Z52.奥久慈のもみじ谷

1.動 機
 水戸アルパインクラブの今年秋の山行計画として、紅葉真っ盛りの11月に下山さん秘蔵の「もみじ谷」を案内してもらうことになっている。今回はその下見として平野さんと私が一緒に案内してもらったものである。当初は男体山を越えて男体神社まで歩き通してみて、釜沢越から歩き始めてどこまで歩くのがグループ登山として適当かを、私の疲れ具合などを考慮して判断することになっていたのだが、緑したたるもみじ谷を越えたところで天気が急変悪化、中間で下山することになってしまい、コース設定は下山チーフに一任となった。

2.データ
a)山域:奥久慈裏縦走路(536m)
b)登山日:2012/5/6(日)晴後雨
c)コースタイム:日立自宅 7:25 = 8:25 大円地駐車場 8:30 = 8:40 釜沢越登山口 8:55 ---- 9:25 釜沢越 ---- 9:40 湯沢源流出合 ---- 10:20 もみじ谷入口 ---- 10:45 もみじ谷上端(昼食) 11:15 ---- 11:30 ・536 ---- 12:05 鷹取岩 12:25 ---- 12:50 スーパ林道出合 ---- 13:05 大円地駐車場 = 13:15 釜沢越登山口 = 14:30 日立自宅
(もみじ谷下見ルート)
(もみじ谷下見ルートの標高差)

d)同行者: 下山さん、平野さん(和子は不参加)
e)地形図:「大中宿」

3.山行記録
 集合場所の大円地駐車場に到着すると、日曜日のためか狭い駐車場はもう満杯だった。平野さんを乗せた下山車もすぐに到着、少し上の路側に川本車をデポして、下山車で釜沢越登山口に向かった。登山口下の路側に駐車して身支度を整え、歩き始める前に分岐道に少し入ったところの畑地から長福山から男体山、鷹取岩を展望した。つつじヶ丘展望台からの展望に近い男体山山系の素晴らしい展望だった。
(展望所から長福山−男体山−鷹取岩)

 釜沢越登山口から登り始めて後ろを振り返ると、つつじヶ丘のツツジが真っ赤に咲いているのが見えていた。今年はまだ満開のツツジを見ていない、どこへ行こうかな。
(釜沢越登山口から)
(つつじヶ丘)

 登山口から釜沢越までは去年秋の紅葉山行で逆方向に歩いたところだが、去年苦労した倒木などは取りはらわれて歩きやすくなっていた。私が先頭で歩いて間違えそうになった分岐道も逆方向だと間違えようもない。30分で表縦走路の分岐点の釜沢越に登り着いた。
(釜沢越へ)
(釜沢越の道標)

 ここを直進して篭岩山方向へ進むと、15分程で湯沢源流の河原に降り立ち、ここからは湯沢源流を上流に遡って行く。始めは、我家が篭岩山へ登った時に歩いたところだったが、段々と険しい沢登りになってきて下山さんの独壇場になる。。
(湯沢峡へ下る)
(湯沢峡を遡る)

 沢の中の岩を伝って流れを右に左と飛び越え、左右の岩壁をの狭い足場を頼りにへつってみたり、大きく高巻いてみたり、緊張感いっぱいの沢登りの醍醐味を味あわさせて貰う。
(へつったり高巻いたり)

 奥に行くに従って周りに木立が多くなってきて、枝沢の一つ、下山さん命名の「もみじ谷」に入ると新緑が滴るような風景になってきた。この新緑が紅葉する11月には、赤や黄色に彩られて一段と綺麗な眺めになることだろう。
(新緑眩しいもみじ谷)

 ケヤキの巨木も見られるもみじ谷を遡ると、沢の尽きるところに小広いところがあって、ここで弁当を広げた。
 ゆっくりと昼食を取ってから少し上へ上がって行くと、突き当たりの急斜面にけもの道があり、これをよじ登ると裏縦走路に出た。裏縦走路は一部笹の籔になっているところもあったが、歩きやすい登山道が続いた。
(もみじ谷終点でお弁当)
(裏縦走路)

 裏縦走路にはツツジの木が多く、ミツバツツジやシロヤシオが花を付け始めていた。これを見て下山さん「今日は是非男体山まで歩いて、シロヤシオを眺めようよ」と、途中で降りたい風情の我々に檄を飛ばしてきた。
(ミツバツツジ)
(シロヤシオ)

 ・536のピークに来た辺りから、空模様がが急に変化して暗くなってきた。何となく冷たい風も吹いてきて、「13時過ぎから雨が降る」という天気予報が当たりそうな気配になった。流石の下山チーフも男体山まで歩くのを諦めて、次の分岐点から鷹取岩への道に入ることになった。この道は薄い踏跡の様な所もある道で、下山さん先導だからこそ歩ける道だった。
 鷹取岩近くの鞍部に着いて一休み。休んでいるうちに空模様はますます暗くなってきて、大円地まで登山道を歩いていくと車に着くまでに雨に遭う恐れがありそうなので、最短距離でパノラマラインに下って、駐車場まで車道を歩くことにした。
 途中まで大円地への岩場の道を下り、途中から左の踏跡に分け入って行った。この道も下山さんだけが歩ける道だろう。
(男体山諦めて鷹取岩へ)
(鷹取岩分岐からの岩場下り)

 25分でパノラマラインに降り立ち、二人は釜沢越登山口に向かい、私一人大円地に向かった。男体山の目の前にしながら歩いて行くと、途中からシトシトと雨が降り出した。雨具を付けて歩き、10分程で駐車場に着いた。
 車に乗って釜沢越登山口へ向かって走ると、二人も雨具を付けて急ぎ足で歩いていた。二人を乗せて釜沢越駐車場に着くと、一気にザーッと豪雨がやってきた。二人が下山車に乗り移ると風も吹きだして横殴りの嵐になってきた。まさにギリギリのセーフと言ったところだった。
 二人と別れてからの帰りのパノラマラインは、嵐で折られた枝があちこちに散乱していた。ワイパーも利かないほどの豪雨のなか、慎重に運転してR118に下りると一時的に雨がやみ、我家に帰り付くと今度は大粒の雹が降ってきた。下山さんは東海で平野さんを下ろして帰宅途中にこの雹に襲われ、車が壊れるかと思うほどの恐い思いをしたとのこと。
 ニュースによると、この異常気象は筑波市の方では竜巻を引き起こし、多くの家を壊し死者まで出す大惨事になったらしい。
(パノラマラインに下る)
(男体山仰ぎながら大円地駐車場へ)

 




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