Z25.磐梯スノーシューハイキング

1.動 機
 水戸アルパインクラブの2月例会は磐梯山のスノーシューハイキングだったが、お天気が今一つで、磐梯山に登るのは止めにして、一日目猫魔ヶ岳、二日目赤埴山を歩いて来た。スキ―リフトを活用した楽チンハイキングで、久しぶりにスノーシューを履いていつもの仲間と賑やかに雪景色を楽しんできた。インフルエンザから回復しない寒さ嫌いの和子は不参加。

2.データ
a)山域:猫魔ヶ岳(1404m)、赤埴山(1430m)
b)登山日:2012/2/25(日)晴、26日(月)曇
c)日程:
2/25:日立電鉄南営業所 = 5:30 水戸IC = 7:50 猪苗代IC = 猫魔スキー場 9:30 ---- 猫魔ヶ岳 ---- 13:45 猫魔スキー場 = ホテル(泊)
2/26:ホテル = 猪苗代スキー場 9:20 ---- 赤埴山 ---- 沼の平 ---- 赤埴山 ---- 14:40 猪苗代スキー場 14:55 = 15:10 猪苗代IC = 15:30 磐梯熱海(入浴・夕食) 17:45 = 20:00 水戸IC = 21:10 日立電鉄南営業所
(磐梯山スノーシューハイキングの軌跡図)

d)同行者:水戸アルパイン会員11名(男6、女5) 和子は不参加
e)地形図:「磐梯山」

3.山行記録
1日目(2/25):猫魔ヶ岳
アクセス:日立自宅 4:00 = 4:10 日立電鉄南営業所 4:15 = 4:40 勝田駅 4:45 = 5:05 水戸駅 = 5:30 水戸IC = 6:10 中郷SA 6:20 = 7:50 猪苗代IC = 8:10 コンビニ 8:15 = 8:50 猫魔スキー場
 3時過ぎに起きだして、まだ風邪が抜けきらない和子の運転でバス会社の営業所まで送ってもらうと、参加者は12名の筈だが大型バスが待っていた。今日はデラックスバスでの大名旅行だ。顔なじみの運転手さんと談笑しながら東海、勝田、水戸と仲間を乗せて水戸ICから常磐道に乗り、磐越道に入ると両側に真っ白な雪化粧をした風景が続く。「磐越道は昨日大雪のために一部通行止めだった」との話も聞こえてくる。朝食のパンを頬張りながら、青空の下での雪景色を楽しんでいると、西に向かうにつれて曇り空になり、楽しみにしていた安達太良山は望めなくなった。
 猪苗代ICに近づいても磐梯山は雲の中、今日は磐梯山に登り明日猫魔ヶ岳に登る予定だったが、磐梯山からの展望を楽しみたいので、明日の好天を期待して磐梯山を明日に入れ替えることになった。今年は原発事故の風評被害で来場者が少なく、磐梯山に一番近くまで上がれるミネロスキー場のリフトは平日は運転休止との噂なので、明日のリフトの運転予定を確認するためミネロスキー場に立ち寄った。ミネロスキー場の休止は下の部分だけで、上のリフトABは明日も運転されており、猪苗代スキー場のファミリーリフト@で上がれば連絡路を歩いてリフトABに乗ることができるとの情報を得て、バスは裏磐梯の猫魔スキー場へ向かった。

1日目山行:猫魔スキー場 9:30 =(リフト)= 9:40 リフト降場 9:45 --- 11:05 猫魔岳 11:25 ---- 12:00 肩(昼食) 12:20 ---- 12:45 八方台分岐 ---- 13:00 ゲレンデ上端 ---- 13:20 ゲレンデ入り 13:25 ---- 13:45 猫魔スキー場 14:00 = 14:15 ホテル(泊)
(猫魔周回ルート)
(猫魔周回ルートの標高差)

 猫魔スキー場に着いてレストハウスのトイレを使ってリフト乗り場へ歩く。多くのスキーヤに交じって長さ1100mのトリプルリフトに二人づつ乗って標高差300mを一気に稼ぐ。風防カバーが付いているので冷たい風が避けられて助かった。
 リフトを降りる時、シートに引っかからないよう滑り易すそうなバーンを走りぬけ、スキーヤの邪魔にならないところまで移動してスノーシューを着けた。
(リフト乗り場へ)
(リフトを降りてスノーシュー装着)

 スキー場上部を過ぎて、左にゲレンデを見下ろしながら少し下ると樹林帯になり、樹氷の芸術の中を歩くことになる。常に北風が吹いているらしく、枝や幹の北側に綺麗な狐の尻尾ができていた。
(スキー場を抜けて)
(樹氷林の中を進む)

 粉雪が舞う中を歩いて行くと、目の前に時々猫魔ヶ岳の山頂が見えてくる。緩やかな斜面だが、久しぶりのスノーシューを踏ん張りながら歩くのは結構なアルバイトで、すぐに汗ばんでくる。気温もマイナス2℃程で、風もなくてそれほど寒くない。
 一枚脱いで頑張って歩き、やっとピークに登り着いたと思ったら、猫魔ヶ岳の山頂はもう一つ先だった。なだらかに歩いていってやっと猫魔ヶ岳山頂に到着した。ここは一等三角点の山で、山頂からは360°の展望があるところだが、今日は残念ながら周りは粉雪で一面白の世界、雄国山や雄国沼は全く見えず、磐梯山の一部がわずかに姿を現しただけだった。集合写真を撮って次に向かう。
(頑張って登る)
(山頂はもう一つ先)

 猫魔ヶ岳から八方台に向かう斜面は急斜面なので、うっかり足を滑らせると谷底まで落ちかねない。元気な女性がリードしてきた別のグループはここから引き返して行った。我等のリーダは二人でロープを張ってくれ、みんなこれを持ちながら慎重に下っていった。急斜面は2ヶ所続き、2ヶ所目では慣れてきて、尻セードを楽しむゆとりもできて来た。よちよち歩くよりも、ズルズルっと滑り降りる方が気持がいい。
(急斜面下り)
(急斜面下りが続く)

 急斜面を下ると緩やかな斜面になり、後ろから滑ってきたボーダーが左の谷間への急傾斜へとシュルシュルっと滑リ下りていった。木々の間を巧みにすり抜けながら滑降して行く。スノーボードでこんな樹林を滑り降りるのを初めて見たのでびっくりし、写真に撮りたかったがカメラを構える暇もなかった。
 瘠せ尾根の先で昼食をとり、八方尾根への道から左に曲がってスキー場方向に曲がった。
(八方台方向の瘠せ尾根)
(スキー場方向へ)

 スキーゲレンデの上部にきてから、左のブナの樹林帯の中に入っていった。ブナ林の中はふかふかの新雪で、前の人が通らなかった新雪を踏みながらあっちこっちと気持よく下っていった。
(スキー場脇のブナ樹林帯を下る)

 やがてゲレンデに出ると固まった雪面になり、これはこれで歩きやすくて気持がいい。スキーヤやボーダーを眺めながら下っていった。
 やがてリフトのあるところに出て、リフトに沿って歩いて行くとすぐにリフト乗り場のところに帰り着いた。4時間ほどの楽ちんハイキングでした。
(スキー場に出る)
(リフトに沿って下る)

 バスに乗って裏磐梯のホテルに入ると、今日が日曜日の所為か人影まばら、すぐにガラガラの浴場に入って身体を温めた。お湯は温泉ではないらしいが、広い明るい浴槽は気持ちがいい。外には小さな沼が見えていたが、山はまだ雲の中だった。
 大広間での夕食は豪華な牛シャブの御馳走、美味しく楽しく頂戴しました。
(ホテルの窓から)
(豪華な夕食会)

 

2日目(2/26):赤埴山・沼の平
 朝起きると、空には一部青空も見える好天気で。磐梯山や猫魔ヶ岳の山頂も見えていた。今日は展望のハイキングが出来そうだと元気が出て、バイキングの朝食を腹いっぱい食べてからバスに乗った。
 裏磐梯から猪苗代に向かうと、初めは磐梯山など周りの山が綺麗に見えていたが、表側に回るに従って雲行きが怪しくなり、猪苗代スキー場に着いた時には、磐梯山の山頂は雲の中になっていた。
(朝は青空、磐梯山も猫魔ヶ岳も見えていた)


2日目山行:猪苗代スキー場 9:20 = ( リフト@ )9:30 = (リフトA )9:45 = (リフトB )9:50 ---- 11:00 赤埴山 11:10 ---- 11:40 沼の平 11:55 ---- 12:25 赤埴山 ---- 13:00 リフトB降場 ---- 13:20 リフトB乗り場 13:50 ---- 14:15 リフトA乗り場 14:25 ---- 14:40 猪苗代スキー場
 リフト@ :はやま#3 リフトA :ミネロ#3 リフトB :ミネロ#4
(赤埴山沼の平往復ルート)
(赤埴山沼の平往復ルートの標高差)

(赤埴沼の平往復ルート)

 今日は月曜日で平日なので、猪苗代スキー場の下のゲレンデも空いていて、待つこともなく、はやま第3ファミリーリフトに乗る。ゲレンデの中を上がるはやま第3リフトから降りて、ミネロ第3リフトまでの下りの連絡路を壺足でよちよち歩いて行く。
(はやま第3リフト)
(連絡路)

 ミネロ第3リフトは樹林の上を上がっていく。長いリフトで高度を稼ぎ、連絡路を第4リフトの乗り場へ歩いたが、半分はゲレンデを横切ることになり、後ろからや上からのスキーヤやボーダーに気を遣いながら急ぎ足で歩き抜けた。
(ミネロ第3リフト乗り場)
(連絡路)

 第4リフトの乗り場からは猪苗代湖や猪苗代の街を見渡すことができた。
(ミネロ第4リフト乗り場から)

 展望を楽しんでいる間に、仲間の間に数人のボーダーが入ることになったが、混乱を起こすほどの事はない。第4リフトを降りてから、やっとスノーシューを着けて今日のスノーシューハイキングの始まり、始まり。
(ミネロ第4乗り場)
(スノーシュー装着)

 ミネロ第4リフト降場から猪苗代スキー場の天の庭ゲレンデへは長く狭い連絡路があり、トラバース気味に歩いて行く。何人かのスキーヤやボーダーが追い越して行った。
 天の庭ゲレンデの上に来ると、下に運転停止しているリフトが見えていた。この天の庭ゲレンデを滑る人はミネロ第3第4リフトを使うことになるらしい。
 休止リフトを通り過ぎたところから右の赤埴山への斜面を登り始めた。いよいよ磐梯山への登山開始だ。
(猪苗代スキー場連絡路)
(赤埴山への登山開始)

 始め急斜面をジグザグに登りると傾斜が緩やかになり、樹木が低くなって視界が広がる。ただし、粉雪が舞って、猪苗代湖も磐梯山も綺麗には見えてくれなかった。
(急斜面の登り)
(山頂近く)

 赤埴山の山頂に登り着くと「二合目赤埴山」の標石があった。磐梯山の山頂を富士山に敬意を払って五合目にしての道標らしい。
 空模様が益々悪くなって磐梯山は粉雪に霞んでしまい、風も強そうなので磐梯山に登るのは中止ということになった。磐梯山をバックにした集合写真が撮られたが、多分、磐梯山は写っていないだろう。
(赤埴山山頂は磐梯山二合目)
(かすかに磐梯山)

 磐梯山登頂は止めになったが、沼の平までは歩いてこようと、赤埴山を下り始めた。こちらの斜面は急斜面続きで、ところどころには段差もあってスノーシューで苦労する所もある。そんな所はみんな尻セードで下って大はしゃぎになる。
 誤って転んだ拍子にストックの輪っぱが雪の中に取られてしまい、雪の柔らかいところでは片方のストックは役立たずになり、これから先、何度も転んでは起き上ることを繰り返して苦労することになった。
 急斜面を下り切って地形図の破線の巻道と合流する所に、「猪苗代登山口−磐梯山」の道標が殆んど雪に埋もれた姿で立っていた。磐梯山に猪苗代側から登る夏道のメインルートになっているらしい。
(赤埴山から下る)
(尻セードも)

 尾根を下り切って登り返す所に、二つ目の「猪苗代登山口−磐梯山」の道標があり、これを見て更に尾根道を歩いて行くと、目の前にただっ広い雪原が広がった。左の磐梯山の斜面に沼の平の崩壊壁を眺めながら気持よく歩いて行った。
 広い雪原を適当に歩いているのだろうと思いながらリーダの後ろに付いて歩いて行ったのだが、後で記録されていたポケナビの軌跡を見直してみると、二つの沼を避けて丁度その間を選んで歩いているのだった。広い雪原の中で何を目印にするのかわからないが、神技の様なルートファインデイング力である。
 沼の平のどん詰まりで風を避けながら昼食休憩を取り、ゆっくりと休んでから往路を引き返すことになった。
(沼の平を歩く)
(沼の平の崩壊壁)

 沼の平の雪原とダケカンバ林の尾根を歩いて二つ目の「猪苗代登山口−磐梯山」の道標のところまで来ると、目の前に赤埴山の三角錐の山容が聳えて見えた。わずか70m程の登りに過ぎないのだが、スノーシューを付けた重い足には随分と高く見えた。
 後ろに見える磐梯山を振り返って、正直「あそこに登らないことになって良かったね」と話あった。
(赤埴山へ引き返す)
(磐梯山)

 赤埴山に登り始めると風が強くなり、強風が雪面の粉雪を巻き上げて先行する仲間の姿を時々隠すようになってきた。余り遅れないようにシャッタ押しは適当にする。
 赤埴山山頂に登り着いても立ち止まることもなく通過して行った。
(巻上がる粉雪)
(赤埴山通過)

 山頂から少し下った平原部では風が益々強くなって、眼鏡も吹き飛ばされそうになった。沼の平では積雪が3mもあったのに、ここでは雪が吹き飛ばされて地面の岩がむき出しになっており、いつも強風が吹き荒れていることを証左していた。気温もマイナス7℃と寒く、顔を風からそむけながら皆さんの後を追った。
 赤埴山の急斜面を下り切り、連絡路を歩いてミネロ第4リフト降場のあるミネロ大回転コースのゲレンデの上部まで来て一息入れた。登りはここまでリフトで上がってきたが、下りはここから長い長いスノーシューハイキングの始まりである。
(物凄い横風に耐える)
(ミネロ大回転コースへ)

 初めはゲレンデを避けて右手の樹林帯に入って、ふかふかの新雪の中を下っていった。私は片方のストックが役立たずなので歩きにくく、尻セードで滑ろうとするが、深雪の中では尻が埋もれてなかなかうまく滑らない。
 ゲレンデを滑るスキーヤが殆んどいないのを見て、途中からゲレンデに出ると、雪面がある程度固まっていて尻セードの調子が絶好調、皆さんも次々と出てきて尻セードのオンパレードになった。ミネロ第4リフトの乗り場のある樹林帯の下端で、尻セードが嫌いな人が樹林帯の中をスノーシューで歩いて降りて来るのをしばらく待っていたが、その待ち時間は20分近くもあり、尻セードの威力は絶大だったのだ。
(樹林帯の尻セード)
(ゲレンデの尻セード)

 待っている間、下の展望が段々と良くなってきて、川桁山や猪苗代湖が見渡せるようになって、目を楽しませてくれた。
(樹林帯出口からの展望;川桁山から猪苗代湖)
 ゲレンデの端を歩いてミネロ第3リフト乗り場まで下ってからは、連絡路を登っていって猪苗代ゲレンデを歩く積りだったが、ここから猪苗代のセンタハウスまで直接下る連絡路が分れていた。時々下って来るスキーヤやボーダーと一緒に固い雪面を歩いて行くと、15分程でセンターハウスに到着して今回のスノーシューハイキングが終わりになった。 
(ミネロ第3からの連絡路)
(猪苗代スキー場へ到着)

帰途:
猪苗代スキー場 14:55 = 15:10 猪苗代IC = 15:20 磐梯熱海IC = 15:30 日帰り温泉 16:35 = 16:40 とんかつ屋 17:45 = 18:00 磐梯熱海IC = 19:00 関本PA 19:10 = 20:00 水戸IC = 20:25 水戸駅= 20:40 勝田駅 = 21:10 日立電鉄南営業所 = 21:20 日立自宅

 猪苗代スキー場のセンタハウスの駐車場で、待っていたバスに乗り込んで帰途に着いた。猪苗代の街まで降りると、赤埴山の向こうに磐梯山の山頂が綺麗に見えていたが、この麗峰を見上げても「あそこに登れなくて残念だった」という声は聞こえてこなかった。
 帰途、磐梯熱海の日帰り温泉で身体を温めて、リーダお勧めのとんかつ屋で美味しいとんかつを頂いて一路茨城に向かった。2日間の楽しい雪中ハイキングでした。
(バスの車窓からの磐梯山)

 



inserted by FC2 system