B45.八溝山(福島県側遊歩道)

1.動 機
 水戸アルパインクラブの今年度の最初の山行として「八溝山」が案内された。私も幹事の一人に名を連ねていたが計画は下山さんにおんぶにだっこ、コースは我家が歩いたことのない福島県側だったので、案内書に書かれた地点の羅列だけではどんなコースなのかわからない。棚倉町のHP”たなぐらトレッキングマップ”や地形図などを眺めると、歩行距離は7kmに近く、総登高差は400mにもなって結構きつそうだ。それでも、途中でバテた時にはリタイアは出来そうだから何とかなるだろうと判断して参加申し込みした。
 実際に歩いたナビの軌跡では歩行距離は9kmを越え総登高差も600mにもなったが、いいペース配分で歩いてくれる下山さんのガイドと、皆さんの賑やかな会話の励ましのお蔭で無事全コース歩き通すことが出来た。コースの途中には早春の花の群落が次々と続き、丁度満開時期だったそれら可愛い花々を愛でながら歩くとっても嬉しい山行でした。

2.データ
a)山域:八溝山(1022)
b)登山日:2014/04/20(日)
c)日程:自宅 5:55 = 6:05 日立電鉄南営業所 6:15 = 6:20 東海駅 6:30 = 6:45 勝田 6:50 = 7:05 水戸駅 = 7:25 ラポール = 8:10 道の駅大子 8:30 = 9:10 八溝山白毛水駐車場 9:25 ---- 9:30 真名畑分岐 ---- 9:40 鹿の又分岐 ---- 10:20 鹿の又林道始点 ---- 10:55 遊歩道3始点 ---- 11:10 休憩所(昼食) 11:45 ---- 12:15 遊歩道3終点 ---- 12:25 茗荷分岐 ---- 13:00 ベンチ 13:20 ---- 13:30 枝沢分岐 ---- 13:50 茗荷分岐 ---- 14:10 高笹山分岐 ---- 14:45 八溝山 14:55 ---- 15:05 八溝山白毛水駐車場 = 15:50 道の駅大子 16:00 = 16:50 ラポール = 17:20 水戸駅 = 17:30 勝田 = 17:50 東海駅 = 18:00 日立電鉄南営業所 = スーパ = 18:30 自宅
(八溝山歩行ルート)
(八溝山歩行ルートの高低差)

d)同行者:水戸アルパインクラブ会員12名、和子
e)地形図:1/25000 「八溝山」

3.山行記録
 前もって日立電鉄の営業担当者に電話すると「今回は常陸大宮の奥久慈交通のマイクロバスなので、参加者14名で満席ですよ。運転手は道を知らないから案内宜しく」と知らされていた。朝食を食べないで我家を出発、日立電鉄南営業所に着いてみると、思ったよりも大きなバスが待っていた。20人乗りでゆっくり座って行ける。運転手さんは若くて礼儀正しく、運転も結構速い速度で走って行く。あらかじめ道をよく調べて来たようで、案内をする必要は一度もなかった。ナビは付いていないのにすごーい!
 東海駅で乗ってきた幹事の平野さんから参加者名簿を受け取ると、ラポールという初めて聞く乗車場所から乗る仲間が4人いる。ラポールって何だろうかと思いながら、勝田、水戸と仲間が乗り込んできてR118を走って行くと、瓜連駅の近くまで来た時大きな建物が見えてきた。「那珂市総合センターラポール」の看板があり、那珂市市民の保健・福祉・生涯学習の向上を図るための活動拠点施設として建設されたものとのこと。広い無料駐車場があるので、絶好の乗車場所だったのだ。
 車中で朝食のおにぎりを頬張り、配られたコースマップを見ながら下山リーダからの注意事項を聞き、皆さんの賑やかなお話を聞きながら一路大子に向かう。トイレ休憩のために道の駅に入ると、運転手さんは「運転が始まって2時間になるので、ここで20分休憩させて貰います」ときっちり決まりを守って気持ちがいい。
 道の駅から八溝山山頂までも、走り慣れた道のようで、どの分岐点でも逡巡する様子もなくどんどん走っていき、八溝山山頂に向かう曲がりくねった狭い県道248に入っても快調に走って行った。お蔭で山頂直下の白毛水駐車場に予定よりも早く着くことが出来た。
 駐車場近くで平野リーダの音頭で準備運動をし、恒例のシュプレヒコールで気合を入れて歩き始めた。
 県道を歩いて山頂部を過ぎて通信鉄塔があるところに右に別れる分岐があり、下山リーダはここを曲って行く。分岐には峰越連絡林道の案内板があった。
(準備運動)
(県道から峰越連絡林道へ)

 道はすぐに笹の繁る山道になり、遊歩道2が始まったようだ。10分も歩くと右の尾根に下る分岐に「至鹿の又林道約20分」の立札があった。
 この道に入るとすぐにイワウチワの群落が続いて出てきた。今年初めて見るイワウチワだが、残念ながら1000m近い高度の為かまだ蕾のまま、それでも、しばらく下ると花開いた群落も現れて喜ばせてくれ、みんなカメラを向け始めた。苔の中に生えたイワウチワの花が他所では見られないとカメラが集中した。 
(遊歩道2)
(イワウチワ)

 10分尾根道を下ると右斜面に急降下する道になり、ジグザグに下って久慈川の源流の一つ鹿野又沢に降り立った。この沢沿いには色々な花が花開いていて喜ばせてくれる。ニリンソウ、キクザキイチゲ、カタクリなど、みんなシャッタを切るのに忙しい。一寸残念なのは、お日様が顔を出していないのでカタクリは花弁を閉じたままだ。
(久慈川源流、鹿の又沢)
(ニリンソウ)

(キクザキイチゲ)
(カタクリ)

 石がゴロゴロして歩きにくい沢沿いを、右に左に渡りながら下っていくと、「八溝山ふれあいの森遊歩道」の大きな案内図が出てきて遊歩道2はここまで、ここからは広い鹿の又林道になった。
 林道には嬉しいものが待ち構えていた。あちこちにフキノトウが顔を出している。もう薹が伸びているが茎も美味しいのよと言いながら、ビニル袋を出して収穫に忙しい。
 右に左にフキノトウやコゴミなどの山菜を採りながら30分も歩くと、右手に上がる分岐点になり「みんなもうビニル袋はザックにしまって」と下山リーダの号令。こんなにゆっくり歩いていては予定の時間にバスが待つ八溝山頂に着かない。
(鹿の又林道)
(遊歩道3へ)

 遊歩道3の始まり、階段になった急坂を登って行くと、左右にイワウチワの大群落が広がった。急坂できつかったが、皆さんも所々でイワウチワの写真を撮るので適当なペースになって何とか離れないで付いて行く。
(急登)
(イワウチワ群落)

 急登が終わったところにベンチもあって格好の休憩所になっていた。周りにはカタクリがあちこちに咲いていて、痛めないように気を遣いながら適当に陣取って昼食休憩。他の登山者もいないので、面白いお話が大声で飛び交う。
 ゆっくり昼食を楽しんでから出発、しばらくカタクリの生える雑木林をなだらかに登り、一旦下って登り返すとクマザサの繁る登山道になった。
(昼食)
(笹原の道)

(カタクリ群落:クマザサの手前)

 クマザサの道を登って行くと、路側に車が停まっている林道にぶっつかる。八溝山頂に繋がる真名畑八溝山林道である。少し八溝山方向に歩いたところに「八溝山アカシデケヤキ林木遺伝資源保存林」の案内板があり、下山リーダから説明があったが、遅れて歩いていった私が着いた時にはもう終わっていた。案内板の写真を撮って後からゆっくり読むことにする。(下山さんが説明している写真をクリックすると説明文が現れます)
(真名畑八溝山林道)
(林木遺伝資源保存林分岐)

 保存林看板の先に左の茗荷沢に下る分岐があり「シロヤシオのすごい群生地を案内したいから、ここから左に下る。辛い人はここから八溝山に直行してもいいよ」とのことだったが、これまでの調子ならまだ歩けそうに思えたので、ここからもくっ付いて歩くことにした。
 笹原の道を辿ると保存林の一部なのか、樹木の幹に「ミズナラ」や「ヤマモミジ」などの名板が取り付けてある。周りはシロヤシロの木も多く、それも松の木みたいにでっかい古木もある。まだ蕾もついていないが、花の時期になったらすごい景観になるだろうと思われ、時期を睨んで個人的にでも来てみたいなと二人で話し合う。。
(茗荷分岐)
(シロヤシオの巨木群)

 急坂下りになると、ここにもイワウチワの大群落が始まった。足場を気にしながらシャッタを押す。
 急坂を下り切ったところが茗荷沢、沢の脇にまだ雪渓が残っていてみんなびっくり。
(イワウチワ)
(茗荷沢へ)

 ニリンソウなどを愛でながら沢沿いの道を少し下ると、左斜面に沢山の板のベンチを並べた劇場の観覧席みたいな休憩所があり、周りにはここにもカタクリが咲いており、沢向かいには「八溝山天然林」と「ふくしまの遊歩道50選」と立札が立っていた。みんなベンチに座り込んで飲み物を飲んだりしながらゆっくりと休憩。
 一休みしてから茗荷沢を下ると、ハルトラノオやエイザンスミレなど、ここまであまりお目にかからなかった花が咲いていてみんな大喜び。
(ベンチ)
(茗荷沢を下る)

(ハルトラノオ)
(エイザンスミレ)

 茗荷沢を少し下ると右に別れる枝沢があり、ガレて歩きにくい殆ど涸沢になった谷あいを登って行く。枝沢に入らないで直進すると茗荷林道に入り県道196に出る。
 20分も登ると高笹山に通ずる登山道に飛び出した。少し歩いた先に「矢祭山茗荷に至る」の道標があった。ここから下ると道が判りにくいらしい。
(枝沢を登る)
(高笹山縦走路)

 何度か歩いたことがある高笹山縦走路を登って行くと真名畑八溝山林道に合流する。合流点から右を見ると、すぐ先に1時間45分前に茗荷沢に下り始めた分岐点が見えていた。そこまで5分もあれば着きそうに見え、茗荷沢をパスしていたら1時間40分楽ちんできたわけだが、シロヤシオ群生地を教わったり、茗荷沢の花々も楽しめたし、疲れ果ててもいないので後悔はしなかった。
 林道に沿った登山道を歩いて八溝山に向かうと、山頂が随分と高いところに見えていた。皆さんとおしゃべりしながら歩くと意外にあっさりと山頂部に着き、トイレを使い、下山さんの締めの挨拶があって駐車場に向かう。
(八溝山へ)
(山頂展望台)

 途中、富士見ヶ丘という広場まで来ると「10月から3月、ここから富士山が遠望できます」という看板があったが、今日は雲が厚くて何も見えなかった。
 駐車場に戻ると、バスは連絡してあった下山予定時間前に到着して待っていた。15時過ぎに駐車場を出発して途中道の駅でトイレ休憩してから往路を快調に走り、仲間を夫々の乗車場所で下して日立電鉄営業所に着いたのは18時だった。運転手さんはこれから常陸大宮までお帰りとのこと、ご苦労様でした。我が家はスーパで食材を買い込んで、無事歩き通せたお祝いの乾杯をしました。
(富士見ヶ丘)
(バスに戻る)

 



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