Y112.山方の鏡岩ハイキングコース

1.動 機
今日、明日と和子が出かけていて暇である。15時からボランテイアの約束があるのだが、お天気もいいのでそれまで近くの山を歩いてこようと思って、「茨城県の百名山」のリストを開いてみた。No.81に我家でまだ歩いたことがない「山方町鏡岩ハイキングコース」という項があり、ゆっくり歩いても2時間もあれば歩けそうなので、早速ルート図をコピーして出発した。

2.データ
a)山域:鏡岩(145m)
b)登山日:2011/11/7(月)晴
c)コースタイム:
(往路バス)日立自宅 9:20 = 10:10 遊歩道入口 10:15 ---- 10:20 照山展望台 ---- 10:40 車道出合 ---- 10:45 駐車場 ---- 10:45 鏡岩(鏡岩探し) 11:30 ---- 11:40 車道出合(想定道探し) 11:55 ---- 12:00 谷間道 ---- 12:30 尾根道 ---- 12:35 照山展望台 ---- 12:40 遊歩道入口 12:45 = 13:10 常陸太田(昼食) 13:40 = 14:00 日立自宅
(鏡岩ハイキングコース)

(鏡岩ハイキングコースの標高差)

d)同行者:単独
e)地形図:1/25000 「山方」

3.山行記録
ナビの目的地に東谷の鏡岩登山口を入れて発車、R293から県道165に入り辰ノ口堰を過ぎると道幅が狭くなる。対向車を気にしながら走り、ナビに従って山側の道に入ると、大きくヘアピンカーブを繰り返しながら登って行く。目的地に着くと、左への登山道の入口に「照山展望台」「照山遊歩道、至鏡岩1.3km」の道標が立っていた。少し広くなったところの路側いっぱいに車を寄せて駐車し、1.3kmなら大したことないなと思いながら靴を履き替えて歩き出した。
(遊歩道入口に駐車)
(入口の道標)

緩やかな登山道は一部舗装されていたり、歩きやすく整備されていた。5分も歩くと、小高いところに四阿が立っているのが見えて来た。照山展望台だ。上って見ると展望台は柵に囲まれており、後ろにはテーブルとベンチもあった。眼下には蛇行する久慈川が綺麗に見えており、そのはるか向こうには水戸市街の県庁の四角い建物が見え、右手に見えるのは愛宕山から加波山にかけての山並みだろうか。
(照山展望台)
(展望台からの久慈川展望)

展望台を過ぎても広く歩きやすい道が続く。途中に何度も小さなピークがあったが、ハイキング道はどのピークも巻道になっていて、どこまでもなだらかだった。
ただ、GPSの歩径路はNETからコピーした径路よりも随分と東に向かっている。はっきりとした分岐はなかったので間違いはないだろうと判断して、気持よく歩いて行くと、急に目の前が開けて崖下に車道が見えた。だが、車道に下りる道がない! どこかで分岐を見落としたかもと思って引き返そうとした時、もう一度周りを良く見ると、左の籔の向こうに道らしきものが見えた。
(整備されたハイキング道)
(眼下に車道)

籔をはねのけながら少し進んだら、篠竹や草が生えてはいるが、はっきりとした道になった。(この部分だけ余り人が歩いていないと言うことだろうか。)この道を下るとすぐに車道に出ることが出来た。
車道には出たが、鏡岩にはどう行けばいいのか判らず、左右を眺めると、左に50m位登った先に白い道標が見えた。近づいてみると「鏡岩入口、500m」と書いてあった。
(籔漕いで車道に)
(鏡岩の道標)

道標のすぐ先の左に分かれる分岐道を登って行くと突き当たりに「家畜防疫のため、牧場内の無断立ち入りをご遠慮願います」の看板があり、道は更に左に曲がる。
その先でT字路になり、そこにも「鏡岩・右」の道標が立っていた。これだけ道標が整備されているのだから、鏡岩は相当見ごたえのある立派な大岩に違いないと期待に胸が膨らんできた。道標に従って歩いて行くと、どこからか牧場独特の牛の糞の臭いが漂ってきて、右上に牧場の建物が見えて来た。
(分岐道入口)
(次の分岐にも道標)

歩いて行くと、やがて、牧場のものか鏡岩のためのものか分らないが、広い駐車場に入った。牧場側には先ほどと同じ立入禁止の立札があり、駐車場奥には少し古びてはいるが「鏡岩・右」の道標が立っていた。
道標の指す方向は樹叢からすぐに牧場の斜面が立ちあがり、その斜面を綺麗に刈りはらわれていた。その歩きにくい樹叢脇を進むとすぐに広い歩道になった。
(駐車場奥の道標)
(牧場脇の道)

歩道を歩いていくと「茨城県指定天然記念物・鏡岩」の大きな看板が立っており、その後ろに四阿とベンチとテーブルがあった。
四阿の脇には鏡岩の詳細な説明板があった。それによると「石英班岩の岩脈が垂直に貫いて露出している」とあり、巨大な岩壁を見ることが出来るのだと嬉しくなってくる。
(鏡岩の看板)
(鏡岩の説明板)

四阿から石段を下ったところにも鏡岩の白い立札が見えた。苔むして滑りやすい石段を下ったところが平らになっていて、谷側が丸太柵で、山側が金網に囲まれていてこれ以上先には行けそうにない。四阿に戻るとその奥にも踏跡が伸びていたので踏み込んでみたが、何処まで行っても岩壁に突き当りそうにはない。
鏡岩の自力探索を諦めて、牧場の人に教えて貰おうと牧場の中に入って行った。牛は沢山いるが、人は何処にも見当たらない。住居の戸を叩いても返事がなく、諦めて引き返し始めると、牧舎の牛の間からご主人が現れた。
鏡岩を探したが見つからない。柵の下には下りられそうにないが、その下ですか」と尋ねると「柵の脇を下りることが出来る。私が小さい頃は本当に顔が映る程だったんだが、今は朽ちてしまって見る影もない。グライインダをかけて磨いて復元しようと言う話も出たが、やはり自然のままでなければいけないだろうということで朽ち放題、見に来た人はみんながっかりして帰って行く。照山展望台からきたのなら、あの道も最近は歩く人が少なくなって荒れ放題だっただろう」と色々と話してもらえた。
鏡岩を眺めることができそうだと喜んで四阿に戻り、石段を下りて谷側の柵を越え、下の谷間に入って見た。急斜面には薄い踏跡が縦横にあり、滑りそうな足元を懸命に踏ん張りながら右往作往、上ったり下ったりしたが、ついに断崖が見える所には辿りつけなかった。
(下にも鏡岩の看板)
(牧場に道を聞く)

諦めて柵の上に戻ったとき、目の前の鏡岩の立札の脇にある金網の柵に囲まれているものが鏡岩であることにやっと気が付いた。大きさが畳一枚を横にした位の大きさだし、小さく分裂していて一枚岩でもなかったので、大きな一枚岩の岩壁を予想していた私の目には入らなかったのだ。
少々拍子抜けしたが、牧場の御主人の昔話を聞けたし、30分以上も急斜面歩きの訓練をしたのが収穫だと思うことにして、四阿でコーヒを飲みながらゆっくりと休憩した。
(鏡岩はこれだった)

帰りはNETからコピーした地図の赤線の道をたどろうと思って車道をどんどん下って見たが、どこま下ってもガードレールが続いて尾根道に行けるような分岐は見当たらなかった。諦めて車道を引き返し、車道に下りた籔道を登ってハイキング道に戻った。
ハイキング道には戻ったが、やはり、来たときと同じ道を歩くのは面白くないと思い始め、途中、右の谷間に下る踏跡を見つけて踏み込んでみた。急斜面をずるずると下ると、谷筋に薄い踏跡があった。このまま進めば展望台近くに上がれるだろうと見当をつけて歩き始めたが、この沢筋は昔の田圃の跡なのか、物凄く深い泥濘が続いて、うっかり出した足が膝途中まで沈み込んで泥んこになってしまった。
注意深く端の方の踏跡を忠実に辿って進み、踏跡が行き止まったところで左の斜面を攀じ登った。これ又物凄い急斜面で、下の方は湿っていて滑りやすいく、立木にしがみつきながら攀じ登ったので、すっかり汗をかいてしまった。
(籔道漕いで谷間の道へ)
(泥んこの谷間道)

軽いハイキングの積りが結構なアルバイトになり、随分と無駄足を踏んで余分な時間も食ってしまったが、常陸太田で暖かいうどんの昼食を食べても、約束の15時にはゆうゆう間に合うことが出来た。




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