昨日の常陸太田市内を回った県北アートフェステイバル2016見物に続いて、今日は日立市内を回ることにした。
日立市内の展示場を示すマップがあったのでこれを見ながら歩き、日立北部の3ポイントは高萩への途中で寄ることにして、その他の市内9ポイント全部を走りまわってきた。
。これがアート?と首をかしげたくなるような作品も多かったが、中にはなかなか面白い作品も多かった。
この編にもNETから引用した説明文を青字で示したが、これらは”県北アートフェステイバル”のHPから引用している。興味を持たれた方はこちらを開いていただくと、色々な情報を見ることができます。これを機会に茨城にどうぞ。
マップを見ると、我家から一番近いのは日立多賀駅近くに3つのポイントがある。駅近くの駐車場に車を入れて駅構内に入ったが、どこにもそれらしき物が見えない。
駅員に「アートはどこにあるのですか?」と聞くと「その辺に毛糸で巻いてあるのがアートらしいですよ」とのこと。
そう言われれば、改札口の列車発車時刻表に橙色のニットが巻きつけてある。その他にも、ベンチやテーブルなど色々なものに同じ色の毛糸が巻き付いてある。
マップによればこれが作品A-20らしい。これらは街に出てから、別の展示場で実演していた編み機によってつくられた太い毛糸で編まれていることを知ることになる。
駅員は「改札口を出たところにも作品がありますよ」と言って、改札口を切符無しで通してくれた。 プラットフォームに出ると、駅舎の壁に高校生による習字や絵画の作品が掛けられていた。素人目にはこちらの方が好ましい。
街に出ると、電柱にも、商店の看板にも同じニットが巻きつけてある。時に空色のものもあった。
近辺の情報を頂こうと思って、マップにナビスポットとして紹介されている裏通りの商店に入ってレジを打つ女性に当たったが、客相手に忙しい女性は
「アートフェステイバルって知りませんね」とにべもない。街中がアートに熱心だった常陸太田とは大分雰囲気が違う。
駅前通りに出ると、空き店舗らしき部屋に扇風機など家電品が並べられていて、一角には数台のテレビがスピーカの音に合わせたような映像を流している。
街路の歩道脇にある石の四角い5個のベンチに色々な模様が描かれている。これはコンクリートで作ったベンチに、新しい手法で絵を描いたもので、多賀駅近辺の5ヶ所に展示されているらしい。 時間があるときなら5ヶ所全部を見て回りたいところだが、今日はここだけにしておきましょう。
A-25:ヒタチタガ・コンクリート・マンガ・ベンチ・コレクション空き部屋には、マンガのような顔を描いたレジ袋がいっぱい展示されている。モニタには美人女性が映し出されていて、手に持つレジ袋に可愛い顔が描かれていた。おめめパッチリの可愛いお嬢さんの顔、この女性の雰囲気が出ているような気がした。
A-17:スマイリー・バッグ・ポートレート店先に県北各地の地名を描きいれた四角い看板が並べてあり、なかなか綺麗。アーテイストにかかると、看板もこんなにきれいになるのか。
A-18:看板屋なかざき 少し先の銀行跡一階の部屋に入ると、広い部屋にはニットで包まれた脚立の奥に、A-20の毛糸を編み出す機械の展示があった。下から送り出される細い糸が、上の機械で筒状に編まれて下に垂れてきて、下にある三本のアクリル円筒容器に溜まっていた。これを使って街中に飾られていたニットが編まれていたという事らしい。
店内入口には、これで編まれた色とりどりのご婦人用の衣類も掛けてあった。
二階に上がると面白い見ものがあった。ペットボトルやプラスチックのおもちゃなどを組み合わせて作られた造形の数々。
捨てられたものを集め、洗って綺麗にした、造形の材料になるプラスチックごみが山と積まれていた。円錐状のテーブルにきちんと並べられているのは、このままで芸術に見えた。
おもちゃの人形を全身にまとった獅子や、犬などの愛玩動物のおもちゃで覆われた椅子もあった。
次は日立駅近くのデパートの駐車場に車を置いて、昼食をとってから日立駅に向かう。駅前の普段はバスが停まっているはずのないところに、一台のバスがいた。屋根の上には樹の頭が見える。
前後の乗降口が開いていたので中を覗いて見ると、ビニルカーテン越しに見えるバスの中には樹や竹が生えていて森のよう、生きているヤマドリやウサギも遊んでいた。
日立駅に向かい、海岸口への回廊に入ると、両側の広いガラス窓が青や黄色に彩りされて、これに太陽の日が射しこんで明るくてとても綺麗。気持ちよく明るい気分で歩いていった。
A-04:回廊の中で:この場所のための4つの虹 ー KENPOKU ART 2016のために 改札口の別れに入ると、資料置場の棚が4色のバラの造花で飾られていた。アートフェステイバルに同調。
ここから海側を見ると、駅舎の端が太平洋に突き出ている風景が気持ちいい。この駅舎の設計をした妹島女史は、旧職場の工場の原料部部長のお嬢さんと聞いていた。
回廊の突き当りからは眼前に太平洋が広がっていい眺めだ。車椅子を押してもらってここまで来て、記念写真を撮ってもらっている人が二人あり親近感を覚えた。
下のパノラマ写真はカメラアングルを間違えて出来が悪いが、展望が広いことだけは分かってください。
窓際には望遠鏡が据え付けられていて、人が入れ替わり立ち代わり覗き込んでいる。ここから何が見えるのかなあと思って私も覗いて見ると、予想通り6号バイパスの上に太平洋の青い海が見えていたが、やがてその上から大きな人の手が伸びてきて、丸い玉を掴んだり、大きな魚?を捕まえたりする映像が重なってきた。
A-05:風景幻灯機次は駅前に戻って、新都市広場を横切って日立シビックセンタに入った。天球劇場で壮大で面白い映像三つ(A-08,A-09,A-10)が見られるらしいが、今日は夕方のみ上映、それも大分前に来て整理券を貰う必要があるとのこと。今日は諦めて、他のアートを見せていただくことにした。
一階には角錐のタワーが立っていて、上にテレビがあり、係員が近付けてくれるラジオに耳を貸すと、何やらテレビの映像に同調した音が流れてきた。音楽にも疎い老人はお呼びではないようだった。
A-07:日立電輪塔 二階に上がって、案内されて暗幕の入口を通って暗い部屋に中に入ると、大小さまざまなシャンデリリアが、緑、青、白と美しい色で輝いていた。ウランガラスで出来たシャンデリアと言うのが特徴らしいが、とにかく綺麗だった。シャンデリアは原子力発電をしている国ごとに一つあり、その国の原子力発電量に比例した大きさになっているという。真ん中の大きいのはアメリカで、日本のは奥にある意外と小さなシャンデリアだった。
シャンデリアの下に小さな白い造形があって目立っていたが、何だったのかなあ。
日立の街中には展示場はなく、次は神峰公園下にある日立郷土博物館に移動した。
博物館の玄関周りには、日立市内の小学校や中学校の生徒が創った色々なエンブレムが展示されていた。
受付を通って入った最初の常設展示室には、ユネスコ無形文化財に登録されている「日立風流物」の精巧な縮小模型が、さくら満開の平和通りで興行中の写真の前に展示されている。
山車の上で演じられる役者像や、でんぐり返しのカラクリを説明する模型なども並んでいた。
その奥には、昔の住居や、お宮への御供え物、農機具など昔の風習を残す写真があり、さらに出征兵士を見送っている写真や残った者同士が助け合って炊き出しをしている絵など戦時中の記録も展示されていた。
A-12:日立工場の建物間の何もない場所で、私は未開人と飢饉や戦争の犠牲者たちを織り込んだ詩を読む 次の部屋の床上に、色々な石英のような石が載せられたお盆が一列に並べられていた。
石の一部が微かに光って点滅いるものがある。係員に薦められて手に持つと光は消え、下に置き直すとまた光り出す。魔法のようだった。
次は県道36号を山に向かって走って、高速道を過ぎて峠近くにある日鉱記念館に入った。
常設展示場には、日立鉱山から掘り出された鉱石や、鉱山の歴史を物語る写真、削岩機を使う鉱夫像などあって見飽きない。
日立駅から本山までの広い地域にあった日立鉱山関連施設を示すパノラマ図には、和子が住んでいた社宅の場所も明示されていた。
その奥には、色とりどりのプラスチックで作ったネジやバネ、油圧ジャッキ?などを組み合わせた機械みたいなものがあった。前は組み立てて遊ぶことができたらしいが、今は見るだけ。
最後は峠を越えたところにある御岩神社、入口に立っていた案内者に誘導されて駐車場に車を入れた。駐車場から出たところにある大鳥居を潜って長い参道を行く。
仁王門の手前には、御岩神社のご神木で県指定の天然記念物になっている樹令500年の三本杉が聳えている。その前には「森の巨人たち100選」看板も立っていた。
仁王門の左右の阿形像と吽形像を眺めて、門の下に入って上を見上げると、海の岩礁の上に昇る日の出の絵があった。
仁王門から先に進むと、左手にA-15へ150mの案内標識があり、その下に説明板が取り付けてあった。
石段も社も避けて坂道を登っていき御岩神社手前までくると、で杉の木立の間から、空色のハンモックの様なものが見えてきた。これが杜の蜃気楼だと喜んで二人でシャッタを押す。
踏み跡を辿って造形の真下に来て見上げると、杜の蜃気楼は意外な形をしていることが分かった。両側のカーテン2枚を繋ぐ仕切り板の様なカーテンが、等間隔に並んで桝目のようになっていた。
本殿近くまで来て振り返ると、始めに見た時と同じようなカーテンに見えるが、気の所為か中に仕切りがあるのが気になった。
日立市内案内図を見てA-14の造形は建物の壁にあるものと思っていたが、それらしき所はどこにも見当たらなかったし、この先にもなさそう。引返しながら左右に目を配りながら歩いていったが、駐車場まで遂に見つからなかった。駐車場で案内者に訊くと「A-14は斎神社の天井絵ですよ」とのこと。私の神経痛を気にして石段を避けて歩いたので斎神社を見落としたようだ。駐車場閉鎖の17時にもう近いが、急いで引返してみることにした。私もステッキをつきながら懸命に歩いていくと、心配した案内者が追いついてきて、斎神社まで案内してくれた。斎神社にはもう明かりがついていた。
天井を見上げると、長いひげを持つ雲龍が大きな口を開け、怖い目を見開いて大きな爪を立てて雲間から睨んでいる絵が天井いっぱいに描かれていた。
雲龍図を眺めて駐車場に戻った時は制限時間の15分前、案内者に何度もお礼を言って神社を後にし、R349へ出て常陸太田経由で我が家に帰った。最後の御岩神社は、私としては随分頑張ったウオ―キングになりました。