Y113.黒磯抜景と大沢の滝

1.動 機
今日はお天気が良くてハイキング日和だが、和子は明日所用があり遠出はできないと言う。一昨日と同じく「茨城県の百名山」を開いてみて、近場のNo.82「黒磯抜景」が展望も良いらしいので出かけてみることにした。また、黒磯抜景登山口の彫刻の森運動公園の駐車場に着いた時に、そこにあった「大沢の滝」の案内板を見て、この滝にも行ってみることにした。

2.データ
a)山域:黒磯抜景(215m)、大沢の滝(80m)
b)登山日:2011/11/9(水)晴
c)コースタイム:
(往路バス)日立自宅 9:15 = 9:45 彫刻の森公園駐車場 10:00 ---- 10:10 黒磯抜景入口 ---- 10:30 展望所 ---- 10:40 黒磯抜景 10:50 ---- 10:55 町屋分岐 ---- 11:10 林道出合 ---- 11:15 分岐 ---- 13:00 彫刻の森公園駐車場 13:30 ---- 13:55 大沢の滝 14:00 ---- 14:15 彫刻の森公園駐車場 14:30 = 15:00 日立自宅
(黒磯抜景探訪コース)
(黒磯抜景探訪の標高差)

d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「町屋」

3.山行記録
出勤時間帯が過ぎてから我家を出発、R349を北上して久慈川沿いの彫刻の森公園に10時前に到着した。入口の運動公園に広い駐車場があり、綺麗なトイレもある。近くの彫像を見て回り、身支度を整えて10時に歩き始めた。
駐車場には「春友大沢の滝」の案内図が立っていて、1時間で行って来られるとあったので、黒磯抜景から帰ってきたら、この滝にも足を伸ばそうと話し合った。
(彫刻の森公園駐車場)
(彫刻の森)

鎌倉坂の緩やかな坂道を登って行くと、すぐに「黒磯バッケ入口」の道標が左手の分岐に立っていた。予定では少し先の破線の道まで歩くのだと思っていたので意外だった。「抜景」が「バッケ」になっているのも訳が分らなかった。
(鎌倉坂)
(黒磯バッケ入口)

道標に従って左の分岐に入ると、雑木林の中に手入れされた気持のいい遊歩道が続いていた。
緩やかに登って行って稜線に出ると、樹間だが向かいに常陸太田の集落が見下ろされ、脇には一枚岩の絶壁が見えていて、ここが断崖のすぐ上にいることが分って身がすくんだ。
(整備されたハイキング道)
(遊歩道は絶壁の上だった)

更に遊歩道を登って行くと、次の分岐にまた「黒磯バッケ」の道標があったが、その次の道標は「「黒磯抜景へ」になっていた。次の分岐には「春友彫刻の森<>太郎坂」とあり、彫刻の森から直接ここに登って来る道があるようだが、「彫刻の森」方向は籔だった。
「春友彫刻の森」方向は急坂になり、5分程頑張って登ると目の前が開けて、高鈴山を中心にした日立の山並みが見えていた。眼下には常陸太田北部の集落が箱庭のように見えていた。ここが「黒磯抜景」だろうと思ったが、それらしい表示は何も見えなかった。
(道標は黒磯抜景に)
(最初の展望所)

さらにアセビの木が多い遊歩道を上り下りしながら登って行くと、今度こそ「黒磯抜景」らしい展望台に着いた。展望は先ほどの展望地と余り変わりはないが、高度が高くなった分常陸太田の集落がより広く見渡せるようになっていた。また、足下の岩壁の続きの絶壁が左に見えていて迫力があった。
ここには「黒磯バッケ」の説明した紙がビニルシートに挟まれて立木に巻きつけてあった。それには下記の表示があり、「バッケ」と「抜景」との混在の理由が分った。
以前入口の処に「黒磯抜景」と表示されていましたが、これは「常陸太田の自然」という本で使用された当て字で、「黒磯バッケ」が正式な表示です。「バッケ」とは茨城や千葉の一部で使用されている方言で「崖」という意味です。
「抜景」は抜群の景色の意味があると思っていたが違っていた。
(黒磯抜景からの高鈴山)
(抜景=絶壁)

「黒磯抜景」展望台からロープが張られた崖の様な処を下って遊歩道に戻り、少し歩いて行くと、右手に「町屋宿へ」の道標がある分岐があった。下の集落に下りてこの絶壁を見上げてみるのも面白そうだったが、この道もまた籔と化しているように見えた。
この分岐点を過ぎると道は急に広くなって、路面は荒れているが車の轍もある林道になった。
(町屋宿分岐)
(分岐の先は林道)

この林道を歩いて行くと、今度は左手の視界が開けて東海村の発電所の煙突などが見えていた。
更に登って行くと最高点あたりで広い林道に合流した。林道を右に進んでみると、林道は谷の向こうに下っていて、林道沿いの斜面は近年伐採されたばかりらしく、杉の幼木が一面に植栽されていた。
(東海村方向の展望)
(北に向かって下る林道)

合流点に戻って広い林道を進むと、左に通信用の様な電柱があり、その方向に踏跡があった。地形図の破線の道のように思えて入り込んだが、電柱のところで踏跡は消えた。あたりをうろうろしているうちに、下り方向にはっきりとした登山道を見つけることが出来た。
(林道から破線の道へ)
(始めは道があった)

しばらくは気持よく下って行ったが、瘠せ尾根を通過した処で道が分らなくなり、和子に責められて焦りが出たのか、とんでもない谷間に下ったりしながら、あてもなく籔漕ぎを繰り返して30分ばかり汗をかいた。
やっと見付けた道も破線の道とは違っていて、枯れた孟宗竹をバキバキと踏んつけながら強引に歩いて行くと、突然広い林道に飛び出した。この林道は地形図には出ていないが、間違いなく彫刻の森へ向かう谷筋を進んでいるようなので、どんどん歩いて行った。間もなく民家が見えてきて、作業中の人に確認したら「彫刻の森はもうすぐだよ」とのことで一安心。
(道を見失って右往左往)
(最後は林道に出ることができた)

予想外の道迷いの籔漕ぎで時間を費やしたが、朝の話合い通りに大沢の滝にも行ってみることにし、簡単に昼食を済ませて再出発した。
駐車場から久慈川を渡ってR349に出ると、案内板に表示されている通りに国道の向かいに「大沢の滝」の道標があった。この道標はこれから先にも分岐ごとに立ててあったが、田舎道に入ったところの道標は脇の畦道方向を指していて、その畦道に入ったら少し遠回りになった。滝からの帰りに道標通りに歩いてきたら、ここは車道を直進するのが正しかった。
(大沢の滝案内図)
(道標)

少し道を間違えたが、ハイキング道の様な道を歩いて行くと正しい車道に戻り、問題なく滝のところに辿り着くことができた。滝の上流の沢を橋で渡ると、対岸にベンチのある滝展望台があり、そこから更に鉄製の階段で滝壺に下りることが出来るようになっていた。
滝壺の周りは断層のような崖に囲まれており、その正面に大沢の滝が流れ落ちていた。ここのところ雨が少なく豪快さはないが、綺麗な滝だった。
(大沢の滝)

道を間違えて籔漕ぎで汗を流すことになったが、適度な上り下りのある面白いハイキングコースだった。結構充実した気分になって15時頃我家に帰ってきた。




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