B31.県民の森自然体験ツアー

1.動 機
 先の7日に茨城県植物園と県民の森を歩いた時に、入口に「春を見つけましょう」と題した第235回自然体験ツアーが行われるとの掲示を見て、天気が良ければ参加しようと決めていた。当日は快晴で急に気温も上がって春らしい日になり、予定通り出かけてきた。まだ花は咲いていなかったが、色々な種類のシダの名前など教わりながら、絶好のハイキング日和を楽しんだ。植物についての説明は余り頭に残っていないが、写真は真面目に撮ってきたので、写真だけ並べて報告にする。
 そのあと、植物園の展示室に入って、最終日「小さなおひなさまと灯り展」の可愛く、美しいお雛様とひょうたんの灯り芸術を鑑賞してきた。

2.データ
a)山域:県民の森
b)登山日:2014/03/16(日)
c)日程:自宅 9:10 = 9:50県民の森駐車場 10:05 ---- 10:30 広場分岐 ---- 10:40 見晴台 ---- 11:00 桜山 ---- 11:10 梅林 ---- 11:25 鳥獣センタ ---- 11:30 県民の森駐車場 11:35 = 11:40植物園駐車場 ---- 11:45 展示室 12:00 ---- 12:05 植物園駐車場 = 12:30 常陸太田(昼食・散策) 13:40 = 14:00 自宅
(茨城県植物園・県民の森歩行ルート)

d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「石塚」

3.山行記録
 開始時間の10分前に駐車場に着くと満車状態、幸い目の前の一台が出て行って駐車することが出来た。トイレと受付を済ませると、10時丁度に女性スタッフさんが開始の挨拶が始まり、4月から1年間の自然体験ツアー(受付時渡されたチラシによれば年間16回)の宣伝があった後、インタプリータの久下沼さんが紹介された。先生は両手に一つずつシダの葉っぱを持って現れ、自己紹介の後、「このシダはオオハナワラビとフユノハナワラビと言って異なるシダだが、違いがわかりますか?」「オオハナワラビの葉の先がとがっている」とか色々違いはあるらしかったが、そんな細かい違いなど気にしたこともない。「色々な植物の特徴を見ながら歩いて行きましょう」と水車小屋の方に歩き始めた。
 水車小屋前の道に出て森林公園の東端の道を歩き始めた。所々で止まっては、木の枝やシダの葉などを示しながら細かい説明があった。先生から少し離れている時ても、同行の中に植物に詳しい人が数人いて判りやすく補足説明してくれて助かった。
(オオハナワラビとフユノハナワラビ)
(それぞれの自生地で説明)

 水車小屋近くで、茶色っぽく枯れた葉を付けた木を指して「ヤマコウバシといいます」。ヤマコウバシの特徴は、冬になっても葉を落とさない事、枯れた葉を揉むと香がするためにこの名が付いたとのこと。
 その先に、枝先に白い花のようなものがひらひらしている大きな木があった。ウルシのような葉をしているが、かぶれないのでニワウルシと呼ばれ、シンジュの別名がある。
(ヤマコウバシ)
(ニワウルシ)

 この先、色々なシダが生えていて、細かく停まりながら説明が続いた。

トラノオシダ:幅が狭くて細長い葉の形をトラの尾に見立てたもの
ベニシダ:どこにでもあるシダ、先の方まで枝が小さくならず揃っている。
     春の新芽の時期には葉が紅色になるのでこの名がある
(トラノオシダ)
(ベニシダ)

ヤマイタチシダ:どこにでもあるシダ、先端はしだいに細長くなる。
シシガシラ:斜面に生え、傾斜方向に葉が垂れ下がる姿をシシのたてがみに見立てた。
(ヤマイタチシダ)
(シシガシラ)

フモトシダ:葉片が深く裂けていない。
オオバノハチジョウシダ:絶滅危惧種の大形シダ。森林公園でもここにあるだけ。
(フモトシダ)
(オオバノハチジョウシダ)

ツルグミ:小枝は「下向きの逆枝を出し他の樹木にからみつく。葉の裏はグミに似ていた。
コウヤボウキ:高野山では竹などの植栽を禁じられていたので、この植物で箒が作られた。
      冬の間、痩果が飛ばされたあとが花のように見える
(ツルグミ)
(コウヤボウキ)

ショウジョウバカマ:漢字は猩々袴 
        花が赤いのを猩々になぞらえ、根生葉の重なりを袴に見立てた。
マンサク:他の花に先駆けて咲くから「まず咲く」⇒なまってマンサク
     賑やかに咲く花にあやかって豊年満作を祈った
(ショウジョウバカマ)
(シナノマンサク)

トサミズキ:土佐の蛇紋岩地に野生のものが多く見られる
     ヒュウガミズキは日向地方にはなく、能登などに多い。
ヒノキ:葉の先がとがってる。裏にY字の模様
サワラ:葉の先に丸みある。裏にX字の模様
(トサミズキ)
(ヒノキとサワラ)

オオイヌノフグリ:説明はなかった。
ミツバアケビ:地面から出ている小さな芽を見て「ミツバアケビ」とは驚いた
 
(オオイヌノフグリ)
(ミツバアケビ)

イノデ:中軸に密に付けた鱗片の集まりが猪の掌に似ている
ヤブニッケイ:葉は揉むと芳香があるが、ニッケイ程ではないので藪がついた
(イノデ)
(ヤブニッケイ)

 久し振りに梅林を歩いた。まだ3分咲きだったが、いい香りがしていた。
(梅林)
(ハクバイ)

ミヤコザサ:クマザサに対し、上部で枝分れなし、葉の裏に細毛あり、全体的に小ぶり
(コウバイ)
(ミヤコザサ)

ビナンカズラ:昔ねばねばした液を整髪に用いたのでビナンカズラ、別名サネカズラ
シュンラン:芽を出し始めていた
(ビナンカズラ)
(シュンラン)

 一巡した後、鳥獣センタ前で写真を示しながら、県民の森で絶滅or絶滅危惧種になっている植物に付いての説明があった。
「オオバノハチジョウシダ」「ヒロハハナヤスリ」「オミナエシ」「アジカコウボクチ」「ハバマヤボクチ」「ヒトツホクロ」「カザグルマ」「キキョウ」「エビネ」
 駐車場に戻って解散。次は4月6日春の芽吹きの観察会。。
(絶滅危惧種)
(終わり)

 県民の森での自然体験ツアーが終わってから、植物園に入って、展示室で行われていた「小さなおひなさまと灯り展」を見てきた。
 入口につるし雛もあった。
(小さなおひなさまと灯り展)
(つるし雛)

 おひなさま展示室には、手作りのおひなさまが沢山飾られていた。どれも丁寧に作られていて可愛い表情をしていた。
(小さなおひなさま)

(小さなおひなさま)

 次の部屋は「ひょうたんの灯り」の展示室。大小のひょうたんの表皮に色々な形の穴を数多く開けて、中に灯りをあけたものが並んでいて、中にはお内裏様とお雛様の対もあった。細かい加工に感動し、幻想的な灯りにしばし見とれていた。
(ひょうたんの灯り)

(ひょうたんの灯り)

(ひょうたんの灯り)

 帰途、昼食をとりに常陸太田に立ち寄ったが、道端にはオオイヌフグリの群生が綺麗、時には芽を出したばかりのフキノトウも少々収穫でき、夕食時春の風味を味わうことができた。
(オオイヌノフグリ)
(フキノトウ)

 暖かくなったのは良かったが、帰りの車の中でくしゃみが頻発、鼻水ずるずる、目はかゆくて花粉症の症状が出てきた。




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