Z46.猿壁山と足尾山

1.動 機
茨城県の里山で県央部に残っている山に猿壁山(さっかべやま)という山がある。足尾山の西麓にある標高242mの小さな山で、地形図を見ると足尾山まで繋がる破線の道の途中にある。この山にだけでは登山にはならないが、足尾山と組み合わせれば結構歩き甲斐のあるコースが作れる。足尾山に西側から登ることは余りないので、いつもの水戸アルパイン三人娘さんにお誘いを掛けたらまた一緒してもらえることになって、賑やかな山行を楽しむことができた。

2.データ
a)山域:猿壁山(242m)、足尾山(628m)
b)登山日:2012/4/21(土)晴
c)コースタイム:日立自宅 8:00 = 8:15 日立南IC = 8:45 笠間西IC = 9:00 羽黒駅 9:30 = 9:50 林道駐車場所 10:00 ---- 10:20 登山口 10:30 ---- 10:50 猿壁山 11:10 ---- 12:05 靖国神社 ---- 12:55 足尾山(昼食) 13:45 ---- 13:50 カタクリ群生地 14:05 ---- 14:15 近道分岐 ---- 14:45 一本杉峠道合流 ---- 15:20 龍明 ---- 15:50 近道探索 16:00 ---- 16:10 林道駐車場所 16:25 = 16:40 笠間西IC = 16:45 笠間PA 17:10 = 17:35 日立南IC = 17:50 日立自宅
(猿壁山足尾山周回ルート)
(猿壁山足尾山周回ルートの標高差)

d)同行者: 水戸アルパイン女性会員3名(深谷さん、福地さん、高橋さん)、和子
e)地形図:「加波山」

3.山行記録
 福地さん、高橋さんが電車で到着する時間に合わせて羽黒駅に集合し、二人を乗せた深谷さんの車と2台で猿壁山の登山口に向かう。川本車のナビに地形図の破線の道が林道に交差するあたりを設定して走って行くと、小山田集落から林道に入ったすぐのところに広い駐車スペースがあった。登山口までまだ1.5kmもあり少し遠いが、この先の林道に駐車適地があるがどうかわからないのでここに車を停めて歩き始めた。
 歩き始めてすぐのところに猿壁山より上に出る破線の道が右に分れていた。この道がいい道なので「猿壁山の下の破線の道もこんな歩きやすい道かもしれないね」と話しながら林道を歩いて行ったが、道らしきものは見つからない。しばらく行ったり来たりしたが、結局、ナビで破線の道と思われる地点にあった笹籔の中の薄い踏跡に突入した。
(林道の路側に駐車)
(思いきって踏み込む)

 踏跡は籔の中ですぐに消えてしまったが、方向を変えて尾根に上がると、下からはっきりとした道が上がってきていた。最初から尾根から取り付いた方が良かったのかもしれない。植林の中の尾根道はすごい急登、立木に助けられながら頑張る。
 山頂部に上がると、笹が刈りはらわれたところに、小石で囲われた四等三角点がすぐに見つかった。山名板は見当たらないので、紙に「猿壁山」と書いて証拠写真を撮った。日当たりが強くて写った写真では殆んど判読できなかったが。
(籔漕ぎの先は急登)
(猿壁山三角点)

 猿壁山は足尾山の一つの肩のようなところで、少し下ってから登り始める。始めはいい道だったのだが、いつの間にかまた籔になる。その籔を分けると道が現れ、ほっとするとまた籔になるのを繰り返し、お嬢さん方には申し訳ない様な山行になった。
 籔を漕いで行くと、立木がない防火帯の様な広い道に出て、目の前に足尾山が望めるようになった。広い草地の道にはもうワラビが芽を出しているのが目に入った。しばらくワラビ採りを楽しみながら賑やかに登って行った。
(時々籔漕ぎ)
(ワラビ採り)

 防火帯(?)の先では、道傍の茂みの中に赤いヤマツツジがもう咲いていて目を楽しませてくれた。その先で身の丈程もある篠竹を掻き分ける道を通過すると、上から単独行の男性が下ってきた。聞くとこの足尾山の西斜面が好きで、ルートに赤テープを付けながらこれまで10回以上も通っており、今日は龍明集落から周回している途中とのこと。この道では滅多に人に出会うことがなく、こんな集団登山に出会うのは初めての事なのでびっくりしたとのこと。
 「猿壁山」は土地では「さっかべ山」と呼ばれていること、この上に壊れてはいるが「靖国神社」があること、足尾神社にお参りするなら山頂に上がる前に左に分かれるいい道があること、龍明に下るのなら一本杉峠まで行かないで途中から右に下る歩きやすい近道があること、一本杉峠からの道と合流したら車道に出ないと破線の道は籔で苦労することなど、色々と有益な情報を頂戴した。三人娘さんの聞き上手の賜物でもある。
 登山道を登って行くと、すぐに倒れかかった「靖国神社」と「豊城入彦命」と刻印した石柱があり、石段の上の平地には以前は靖国神社を形作っていたいたらしい石材が積み重ねられていた。戦前は東京の靖国神社にお参りする代わりに大勢の人がここまで登ってきていたのかもしれないが、戦後は靖国神社参りが減ってしまったのだろう。
(登山者に遭遇)
(靖国神社)

 山頂に近くなると斜面に岩が目立つようになり、岩の裂け目に根を張りながら懸命に生きている古木の姿が感動的だった。
(巨岩を割った古木)
(石の道になる)

 足尾神社への分岐点に来たが、今日は神社にお参りするのは止めにしてここで一休み。すぐ下のフライト地点から飛び立ったパラグライダーやハングライダーを眺めながら、「気持よさそうだねえ、でも怖そうだよね」
 少し登って山頂部の足尾神社本殿(葦穂神社)にお参りした。去年4月に見た壊れて痛ましい姿の神殿の土台や柱などは一応の整理がされていた。冷たい風を避けて日当たりのいい石垣の脇でゆっくりと弁当を広げ、本殿の前で集合写真を取ってから一本杉峠方向へと下山にかかった。
(パラグライダ)
(足尾山山頂)

 山頂から少し下ったところのカタクリの群生地に入ってみると、カタクリは丁度満開、去年よりもずっと花数も多く華やかに見えた。カタクリを踏まないように気を遣いながらシャッタを押しまくった。
(満開のカタクリ群生地)

 カタクリ鑑賞を終えて、一旦車道に出てすぐに一本杉峠への遊歩道に入る。
(林道に出る)
(一本杉峠へ遊歩道へ)

 遊歩道を少し歩くとすぐに右に下る道が分れていた。分岐点には件の男性が持っていたと同じ赤いテープが取り付けられていたので、この道を下れば龍明に下るのだろうと判断してこの道に入って行った。お言葉通りにどこまでも歩きやすい道が続き、ナビを見るとあらぬ方向に向かうこともあったがすぐに向きが変わり、順調に龍明方向に下って行った。
 一本杉峠の道と合流してからは、その先の破線の道には入らないでひたすら車道を歩いていった。
(更に龍明への近道へ)
(林道を辿る)

 龍明に近づくと、マルチングした広い煙草畑の向こうに吾国山から難台山にかけての山並みが広がっていた。馴染んでいる左難台山、右吾国山とは逆の並びなのでしばらく判断に戸惑った。
(龍明から吾国山−難台山のパノラマ)

 部落の入口の別荘の様な家の庭に、ズミの木が真っ白な花を付けていてとても新鮮に見えて綺麗だった。その下のダイコンソウの紫の花も一段と引き立って見えた。
(ズミの花)
(紫ダイコンソウ(紫渇菜)の花)

 あとは龍明集落のサクラの花を眺め、その先の田圃道ではタンポポの真っ黄色な花を愛でながらのんびりと歩いて行った。途中、足尾山の稜線上にこんもりとした猿壁山らしき山が見えていた。
 途中、近道をしようと脇道に入り込んだが、沢沿いの道は定かでなさそうなので、コゴミの芽を少し頂戴して本道に引き返し、16時10分に駐車場所に帰り着いた。行動時間6時間20分、始めたっぷりと籔漕ぎを強いられたが、初めて歩く道を探索しながら賑やかに歩いて、期待以上に楽しい山旅になりました。
 駐車場所から笠間西IC迄川本車のナビで先導して、福原駅へ向かう深谷車と別れ、高速に乗り、途中、笠間PAで特売の自然薯入りけんちん汁を美味しく頂戴して、嬉しい気持ちいっぱいで我家に向かいました。
(龍明の部落道)
(猿壁山)

  




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