G122.韓国出張・スイス出張

1.動 機 
 戦時中朝鮮を日本が統治していた時代に建設した華川ダムに、1944年以来日立が納入した落差75.7m出力3万kW4台が運転されている。今回の韓国出張はこの水車のメンテナンスと共に、現状の性能を確認するために現地効率試験を実施するためでした。写真が4枚残っていました。
 スイス出張は、中国の巨大プロジェクト水口発電所の23万5千kW水車7台のうち2台を日立が受注したのに伴い、中国から要求され第三者による模型水車性能試験を、スイスのローザンヌ工科大学で実施して頂くことになり、この試験の立合いのための出張でした。若い技師と同行して立合いをし、休日にはスイスアルプスを案内したので、アルバムにあるアルプスの写真には殆ど私の姿が入っています。。

1.韓国華川発電所 1991/04/16〜21
 華川発電所のダム湖脇の広場には「破虜湖」の石碑が立ち、お宮のような展望舎があり、これをバックにして水車メンテナンス担当者と一緒に写った写真がある。
 破虜湖は日本統治下の1939年以来5年かけた華川ダム建設によってできた人造湖で、建設時の名前は「大鵬湖」だった。韓国の歴史では、このダムをめぐって1951年5月26日から韓国第6師団と中国義勇軍が激戦を展開し、4日間の戦闘で約2万人余の中国部隊を壊滅させ、韓国軍が圧勝したと伝えられている。当時の李承晩韓国大統領は4年後に同湖を訪れ、中国の女真族に対する侮称である「オランケ」(北方の野蛮人の意)を打ち破ったとの意味の「破虜」を湖の名として定め、大統領直筆の石碑を立てたという。
(破慮湖の碑)
 発電所に近い華川市に宿をとって通った。
(華川市街)
(華川の市場)

2.スイスローザンヌ工科大学出張 1992/01/11〜23
 スイスへの出張は、ローザンヌ大学で中国の顧客が立合う日立水車の模型試験をサポートするためで、この水車を設計した若い技師と同行した。
 最初にチューリッヒ工科大学での写真が貼ってあるのだが、何の要件で立ち寄ったのだか分からない。チューリッヒ工科大学はアインシュタインやレントゲンなどを輩出した世界有数の工学系大学、仕事の日誌を廃棄したのが悔やまれる。
(チューリッヒ工科大学前)
(チューリッヒ工科大学屋上から)
 同じ日にチューリッヒでは、リマト川を挟んで立つ有名な教会フラウミュンスターとグロスミュンスター大聖堂の写真がある。
チューリッヒのリマト川をはさんで、教会フラウミュンスターとグロスミュンスター大聖堂。フラウミュンスターは大時計と青みがかったグリーン色の尖塔が印象的で、グロスミュンスター大聖堂はロマネスク様式で建てられた二つの塔が目立つ。フラウミュンスターの向こうに見える大時計のある尖塔は聖ペーター教会。
(フラウミュンスター聖母聖堂と聖ペーター教会)
(グロスミュンスター大聖堂)
 ローザンヌへ行くと、ローザンヌ大聖堂の写真がある。
    ローザンヌ旧市街の丘の上に建つ大聖堂。◇正式名称は「聖母マリア大聖堂」。ノートルダム大聖堂はパリが有名だが、この名称の寺院・大聖堂はヨーロッパ各地にある。ここもその一つで、12〜13世紀にかけて建造されたスイス屈指のゴシック建築の傑作とされ、ローザンヌのシンボル的存在といわれている。
(ローザンヌ駅)
(ローザンヌ大聖堂)
 今回の出張の主題である模型水車の写真もあった。赤いペンキを塗った部分が日立の模型水車で、その他はローザンヌ大学の設備です。13日には模型水車は組み上がっており、17日には立合い試験が終了承認されて、関係者全員での集合写真が撮ってある。
(模型水車試験架台)
(中国立会官団)
 模型立合試験が無事終了した翌日、出張最後の一日を使って、若手技師をスイスアルプスに案内した。ローザンヌからチェルマット村迄電車、チェルマットから登山電車に乗換えてゴルナグラートへ向かった。ゴルナグラートは4年前のスイス単独出張の時に楽しんだところです。(Gb1.スイス出張(1)アルプスの山々)
(チェルマット駅)
(登山電車からチェルマット市街を望む)
 登山電車からもマッターホルンの山が綺麗に見えて大満足。
(登山電車からマッターホルン)
 ゴルナグラート駅についてテラスで昼食、大きなソーセージをつかんで嬉しそうな顔をしている貴重な写真です。
(ゴルナグラート駅)
(昼食)
 ゴルナグラート展望台に上ると、天気も良くて四周に展開されるアルプスの山々が全部見えて、案内者として鼻が高かったことでしょう。
(マッターホルン・ダンブランシュ)
(モンテローザ)
(ゴルナグラート展望台から:モンテローザ・リスカム・カストール・ポラックス)
(ゴルナグラート展望台から:マッターホルン・ダンブランシュ・オーバーがベルホロン・ツイナルロートホルン・ヴァイスホルン)
 煩い中国のお客さんから水車性能合格の承認を頂くことができ、ヨーロッパアルプスの展望も楽しむことができて、充実した出張になり、二人での帰国の途はさぞや楽しいことだったでしょう。
 次はヴェネズエラで建設中だった巨大な水力発電所の建設現場を紹介します。


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