で避難小屋泊りとは雲泥の差の幸せな一夜を過ごしました。
(朝日山の家)
(品数多い夕食)


2)10月8日(土)曇:朝日山の家 6:50 = 7:05 長命水 = 7:20 日暮沢 7:40 ---- 9:25 水場標識 ---- 10:45 清太岩山 ---- 11:35 ユウフン山 ---- 11:50 昼食 12:20 ---- 12:50 分岐 ---- 13:00 竜門小屋(夕食、泊)

山登りならと朝6時に準備ができていた朝食を美味しく頂いて、奥さんの笑顔に見送られて6時50分に発車、国道から根子川沿いの狭い林道に入った。始めは舗装道だったが、すぐに長命水の立札を見るとダートな道になった。
日暮沢小屋の手前の右手に小さな広場があって駐車しようとしている車があった。「この先でさわの水が道に溢れて川のように横切っているので車では通れそうにない」とおっしゃるので我家もここに停めようと思ったが、和子が下見に行って「歩いて通過する方が大変だ」と報告あり、そのままジャブジャブと車で通過した。日暮沢小屋の駐車場は満車、その先の路側にも駐車している車が長い列を作っている。15台位先にやっと駐車する場所を確保することができた。
(狭い林道を行く)
(路側に駐車)

奥まで入って方向変換してから駐車、山靴を履いて7時40分に歩き始めた。日暮沢小屋のすぐ奥が登山口になっていて、すぐに山道が始まった。
始めはなだらかな道だったが、10分も歩くと急登になってきた。シュラフや炊事道具を入れたザックを背負うのは久しぶり、重いザックに足取りが重い。竜門山まで1100mの登りがきついが、竜門小屋に泊ることにしたので半日コースだ。慌てることはないのでゆっくりと登る。
登って行くとやがてブナの巨木の森になり、朝日山の家のおじいさんが守ってきたブナかなと思いながら元気をもらって登って行った。
(日暮沢小屋)
(ブナの林)

登るにつれて、左の樹間に尖った山頂を持った山が見えて来た。この形は大朝日岳だろうと思ったが、あっているかどうか自信がない。
コロビツ水場の道標を過ぎると登りは更に急になり。土嚢で補強した階段道もあった。雨に洗われる登山道の修復の苦労が思われた。
(小朝日、大朝日?)
(急坂登り)

登るにつれて、周りの木々の葉が紅葉してきて、清太岩山の山頂部まで登ると、眼前一面が広く紅葉しているのが見渡せた。晴れていれば紅葉はもっと素晴らしく映えて見えるのだろうが、残念。
時々雨も降る天候になり、向かいから下って来る登山者に出合うようになってきた。訊くと「天気が悪くて展望も悪いので、大朝日に登るのは止めて下ってきた」が大方のご返事だった。私は明日は天気が良くなると信じているのだが、自信がぐらついてくる。神様、よろしく。雨でも何でも大朝日岳には登ってしまいたいのだ。
(黄葉の清太岩山とユウフン山(左))

清太岩山の三角点を過ぎ、次のユウフン山を越えてもその先に紅葉は繋がっていた。先日のカナデイアンロッキーで見た一面単色黄葉は素晴らしかったが、日本のこの色とりどりの紅葉もまた素晴らしい自然の贈り物だと思う。
ユウフン山の山頂を越えて、大きく下り始める手前で紅葉を眺めながらのコーヒタイムにした。

(清太岩山の三角点)
(ユウフン山を過ぎても黄葉見事)

ユウフン山から下って行くと、次の竜門山が大きく立ちはだかり、その右下に竜門小屋が小さく見えていた。登って行って、小屋と同じレベルになると、ここから竜門小屋まで巻道があったら良いのになあと弱音を吐きながら登って行った。
(竜門山への登り:右肩に竜門小屋が見える)

竜門山手前に分岐があり、「至三方境、至西朝日岳」の道標が立っていた。今日はここまでと三方境方向に入って竜門小屋に向かって急坂を下った。
小屋に着いて扉を開けると、管理人の遠藤さんが応援の(?)若者と歓談中。靴は玄関の下駄箱に入れ、ストックは釘にぶら下げて、1500円の宿泊料を払い宿帳を書いてから二階に案内された。二階には多い時には50人はゆうに入れるとの事だが、今日は先客はまだ10人足らず、角の方にシートを広げて場所を確保した。
混みあう前に夕食を済ませてしまおうと、16時からお湯を沸かしてアルファ米に注いで、これと缶詰で夕食準備完了。その後だんだんと到着する人が上がってきて、30人ほどがシュラフを並べたが、気兼ねなしに寝がえりをうてる程度のスペースがあった。遠藤さん曰く「今日はゆったりだねえ」
遠藤さんは下の管理人室前で車座になって酒盛りをしていたが、二階にも上がってきて、「ブレンドウイスキーだ。美味いよ」と言いながら大きなウイスキー瓶から各自の差し出すコップになみなみと注いでくれた。宿泊客が残ったウイスキーを置いて行くのを集めておいたものとのことだが、お言葉通り味のあるウイスキーだった。
カナダの時差ボケがまだ残っているので睡眠薬を飲んで眠り、夜中は雨音も聞こえたが、朝までよく眠ることが出来た。
(今日は竜門小屋に下る)
(ブレンドウイスキーの振舞)



3)10月9日(日)晴:竜門小屋 6:35 ---- 6:50 分岐 ---- 7:20 竜門山 ---- 7:50 西朝日岳 ---- 中岳巻道---- 9:15 金玉水標識 ---- 9:25 大朝日小屋 9:30 ---- 9:50 大朝日岳 10:10 ---- 10:20 大朝日小屋 10:30 ---- 11:15 銀玉水分岐 ---- 11:55 小朝日巻道分岐 ---- 12:25 小朝日岳 12:40 ---- 12:50 巻道合流 ---- 13:15 古寺山 ---- 13:35 三沢清水 13:40 ---- 14:00 古寺鉱泉分岐 14:05 ---- 15:40 竜門の滝 ---- 15:55 林道終点 ---- 16:15 日暮沢 16:25 = 16:50 大井沢さくお(泊)

朝3時、早立ちの人が動き始め、我家は少し明るくなり始めた5時近くに起きだして身支度を始めた。5時半ごろから空が明るみ始め、5時40分に太陽が顔を出した。日の出を拝んでからカップラーメンと餅の朝食を作って食べた。
そのあと、行動中のお湯を沸かしたり後始末をしたり、いろいろあって小屋を出発したのは6時40分だった。
(日の出)
(避難小屋発)

15分で昨日、日暮沢から登ってきた分岐点まで登りつき、今日はここから大朝日岳に向かって登って行く。
イタヤカエデの黄葉を過ぎると、草紅葉の向こうの青空に竜門山が格好良く待っていた。
(分岐点から竜門山へ)
(草紅葉の竜門山へ)
竜門山の山頂からは360°の大展望、東側180°には昨日、日暮沢から登ってきたコースと、これから歩いていく西朝日岳、大朝日岳から日暮沢までのコースが手をとるように見えていた。
(竜門山からのパノラマ)

竜門山を過ぎると大朝日小屋からやって来る登山者と出合うようになってきた。「昨夜の大朝日小屋はどうだったですか」と尋ねると、「物凄い混みようで、芋を洗うようだったよ。」とのこと。竜門小屋泊りにしたのは正解だったようだ。
地形図の西朝日岳まで登り着くと、「西朝日岳1814m」の山頂標が立っていた。山頂からの展望はすばらしく、北方には月山が単独峰のように雲海の上に浮かび、その左にはかすかに鳥海山も見えていた。
400m西にある1713.7mの三角点まで行かないと西朝日岳に登ったことにならないのではと心配していたが、ここで証拠写真を撮って安心して次に向かった。目の前には中岳の向こうに大朝日岳が三角形の端正な山容を見せていた。
(西朝日岳)
(大朝日岳を臨む)

西朝日岳からは対向する登山者がますます増えてきて、挨拶が忙しい。空身で西朝日岳まで往復するご夫婦もいらっしゃった。
中岳の巻道を巻き終わると、大朝日岳が目の前になり、大朝日小屋も見えていた。下ったところに金玉水の道標があったが、水場までの距離が分らず、今日は涼しいので持っている水で充分間に合いそうなのでそのまま通過した。
大朝日小屋の前まで登り着くと、前庭では多くの登山者が屯していた。管理人さんにお願いして、鐘突きの前で証拠写真のシャッタを押してもらった。
空身で西朝日岳に向かったご夫婦が帰ってきて、この管理人さんに「ちゃんと竜門への道から西に曲がって西朝日岳まで行って来たのかい」と聞かれ「コース上に西朝日岳の山頂標があったので、そこで写真を撮って引き返した」と答えて、「そこは本当の西朝日岳ではなくて。独標と呼んでいる山だよ」と言われていた。どれが本当なんだろう?
(中岳から大朝日岳)
(大朝日岳小屋前の鐘)

小屋前で一休みして空身で大朝日岳に登った。
山頂からの展望は素晴らしかった。和子がMACで登った時には天気が悪くて何も見えなかったと言うので、山頂にあった展望方位図を見ながら周りの大展望をゆっくりと楽しんでから、証拠写真を撮って小屋前に戻った。
(大朝日岳へは一登り)
(大朝日岳山頂)

(大朝日岳山頂からの展望)

大朝日小屋前で一休みしてから小朝日岳に向かって下って行った。目の前のピークの北斜面の紅葉が綺麗だった。
ピークの先で振り返ると、大朝日岳が大きく見え、大勢の登山者の姿も蟻のように見えたが、その山容が丸っこくて、西朝日岳から見た尖った山容とはまるで別物になっているのに驚かされた。
(小朝日岳へ下る)
(大朝日岳を振り返る)

途中で出合った古寺鉱泉から登ってきたと言う単独行の男性が「今年の紅葉はまるで駄目、ここまで登ってきてがっかりして山頂まで登る元気がなくなってきた」と座り込んで歎いていた。確かに先日の冷え込み、降雪で茶色に色落ちしてしまった木も見られたが、初めて見る私の眼には充分に綺麗だった。
特に小朝日岳の斜面を彩る紅葉の美しさは、先日のカナデイアンロッキーの黄葉に決して負けない美しさだった。混雑覚悟でやってきて良かったと心底思った。
(黄葉に包まれた小朝日岳)

小朝日岳には巻道もあって、今日の長い行程では魅力的だが、先刻あの綺麗な紅葉を見せられた後では登らない訳にはいかない。急坂を登って行くと登りは急登で苦しいが、周りの紅葉が綺麗でそれ以上に元気付けてくれた。
数人が休んでいるピークが山頂かと思ったら、山頂はもう一つ先のピークだった。本当の山頂には立派な山頂標が立っていて、その前で証拠写真を撮った。地表に大きく飛び出している三角点らしき標石も立っていた。
(黄葉の登山道)
(小朝日岳山頂)

小朝日岳からの下りは急坂だった。巻道との合流点からも急坂が続き、鞍部まで下り着いてホッとした。
紅葉や赤い木の実が綺麗な、なだらかな登山道を登り返したところが古寺山、ここにも山頂標があったので証拠写真を撮って更に下って行った。
(急坂を下って)
(古寺山山頂)

古寺山からの下りは今まで以上に急坂で疲れる下山道で、途中、登山道のすぐ脇に三沢清水があって救われた。冷たい水で喉を潤してペットボトルを満タンにして次に向かった。
ここからの道は急坂の上に、道が雨に洗われたままに深く掘れていて今まで以上に苦労した。
(三沢清水)
(悪路の急坂下り)

古寺鉱泉への分岐点まで下り着いたのは14時丁度、ここから日暮沢までのコースタイムは2時間なので、何とか明るいうちに車まで着きそうだと安心して一休みした。ここで数人の男性が休んでいたが、みんな古寺鉱泉に下る人ばかりだった。
古寺鉱泉分岐から登って次のピーク、ハナヌキ峰はすぐの筈だが、気が付かないままに通り過ぎてしまった。
(古寺鉱泉分岐標)
(ハナヌキ峰へ登る)

ブナの森のなだらかな道を歩いて行くと、また急坂の下りが始まった。長く歩いてきた足にはこの下りはきつかった。ゆっくり下ったので、この下り坂に要した時間はコースタイムよりも相当長くなってしまった。
(気付かずにハナヌキ峰通過)
(ながーい急坂下り)

根子川沿いまで下ると、道はなだらかになってきてホッとした。向かいの斜面に落差のある滝が流れ下っていて、これが地図に出ている「竜門の滝」かと思ったが、少し先に「竜門の滝」の表札がぶら下がっていて、その下の根子川本流にもっと立派な滝があった。この滝の前の河床まで下るざれた急斜面があり、太いロープがぶら下がっていた。下ってみたかったが、和子から「こんな時間になって何かあったらどうするのよ!」とキツイダメが出て、止むなく登山道脇からの樹間の展望で我慢した。
(根子川沿い)
(竜門の滝)

その代わりと言う訳でもあるまいが、すぐ先に沢があって、これを渡るのに10m位ロープで下らされて、登り返しをやらされた。
(枝沢通過)

林道はこの沢からすぐだったが、到着したのはもう16時に近かった。古寺鉱泉分岐から1時間50分、コースタイムよりも20分長くかかっていた。やはり疲れた身体にはあの急坂下りはきつかったのだ。
それでも林道をせっせと歩いて明るいうちに車のところまで着くことができた。良かった、良かった。
(林道終点)
(駐車場所に到着)

靴だけ履き替えて車に乗って民宿さくお迄走った。宿泊客は我家以外は孫二人を連れた同年代の御夫婦だけで、歓待を受けた。同宿者は湯ったり館で入浴を済ませて来たようだったが、我家は内風呂に入らさせていただいた。
入浴後に頂いた夕食は、朝日山の家の奥さんのお言葉通り、美味しそうな料理が並び、写真の皿の他に暖かいきのこや里芋の大きな芋鍋が出て来た。年寄りには多すぎる量の料理だったが、美味しさには勝てず、全部平らげてしまった。
(民宿さくお)
(夕食)


1)10月10日(月)晴:大井沢さくお 8:40 = 8:55 月山湖 9:05 = 9:15 西川道の駅 10:10 =10:15 西川IC = 12:05 阿武隈高原SA(昼食) 12:50 = 13:50 日立南IC = 14:00 日立自宅

また幸せな一夜を過ごして、美味しい朝食を頂き、お土産に昨日宿のお婆さんが拾って来たという山栗をお土産にもらって帰途についた。宿の近くからは月山三山が綺麗に見えていた。
帰りには大憤水を見ようかと月山湖に立ち寄ったが、噴射時刻は10時、それまでは待っている訳にもいかず、次の西川道の駅に入ってキノコや野菜を買い込んでから、西川ICで高速に乗って日立まで帰ってきた。肝心なところの天気が良くて展望も良く、素晴らしい紅葉も楽しむことができて、満足いっぱいの大朝日山行でした。
(湯殿山、姥ヶ岳、月山)





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