Y103.袋田滝と月居山

1.動 機
22日、23日に予定されていた亀楽会の御座山・天狗山山行が、22日の大雨で中止になった。27日28日が好天続きの予報でこのリベンジの絶好のチャンスだったが、和子に予定があって「夫婦二人の山歩き」ができず、前日の26日に軽いハイキングをすることになった。
去年の11月、水戸アルパインクラブの下見登山で月居山から男体山へ縦走した時に、月居山を下ったところに「月居トンネルへ」の道標があったのが気になっていたので、これを確認してみることにした。NETで紅葉情報を見ると「袋田の滝が紅葉始まり」とあったので、月居山と袋田の滝を抱き合わせて「月居トンネルへ」の道を歩く4kmほどのコースを設定した。

2.データ
a)山域:月居山(404)
b)登山日:2011/10/26(水)晴
c)日程:
日立自宅 10:05発 = 11:05 月居トンネル出口P 11:15 ---- 11:30 鐘撞堂・観音堂 11:40 ---- 11:50 前山 ---- 12:15 生瀬滝展望台 12:20 ---- 12:35 袋田滝展望台(昼食) 13:15 ---- 13:20 観音堂分岐 13:30 ---- 13:40 月居山登山口 ---- 14:05 鐘撞堂 ---- 14:15 月居山 14:30 ---- 14:40 男体山分岐 ---- 15:00 月居トンネル出口P 15:05 = 15:35 水府直販店 15:45 = 16:20 日立自宅
(袋田滝・月居山周回コース)
(袋田滝・月居山周回コースの標高差)

d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「袋田」

3.山行記録
我家を出発して、常陸太田、水府を通ってR461に入り、1時間で月居トンネルに到着した。袋田に車を停めて月居山に登ると、紅葉の時期には駐車場が混雑する上に、前山まで気が遠くなる程の1200段を越す階段登りがある。今回は空いているこの駐車場に車を置き、前山から袋田に下ることで長い階段を登るのを避けたのである。
トンネル手前に休業中らしい森林組合の事務所前の駐車場には1台の車があり、ご夫婦が歩き始めていた。我家もトイレを使って身支度をして10分後に歩き始めた。
駐車場から少し戻った商店の脇に「月居古道入口」があり、ここが月居山への登山口である。ジグザグに作られたなだらかな道を登って行くと、峠近くになると広葉樹の葉が黄色く色づいていて青空に映えて綺麗だった。
(月居古道を登る)
(紅葉始まり)

峠には15分で着き、鐘撞堂の鐘を打ち鳴らして今日の山行の安全を祈り、少し登って赤い観音堂にもお参りして舞台から展望を楽しんだ。日光連山の男体山は雲に隠れていたが、高原山や塩原の山々は綺麗に見えていた。
(鐘撞堂)
(観音堂)

観音堂から前山までの登りは結構な急登で、階段まで現れて驚いた。袋田の滝から前山までが階段続きだった事は記憶していたが、観音堂への下りにまで階段があったとは記憶になかったのだ。ゆっくりと登りながら数えたら階段の数は233段あった。
駐車場で出合ったご夫婦に迎えられて前山山頂に登り着いたが、山頂は狭く視界も利かないのですぐに袋田に向かって下り始めた、少し下ったところで視界が開けたところがあり、高原山や塩原の山の右手前に生瀬富士と立神山の岩峰が見えていた。
(233段の階段)
(前山からの生瀬富士と立神山)

前山から袋田までは階段が続く。手すりはあるが階段幅が狭くて注意して歩かないと危ないし、1200段以上あると聞いていたので階段の数を数えるのは止めにした。この階段を登って来るご夫婦に3組も出合ったが、みんな山靴ではなかったので、袋田滝のついでの自然歩道散策なのだろうが、この階段を登って来るとはお元気なことだ。
階段途中に生瀬滝の上部に行く分岐がある。その入口にロープが張られ、「一部崩壊し危険の為、通行禁止とします」の立札が立っていた。3月の大震災の影響だろう。
(階段道)
(生瀬滝へは通行止め)

3分の2ほど下ったところに生瀬滝展望台への分岐がある。ここから眺める生瀬滝はミニ袋田の滝の風情があってなかなか良い。
(生瀬滝)

生瀬滝展望台からは、下から登って来る観光客の姿が増える。息絶え絶えの風情で「まだまだですか」と問いかけて来られるご老人もおられる。右下に袋田の滝の上部の流れが見えてくるが、小さな滝の連続でこれだけでも見ごたえがあるが、手前の木の葉が紅葉していて陽が当たっていればもっと素晴らしくなるだろうなと贅沢を考える。
階段道を下っていくと天狗岩という大岩がそそり立っていて、そこから下の方は階段道が鋼鉄で作られている。山肌が絶壁になっているからだが歩行者には歩きやすく、下から見ると芸術的な形にも見え、自然を乱さない色合いにもなっている。
(袋田滝の上部)
(鉄の階段)

階段を下りて吊橋を渡り、料金300円也を払って観瀑台のトンネルに入った。先ずは第一展望台から滝を眺める。何時見ても見事な滝である。今日は水量も多くて一段と豪快に見えた。
(第一観瀑台から)

次いでエレベータに乗って第二展望まで上がった。このエレベータには3年前完成したばかりの時に登ってみたことがあるが、その時には20分行列に並ぶ順番待ちだったが、今は待つこともなくすぐにエレベータに乗ることが出来た。展望台からの展望も、前は視界の邪魔になっていた樹木がいくらか切り払われたようで、四度の滝の全容が見えるようになっていた。
(第二観瀑台から)

袋田の滝の展望を楽しんでから、吊橋を渡り返して滝見茶屋を過ぎ、観音堂への分岐まできた。そこには「落石のため立入禁止」の立札があり、ビニルシートでとうせんぼをしてあった。土産物屋の女将さんに聞くと「登山道に大きな岩が二つ落ちてきた。やっと岩を砕く作業が始まったところで、工事中は通行止めだ」とのこと。少し先の広場に数台の工事関係者の車両が停まっていた。
どんな岩が落ちて来たのか見てみたくて、和子の制止の声を無視して柵を越えて登山道を登って見ると、少し登ったところの砂防堰に大きな岩が引っかかっていた。通行止めの大岩があるのはもっと上のようで削岩機の音が上の方で響いていたが、まだ随分遠いようだ。現場まで登るのは諦め、この砂防堰の岩を眺めただけで分岐まで引き返した。
(観音堂分岐は立入禁止)
(落石を止めた砂防堰)

女将さんから「前山への階段道を登るのが嫌なら、「新滝」と「豊年万作」の間に観音堂に登る道があり、ここの道の代わりに整備されたようだよ」と情報をいただき、土産物店街まで下った。「新滝」のすぐ先に、山手に登る細い舗装道があり、入ったところに「月居山登山口」の石碑が立っていた。昔からある登山道のようだった。
ここを登ると、すぐ先で小型レッカー車を使って側溝の修理工事が行われていた。今更引き返すのも嫌なので、作業員にお願いしてレッカー車のキャタピラの上を歩かせて貰って通過できた。作業員さんから「邪魔してすみません」と謝られてしまい「こちらこそ仕事の邪魔をして御免なさい}
(月居山登山口)
(工事中)

ここからの登り道は割合なだらかで登りやすかった。登って行くと屋根が土台から外れた四阿屋があり、ここで当初歩く積りだった観音堂への道と合流した。
(なだらかな登山道)
(倒壊した四阿屋)

合流点の一方の入口には、登り口に立っていたと同じ「落石のため立入禁止」の立札がたっており、下の方で工事の音がしていた。
もう少し登ったところには工事用モノレールの上部駅があった。落石処理もモノレールで資材や廃材を運搬したりするほどの大掛かりなことになっているようだ。
(上の分岐も立入禁止)
(工事用モノレール)

この登り道にもいくらかの階段道はあり、その先には大きな石が5,6個も転がっていた。その上の岩壁には剥がれ落ちた傷跡があり、斜面にはなぎ倒された樹木が横倒しになっており、地震の時に丁度ここを歩いていたら一たまりもなかっただろうとぞっとしながら通過した。
(階段もあり)
(落石群)

鐘撞堂まで登ってすぐに月居山へと向かった。何度も歩いた道を登っていくと、上から元気のいい美女連6人が下ってきた。男体山から歩いて来られたらしく「これから登るんですかあ」と老夫婦を心配してくれる。「そこまででお終いです」と答えると、安心したようにまた元気に下って行った。
(鐘撞堂から月居山へ)
(岩場もあり)

山頂近くの広葉樹は紅葉はまだまだだったが、お日さまを受けて綺麗だった。
城跡広場まで登って、ここでコーヒを飲みながら最後のお休み。
(紅葉はじめ)
(月居山山頂)

月居山からの下り道は、急坂の上に岩っぽいところが多くて気を遣う。ゆっくりと下ると、鞍部に左に分かれる分岐があり、「国道461号」「月居トンネル」の道標と、すぐ先に男体山登山口の石碑が立っているのが見えた。
(岩っぽい急坂下り)
(男体山登山口)

分岐を左折して谷間に下りると、沢沿いに良く踏まれた道があった。どんな籔道を歩かされるかと内心心配していたのだが、これで一安心、気持よく歩くことが出来た。沢沿いを5分も歩くと鉄板の橋があり、その先の茶畑跡の周りを進むとまた別の鉄板橋があった。
(沢沿いに登山道あり)
(2ヶ所に橋あり)

鉄板橋の左下に旧道が見え、舗装されているが道幅は車が交差できるかどうか怪しいほどの狭さだった。少し先から見返すと、これまた狭いトンネルが見えていた。
すぐに旧道に降りるのかと思ったら、擁壁上に作られた柵沿いを100mぐらい歩いてやっと道路に下りることが出来た。
(旧月居トンネル)
(旧道の上を歩く)

後はのんびりと舗装道を歩いて、途中左への分かれ道に入ったらすぐに駐車場所に戻ることが出来た。
今回気にしていた「月居トンネル」分岐からの道を問題なく歩くことが出来たので、帰りに水府のJA直販所に立ち寄って野菜を買い込んで気持よく我家に帰ってきました。
(旧道歩き)
(新月居トンネルの駐車場)



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