Y117.奥久慈縦走路(MAC)

1.動 機
水戸アルパインの11月例会は、奥久慈男体山の麓の表縦走路と裏縦走路を繋いで歩くロングコースの予定だったが、生憎雨が降る天気になったので急遽コースを変更して、大円地登山口から表縦走路を歩いてパノラマラインで帰って来る、時間にしては半分のコースに変更された。久しぶりに雨の中で雨具をつけての行軍だったが、いつもの仲間と歩けばそれなりに楽しい山行になった。山行後は、温泉に入って濡れた身体を温め、リンゴ園で真っ赤に実ったリンゴを賞味して帰ってきた。

2.データ
a)山域:鷹取岩(460m)
b)登山日:2011/11/19(土)雨
c)コースタイム:
日立自宅 6.10 = 6:20 日立電鉄南営業所 = 6:30東海駅 6:40 = 7:15 水戸駅 = 7:50 瓜連 = 8:10 水車 8:20 = 8:40 大円地登山口 8:50 ---- 9:50 曽根三角点 9:55 ---- 10:00 展望岩 10:05 ---- 10:10 鷹取岩 ---- 11:00 釜沢越(昼食) 11:20 ---- 11:45 佐中 11:50 ---- (パノラマライン) ---- 12:30 大円地登山口 12:45= 13:20 滝見の湯 13:50 = 13:55 リンゴ園 14:10 = 14:45 水車 14:50 = 15:45 水戸駅 = 16:30 東海駅 = 16:40 日立電鉄南営業所 = 16:50 日立自宅
(奥久慈縦走コース)
(奥久慈縦走コースの標高差)

d)同行者:水戸アルパイン会員9名(男6、女3)、和子は不参加
e)地形図:1/25000 「大中」

3.山行記録
数日前から、今日のお天気が雨の予報になり、個人の山行なら当然中止にする所だが、バスをチャータしての団体山行は強行するしかない。身内の事情で山行に参加できなくなった和子にバス始発点の電鉄営業所まで車で送ってもらい、東海、勝田と走るうち、フロントガラスを雨粒が打つようになってきた。チーフリーダの下山さんの決定は速い、雨の中を水戸からR118を北上しながら瓜連、山方と仲間を乗せて走りながら「今日は予定を短縮して表縦走路を歩いてパノラマラインで帰って来ることにしたい。予定通りのコースを歩きたい人はいるか」と御下問があったが、反対する人がいるはずもない。3時間程度なら、久しぶりに雨具をつけての歩くのも雨中行軍の訓練になっていいかもしれないと自分に言い聞かせる。
この時、我家の和子から平野さんの携帯に電話が入った(私の携帯はポシェットの中で電源が切れていた)。「居間にザックカバーが転がっているよ」との連絡。この雨でザックカバーなしでは歩けない。「コンビニでビニル袋でも買ったら」との進言が飛ぶ中、「ザックカバーなら2つ持っているわよ。サイズが合えばどうぞ」との後ろの席の飯村さんからの助け船。助かった! 有難く使わせていただくことにした。
R118から滝倉で部落の道に入り、運転手さんの見事なハンドルさばきで狭い道を登っていき、見事にパノラマラインに乗り入れた時には拍手が沸いた。大円地登山口の駐車場に着くと、雨の中の先客は一台だけ。それは富山ナンバの車だった。奥久慈男体山も新百名山に選ばれてからは全国版になってきた。
生憎の雨で、男体山の山頂も紅葉の絶壁もぼんやりとしか見えない。雨が余り強くならない事を祈るのみ。シトシト雨の中、全員雨具をつけての出発だ。
(大円地登山口から歩き始め)
(雨具をつけて歩き始め)

古武屋敷最奥まで車道を歩いて、民家の庭先を通らせていただいて登山道に入る。始め荒れた茶畑の間のなだらかな農道(?)を歩いて行ったが、やがて急登の連続になる。雨具の中はすぐに暑くなってきて、下着が汗で濡れて来る。雨具で外からの雨は防いでも、暑くなって汗で中から濡れて来るのでどうしようもない。杉林の中で雨を避けながら、雨具の下のシャツを一枚脱いだ。
(急登を登り)
(一枚脱ぐ)

紅葉の中を登って行くと、ところどころ展望に利く所がある。遠くの山は見えないが、登り始めに下に見えた古武屋敷の風情は、昔ながらの田舎のたたずまいを見ているようでとても綺麗だった。
何ヵ所かの岩場を登って行ったところにも展望が開けたところがあり、山並みに沈む集落の上を雲海がたなびく風情も一幅の日本画を見ているようだった。
(登り始め古武屋敷展望)
(分岐点近くから雲海展望)

急登を頑張って登って行くと表縦走路に合流し、左大円地越、右入道岩・鷹取岩の道標が立っていた。
今日のコースはここから右に向かうが、その前に左のピークにある曽根三角点に案内された。それは小さな4等三角点で、立木にも「4等三角点」と書いた紙の標識が取り付けられていたが、今までここを通過しても気が付かなかったように思う。このピークは立木に囲まれて展望はあまり良くなかった。
(縦走路に登り着く)
(曽根4等三角点)

合流点まで引き返して入道岩方向に進む。始めのピークの脇が平らな岩場になっていて、目の前にニョキッと頭を出した入道岩が望め、その左の鷹取岩の大岩壁が見えていた。岩場にへばりつくように生えている木々が紅葉していて、陽が当たっていればとてつもなく綺麗な風景になりそうだが、今日の薄靄に煙る風情も悪くはない。
入道岩展望のピークから下り、岩場を攀じ登っていくと鷹取岩のてっぺんに出た。
(鷹取岩と入道岩)
(岩場を登って)

鷹取岩からは、目の前に入道さまの顔を正面に見て、その右に先ほどの展望岩、後ろに曽根三角点の岩峰が見えていて壮観である。天気が良ければその上に、男体山と女体山も見えるのだが、今日はそれらは完全にガスに隠されていて入道岩が強調されている。
(鷹取岩から入道岩と三角点峰)

鷹取岩からの展望を楽しんでからは、一路釜沢越までひたすら歩く。広葉樹林や杉の植林の中を何度も上り下りをくり返し、急坂を下ってやっと鞍部について今度こそは釜沢越だろうと思っても、また次の登りが待っている。表縦走路は何度か歩いたことがあるが、こんなに上り下りがあるとは想定外だった。
その上り下りも、急坂である上に、片側は千尋の谷だ。落葉の下には木の根っこが隠れていて、雨の中でうっかりこれを踏んで足を滑らせたら只では済まない。慎重に歩を進めた。
(何度も登って)
(何度も下って)

紅葉した広葉樹林を下って行くと、前を歩く仲間の足が止まった。やっと釜沢越に到着したのだ。鷹取岩から50分が経っていて、時刻は11時。今朝は早出だったので、みんなお腹が空いている。峠のすぐ上に小さな祠を守るように大きな山桜の木が立っており、そのそばが雨宿りに良さそうなので、めいめい適当に陣取って弁当を広げた。
ここからパノラマラインに下り着くまでの間、私にトップで歩けとチーフリーダの命令が出た。ここを私が最後に歩いたのはもう10年も前のことで、どんな道だったか記憶は定かではないが、そんなに苦労した記憶もないので気楽に引き受けて先頭を歩いた。
(釜沢越の山桜)
(前方から撮影)

ところが、ここから150mの下りは結構な急坂も出てきて、ペースが速くなり過ぎないように気を遣った。一本道だと思っていたが、途中に分岐が一ヶ所あって、これに気が付かないで間違い道に入りそうになって後ろからストップがかかる一幕もあった。
大震災の被害らしい崩落個所もあって、脇道を倒木を跨ぎながら下ったり、笹籔の中の急坂を笹に掴まりながら下る所もあった。若かった10年前には何でもなかった道も、今の歳では結構苦労させられる道になっていた。
(崩落場所回避)
(急坂下り)

思いがけず嶮しかった急坂を30分近く下ってパノラマラインに降り立ち、冷や汗もののリーダ役からやっと解放された。
ここから大円地登山口までは3kmほどパノラマラインの舗装道路を歩いて帰った。震災で崩れた路肩などの復旧工事中のため通過する車は殆んどなくて、会話を楽しみながら気持よく歩くことが出来た。
(佐中に到着)
(パノラマラインを歩いて戻る)

大円地登山口に到着したのは12時半、当初予定は16時だったので3時間半早かった。このまま帰ったのでは早過ぎるので、余った時間、予定になかった入浴と林檎狩りを各自払いですることになった。
日帰り温泉「滝見の湯」は部落の温泉で、350円とお安いうえに、温泉なので雨と汗で冷えた身体を芯まで暖めてくれて元気が出た。
次のリンゴ園では林檎狩りはしなかったが、取りたてのふじ林檎をしっかりと試食してからお土産に買いこみ、サービスに盛りを過ぎて真っ赤に熟れた陽光林檎を一個づつもぎ取らせてもらった。今日の集合記念写真は、ここの鈴なりの林檎の木をバックに撮ったものに決まったのでした。
(リンゴ園に寄道)
(リンゴ園で集合写真)





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