Z21.高鈴山けんちんの集い

1.動 機
 水戸アルパインクラブの2月例会は、当初は各自好きな登山口から登って高鈴山頂に集まろうと言う単純なものだったが、リーダの平野さんが計画を練り直し、集まった全員に味噌汁を作って振舞う事にし、メインコースとして日鉱記念館から高鈴山に登って日立駅に下るコースを設定した。今年は例年にない強い寒波が襲ってきて連日物凄く寒い日が続いたので、山頂に集まってきた仲間は日鉱記念館から6名、御岩神社から3名の合計9名だけだったが、味噌汁に代わって熱くて美味しいけんちん汁や甘酒が振舞われ、他にも各自自慢のケーキや沢庵、果物などが出てきて、賑やかで楽しい昼食会になった。

2.データ
a)山域:高鈴山(623m)
b)登山日:2012/2/5(日)晴後曇
c)コースタイム:日立自宅 8:05 ---- 8:15 大甕駅 8:21 = 8:31 日立駅 8:42 = 9:05 日鉱記念館前 9:15 ---- 9:40 神峰山分岐 ---- 10:10 御岩山 10:15 ---- 10:35 四阿 10:40 ---- 10:45 高鈴山山頂 10:50 ---- 10:55 四阿(けんちん汁) 12:20 ---- 12:30 五辻 ---- 13:10 百体観音 13:15 ---- 13:40 おむすび池 ---- 14:00 展望台 14:05 ---- 14:10 助川山 ---- 14:30 ---- 14:45 助川城跡分岐 ---- 15:00 最初の民家 ---- 15:10 R6 ---- 15:35 日立駅 15:44 = 15:53 大甕駅 ---- 16:05 日立自宅
(高鈴山縦走ルート)
(高鈴山縦走ルートの標高差)

d)同行者: 水戸アルパイン会員7名、和子
e)地形図:「町屋」

3.山行記録
 大甕駅で後藤さんと合流して電車に乗ったが、水戸から来る筈の他の仲間の姿はない。日立駅で電車を降りて改札口を出ると、3人の男性会員平野さん、藤枝さん、軽部さんが待っていた。一つ早い電車に乗って来て、新日立駅の展望喫茶でモーニングコーヒを飲みながらゆっくりと展望を楽しんでいたとのことだった。太平洋の荒波を眺めながら飲むコーヒは美味しくて、早起きは3文の得だったらしい。
 6人揃って駅前に出て、東河内行きのバスに乗った。後の三人下山さん、弓野さん、康子さんはマイカーで御岩神社に集まって登って来る。バスの中で身支度をして、日光記念館前のバス停でバスを降りて、軽く準備運動をして歩き始めた。
 ここから山頂までは'09年10月に我家があかさわ山荘から登ったと同じコースである。大きく蛇行する旧道を登っていくと山神社が見えてくるが、今でも入口扉は施錠されたままだった。神峰山登山口の標識を過ぎて一登りすると神峰山−高鈴縦走路に出る。
(日鉱記念館前から歩き始め)
(旧道を登り)

 縦走路を高鈴方向に向かい、急坂を下って向陽台からの登山道を合わせると、向陽台から賑やかな声が聞こえて来た。長いロープを担いで元気よく追い越して行っただ団体のヘルメットには「のんびり」の字が読めた。夏山に備えて御岩山の岩場でロープワークの講習会をするのだろうと思われ、水戸アルパインクラブでも一昨年大キレット縦走の準備にここで講習会が開かれた事を思い出す。
 途中、御岩山の山頂・賀毘禮の峰に立ち寄ってみたら、のんびりの皆さんが岩登り装束の準備中だった。そのなかに、和子と顔見知りの森山在住の奥さんがいて話が弾み、遠くから平野リーダの「道はこっちだよ」と催促の声が飛んできた。
 高鈴山までのこの登山道には急坂が何か所もあるので、もし雪が積もっていたら大変だなと思ってアイゼンも持ってきていたが、幸い積雪無しで問題なく登ることが出来た。
 1時間20分で四阿に登り着くと、周りにうっすらと雪が残っているが、風がないので寒くはない。寒風を覚悟して何枚も防寒着を持ってきたが要らなかったようだ。四阿には御岩神社組が担ぎあげた食材や水が置かれているが、仲間の姿はない。山頂で待っているのだろうと、ザックを置いて空身で山頂に向かおうとして、ふと道の向かいを見ると、下山さんが気持よさそうに御昼寝中、起こして一緒に山頂に登った。
(神峰-高鈴縦走路)
(山頂の四阿)

 天気がいいので、山頂からの展望も素晴らしく、山頂で待っていた康子さん、弓野さんと一緒に山座同定にワイワイガヤガヤ、あとから登ってきた別のグループと集合写真の撮り合いをして四阿に下った。
 四阿に戻って早速昼食の準備が始まった。平野さんの大きなザックからは、卓上コンロや大きな鍋など色々と出て来て、康子さんが下準備した食材でけんちん汁の準備が始まり、その他に紀夫さんが甘酒も作りますよとのこと。
(山頂から展望を楽しむ)
(けんちん汁の始まり)

 お腹が空いて、けんちん汁が出来上がるまで待ちきれない雰囲気、私の沸かしたお湯でコーヒやココアを飲みながら、和子手づくりのケーキをみんなで平らげた。空腹もあって、このケーキはなかなか評判が良かった。
 他の仲間のザックからも、沢庵やキウイ、色々なお菓子など出てきてテーブルはいっぱいになった。
(手づくりケーキ)
(沢庵や果物)

 そのうち平野夫妻のけんちん汁が出来上がって、みんなに振舞われた。熱くて味も絶品、豚肉もいっぱい入っていて美味しい! 3杯もお代わりして、おにぎりは一個だけでお腹いっぱいになった。久しぶりの甘酒も甘くて美味しかった。みんなも満足顔で「又やってね」。
 今回の山行の評判がこれほど良かったのは、ひとえに平野夫妻のご尽力のたまものだが、もう一つ、お天気が良くて風もなく、昨日までの寒さが嘘のような気象条件になったことも大きい。晴れ男平野の面目躍如たるところであった。
(平野夫妻大活躍)
(大好評のけんちん汁)

 賑やかで楽しい1時間半の昼食会が終わって下山開始。「ザックは軽くなったが、お腹が重くなっちゃった」の声が聞こえてくる。
 御岩神社組は車が置いてあるので、また神社に向かって下っていったが、日鉱記念館組はここから日立駅まで歩いて下る。コースは去年2月の高鈴縦走の時のコースと山根分岐まで同じである。あの時は残雪があって足元が滑りやすくて怖かったが、今回は雪が全くなくて気持よく下ることができた。
(下山開始)
(お腹いっぱいで快調に)

 途中には、赤いツルウメモドキやアオキの木の実が綺麗だった。歩いていると私にはなかなか気が付かないところに成っていたが、動植物に詳しい藤枝さんがよく気が付いて、一つ一つ教えて貰えた。私はシャッタ係。
(つるうめもどき)
(あおき)

 途中、百体観音で休んで歴史の勉強をし、おむすび池でお休み中の家族連れと挨拶して助川山方向に下っていくと、真新しいトイレの建物があった。中を除いてみると、太陽光利用の新方式のバイオトイレで綺麗だった。あとで勉強したら、この方式ノトイレは福島第一原子力発電所の作業員休憩所にも導入されているらしい。
 女性陣がトイレの使い勝手を実験中に、そのさきの高台に上がって展望を楽しんだ。助川山頂よりも展望範囲が少し狭いが、風神山から日立市街までの太平洋の展望が広かった。
(バイオトイレ)
(助川山手前の展望台)

 展望台を下ったところの森のトイレで小用を足している間に、皆さんの姿が見えなくなった。遅れを取り戻そうと足早に助川山に直登して行ったが、山頂には仲間の姿がどこにも見えない。電車の時間を気にして助川山をパスして下っていったのかと思って、大急ぎで助川山を下って林道をどんどん歩いて行ったが、どこまで行っても追いつかない。ポーチの中を探ると幸いに携帯が入っていた。平野さんに「今どこ?」と電話すると、「助川山の山頂にいるよ」とのこと。皆さんは助川山をぐるぐる巻きに登るでんでんむし道をゆっくりと登っていたので、直登した私は気が付かないで追い越してしまったのだった。
 いつもの早とちりで助川山に2度登るはめになり、ひと汗かいて助川山に登り返して皆さんと合流、少し休ませてもらってから次に向かった。
 林道を下って助川城址公園への分岐まで来て、我家が先月ここから右の石切山に登った話をしようと思ったが、認知症の進行で「石切山」の名前が出てこない。山名を思い出したくてじりじりしていると、藤枝さんも最近友人に連れられて、ここから林道を歩かないで右の柵を越えて籔漕ぎをしながら高鈴山に登っていったことがあると驚くような告白があった。
(助川山)
(助川城址への道)

 山根の集落に下り、電線工場などの工場の並ぶ工都の道を歩いて国道6号に出た。
(山根へ下る)
(工都を歩いて)

 国道6号からは日立銀座の通りを歩いて行ったが、今日は日曜日なのに人通りは殆んどなくシャッタを下ろした店も多くて、久しぶりに銀ブラの雰囲気を味わうという訳にはいかなかった。
 15時35分に日立駅に到着して10分後に入ってきた電車に乗って、楽しかったけんちん鍋高鈴山行はお開きになった。
(日立銀座を通って)
(日立新駅)





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