Z48.御殿山(茨城の里山)

1.動 機
 茨城県の里山で県北部に残っている山に御殿山という山がある。花貫ダムの北部にあり3時間もあれば歩けそうな山なので、イワウチワの横根山と抱き合わせで歩こうかと考えていたが、色々あって機会を逃してしまった。代わりに近くの上和野三角点と一緒に歩く積りで出かけたのだが、下山路の沢で意外な苦戦を強いられることになって体力も時間も無くなり、御殿山だけで帰ってきた。それでも、花あり、山菜あり、徒渉あり、岩場あり、変化のあるコースに結構満足した山行でした。

2.データ
a)山域:御殿山(470m)
b)登山日:2012/4/29(日)晴
c)コースタイム:日立自宅 11:05 = 11:25 日立南IC = 11:45 高萩IC = 12:00 林道駐車場所 12:10 ---- 12:25 徒渉点 ----13:20 昼食 13:50 ---- 14:25 御殿山 14:40 ---- 15:00 尾根分岐 ---- 15:15 沢出合い ---- 15:45 合流 ---- 16:15 徒渉点 ---- 16:30 林道駐車場所 16:40 = 17:00 高萩IC = 17:20 日立南IC= 17:40 日立自宅
(御殿山周回ルート)
(御殿山周回ルートの標高差)

d)同行者: 和子
e)地形図:「高萩」

3.山行記録
 朝起きて快晴の空を見上げて、「どこか山に出かけようか」と相談になる。茨城の里山で候補地リストを見ると、高萩の奥の御殿山があり、上手くいけば近くの三角点上和野にも登ってこようと、予め設定していたコースをポケナビにインプットして出発した。今日は日曜日なので、休日割引の高速を使って高萩ICで降り、ここから車のナビの目的地に金成集落を入れて走る。道は狭い未舗装の林道になり、対向車が来ない事を祈りながら慎重に運転、丁度12時に金成集落へ分岐する橋の手前に到着した。路側が広くなっているところに車を停め、身支度をしてすぐに歩き始めた。
(林道の路側に駐車)
(橋の分岐を右折)

 分岐から200mも歩いた左手に、雑草が茂っているが地形図の破線の道と思われる山道が見つかり入って行った。
 少し下った行く手に小さな川が現れ、橋はないので飛び飛びの石を踏みながら徒渉することになった。流れの水量は多いし、石には苔がむしていて滑りそうなので結構怖い。恐る恐る慎重に渡った。
(左手の山道に入る)
(徒渉点)

 破線の道は川を渡った先の小川沿いに伸びているようだが、これは下山時に使うことにし、御殿山には目の前の尾根に取付けば何とかなりそうだと見当をつけていた。あちらこちらに見えるコシアブラの木から新芽を少し頂戴してから、上に向かう登山道らしき道を歩いて行くと段々と尾根に登っていく。途中、イワウチワの群落があったが、勿論もう花はない。 尾根に登り着いてもそのまま登山道が続き、満開のミヤマシキミや咲き始めのミツバツツジが迎えてくれた。コシアブラの木もあるが芽はあらかた取られている。土地では知れ渡っている山菜の山の様だ。登山道から離れたところまで寄道しては新芽を収穫しながら登って行った。出発が遅かったので山頂まで待てず、日当たりのいい所で弁当を広げた。
 昼食後もなだらかに気持よく登って行って山頂に近くなると、左手に岩の絶壁が見えて来た。地形図にも崖マークが入っているところだ。登山道にも岩が転がる急登になってきた。
(尾根筋に向かう道あり)
(山頂の崖マーク近くを登る)

 さらに山頂近くなると、笹竹が茂るようになり、身の丈もあるような笹竹で先を行く和子の姿が見えなくなることもある。笹の中には手水鉢のような形の石など昔の祠の名残のようなものがみられたので、この道が昔から歩かれてきた道だと思われた。
 山頂には三等三角点があり、持参した手書きの山名板を持って証拠写真を撮った。
(山頂部は笹が茂る)
(御殿山山頂)

 折角の山頂でしばらく休んで下山にかかる。往路を戻れば確実だが、少しは冒険もしないと面白みがない。狙いの南の尾根にしっかりとした道型があり、予定通りこちら方向に向かって下り始めた。
 始めは笹原、次いで岩の重なる中を下ることになったが、道はしっかりしていた。
(南の尾根に踏跡あり)
(石の道になる)

 急斜面の下りもヤマザクラやミヤマシキミの花が慰めてくれる。
やがて杉の植林の中を下っている時にポケナビを覗いてみて、少し手前に尾根分岐があって、予定と違う尾根に入り込んでいることに気が付いた。どうせ沢沿いまで下れば破線の道に出るはずだから問題なしと判断してそのまま下ることにした。
(ヤマザクラ)
(植林を下る)

 沢まで下ったが沢沿いは岩だらけで道が見つからない。少し引き返せば、もしかしたら破線の道が見つかるかもしれないが、この沢を下っても確実に登山口に着ける訳だ。沢の中の石を踏みながら下流に下ってみたり、岸辺に歩けるところがあれば右に左にと徒渉を繰り返しながら強引に下って行った。
 予定の尾根と合流する地点まで歩いても状況は改善されす、むしろV字谷になって高巻きをすることになってしまった。いい加減さに和子から強いブーイングが飛んでくる。
(沢沿いには道なし)
(徒渉を繰り返す)

 一度高巻いてからあとは、沢沿いに道らしきものが見えてきて楽に登り始めの徒渉点まで帰って来ることができた。
 徒渉点も無事通過して駐車場所まで帰ってくると、車の手前に石段があってその上に自然石の山神さまが鎮座しておられるのが目に入った。登り始めに気が付かないでお参りもしないで歩き始めたので、御機嫌を損ねて厳しい沢歩きを課せられたのかもしれない。お詫びのお参りをした。
(最初の徒渉点まで帰ってきた)
(山神様)

 駐車場所から橋を渡って金成方向に走れば上和野三角点は近いが、時刻はもう16時30分、いくらなんでも遅すぎる。そのまま日立に帰ることにしたが、車が広い道路に出るまでは安心はできない。車に乗ってラフロードを走って舗装された広い道の手前まで出てやっと一安心。コーヒで乾杯。
 車のすぐそばまで2羽の野鳥が近寄ってきて愛嬌をふりまき、今日の無事の登山を祝ってくれているように見えた。こちらから近付いて行ったら飛ばないで走って逃げたので、野鳥ではなくて放し飼いのニワトリだったのかな。
 帰宅後、同期の探鳥の大家佐藤さんに写真を送って問い合わせたところ、この鳥は「バリケン」という家禽の一種で、南米のノバリケンが家禽化したもの、近くで飼ってたのが逃げ出したのでしょう。とのことであった。






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